八月のクリスマス 追補


全州火葬場

 親友チョルグからの電話を受けたジョンウォン(ハン・ソッキュ)が参列する葬儀の場面は、最初DVDの特典映像にある通り、ソウル市内のポヌンサ(奉恩寺、COEXの北にある大きな寺)でも撮影されたが、最終的に使われたのは、ほとんどの撮影の舞台となった群山に近く、ホ・ジノ監督の故郷でもある後百済の古都、全州にある火葬場で撮影されたものだった。
 火葬場の入口に立つハン・ソッキュと木陰の石に腰掛けるハン・ソッキュ。このわずか2カットのために全州ロケが行なわれたことになる。

 実際現地に行ってみると、ハン・ソッキュがその木陰に腰をおろしていた木は参列者を乗せて来るマイクロバスの邪魔になるためか切り倒されて、その跡はコンクリートで埋められていた。また、火葬場の建物の前には新しく白いブロック塀が作られ、入口の塗装は緑。映画とは違う印象を受けるが、塀の内側の建物の形はまぎれもなくあのシーンのもの。


行き方
 ソウルから南へ約200km、全州へは高速バスを使うのが一番便利。地下鉄3号線「高速ターミナル」から、全州行きのバスがひんぱんに発車している。
 高速ターミナルからのバスは、通る高速道路の方面別に「嶺東線」「京釜線」「湖南線」に分けられるが、全州などへ向かう「湖南線」はマリオット・ホテルや新世界デパートに近いセントラルシティ新ターミナルに移っているので注意。
 高速バスは途中一回、トイレ休憩のためSAに約10分停車。全州までは約3時間。
 全州のバス・ターミナルに降りた後は、タクシーを使う以外ない。あらかじめ紙に韓国語で「ファジャンジャン(火葬場)」と書いておき、それを運転手に見せる。そんな行き先を告げる観光客などまずいないはず。
 市の北西部、タクシーなら約15分。墓石が並んだ丘が右に見え始めると火葬場は近い。


 映画には、印象的な木が登場することが多い。同じく切り倒された「八月のクリスマス」写真館前のプラタナス、「グリーンフィッシュ」の柳、「猟奇的な彼女」のタイムカプセルを埋めた木、「戀風戀歌」でふたりが再会する木、「西便制」でオ・ジョンヘが腰掛けてパンソリを歌う木、「フォレストガンプ」の大きな木、 田中麗奈主演「はつ恋」の古い桜の木・・・。

 せっかく全州まで来たのだからと見に行った「郷校」の庭にある樹齢400年と言われるイチョウの木は「
YMCA野球団」にも登場している。




ジウォンと会う道

 ジョンウォンが初恋の人ジウォンとすれ違い、それに気付いてスクーターをUターンさせ、話しかける道。
 ジウォンを演じているのは03年の大ヒット映画「殺人の追憶」でソン・ガンホ初のラブシーンの相手を務めているチョン・ミソン。

行き方 写真館からは南へ500mくらい離れた場所。バックに写っている世界的ホテルチェーンとは何の関わりもないハイアット・モーテル(住所は月明洞21-4)の看板を頼りに。


ガソリンスタンド

 ジョンウォンがスクーターに給油するため立ち寄ったガソリンスタンドに、タリムの乗った駐車指導車が入ってくる。この色使いは、LGのガソリンスタンド。


行き方
 群山市の大学路を南下、工団大路との交差点を過ぎるとすぐ右にある。



刺身屋

 チョルグと行った刺身屋の入口、なんとここはタリム(シム・ウナ)と先輩が真味食堂に入れず、昼食をファースト・フードですませた木陰の前だった。店の前には左右に大きな水槽があったはず。ここは本当の刺身屋だったのか、セットだったのか。ガラスの入口にはクレジットカードのステッカーをはがした跡があり、映画に写っている店名と同じ文字のカッティング・シートの跡もある。飲食店だったことは間違いない。

連れションの塀

 刺身屋を出た後、もう一軒行こうとチョルグを誘うジョンウォン。店を出た二人は店の近くのレンガ塀の前で連れションを。

 ちょうど同じころ見た「グリーン・フィッシュ」にも兄弟4人がそろってするシーンがあり、これは韓国映画の定番シーンかと思ったことがある。

酔ってふざける夜道

 ジョンウォンは「もうすぐ俺は死ぬんだ」とチョルグに耳打ちするが、彼は信じない。酔った二人がふざけ合う夜道は上記2場面とつながる群山西初等学校の塀の横の道。映画に写っている学校のコンクリート塀も改築のため壊され、今は道から運動場の様子が見える自然石の低い石垣になっている。


踏切 この場所は掲示板でとくさんに教えてもらい行って来ました。

 雨の中歩いてきたタリムは踏切を渡ったところで、オートバイ屋に来ていたジョンウォンに会う。
オートバイ屋があったはずの場所は廃材の山。意外だったのは近くにあった洋酒・ビールの店。映画で見たのと同じような飾りがしてあった。
 この線路を右に行くと群山駅。

行き方 群山バスターミナルのすぐそば群山観光ホテルの正面にあるLGのガソリンスタンドから、大きな通りを南へ横断する。そこから線路の方向へやや小さな道へ入っていくと映画と全く同じ踏切が見えて来る。


風呂屋

 校庭を走った後ふたりが行き、先に出たジョンウォンがミカン2つを手にタリムを待つ風呂屋。
チョンス(青水?)という風呂屋がムンファ洞にあると知り、行ってみた。入り口は似ているが、壁を始め周辺の景色が全く違っていてここではなかった様子。
 探し当てた方はぜひお知らせください。


すっかり変わった「八月のクリスマス」のロケ地

 「八月のクリスマス」ほど、ロケ地が映画そのままという作品はなかったが、それも急速に変わってしまった。

 まず、写真館(これは最初からセットで、撮影終了後すぐガレージになった)の周辺。隣にはHOFが建った。
 ガレージが残っているのがむしろ不思議なくらいのまわりの変わりようだ。
 おまけにこのHOFは映画のスチルまで使った看板を掲げ「8月のクリスマス」という店名になっていた。(2003年9月撮影)

 次に群山西初等学校 冒頭のモノローグ、校庭を走る二人、雪景色などで印象深いこの学校も校舎の改築に伴って、塀の改修、古タイヤの撤去など大規模な改装が行なわれ、色は変わったものの鉄棒だけが映画撮影当時の姿をとどめている。

フィール・コーヒー

 DVDのチャプターにも「今生の別れ」とある名場面を撮影したフィール・コーヒー。ジョンウォンが勤務中のタリムにガラス越しの別れを告げる。看板まわりに手が加えられ、雰囲気がやや変わったが半円形の窓や外壁はそのまま。窓に書いてある店名も映画と同じ。
 ちなみにジョンウォンが座っていたのは向かって左の窓側の席。

 そして、ついにフィールコーヒーも・・・。04年10月に群山を訪ねた大韓昌運さんによると、フィールコーヒーは写真のような焼肉店に変わってしまった。見ると入口と外壁はほとんど手が加えられてないようだが、あのアーチ形の窓がなくなっている。


レストラン

 写真館跡の向いにあるレストランは、映画には直接登場していない。重い荷物を持って歩くタリムをジョンウォンがスクーターに乗せてやる場面で店の裏側が写っている程度。撮影中ハン・ソッキュも食事をしたというこのレストランは、その後、駐車場の場所まで拡張され、欧風レストラン「アルプス」になったが、メニューのウケが良くなかったのか2003年8月現在韓食堂「ネ・サラン」になり、カルグクスといったノボリが店のまわりに立っている。しかし、内装は欧風のまま。山小屋風の2階は、夜はHOFとして営業中。



〈グリーン・フィッシュ〉追補

ユニオン・ホテル

 正面に黒塗りの車で乗り付けたペ・テゴン(ムン・ソングン)が愛人ミエ(シム・ヘジン)を検事が待つ部屋へ差し向けるホテル。運転手のマットンイ(ハン・ソッキュ)はその一部始終を見ている。
入口階段のまん中に木が生えているのが特徴的。
 このホテルは別の映画のクレジットにも出て来た。ソウル総合撮影所のある場所に近いということでよく使われるのだろう。

行き方 ヤンスリからソウル総合撮影所への45号線が46号線に突き当たるすぐ左手前にある。



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