第12話





STORY

宇宙空間、爆発。

ウルトラホーク2号アマギとソガ隊員パトロール中。

アマギ「宇宙は異変なし、普段より若干多量の放射能を検出。」

本部、フルハシ「放射能か、地球もついこの間までその放射能で
大騒ぎしたもんだ。」
キリヤマ「原水爆の実験でな。しかしもう地球上ではその心配はない。
地球の平和が第一なんだ。」

解説:地球では核兵器が全廃された設定になってます。


街中のシーン、昼休みにバレーボールをしていた女性倒れる。
腕時計のアップ。
道を歩いていた女性倒れる、スカイラインS54急停車、
腕時計のアップ、同じ時計。

最近アンヌ隊員ことひし美ゆり子さんがある掲示板に書き込まれて
わかったのですが、このスカイラインから降りてきて倒れた女性を
介抱する男性は当時助監督をされていた方であの本多猪四郎監督の
ご子息だそうです。この方の詳しい事はひし美さんの著書
「セブンセブンセブン アンヌ再び」をご参照ください。


場面変わって福田博士の研究所。
福田博士いわく、倒れた女性はみんな同じ時計を
していたことを告げる。またこの時計は知人の大学教授
によると地球の金属ではなさそうだという。

福田博士それに続けて亡くなった女性は血液の減少、
特に白血球が皆無に近かったと言う。
ダン 「すると原爆病によく似た症状じゃないですか。」。」

解説:ダンのこのセリフは後年出版された佐々木 守著
「故郷は地球」では違うセリフに置き換えられています。


アンヌ特別休暇で高校時代の友人早苗の家に行くも
早苗はデートのため出かけるところ。
アンヌ「いい時計しちゃって。」
弟のシンイチ「それもプレゼントだよ。」
この時計は倒れた女性のと同じもの。

解説:早苗役は桜井浩子さん。科特隊フジ隊員役のロコさんと
アンヌ隊員役菱見さんが高校時代の同窓生という設定は
ウルトラファンにとってうれしい限りです。

この時アンヌが着ていたオレンジ色のツーピース
なかなか綺麗でした。この時代にしては派手な色ですが
科特隊の制服にしろ、こういう非現実性がセブンの特色また
その色の衣装を選択するのが実相寺監督の個性ともいえます。


本部、作戦室
科学班の分析によるとこの時計には人の血液、特に白血球
を微細に結晶化して貯蔵する機能があることが判明。
また構成金属は地球外のスペリウム製ではないかと
推測された。

ダン 「スペリウム・・・」

ソガ 「人間の血液を微細に結晶化する方法はまだ
地球上では発見されていないはずだ。」

そこへアンヌが帰ってくる。
アンヌ 「あら、その時計どうしたんです?」
キリヤマ「うん、ちょっと面倒な事件になりそうな時計なんだよ。」
アンヌ「そういえばこれ早苗さんが持っていたのと同じだわ。」
ダン「アンヌ、彼女がその時計どこで手に入れたか知らないか。」
アンヌ 「たしか恋人からのプレゼントだって。」
一同沈黙・・・
アンヌ 「どうしたの?」

場面変わって喫茶店。
アンヌ、早苗より恋人佐竹を紹介される。
早苗 「佐竹三郎さんよ。」
アンヌ、早苗がウルトラ警備隊員と言おうとするのをさえぎる。

館内放送 「山部早苗様、山部早苗様・・・」
佐竹 「君、君は僕と会う場所をいつも・・・」
早苗「父と母が旅行中なので万一と思って隣のおばさんに・・・」
早苗、電話をとりにいく。

アンヌ 「佐竹さん、早苗さんにプレゼントなさった時計、
ずいぶん素敵な時計ですのね。どちらでお買いになりましたの?」
佐竹「あれはその、前にヨーロッパへ行った時買ってきたものです。」
アンヌ 「そうですか。ヨーロッパのどちらで?」
佐竹 「あれはたしか・・・」
言えない佐竹。
佐竹 「そういえば彼女時計をしていなかったな・・・」
時計を気にする佐竹。怪しむアンヌ。

アンヌの上目使いの瞳が個人的には たまらない
1シーンです。アンヌさん大好き!!


早苗、「弟が学校で倒れたんですって。」

場面変わってシンイチの学校。
保健室の先生 「軽い脳貧血ですよ。」
アンヌ 「えっ、脳貧血!?」

シンイチ早苗の腕時計をしていた。
早苗 「返してよ。」
シンイチ 「いいじゃんか、今日一日くらい。」 保健室を飛び出す。
佐竹 「取り返すんだ!」 早苗と佐竹も保健室から出ていく。
アンヌ 「脳貧血・・・腕時計・・・」
ビデオシーバーをあけるアンヌ、「こちらアンヌ。」
キリヤマ 「変だな、(略)佐竹という男をつけるんだ、
至急ダンを応援に出す。」

場面変わって砧緑地(ロケ先)、アンヌ歩いている。
ダンを見つけて駆け寄る。

またまた個人的にアンヌのダンを探しているときと
見つけたときの表情の変化がたまらないシーンです。
実相寺監督は女性のちょっとした表情を撮るのが
ほかの監督とは違ってうまいと思います。

佐竹と早苗をつけるダンとアンヌ、しかし尾行中なのに
すっかりデート気分の二人。
アンヌ 「ダン、静かねぇ。」
長くなるので中略。
佐竹、早苗から時計を受け取りわからないようにすり替える。

ダン 「取り替えた!」

佐竹と早苗二手に別れる。
ダン 「よし、佐竹の方をつけるんだ!」

解説:ここでダンとアンヌが乳母車を押している女性に
接触して「すいません。」というシーンがあります。

佐竹の後を追っていくと畑の彼方に百窓の家、現る。
(チビラ君の家ではありません。)
佐竹、中に入ると三人の男が暗闇に上半身だけライト
に浮かんでいる。机の上に何かの機材が置いてある。

佐竹 「これは今日の血だ。」別の男が時計の裏蓋をあけると
白い結晶が時計一杯に詰まっている。水槽のようなものに
その結晶を入れると赤く変化して水槽中の液体がみるみる
赤く染まっていく。心臓の拍動音。ドクンドクン。

男1 「この血液結晶機も大したものだな。」
男2 「うん、実験はほぼ成功とみていいだろうな。」
 「どうだろう、そろそろ仲間を呼んだら。
この血液が完全に我々の命を守ってくれることが
判明したじゃないか、ハハハハ・・・。」

男1 「おい、この血液はどうしたのだ!やけに純度が高いぞ。」
中略
佐竹 「フッフッフッ、それは子供の血だ。そうだ子供の血だ。」
男3 「そうか、子供の血が一番きれいなんだ。」
男1 「どうして今までその事に気がつかなかったんだ!」
男たち 「子供か、子供の血か。」
男3 「子供の血を吸え!」
男2 「これが我々の命を守る血なのだ。」
男1 「よし、仲間を呼ぼう。そして子供の血を。」
佐竹 「ファッファッファッファッ・・・」

解説: この中の「男3」の役者さんはウルトラQ「地底超特急西へ」
でイナズマ号の車掌
役をしている奥村公延さんです。

場面変わって作戦室。
ソガ 「まるで吸血鬼ドラキュラみたいなやつらだなぁ。」

アンヌ 「一体何者なんでしょう?」
「どうして血なんか集めているのでしょうか?」

キリヤマ 「わからん・・。しかし何か得体の知れない連中が組織的に
動いている事は確かだな。」

アマギ 「スペリウム・・・地球にない金属で出来た時計・・・
血液を集める男達・・・隊長! もしかしたら奴らは!」

キリヤマ 「宇宙人だと言いたいんだろう。」

ソガ 「隊長!踏み込みましょうか、奴らの隠れ家へ!!」
キリヤマ 「待て! しっぽをつかまえるんだ。」

場面変わって百窓の家(スペル星人のアジト)の夜景。
ブラックアウトしていく・・・

解説: このシーンは長らく海外版のみと思われていましたが、
最近になって日本語版、つまり本家本元にも存在する
事が判明しました。よく考えれば当たり前の事で、
東芝レコードのサントラに存在する音声の映像が無い
わけがない。これも海賊版ビデオしか見られない事が
引き起こしたものでした。

アマギ隊員は、シリーズ全編を通してもあまりセリフが多くない
のですが、ここのシーンは結構しゃべってますよね。ここを
カットされちゃうとオープニングの「こちら宇宙パトロール中
ウルトラホーク2号アマギ・・・」と後半の「隊長、終わりました。」
だけですもんね。かわいそうなアマギ・・・。



翌朝、新聞配達の少年が坂を下っていく。
本部、ソガが作戦室に入っていく。手にはチラシ。

ソガ 「隊長!これを見てください。」
チラシには「ロケットを描いて宇宙時計をもらおう。」と書いてある。
フルハシ 「くそぅ、奴らの挑戦だ!」

場面変わって百窓の家の前、ロケットを描いた子供が列をなして
いる。そこへ私服のダンとフルハシが現れ、子供を帰そうとするが
子供は押しかけてくる。仕方ないのでスラックスの横のファスナー
を上げるとウルトラ警備隊隊員服に早変わり。
突然、百窓の家が爆発し、巨大なスペル星人が現れる。


スペル星人「ハハハハハ、実験は成功した。我々スペル星人は
地球人の血で生きてゆけるのだ。我がスペル星はスペリウム爆弾
実験のため、その放射能で血液が著しく侵された。我らの血に
代わるもの、それは地球人の血だ。ワハハ。待っていろ、
まもなく我らスペル星人は大挙して地球に押し寄せてくるぞ!」

ダン 「ダンより本部へ、ダンより本部へ!」

キリヤマ 「よし、直ちに出動する。」

スペル円盤登場!

ウルトラホーク1号出動、スペル星人、円盤と交戦。


ホーク1号、レーザーにより円盤に打撃を与える。
スペル星人飛び立って目より光線を発射、ホーク1号方向器
を破損し、着陸。

ポインター号でソガとアンヌ、早苗の家に向かう。
シンイチが佐竹に連れ去られた後だったが、早苗は気が付いて
いないのでアンヌに言われていることが理解できない。

ポインター号の中、アンヌ 「何度言ったらわかるのよ。」
早苗 「だって、信じられないわ、そんなこと。」
ソガ 「捨てなさい、そんな時計。」
早苗 「いやです!」
ソガ 「仕方がない、今に自分の目で見ることだ。」

ホーク1号の中、方向器を修理するキリヤマ、フルハシ、アマギ。
アマギ「隊長、終わりました。」
キリヤマ「よし、氷川貯水池へ急行だ。」
垂直上昇するホーク1号。

氷川貯水池近くの林の中、シンイチを連れて逃げる佐竹。
追うソガ、アンヌ、早苗「佐竹さぁ〜ん。」
エレクトロ・Hガンを構えるソガ。早苗「やめて、何をするの!」
ソガ 「まかしとけ、射撃の腕は世界一だ!」

佐竹、シンイチに逃げられる。
次の瞬間、ソガのエレクトロ・H・ガン、火を吹く!!

三回目の爆発の煙に佐竹が包まれる。

巨大化したスペル星人再び現れる。
ソガ 「やったぁ。わかったか、あれがやつの正体だ。」
ショックを受ける早苗。呆然とスペル星人を見つめる。

上空にホーク1号とダンの乗ったホーク3号が飛来、
スペル星人にレーザーで攻撃。スペル星人も円盤を発進させる。

キリヤマ 「1号機は宇宙船の攻撃にあたる。
ダンは地上のスペル星人を攻撃せよ。」

ダン 「了解。」

ホーク3号攻撃するも飛び上がったスペル星人の目からの光線
に撃墜される。機中でダン、ウルトラアイを装着、セブンに変身。

夕日に染まる氷川貯水池、スペル星人に向かって飛来するセブン。
夕日をバックに交錯するセブンとスペル星人。

戦闘シーンはストップモーション。円盤からフラッシュのような
光線を浴びせられるセブン。ウルトラリングで円盤が発していた
防御シールドを消去するセブン。

キリヤマ 「今だ!!」

円盤にロケット砲で攻撃するホーク1号、命中して炎上する円盤。


スペル星人それを見て飛び上がって逃げようとする。

セブン、湖にアイ・スラッガーをバウンドさせてスペル星人を両断。

早苗のアップ。早苗、腕時計を外して池に投げ捨てる。
アンヌ 「早苗さん、夢だったのよ。」
早苗 「いいえ現実だったわ。わたし忘れない決して。地球人も
他の星の人もおんなじように信じあえる日が来るまで。」


感想:この12話にはいろいろ他のエピソードにはない「小細工」が
たくさん散りばめてあります。スーツから隊員服への早変わり
(その時履いていた黒いブーツは次の13話でクラタ隊長が履いて
いた。)、ホーク1号の後ろの座席からキリヤマ隊長の背後への
ショット。ポインター号の後ろのハッチを外してカメラマンを載せて
の撮影(これはメトロン星人の回でもやってました)など
実相寺監督ならではのアイデアが見られます。

またアンヌと早苗の衣装も今回はカラフルで色彩的にも
きっとオリジナルの色で見ると綺麗だったんだろうなぁ、と
思わせる演出がありました。ダンがアンヌの応援に公園に現れる
シーンの時なんてダンの胸ポケットに赤いハンカチーフを差して
いるんですよ。おしゃれな演出だと思いませんか?

特筆すべきはゲストに桜井浩子さんが出演されていた回だった
という事でしょう。
アンヌと江戸川由利子orフジアキコ隊員の共演。
初期ウルトラファンならばそれは夢の共演といったところでしょうか。


このエピソードにゲスト出演されていた方々は、どなたもそれ以前
ウルトラQ・ウルトラマンに出演されています。いわば初期ウルトラシリーズ
を支えてきた人達ばかりです。それから不思議なことにどなたも
それ以降のセブンには出演されていません。12話のみが唯一の
セブン出演だったわけです。早苗役の桜井浩子さん、佐竹三郎役の
岩下 浩さん、福田博士役の福田善之さん、スペル星人の一味役の
奥村公延さん。どなたも渋い役者さんばかりでした。




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