密 陽 ミリャン

第40回カンヌ国際映画祭、最優秀女優賞(チョン・ドヨン)受賞。


 ソン・ガンホとチョン・ドヨンの初顔合わせ。
チョン・ドヨンの映画ともいえるが、「ソン・ガンホが相手役でなかったなら、ヒロインがただ泣き叫ぶだけの映画になっていただろう」という批評を見つけた。「グリーン・フィッシュ」「ペパーミント・キャンディ」「オアシス」のイ・チャンドン監督が久々にメガホンをとることでも話題になった。
場所は慶尚南道の密陽市、ここは「トンケの蒼い空」の舞台でもある。


 カンヌ映画祭でチョン・ドヨンが主演女優賞を受賞してから、地方都市密陽は大きな盛り上がりを見せている。駅前広場に「映画密陽の撮影地」という大きな看板が立ち、観光案内所には「密陽」の主なロケ地14カ所を紹介したパンフレットも置かれるようになった。(ただ、この地図はかなり間違っている)駅に続くチョン・ドヨンのピアノ教室がある道は「チョン・ドヨン通り」という名前がついて、電柱には標識が取りつけられている。

それぞれの場所は密陽の地図参照。

キルボッ食堂


 ソン・ガンホがチョン・ドヨン、その弟、雄弁塾の塾長を招いて食事の席を設ける場所。携帯電話で話をするソン・ガンホをチョン・ドヨンは「あなたは俗物ね」 と評する。この席の横にある窓からは隣の建物が見えるため、撮影時は緑の葉で 隠してある。


行き方 密陽の市街からはかなり離れた山中で、市の中心部から15kmはある密陽市北東部、ピョチュン寺の参道にある。


洋品店「ロマンス」


 チョン・ドヨンと息子がピアノ教室のビラを持って立ち寄る洋品店。ピアノ教室の斜め向かいにあったが、映画の撮影後、「密陽豚足」という食堂に変わった。看板が真新しい。


ピアノ教室


 ミリャン駅から北西へ500mくらいの場所に作られたチョン・ドヨンの自宅兼ピアノ教室のセット。撮影現場を見に行った06年11月4日は家を覗いて様子をうかがっている女の子をチョン・ドヨンがとがめ、女の子が逃げて行った後、携帯電話を取り出して警察へ通報するシーンを撮影していた。

 ピアノ教室のセットは撮影終了後、一旦撤去されたが、カンヌでチョン・ドヨンが受賞するや「なぜ保存して観光資源にしないのか」という声が上がり、再び作られることになった。映画ではセットで撮影された室内まで再現する予定。07年9月現在、内装とラストシーンの舞台となる裏庭の工事が行なわれていて、完成は間近。

そして、ジュン・ピアノ教室セットの復元工事は完成。ピアノをはじめとするインテリアや裏庭もきれいに整えられている。



カーセンター


 ソン・ガンホのカーセンターはピアノ教室とはかなり離れた市の北部、市役所の南西にある。こちらはセットではなくソグァン・カーセンターという実際の店が使われている。この日は撮影がないので従業員がいつも通り作業をしていた。



 撮影が終わり、通常営業に戻ったカーセンターとその事務所。
あのポスターも車の写真パネルも・・・右端が社長のカン・ミョンゴンさん。



密陽の繁華街


 生徒たちを送る途中の雄弁塾長は街で遊び歩いている娘を見つけてワゴン車を停め、車内に引きずり込む。父に「あいさつしなさい」と言われて娘はしぶしぶとチョン・ドヨンに「こんにちは」。これが彼女との最初の出会い。このマクドナルドのある周辺が密陽で最もにぎやかな通りで、後にチョン・ドヨンがCDを万引する「シンナラレコード」は赤い「レコード」という看板の出ている店。



チョンオリ食堂


 雄弁塾に子どもを通わせている母親達とチョン・ドヨンが食事する店。ここでチョン・ドヨンはかわいそうな女だと同情されたくないという気持ちから、土地を買いたいとか貯金があるとか言って見栄をはり、これが悲劇につながる。



MSノレバン


 町内の人たちと歌って、チョン・ドヨンが参加メンバーを見送った後、携帯に不審な無言電話がかかって来る。家へ帰ると身代金を要求する電話が・・・。



龍頭橋の下


 農協(窓口の職員をやっているコ・ソヒはイ・チャンドン監督の「ペパーミント・キャンディ」や「オアシス」に出演。ソン・ガンホの「殺人の追憶」にも婦警役で出ている)で預金をおろしたチョン・ドヨンが指定された場所のゴミ箱に身代金を入れに行く。この橋は映画「トンケの青い空」のラストシーンでも写っている。


密陽公設火葬場


 息子ジュンの火葬が行なわれ、表に出てきたチョン・ドヨンを義母がなじる。
丘の上に建つレンガ造りの大きな教会「密陽聖堂」のすぐとなりにある。




サンムン洞事務所


 チョン・ドヨンが息子の死亡届を出しに行く洞事務所。ここでも彼女は錯乱し、建物を飛び出して行く。この場面では本物の職員がエキストラ出演しているという。


薬局


 横断歩道を渡ったピアノ教室の向かいにある薬局は書店を薬局に作り変えて撮影された。
ここの奥さんのすすめで入信したチョン・ドヨンはやがて宗教に疑いを感じ、店主を誘惑してみる。


密陽南部教会


 チョン・ドヨンが入信して通う教会。ソン・ガンホも腕章をつけ、車の整理係をかって出る。
こんな宗教に懐疑的な内容の映画に撮影場所を提供した教会らしく太っ腹で、二階にある礼拝堂の鍵をあけてここにチョン・ドヨン、あそこにソン・ガンホが座って・・・と解説をしてくれた上、ストロボを使っての写真撮影もOKだった。門にも映画の撮影地を示すパネルが飾ってある。


密陽駅前広場

 駅前で布教の歌を歌うチョン・ドヨンのグループ。ソン・ガンホは冷やかされながらも活動に加わっている。
ミリャン駅は市の南部にあり、KTXも停まるが、KTXの開通は釜山へ出て行く人の流れを加速し、密陽がさびれる一因になったという説もある。

行き方 密陽はKTXでソウルから2時間20分余り、釜山からは35分。


イルマーレ


 信者仲間がチョン・ドヨンの誕生日を祝ってくれる喫茶店。窓の外に密陽市のシンボル嶺南楼が見えている。この嶺南楼はソン・ガンホがお見舞いのため車で橋を渡る場面でも窓外に写っている。
 イ・チャンドン監督の友達、ムン・ソングンが陣中見舞いにやって来て、この店にも現れたらしい。




密陽病院


 チョン・ドヨンが誘拐犯と面会してその言葉にショックを受け、倒れて運び込まれる病院。この病院は患者が減って廃業に追い込まれたと記事にあった通り、中にはベッドも機器もなく、ソン・ガンホがタバコを吸っていた出入り口も工事中だった。建物が病院のつくりであることには変わりがない様子なので、所有者が変わって改装しているだけなのかもしれない。


シンナラレコード密陽店


 チョン・ドヨンがこの店でキム・チュジャのCDを万引きし、信者の集会で説教している牧師のPAにその中の「嘘よ」という歌を流す。ドラマ「美しき日々」でおなじみのシンチョン店を始め、仁川空港店など大チェーン、シンナラレコードが全国で次々と撤退・廃業するなか、ここは小さいながらもまだ残っている。

 このキム・チュジャ・ベストには彼女のヒット曲「ベトナムから帰って来たキム上士」も入っている。




キンヌプ


 宗教の野外集会が行なわれ、牧師が信者たちに向かって説教している公園。チョン・ドヨンはそのPAにCDの「嘘」という歌をかけて立ち去る。




中華料理タレヒョン


 チョン・ドヨンの気分転換にとソン・ガンホが友達がやっている中華料理店を予約するが、彼女に待ちぼうけをくわされる。主人が手打ちで作るチャジャンミョンが絶品。



美容室


 チョン・ドヨンは新しい出発のためにソン・ガンホに案内されて髪を切りに行くが、そこで働いていた誘拐殺人犯の娘が自分を担当するのに我慢できず、ヘアカットの途中で店を飛び出す。店名がちょっと変わっていて「美容室・はさみを持った男」という名前。


ソンヌン・ウィッ・ギル

 映画のイメージを表現するポスターが撮影された場所。
この坂道は「サッドムービー」「・・・ing」でも使われたソウルのラマダ・ソウルホテル裏。

行き方 地下鉄2号線ソンヌン(宣陵)8番出口から三陵公園に沿って北へ歩く。三陵公園の北側、ラマダ・ソウルホテルの南側にある道路がソンヌン・ウィッ・ギル。



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