夏物語 その年の夏

儀旺鉄道博物館


 「夏物語」の撮影は06年夏にここから始まった。地方の農村スネリへ奉仕活動に向かうソギョン(イ・ビョンホン)、キュンス(オ・ダルス)たち大学生グループの乗った列車内のシーンがここに展示されている客車の中で撮影された。
 左の青い車輌が1960年代の普通列車、右の緑色の車輌はトンイル(統一)号。
映画で使われているのは左の普通車輌。ただし、映画ではこの座席に白い布のカバーがかかっている。


 SLをはじめ、1966年に訪韓したジョンソン米大統領が乗った朴大統領専用特別列車なども展示されてはいるが、ロケ地以外の興味で行くにはあまりお勧めするほどの展示物がない。


行き方 ソウルの南、ウェワン(儀旺)市にある。1号線のチョナン(天安)、スウォン(水原)方面行きに乗り(インチョン行きはクロで分岐して違う方向へ行く)ウェワン(儀旺)下車。2番出口から線路に沿って南へ500m歩く。このウェワンは少し前までプゴク(富谷)という駅名だった。


西大門拘置所歴史館


 イ・ビョンホンの父の力で釈放されたスエが出てくる刑務所。門から少し離れた場所にビョンホンが立って待っている。
ここは本物の刑務所に比べて撮影許可がおりやすくて使い勝手のよい場所なのか、いろいろな映画やドラマで見かける。最近では「家門の復活」で服役していたコン・ヒョンジンが、また「家族」では非行少女を演じたスエが刑務所の小さな扉から出所してくる。


行き方 地下鉄3号線「独立門」5番出口のすぐそば。出口から左を向くともう拘置所の監視塔が見える。
    独立門は長い中国(清)の支配から(日本の後ろだてで)脱したことを内外に示すもの。


旧ソウル駅舎


 CGで作られた昔のソウル駅のふ瞰シーンが短く写った後、駅の前を歩くイ・ビョンホンとスエ、そして待合室でのふたりの最後の場面が撮影された。


行き方 地下鉄1・4号線ソウル駅下車。2番出口の前が旧駅舎。日韓併合時代に建てられた歴史的な様式の建物。映画「黒水仙」のラストシーンにも登場するが、KTXの開通とともにできた新駅に全機能が移転して旧駅舎は閉鎖され、中には何も残っていない。
 旧ソウル駅は東京駅、台湾の台北駅は旧大阪駅をモデルにつくられたと言われる。


廃校


 イ・ビョンホン、オ・ダルスら大学生がスネリへやって来て、宿泊所にもなる学校。野外映画上映会もここで開催される。廃校になった分校で、隣が養蜂場らしく蜂蜜を集めるのに使う箱が教室内に置かれたりしている。映画で「スネリ国民学校」という木札がかかっていた校門も倒されているし、井戸にポンプはない。



教会(図書館)跡


 スエの父親が村の人のために作り、今はスエが司書として勤めている図書館。本来は村の教会だったらしいが、現在は鐘の塔だけを残して建物はなくなり、新しい施設が建設されるもよう。敷地の隅に燃えた木材が残っていて、セットの残骸らしい着色された板もその中にあった。教会も本当に燃やされたのか?それにしては地面が全く黒くないが・・・。しかし、メイキングには消防士立ち会いのもとにここで撮影された様子が写っている。


行き方 この廃校と教会があるのは、慶尚北道イェチョン郡ヨンムン面ソンドンマウル。 中央高速道路イェチョンICを降り、突き当たりをイェチョン方面(左)へ。にぎやかなイェチョンを通り過ぎ、928号線を8kmくらい走りヨンムン面事務所まで行く、そこからチョンヨン寺の方向への一本道を北西へ5kmくらいで道の脇に廃校が見える。教会跡はさらにその先100m。



チョン・ヨンジュン氏家屋 蓮亭


 慶北・永川市にあり、目の前の池に蓮が一面に広がった「蓮亭」で、イ・ビョンホンとスエの重要な場面が撮影された。
手持ちの地図には観光名所のマークが入り、赤い文字で「チョン・ヨンジュン氏家屋」と書かれていたので簡単に見つかるかと思ったら、地図で示された場所に行ってみると一面の田んぼ。通りかかった農夫に聞くと「チョン・ヨンジュン氏家屋」がおよそありそうもない農家の集落を指し示された。その村にたまたまヨンジュンさんという人が住んでいるのではないだろうか。寺で聞いたところ、住職は場所を知っていて正しい位置を教えてくれた。近くまで行くと「映画撮影場所へ400m」という立て札。


 「チョン・ヨンジュン氏家屋」というのは「蓮亭」のそばにある母屋の方をさすようで、現在も人が住んでいて衛星放送受信用のパラボラまである。説明看板には1725年に建てられた貴族の家で「重要民俗情報資料第107号」に指定されているとあった。


行き方 テグ・ポハン高速道路プクヨンチョン(北永川)ICをおりてシンホリ方面へ走り、高速道路の下をくぐって69号線に突き当たるT字路を左折すると約1km。道の左側にある。



ポムン(普門)駅


 映画では江原道にあることになっている架空の「スネリ駅」という設定。
イ・ビョンホンら大学生が村を訪れる37年前の場面と放送局のキムPD(ユ・ヘジン)、放送作家のスジンが取材のために降り立つ現在の場面の二度登場。時代の流れを感じさせるように看板をはじめ外観を変えて撮影されているが、どちらも慶北線の廃駅「ポムン」を使っている。この駅は1990年代の終わりに無人駅からついに廃止されたという。このあたりは鉄道の経営合理化が激しく、現在も駅として機能している「イェチョン」と「オドン」(こちらは無人駅)の間でもポムンをはじめ3つの駅が廃止され、その間は15kmも駅がない。ポムン駅跡へは車で行ける道がないらしく、雪も激しく降ってきたので線路を歩くのは断念した。モノクロの写真はHPから。

 そして07年2月に再チャレンジ。近くまで行きながら気が付かなかったのは駅舎が完全に取り壊されていたからだった。最初の写真は耳の遠くなった元村長が囲碁をしていた駅の前。HPの写真と見比べると木の形が同じなのがわかる。またスレートに赤と緑の色を塗って撮影用に作った屋根の破片が散乱していた。下段の2枚は列車を降りたホームの方向から撮ったもの。映画にもはっきり写っていた水飲み場だけが残っている。


行き方
 中央高速道路イェチョンICを降り、突き当たりをイェチョン方面(左)へ。大きな橋を渡ったらバス停のあるところをすぐ右折して坂道を線路のある方へ降りて行く。下り切ったところにある踏切から、わずか100mの場所がポムン駅跡。時たま列車が通るので注意。



ケミョン大学


 イ・ビョンホンが通っているソウルの大学という設定でテグ(大邱)市にあるケミョン大学が使われている。学生運動のリーダーたちがテラスから演説するシーンや学生と警官隊が衝突して催涙弾が飛び交い、イ・ビョンホンとスエが逮捕されるシーンが撮影された。学生集会が野外音楽堂で開かれ、学生運動に関心のないイ・ビョンホンは途中で出て行く。


行き方 駅やバスターミナルからタクシーで10分。テグ(大邱)市内にはケミョン大学のキャンパスが二ヶ所あるらしく、ここはそのうちケミョン・キャンパスの方。


マノサ(萬魚寺)

 魚の形をした石が再びスエの手に渡る重要な場面。
慶尚南道・ミリャン(密陽) 市の南東部にある寺で、映画に出て来た一面石のエリアがある。映画で語られていたように魚が石になったという竜王伝説がある。石というよりも角の丸くなっ た巨大な岩の集まりで、予想していたよりずっと大きいことに驚く。そのひとつには「石で叩くと音がします」という木札がおいてあり、カーン!カーン!と澄んだ音がする。
  寺には「〈清風名月〉の撮影地」という看板も立っている。


行き方 うまい交通手段はないようで、結局サムランジン(三郎津)駅からタク シーに乗り、駐車場で待っていてもらうよりほかなさそう。レンタカーで行く場 合も、寺が近くなると車一台しか通れない細い道になり、相手がバックして道を譲ってくれることはまずないので、いつもすれ違うことができる場所を意識しながら運転しなけ ればならない。

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