復讐者に憐れみを 

 「JSA」に続く主演ソン・ガンホ、監督パク・チャヌク作品ということで注目されたが、韓国での観客の反応は鈍く、上映はわずか2週間で終了した。
 しかし、この映画の作品性に対しての評価は高く、02年秋には釜山映画批評家協会賞の最優秀作品賞と監督賞を受賞した。03年のベルリン映画祭にも「JSA」に続いて参加した。
 日本では02年の東京国際映画祭で上映。
 

ドンジンの家 (外観)

 妻に去られた会社社長のドンジン(ソン・ガンホ)が一人娘と暮らす豪邸。新興の高級住宅地として知られるソンナム(城南)市プンダン(盆唐)の中でも特に立派な家が立ち並ぶ一角。

行き方 地下鉄3号線の終点「スソ(水西)」でプンダン線に乗り換え「ソヒョン(書 山見)」駅下車。タクシーでテジンコキョ(大真高校)まで行く。高校のある交差点から南西へ2ブロック入った所、住所で言えばプンダン洞47-10が、まさにその家。
 このあたりの家はみんな「SECOMしてます」
 主演俳優の自宅も近いが、もちろんここではない。

ドンジンの家 (内部)

 上記の家の番地は47-10だが、エンド・ロールにクレジットされているのはその5軒隣の47-15。これはなぜだろう。
 ドンジンの家のリビングに刑事(イ・デヨン)が訪ねて来る場面で自動カーテンがついている広い窓の向こうには樹木と黄色い鉄骨のようなものが写っている。47-10のドンジンの家の前はすぐ道路になっているのに。
 47-15の家の裏手(写真)に回ってみると・・・まさしく家の中のシーンで見えた景色。リビングの撮影はこの家の実際の部屋を使っていたのだ。

2万5千円
 アックジョンにアレを売っている店があった。
定価25万ウォン。さすが小学生の娘に携帯電話を買い与えるパク社長。
 ちなみに、この品物は30%オフの対象外。それぞれのパーツに空気を入れて使うようなしくみになっている。




部品工場の社長の家

 最初にリュ(シン・ハギュン)が誘拐の標的にしたのはドンジンの娘ではなく、直前まで勤めていた部品工場の社長の娘だった。解雇に抗議してドンジンに直訴、カッター・ハラキリにおよぶドンジンの会社の元社員キ・ジュボンの姿を偶然見たことから運命の歯車は狂い始める。
 実はこの部品工場の社長宅、上記ドンジンの家の右隣にある。住所はプンダン洞47-11。

 左写真がドンジンの家の前の道路で、キ・ジュボンのハラキリ現場。社長宅の前でソン・ガンホを待ち構えて直訴しようとしていたとすれば、辻褄が合う。


ヨンヒ洞公務員アパート

 シン・ハギュンと姉が住んでいて、シン・ハギュンが工場から帰って来ると痴呆症の老人がいつも日なたに座っているアパート。今も公務員のアパートなのかわからないが、正面の石には「公務員アパート」と名前が彫ってある。

 洗濯をしようとした姉がポケットから退職金明細を見つけるシーンで背景に写っているのがスイス・グランド改めグランド・ヒルトン・ホテル。この公務員アパートから全く同じ見え方をする。

 一方、冒頭のシン・ハギュンと姉がラジオを聞いている屋上のシーンはこのアパートではなく、姉が入院している病院の屋上。韓国映画ではおなじみの病院名の入ったパジャマを姉が着ている。背景の道路や山から見て、このアパートに近い場所らしい。

 シン・ハギュンが氷水に浸したタオルで姉の体をふいてやるシーンがあり、その前にふたりが住んでいることになっている401号室が外から写るカットがある。左がそれと同じアングルの写真で、赤丸が401号室。
 

行き方 地下鉄3号線「ホンジェ(弘済)」駅下車。派出所では赤い6番のマウルバスに乗れと教えてくれたが歩いた方が早そう。地下鉄駅の上の通りを南東に200m、右折して「モレネキル」という道に入る。300mで右にコウン小学校、左にイスラム寺院のような形をした派手な色のテコンドー教室。その道場の脇の道を入って右上を見ると、一番高い丘の上に外装のペンキがはげたきたないアパートが一棟建っている。石段をかなり上らなければならない。


ポティコゲ駅

 誘拐された娘の身代金を持ち、ソン・ガンホが降りて行くエスカレーターがある地下鉄駅。一番新しく開通した地下鉄6号線にあり、イテウォン(梨泰院)から東へ2駅。ホームが深い位置にある韓国の地下鉄駅ならではの大エスカレーター。

 完成したとあれば、すぐ映画に使いたくなるのも納得できるユニークさ。
このエスカレーターで撮影したミュージック・ビデオやCMもある。

 金湖駅へは、次のヤクス(薬水)で3号線に乗り換える。



クムホ(金湖)駅3番出口

 携帯電話に届く指示に従ってソン・ガンホが下車する地下鉄3号線の駅。脅迫メールにあった通り、地上に出たのは3番出口から。すぐ後ろからペ・ドゥナが尾けて来る。

クムホサン(金湖山)

 ソン・ガンホが呼び出されて、「ゴミ袋をかぶせられたKT」「JSAで助けを求めるイ・ビョンホン」「吠える犬は噛まない」状態に陥る公園は、ハンガン(漢江)を見下ろす小高い山にある。

 シン・ハギュンが隠れていたコンクリートの小屋には鍵がかかっていて入れない。縛られた電柱は、撮影のために中央に立てられたようで、同じ型のものは公園の端に立っている。誘蛾灯はない。

 隣接して軍の基地があり正門の「初弾必墜」と書いてある看板を撮影したりすると警備兵が出て来て2人がかりで尋問される。

行き方 脅迫された通り、金湖駅から5番のマウル・バスに乗れば、終点の金湖山(クムホサン)まで約10分。この5番のマウル・バスは地下鉄「薬水(ヤクス)」駅と「金湖山」の間を循環運転していて、途中で地下鉄「金湖」駅、「新金湖」駅を通る。地下鉄「金湖」駅の2番出口を出たところには停留所がある。「新金湖」を過ぎて坂道を登り、映画の通り右へカーブしたら、すぐ終点「金湖山」。バスはここで方向転換して元の道を戻って行く。帰りもここからマウルバスに乗る。

 マウル・バスは直訳すると「村バス」。市内バスより狭い範囲を運行していて料金も安く、小型のマイクロバスであることが多い。

 ちなみに「新金湖」駅は「忠武路」駅と同様、岩盤を掘ったままのようなデザインになっている。もちろん樹脂製なのだが、色が明るいグレーに変わってからリアリティがなくなった。
 その上、この樹脂は燃えると有毒ガスを出すため、大邱の地下鉄火災事故をうけて撤去されるという。


ペ・ドゥナのアパート

 このアパートでヨンミ(ペ・ドゥナ)は、ソン・ガンホに電気拷問されて死亡。部屋にやって来た出前持ちも口封じのため殺される。 
 
 ここはロッテ・ワールドの北に広がるチャムシル(蚕室)5団地の515棟801号室。

 514棟と515棟の周辺(写真)にパトカーが集まっている時ここへやって来たシン・ハギュンは、8階から10階に階段を駆け上がり、下りのエレベーターに乗ってペ・ドゥナの遺体と一緒に降りて行く。

行き方 地下鉄2号線「チャムシル(蚕室)」駅下車。6番出口から出たところが530棟の横。ここ蚕室5団地は棟番号がすべて500番台。
大型マンションが並ぶ中で比較的小型な515棟は蚕室5団地のまん中あたりにある。


横断歩道

 ペ・ドゥナが「財閥解体」「美軍撤退」というビラを配りながら、目印のバラを一輪持ち臓器密売グループの接触を待った場所。写真の左奥から4WDがやってくるが、この道路の突き当たりでは工事が始まり、右手前の壁面にあった「ファン・ジェ・ボク」という結婚式衣装店の看板も取り外されてなくなっている。

行き方 「猟奇的な彼女」でキョヌが彼女をナンパしようとした交差点から北へ1ブロック。エルメネジルド・ゼニアのブティックを右に曲ったところ。住所で言えば清潭洞88。


新村野球練習場 

 シン・ハギュンが、言葉で表現できない気持ちをぶつけるように、バットを振るバッティングセンター。
 特に2度目は、復讐の決意を胸に厳しい表情でボールを打つ。新村路という大通りに面した場所にあるが打席数は5と少ない。料金は時間制で、10分1.000ウォン、30分2,000ウォン、1時間4,000ウォンとある。

行き方 地下鉄2号線「イデ・イック(梨大入口)」下車、1番出口から西、地下鉄「新村」方面へ歩く、ホテル・ミラボーを過ぎて1ブロック。 地下鉄2号線「シンチョン(新村)」下車なら4番出口からホテル・ミラボー方面へ徒歩10分。


バスキンロビンス アヒョン洞店

 ドライアイスを手に入れるためケーキを買う男。どこまで帰るかと聞かれて答えは「全羅!!」。店員はドライアイスをたっぷり入れる。
 この店の隣もチェーン展開している店で「キムパブ天国」
 ケーキを道に捨てるシーンでは何回NGが出たのか? 道にクリームの油の丸い跡が・・・。

行き方 地下鉄2号線「アヒヨン」下車、1番出口から北へ100m。


 臓器密売一家のアジト

 ペ・ドゥナが場所をつきとめ、シン・ハギュンが怒りに燃えて殴り込む臓器密売一家のアジト。
 1階が商店、2階3階がアパートになっているシンギル6洞ヨンジン市場のA・B棟がロケ地。写真向かって左がA棟、右がB棟。
 
 階段はA・B棟の間の道路から住民が利用する入口で、コンクリートの欠け具合が映画と一致。
 
 壁に3という数字の落書きがある場所だけがA棟の3階で、あとはすべてB棟の2階。

 一家がアジトにしているのは211号室。映画では、入口のドアに「生命生理運動推進協議会 永登浦第2支部」というもっともらしい看板がかかっている。もちろんドアから先、鉄の階段を降りて行く大きな部屋は撮影スタジオのセット。

 あくまでもここは現実にはアパート。住んでいる人がいるので、ストロボをたいたり、騒いだりすると金属バットで後頭部を殴られるおそれあり。

行き方 地下鉄7号線「ポラメ」駅下車。5番出口から出て、そのまま200m歩くとA・B棟のあるヨンジン市場に着く。


シン・ハギュンの隠れ家

 以前姉と住んでいたアパートから秘かに引っ越すシン・ハギュンの"新居"。いわゆる文化住宅のような感じに見えるが、実際は7階建ての5棟からなるチョンウン・アパート。
 
 窓枠をはずして侵入し、罠を仕掛けてタヌキ寝入りしているソン・ガンホ。そこへシン・ハギュンが帰って来てドアのノブを握って感電し気を失う。電気が流れた瞬間、窓から顔を出し周囲をうかがうソン・ガンホの素早いこと!!

 この場面も、シン・ハギュンを引きずり込むところから後は撮影所のセットになる。

行き方 地下鉄3号線「キョンボクグン(景福宮)」下車。2番出口から北へ向かって、広いチャハムンキルを歩く。花とギフトの店「WHILE IN BLOOM」を過ぎ、駅から1200m位行ったところの「チョンウンキル」と書いた道路標識を左折。間違えて真っすぐ行くと道はトンネルになってしまう。
 ここからチョンウンキルの急な坂を登って行くと、左に7階建てのチョンウンアパートが見えてくる。シン・ハギュンの部屋は一番手前にある1棟の1階左端。映画の通り石段を降りた場所。


全羅北道淳昌郡チョクソン面

 撮影をリポートした記事によると、川のシーンはここで撮影されたとある。
重要な場面ばかりでこの映画のツボ。


〈復讐者に憐れみを〉特別編 として別ページにアップ。


 〜おまけ〜 (行っていません)

水原霊火葬場 ドンジンの娘が火葬された最新の火葬場。参列者と炉の間にガラスの仕切りまである。

江辺スポレックス 子供が通っていた水泳教室。江辺という名前が付いているがテクノマートの「江辺」ではなく金浦空港に近い江西区塩倉洞にある。

江南e病院 刑事の子供が入院していた病院。シーツにeの文字。

仏教放送局 リュの投書を放送したラジオ局のスタジオ。


〜番外編〜
鐘路タワー「TOP CLOUD」

 2001年7月24日、「復讐者に憐れみを」の主要メンバーが顔をそろえた制作発表会の会場に選ばれたのがここ「TOP CLOUD」
 国税庁が入っている通称鐘路タワーの最上階にある展望レストラン。

「反則王」のラスト、朝興銀行のビルから見たソウル中心部の映像で最後に写るのがこのビル。地下は、一大ショッピング・センター「ミレニアム・プラザ」になっている。
また「フー・アー・ユー」のラスト・シーンもこのタワー前の横断歩道。

行き方 地下鉄1号線「チョンガク(鐘閣)」下車。3番出口から出る。

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