ラジオスター ネタばれ多数 

 「トゥーカップス」から13年、「NOWHERE 情け容赦無し」から7年、初顔合わせの「チルスとマンス」からは18年。
アン・ソンギとパク・チュンフンの名コンビが復活した。

 評論家の評価も高く、06年9月末に封切られて、後から公開された映画が次々に姿を消す中、12月にまで及ぶロングランになった。

 監督が「黄山ケ原」でパク・チュンフンと仕事をした「王の男」のイ・ジュニク。
主題歌はチェゴン(パク・チュンフン)のヒット曲という設定の「雨とあなた」。OSTにはヨンウォル(寧越)唯一のパンクロックバンド「イースト・リバー」を演じるノーブレイン(No Brain)とパク・チュンフンが歌うヴァージョンやアン・ソンギの愛唱歌「美人」も入っている。後半、公開放送の場面で聞ける彼の携帯着メロに注目。

06年12月の第27回青龍賞では、主演のふたりが異例のダブル主演男優賞を受賞した。


07年6月の大鐘賞で作品紹介をするパク・チュンフンと主演男優賞のアン・ソンギ


世宗大学テヤンホール


 人気絶頂のロック歌手チェ・ゴン(パク・チュンフン)のコンサートが開かれている1988年。このシーンはイ・ジュニク監督の出身校、世宗大学のテヤンホールで撮影されている。ここは大学の行事のほかミュージカルの公演や各種コンサートにも使われているらしい。テヤンの意味が太陽か大洋なのかは大学の職員に聞いても知らない。ホールが大きくて広いという意味とロビーにかかっている海の絵から想像して"OCEAN"だろうとは思うが・・・。
 警備員にガードされ、衣装を持った襟足の長いマネージャー、パク・ミンス(アン・ソンギ)とパク・チュンフンが会場を後にするシーンはテヤンホールの隣にある建物で撮影されている。


行き方 地下鉄7号線オリニデコンウォン(子供大公園)の6番出口から地上に出ると、韓屋風の世宗大学正門がある。テヤンホールは正門を入ってすぐ左。


ユン・シネの熱愛


 ソウル郊外、ハナム(河南)市ミサリの通称カフェ村に並ぶライブカフェのひとつ。名前の通り80年代に「熱愛(ヨレ)」という大ヒットを放った女性歌手ユン・シネの店。



 映画では、88年の「歌手王」に輝いたかつての人気ロック歌手チェゴン(パク・チュンフン)がステージで弾き語りをしてる。マネージャーのパク・ミンス(アン・ソンギ)は2階の席 (写真下右)からアイスキャンディを手に見ている。この仕事にしても彼がやっと取ってきたのだが、パク・チュンフンは客とのトラブルから店のオーナーを殴る暴力沙汰になり、警察に連行される。



 「熱愛」に行ったのはまだ夕方、客は2組だけしかいなくて、7時から出演する予定の歌手とそのマネージャーが打ち合わせやステージのチェックをしていた。出演陣はナム・ジン(映画「大韓民国憲法第一条」で神父役を演じたかつての人気歌手)やナ・フナなどやや昔の歌手が多く、店やステージのつくりもレトロな感じがする。
 ユン・シネさんは今も歌っているようで店に出演日を書いたポスターが張ってあるほか、ナイトクラブのポスターも見かけた。


行き方 地下鉄ソンネ(松内)からは意外に遠く、タクシーで1万5千ウォンくらいかかった。ミサリへ行くには「チャムシル」か「ソンネ」という昔の交通事情が頭にあったためで、今は地下鉄5号線の終点サンイルドン(上一洞)でタクシーを拾えば近い。ミサリ漕艇場の横を走る道路に沿ってたくさんのライブカフェが並び、その中でも「熱愛」はボート・コースのスタート地点付近 = 一番遠い所にある。普段はボートレース(ギャンブルの方)が行われているので、市内バスもあるはず。帰りは従業員のバスにまぎれ込んで地下鉄「千戸」まで乗って行った。




  ヨンウォル(寧越)     

 パク・チュンフンを留置場から出すには示談金が必要。金策に走り回るアン・ソンギにMBSの局長(「シュリ」のOP室長、「ユリョン」の艦長、イ・ジュニク監督の「王の男」にも登場)はチェ・ゴンがヨンウォルでDJをするなら金を出してやると言う。

 ヨンウォルは江原道にある地方都市で「ラジオスター」の大部分はここで撮影されている。東ソウルターミナルからバスで2時間余り。町のあちこちで「Young World」という表記を見かける。町の売り物はゴムボートの川下りと蛇行する川が作る景色(韓半島に見える地形もこの近く)、それに「ラジオスター」の撮影地が加わった。
 セットをほとんど使わず、実際の店舗で町の雰囲気を生かした撮影がされている。主要なロケ地は寧越のメインストリートに集中しているので、見て回るのにそんなに時間はかからない。

ヨンウォルのロケ地こちらの地図を参照。



チョンロク茶房


 番組の人気が出るきっかけを作ったタバン・アガシ、キム嬢が勤めている喫茶店。いわゆる韓国の「茶房」で、コーヒーを頼むと女性が席に来て飲み終わるまでいてくれる。キムさんのような人ならいいのだが、現実は・・・。映画でレジカウンターに座って「キムちゃん、出前よ」などのセリフを言っていたのは実際のこの店の人。店内には劇中で使われた番組宣伝のポスターや出演者との記念写真、サインなどが飾ってある。
 ここをはじめ、映画に登場した店の外壁にはそれを示す真ちゅうのプレートがはめ込まれている。



メインストリート

 チョンロク茶房から出て来たふたり。パク・チュンフンはどうやらラジオの仕事に手ごたえを感じ始めたらしい。アン・ソンギの口からも例のお気に入り「美人」が飛び出す。バッグを投げてふざけあい二人はモーテルへ帰って行く。
 ドミノピザのある交差点から郡庁方面へ伸びるメインストリートを放送局のある丘から写したカットが挿入されている。



東江スンデクク


 イーストリバーのメンバーとの出会い、男の子と家を出た父親のエピソード、スタッフの飲み会など、映画のストーリー展開においてはチョンロク茶房と並ぶ重要な店。ここだけは現存していなくて、現在は「ハルモニ・シクタン」という名前になっている。
 最初にアン・ソンギとパク・チュンフンが入り口の戸を開けて入ってくるシーンで写っているのは写真下右の風景。これがこの店を探す手がかりになった。



チャンフン印刷所 


 刷りあがった新番組のポスターや横断幕を抱えてアン・ソンギが出てくる印刷屋。柱にポスターを張っているところへイーストリバーのメンバーが通りかかるのは下右の写真の場所で、この店のすぐ横。



三叉路


 アン・ソンギとイーストリバーが電柱に登り、横断幕を張ろうとしている場所。ヨンウォルのメイン・ストリートで三叉路はここしかない。正面が美容室で、左の道へ入ればクリーニング店と金物店、右には花店と農協がある。



バス・ターミナル


 ベンチでバスを待つ人の耳に騒々しいロック・ミュージックやパク・チュンフンとキム・ジャンフン(歌手、本人も後半画面に登場)のののしり合いが入ってくる。



ナハナ美容室


 ラジオから流れてくる「午後のリクエスト」の一曲目、シナウィのロックがうるさいので、ほかの番組に変えてくれと洗髪台の客が言う美容室。



領彬款


 放送局へチャジャン麺を出前してくる青年が働いている中華料理店。ヨンピンクァンは「迎賓館」だろうと思って行くと、実はこんな難しい漢字。調理場のチーフはメガネをはずしたイ・ジュニク監督が演じている。出前の注文がかなり多いようで、映画と同じオートバイにヘルメットの配達員が忙しく出入りしている。



クリーニング店、金物店


 ふたつの店が向かい合って建っていて、店主同士は友達。生放送でキム嬢に名指しで「コーヒー代のツケを払ってよ」と言われ、ふたりの行状は町中に知られてしまう。キャストを見ると、メガネをかけた金物屋の主人をやっているのは映画の照明監督。



明洞花園


 農協の窓口にいる女性になかなか愛を告白できない内気な花屋の店主が番組にハガキを書いて、自分の思いを代わりに伝えてとリスナーに呼び掛け、店の前にバラの花を置く。明洞花園と農協は隣同士。



農協


 町の大事な金融機関。花屋の主人の片思いの相手、農協職員が出納窓口に座っている。
花屋の主人も農協職員もやっているのは映画のスタッフ。



KBS寧越中継所


 パク・チュンフンがラジオ番組「午後のリクエスト」を始める放送局。Kの文字をMに変え、MBSという架空の放送局にしている。(MBCドラマ「イヴのすべて」もそうだった) ラスト・シーンの舞台になる局の玄関には「MBSヨンウォル支局」という文字を貼った跡が残っている。

 以前はここで独自のローカル番組を制作していたこともあったというが、現在はウォンジュ(原州)から送られてくる番組を受けて、そのまま放送するだけの中継所としての機能しかない。スタジオには全く放送機器がなく、レコード棚も空っぽ。





 番組制作を担当するのはウォンジュ局で不祥事を起こして、ヨンウォルへ左遷されてきたという設定のカンPD。ヨンウォル支局にはほかに支局長と技術担当のミキサーがひとりずついるだけ。
 建物の前庭にはアン・ソンギとパク・チュンフン、芸能プロダクション社長とパク・チュンフンがベンチに座って話をした場所があり、そこからは丘の樹木越しにヨンウォルではまだ珍しい大規模アパートも見ることができる。


寧越大橋

 ヨンウォルにかかる3本の橋の中では一番新しい。アン・ソンギとパク・チュンフンが話しながら歩くシーン、酔いつぶれたカンPDを背負って歩くシーンのバックに橋の夜景が写っている。



青嶺浦モーテル


 パク・チュンフンとアン・ソンギがひとつの部屋に宿泊するモーテル。「部屋は別々じゃないのか?」と言うパク・チュンフンに「こんなホテルはセキュリティが悪いから、お前を守るために俺が同じ部屋に泊る」と言い訳してフロアに寝るアン・ソンギ。飲み過ぎたカンPDが一泊して朝こっそり階段をおりる場面やアン・ソンギがひとりでソウルへ帰ると言い出し、パク・チュンフンと言い争いになるシーンでも出てくる。


ナムチョン・ガーデン

 イーストリバーのメンバーが練習に使っているビニールハウス。観光地、青嶺浦にあり、普段は老人のいこいの場のような感じ。



踏切


 青嶺浦モーテルを出て局へ向かう3人がビートルズの4人に扮したイーストリバーのメンバーに出くわす場所。アビーロードのジャケット写真よろしく横断歩道を渡ってついてきたメンバーは動物病院の横でアン・ソンギに追い払われ、階段の脇道へと逃げ込む。
動物病院に牛の写真がはってあるのが何とも。



ビョルマロ天文台


 標高800m、ポンレ山の山頂にある銀色ドームの天文台。アン・ソンギがしみじみと星の話をするシーンやウォンジュ局の協力も得て実現した100回記念の公開生放送会場として登場。四季の夜空を手軽に体験できる簡易プラネタリウム(4ケの黒い球)の横が会場として使われている。

 空気の状態が良い日には下の絵葉書のような景色が見られるはず。市内を流れている川が東江、橋は手前から寧越大橋、東江大橋、鉄道橋。天文台に入館できるのは14時から。



トンガン(東江)の岸辺


 アン・ソンギがヨンウォルを去って、全国放送の開始を明日に控えているというのにやる気がないパク・チュンフンをカンPDが怒鳴るシーン。それともうひとつ、あれほど出前持ちを毛嫌いして、横に来るのもいやがっていたキム嬢がお互いバイクを停めてふたり並んで座っている場面の2度出て来る。東江大橋と鉄道橋の間の河川敷から水辺へ降りていく階段があり、そのうちの二つを使ってそれぞれのシーンが撮影されている。



キムパブ屋


 アン・ソンギの妻がやっているキムパブの店。この店の前でパク・チュンフンからの電話を受けていたアン・ソンギは店の中から妻子が出てくる気配にあわてて電柱の陰に身を隠す。後に妻はこの店を売りに出す。こことパク・チュンフンが留置された警察署はヨンウォルに近いチェチョン(提川)市にある。


行き方 現在は「ターミナル・ヘジャンクク」という名前に変わってはいるが、外観はほとんど同じで電話番号もそのまま。変わったのは屋号だけ。もしかしたら経営者もメニューも同じなのかもしれない。チェチョンの市外バス・ターミナル入り口に向かって左50mのところにある。



麻浦駅3番出口


 無料新聞「スポーツ韓国」の一面トップに「チェ・ゴン DJで復活!!」の見出し。パク・チュンフンのためにと彼のもとを去ったアン・ソンギが妻と共にキムパブ売りをしている地下鉄の出入口。

 

 

タイトル一覧へ

掲示板へ