競馬おもしろQ&A




担当はるばです ご質問はお気軽に♪



中央競馬と地方競馬の違いは? 重賞レースってなに?
レースの賞金のしくみは? おうまさんの出走間隔は?
芝とダート 女の子と男の子
馬の年齢 馬がみんな同じに見える?!
馬主になるには? 調教師って、どんな仕事?
厩務員って、何する人? 騎手になりたい!
裏方さん同士のつきあいは? 騎手と馬
馬のネーミング小話 実況アナウンサー
ギャンブラーのお守り お馬さんのマンガ






中央競馬と地方競馬の違いは?

「中央競馬」っていうのは農林水産省の外郭団体(になるのかな)のJRAが運営する競馬、「地方競馬」っていうのは、各自治体が運営する競馬なんです。イメージ的には国営と県営の競馬だと思ってもらえればいいです。

地方競馬というのは規模も小さいし、賞金も少ない。したがって、血統のいい高い馬が地方競馬で走る、ということはあまりないことなんです。馬主にとってみれば、勝っても勝っても採算が取れないことになりますから。
血統のいい馬はいない、調教施設も中央競馬に比べると充実していないから、地方競馬からなかなか名馬は誕生しにくいんです。それでも、なかには昔のハイセイコーとか、最近のオグリキャップとか、とてつもない強い馬が現れてくる。そうするとたいがい馬主は中央競馬に移籍させて高額の賞金を稼ごうとする――というような図式になっています。

昔は地方競馬と中央競馬との交流ってとても限られていて、地方の馬は中央に移籍しないと中央のレースを走れなかったのですけれど、最近はずいぶんと交流がさかんになって、地方の馬が地方に所属したまま中央のレースを勝ったり、逆に中央の馬が地方のレースを勝ったり、ということが頻繁にあるようになってきました。でも、やっぱり中央と地方のレベルの差は歴然としてあるんです――

調教師、騎手も、この点は同じで、地方で調教師、騎手免許をとった人でも、中央に移籍しようと思ったら、改めて中央の試験を受けなくてはならないはずです。それが結構、難関らしいので、これまでそういう例はほとんどないはず。海外で免許を取った横山賀一騎手くらいしか、私には思い出せない――
ただ、地方と中央との交流レースなど、中央競馬、地方競馬が認めたレースでは、地方の騎手も地方の所属のままで、中央のレースで騎乗できます。




重賞レースってなに?

大ざっぱに格のある重要なレースだと思ってくれて間違いないです。もちろん、賞金も高いです。レースは獲得賞金によって馬のクラス分けがされていますけれど、重賞レースというのは例外なく一番上のクラス(オープンクラス)のレースです。平地のレース(障害ではないとういう意味です)だと、その重賞レースがさらにグレード1〜3の3段階に格付されていて、それぞれGI、GII、GIIIと表記されます。その下に重賞ではないオープンクラスのレースというのもあります。




レースの賞金のしくみは?

馬券の売り上げと賞金とは関係ないです。未勝利戦で勝てば510万円、ダービーで勝てば1億3000万円、それは改正されないかぎり固定です。
そのうちの8割が馬主に、1割が調教師に、厩務員と騎手にそれぞれ5%。

馬の賞金獲得額によってレースには段階があって、未勝利、500万、900万、1600万、オープンの5段階ですね。下のクラスの馬は、上のクラスのレースに挑戦できるけれど、上のクラスの馬が下のクラスのレースには出られません。

この賞金獲得額は、通算です。レースのクラス分けのためには、ちょっと独特な賞金計算法もあるのですが、これはあまりに複雑なのでパスします。
基本的には勝ち上がりだと思ってもらえればいいです。未勝利で勝てば500万クラス、500万クラスで勝てば900万クラス――という具合に。例外はたくさんあるのですけれどもね。

獲得賞金が億を越えるのは大した馬です。これまで一番稼いだ馬がこのあいだ死んでしまったナリタブライアンで10億円くらいだったかな。





お馬さんの出走間隔は?

レースの距離は一定ではなく、そして、それぞれの距離を得意とする馬がいるんですね。1800mのスペシャリストとか、1200mのスペシャリスト、3000m以上のスペシャリストみたいに。

GIを狙うような馬は、だいたい3〜6週くらい前に、一回レースを使っておくというのがオーソドックスなパターンになっています。で、そのためのレースがいくつか用意されていて、秋にある毎日王冠は、天皇賞3週前のステップレースですし、同じく京都新聞杯は菊花賞3週前のステップレース、ということになります。他にも、例えば菊花賞のステップレースとしては、神戸新聞杯、セントライト記念というところも用意されています。それぞれ本番の6週前、5週前のレースですね。

もうひとつ、皐月賞、ダービー、菊花賞のように、4歳限定のGIの前哨戦には別の意味があります。
ひとつのレースに出走できる頭数には限りがあります。皐月賞、ダービー、菊花賞の場合には最大で18頭です。したがって、それを越える頭数が出走申込をした場合、その馬がそれまでに稼いだ賞金額の多い順に優先的に出走できることになります。ただし、ここで計算される賞金額はその馬が一着になったレースの賞金から計算される額しか加算されません(重賞で2着に入ったときに限り、その2着になったときの賞金が加算されます)。つまり、あるレースで一着にならないかぎり、ずーっと2着でこまめに賞金を稼いでいても、扱いとしては賞金額0ということになります。

なのですが4歳限定のGIの場合、デビューしてからそのレースまでの期間が短いために、どうしても早くデビューした馬の方が賞金額が多くなりがちです。となると、なんらかの理由でデビューが遅れたために、実力があるのにレースに出られない、という馬が多く出てしまう可能性が高くなります。ホントは楽に2、3勝する力があるのに、期間が短すぎて1勝しかできなかった、というような馬ですね。

そのため、これらのレースの前哨戦で3着以内に入った馬には、それなりの実力があると認められ、それまで獲得した賞金額に関係なく、優先的にそのGIに出られることになっています。菊花賞の場合、京都新聞杯、神戸新聞杯、セントライト記念で3着までの馬は優先的に出走権が与えられています。このような、優先出走権付きの前哨戦を特に「トライアルレース」と呼んでいます。

馬にも丈夫な馬、それほどでもない馬、疲れのたまりやすい馬、そうでもない馬、というのがいますから、一概にはいえないのですが、一般的なローテーションだと、だいたい一月に一レースというくらいでしょうか。

2週続けてレースに出走することを「連闘」といいます。前のレースの2週間後に出走することを「中一週」、3週間後なら「中二週」といういい方をします。だいたい「中二週」から「中五週」くらいの間隔だと、疲れもとれ、レースの感覚も失われないのでよい、とされているようです。目安でしかないですけれどもね。
JRAのレース体系もそれを考慮して組まれています。秋のG1レースを例にとれば、中・長距離の場合、

天皇賞秋(2000m)―中三週―ジャパンカップ(2400m)―中三週―有馬記念(2500m)

あるいは、4歳の場合なら
菊花賞(3000m)―中二週―ジャパンカップ(2400m)―中三週―有馬記念(2500m)

というのが王道パターンでしょうか。

短距離馬だと
天皇賞秋(2000m)もしくはスワンS(1400m)―中二週―マイルチャンピオンシップ(1600m)―中三週―スプリンターズS(1200m)




芝とダート

中央競馬の場合には、どの競馬場にも芝とダート両方があります。周回コースの外側に芝のコース、内側にダートのコースです。京都競馬場も同じですね。芝のコースの方が手入れは大変ですから、この冬の時期にはダートのレースが多少多くなります。 地方競馬だと、管理費の関係から、ダートのコースしかもっていない競馬場がほとんどです。唯一、岩手の競馬場が2年くらい前に芝のコースも作りましたが、それは中央競馬とは逆で外側にダートのコース、内側に芝のコース、という形になっています。ダートのレースの方が盛んなアメリカの競馬場も、ほとんどはこの形のようですね。

日本では芝レースの方が格が高いです。ヨーロッパでもそうですね。アメリカは逆にダートレースの方が格が高いです。なぜそうなったのかは判らないですが――日本の場合には、もともとヨーロッパの競馬が芝中心だったこと、日本がヨーロッパのレース体系をまねたことがそもそもの原因だと思います。

だから、日本の大きなレースってことごとく芝のレースなんですよね。ダービーしかり、天皇賞しかり、有馬記念しかり。中央競馬に18あるGIレースのうち、ダートのレースは1つだけ、それも季節外れの冬場のレースです。
それでも最近はダートの体系もずいぶんと見直されてきて、数年前までは3つくらいしかなかったダートの重賞もいまはずいぶんと増えましたし、ここ何年かはダート中心の地方競馬と、中央競馬のダートのレースとを合わせて統一的に見直して、全国統一グレード制をとるようになりました。つまり、中央のダートのレースに地方の馬が、また地方のダートのレースに中央の馬が出走できるようにして、地方によってばらばらだったそれぞれのレースの賞金も統一的に見直して、レースの格を付け直したんですね。
その結果、中央にダートのGIレース、フェブラリーステークスが誕生するとともに、地方にも大井競馬の帝王賞や、岩手競馬の南部杯などの全国統一GIレースが誕生しました。




女の子と男の子

牝馬の方が力量としては劣る場合が多いので、生産地では、どうしても牝馬の方が安くなってしまうようですね。

レースも性別で区別します。日本のレースの場合、牡も牝も出られるレースと、牝しか出られないレースがあります。牡しか出られないレースというのは2レースくらいしかなかったような。

サラブレッドも人間と同じで、牝の方がどうしても牡より平均して体力的にはハンデキャップがあります。そのために、牡と牝とが同じレースに出る場合、牝の方が負担重量(騎手+鞍などの重さに、重量調整用のおもりを加えて調製する)が2kg少なくされています。もっとも、それでも牡の方が強いことが多いんです。

で、女の子の方が早熟な傾向は馬にもあって、やっぱり3歳のレースでは牝馬の方が強い場合もままあります。2つある牡限定のレースも、実は3歳戦なんですね。

持久力勝負だと牝にも分があるのでは?
馬の世界ではそうなんですね。もっとも、持久力勝負とはいっても、人間のマラソンのように極端な長距離を走るレースはないですからね。日本だと1000m〜3600mまで。障害レースを含めても4200mくらいまでですから。
一線級の馬の場合、1600m以下の短距離レースだとまだ牝牡かなり互角に戦えるのですね。しかし2000m以上のレースになると、どうも牡馬の方に分があります。 最近は短距離レースもかなり重要視されるようになってきましたが、競馬は伝統的に2400mが基幹距離になっています。競馬発祥の地イギリスのダービーも2400mであることもあって、日本など、世界各地のダービーは2400mでほとんど行われるんですね。日本で唯一の国際G1競走、ジャパンカップも2400mです。 だから、その距離で無類の強さを発揮する馬が、どうしても評価が高くなるんです。そうなるとどうしても女の子には不利で、なかなか名馬、と呼ばれるクラスの評価を受ける牝馬、というのは出てきにくいんですね。


女性騎手も、少ないですね。
体重という意味では女性は有利ですけれど、やはり体力的に不利がある、と考えている人も多いようですね――なかなか彼女たちは騎乗機会を得るのも苦労しているようです。もちろん、彼女たち以上に騎乗機会をもらえないでいる男性ジョッキーもいるのでしょうけれど。





馬の年齢

基本的に時期はないです。三歳夏以降なら、いつデビューしてもかまわないんですね。ケガなどでデビューが遅れ、5歳になってからデビューするような馬も中にはいます。ただ、牡馬なら4歳春のダービー、牝馬ならオークス、という一応の大目標がありますから、それに間に合うようにデビューする、ということになると、今の時期にデビューするのがギリギリ間に合うかどうか、というところでしょうか。
日本では馬の年齢は数え年で呼ぶのですが、レースは3歳からはじまります。で、3歳のうちは3歳馬同士だけでレースをやり、4歳も夏までは4歳馬だけ、夏をすぎるとレースによっては5歳以上の馬と一緒に走るレースもはじまりますが、4歳馬だけのレースも秋過ぎまでは残っています。5歳以上になると年齢別のレースは無くなります。

年齢についてのエピソードを書くと、日本では馬の年齢は数え年で数えるのですが、欧米では満で数えるんですよね。だから、日本の4歳馬は欧米では3歳馬となります。ということは、ディック・フランシスの小説で「3歳馬」と出てきた場合、もしかしたらそれは日本でいう「4歳馬」のことかもしれないんですよね。訳者のかたはどうもあまり競馬に詳しくはない方のようなので、そこのところを原文通りに訳されているとすると、そういうことになるんですが――どうなんでしょうね。

お馬さんの年の小話

ミスタートウジン
このあいだの競馬中継のなかで、ミスタートウジンの調教師さんと厩務員さんのインタビューがあったんですけれど、やはりお二人とも彼のことを家族のようなもので、特別の思い入れがある、とおっしゃってましたね。
彼は特別優れた馬ではないから、引退したあと、彼にどういう運命が待っているか、ということについては、非常に厳しいものがあります。種牡馬にはおそらくなれないし、運良くどこかの乗馬クラブででも引き取ってくれればともかく、そうでなければ引き取り手がないままに命を絶たれてしまうかもしれない――そういうこともあって、調教師さんもなかなか彼を手放せないんでしょうね、きっと。なんとか、彼によい第二の人^H馬生を歩ませてあげたい、と思っているのではないかしら。だから、よい引き取り手を探しつつ、競走能力のまだあるうちは走らせたい、と思っているんだと思います。
厩務員さんも「5着以内、せめて8着以内に入ってくれれば」と云っています。5着以内だと着順掲示板に載るし、8着以内だと、いちおう賞金が出るんですね。勝つことは出来なくとも、そうしてこつこつと賞金を稼げれば、彼にもまだまだ走らせるだけの価値があるんだ、ということをアピールしていくことができる、そうすれば、彼とまた一緒にいることができる、という思いもあるのでしょう。




馬がみんな同じに見える?!

基本的には、毛の色と、顔の模様と、脚先の色で識別します。もっとも派手なのが「四白流星尾花栗毛」というやつで、四白というのは四本の脚先のすべてが白いソックスをはいたように白いということで、、額から鼻にむかって流星が伸びていて、尾花栗毛というのは、明るいブラウンの馬体にたてがみとしっぽが金髪なんですね。

四白流星はともかく、尾花栗毛というのにはなかなかお目にかかれませんが、最近ではトウカイテイオーの秋の天皇賞でも走っていたトウショウファルコというのが綺麗な金髪で有名でした。彼、流星はあったけれど、脚先は三白どまりだったかな――
彼は本当に綺麗な金髪でねえ――でも馬体はかなり大きくて、ビジュアル系ロックバンドの兄ちゃんのようでした(^^)。引退後はその美しさを買われて、東京競馬場で誘導馬(出走馬を競馬場まで先導する馬)をやっているんです。競馬中継を見ているとたまにお目にかかれます。




馬主になるには

中央競馬の馬主になるには、けっこう厳しい資格審査が必要なんです。年収とか職業とかいろいろクリアしなければならない条件があるらしいんですね。地方競馬の方は比較的簡単なので、中央の馬主の資格はとれないけれど、地方の馬主の資格は持っている、という人は当然、自分の馬は地方で走らせることになります。




調教師って、どんな仕事?

調教師はそれぞれの厩舎を経営します。中央競馬の場合だと、調教師試験に合格した調教師は一年間の研修期間を経て、いくつかの馬房を与えられて厩舎を開業します。だから、厩舎はその厩舎を経営する調教師の名前をとって、「藤沢和雄厩舎」「伊藤雄二厩舎」「松元省一厩舎」「安田隆行厩舎」というように呼ばれます。
厩舎は、関東なら茨城県美浦村の、関西なら滋賀県栗東町のそれぞれトレーニングセンターに集められています。調教師はこのトレーニングセンター内の自分の厩舎で馬を管理することになります。

一つの厩舎には最大20の馬房が与えられます。この馬房というのは馬を厩舎で世話するための部屋のようなもので、一つの馬房には一頭の馬を入れることができます。したがって、一度に調教師が直接トレーニングセンターで管理できる馬は最大で20頭だということになります。
では、調教師は20頭までしか馬をもてないのか、というとそうではありません。それぞれの馬は基本的には何ヶ月かレースに使うと、何ヶ月か休養させてリフレッシュさせる、というサイクルで一年を過ごします。つまり、20頭しか馬を持っていない場合には、ある馬がリフレッシュしている期間(例えば北海道の牧場などに放牧されているような期間)馬房が一つまるっきり空いてしまうことになります。それでは厩舎の経営効率の面からは具合がよろしくないので、調教師は馬房の数よりも多い馬を管理することにして、ある馬がリフレッシュして空いている房には、他の馬を入れておく、ということがほとんどです。そうして20しかない馬房をローテーションさせて、つねに馬を満杯にしておく のが効率のよい厩舎経営のノウハウになっているわけですね。
その、馬房に入っている馬、リフレッシュしている馬を合わせて、ひとりの調教師が管理する馬の数が馬房の数の倍(最大40頭)ということになっています。つまり、ある厩舎で管理している馬のうち、半分はトレーニングセンターの馬房で管理して、そのあいだ残りの半分は牧場な どで過ごしている、という状態なんですね。

調教師の下に別の調教師が雇われることはありません。あくまで、一つの厩舎にはすべてを仕切る調教師がひとりいるだけです。ただし例外として、調教師試験に合格した直後の1年間だけは、その合格した調教師は他の調教師の厩舎に入って見習いとして過ごします。

調教助手というのは、厩務員のように馬の世話を直接はしませんが、馬の調教をするときに調教師の指示にしたがって直接馬に乗って調教をする人のことをいいます。調教師とはまったく別物です。




厩務員って、何する人?

馬の世話をするのは厩務員です。厩務員は一度に2頭の馬の世話をします。つまり、20の馬房を10人の厩務員で管理する、と思ってもらえばいいかもしれません。

例えば、馬体はすばらしいのだけれど、脚元が弱くて、怪我が多くて出世できなかった馬を引き取って見事に再生させた厩務員さんの話も聞きますし。いい馬に出会うのが厩務員の運なら、いい厩務員に出会うのも馬の運、という感じがします。
厩務員の世界もある意味実力社会で、腕のいい厩務員はいい馬をまかされることが多いようです。




騎手になりたい!

騎手もまず、騎手免許をもらうと、どこかの厩舎に所属することになります。レースのないときには馬に乗って調教をつけたり、厩舎の掃除をしたり、馬の世話の手伝いをしたり、いろいろと厩舎の仕事をします。厩舎から独立して、どこの厩舎にも所属しないフリーの騎手も、レースのない日にはだいたいどこかの厩舎の調教を手伝ったりしているようです。そうして人間関係をつくりあげてレースで乗る馬を回してもらうんでしょうね。
厩舎に所属している騎手や厩務員、調教助手などは、基本的にはその厩舎の調教師からの給料で生活しているはずです。騎手などはレースで騎乗すれば騎乗するごとに出走手当てがもらえますし、その馬が好走すれば獲得賞金の5%がもらえますので、そちらも収入になります。

騎手の場合だと厩舎に所属していると収入はある程度安定するかわりに、厩舎の仕事や、厩舎の馬に乗ることを最優先しなくてはならない場合が多いので、ある程度のところで収入が頭打ちになる場合があります。したがって、ある程度のレベルに達した騎手は、厩舎を離れてフリーになり、厩舎のしがらみのないところでいろいろな厩舎の強い馬に乗せてもらったほうが、賞金が稼げるので収入が伸びる、ということになります
。 もっともフリーになる理由は人それぞれで、単純に厩舎での人間関係が上手く行かなくて――というような理由でフリーになる人もいる見たいですけれどもね。




裏方さん同士のつきあいは?

調教師は馬の調教メニューや出走レース決定などの権限を持っていますが、実際に馬の世話をするのは、その調教師の下にいる厩務員という人たちになります。そして馬の調教をしたりするのは調教助手や、あるいはその調教師の厩舎に所属する騎手(場合によってはどこにも所属していないフリーの騎手や、仲のいいほかの厩舎の騎手も)という人たちになります。厩務員は一人当たりだいたい2頭を受け持って馬の世話をします。したがって実際に馬の調子を整えたり、肌で知っているのはこの厩務員なんですね。
ですから、ある馬が大レースで優勝すると、馬主、騎手、調教師とともに厩務員も表彰されます。

馬主と調教師の関係は深いです。というのは、結局、馬を見る目を持っているのは調教師ですから、馬主が馬を買うときに参考にするのも調教師の意見なんですよね。調教師が買う馬を決めて、馬主がお金を出し、その馬を調教師が預かってレースに使う、という関係が多いようです。馬主が自分の馬をどの厩舎に預けるか、については、まったくそういった人間関係で決まることが多いようです。もちろん、腕や相馬眼、といったところも重要ですけれども。

力関係もあって、有力な馬主さんだとばんばん「どの騎手に乗せろ!」という人もいるみたいですし、調教師もいい馬をたくさんもっている馬主さんと仲たがいすると死活問題だから、それはうかつには断れない。
逆に、すべて調教師におまかせ、という馬主さんもいるし、なかには「私は自分の厩舎の騎手しかのせません」という調教師もいるようです。

馬主は、決まった厩舎があるんでしょうか。

馬の移動もあります。ただ、それには馬房の数が一時的に足りなくなったために、一時的に移動する、という場合もあるようですし、例えば馬主と調教師との関係が悪くなって、完全に移籍してしまう、ということもあるようです。
最近だとシーキングザパールが後者のケースで佐々木晶厩舎から森厩舎に移籍になって騒がれました。そういう場合、だいたい厩務員組合が怒るんですよね。それまで、まさに寝食をともにする、と云っても過言ではないくらいに一生懸命世話をしてきた馬が、馬主の都合で自分の手を離れてしまうわけですから。
以前にもシリウスシンボリという、のちにダービーを勝つ馬が、後者のケースで厩舎をいったん移転したんですけれど、厩務員組合の反発にあって、もとの厩舎に戻される、という事件もありました。
騎手の移動はまあ、事情もいろいろだし、調教師と騎手だけの関係ですから騒ぎは大きくはあまりならないんですけれど、馬の場合にはそのまま収入に直結するだけに騒ぎは大きくなるようです。




騎手と馬の関係は?

基本的には調教師が騎手に騎乗依頼をして乗ってもらう、ということになります。ただ、今回の場合のように、一つのレースで2頭以上の馬からの騎乗依頼がかちあうと、物理的に2頭の馬には乗れませんから、騎手がどちらかを選択して、どちらかを断る、ということになります。調教師側としては、馬のくせなんかも知っているから、今まで乗ってきた騎手に依頼したいんですよね、通常は。特にトップクラスの騎手だとそのまま乗り続けて欲しい、と願う調教師が多くなります。だから、岡部とか武とか、あるいは的場クラスの、トップ10に入ってくるような騎手だと、今回のようなケースが多くなります。
まあ、ほとんどの場合には、たとえかちあっても、かちあった馬同士が実力的に明らかに差がある場合が多いので、自然、騎手がどちらを選ぶか、というのはまわりにも判るから、実力的に劣る馬の側が遠慮する、という場合もあるみたいですけれど、たまに以前のシンボリルドルフ―ビゼンニシキとか、今回のグラスワンダー―エルコンドルパサーとか、実力的に甲乙つけがたいくらい抜きんでている二頭がかちあう、という場合もあるんですね。
もちろん、シビアな実力社会ですから、騎手が乗りそこなって馬が負けたような場合には、調教師の方からその騎手をおろして別の騎手に依頼する、ということもあります。

競馬のレース展開って、馬と騎手どちらがリードするんでしょう?
基本的には騎手がペースを判断するんですが、ただ、馬にも性格があるんですよね。基本的には馬というのはとても臆病なんです。だから、例えば小さいころに他の馬にいじめられた、なんて経験をもっていたりすると、他の馬を極端に怖がったりするようになったりもするんですね。そういう馬はまわりに馬を置かないようにしてやらないと、すぐに走る気をなくしてしまったりもします。

そういう馬の場合にはどんなにハイペースでも逃げなくては駄目だったり、後ろからぽつんと行ってやらなくてはいけなかったり、ということもあるようです。もっとも、騎手の得意不得意というのもあるみたいで、ミスターシービーの吉永騎手などは「逃げか追い込みしかできない」などとも云われたことがあるそうです。
馬と騎手との相性、っていうのもあるみたいですね。ある騎手が乗ったときに限って好走する馬、というのも時々いますし――

ひとつのレースに出る馬は最大で18頭ですけれど、それにくらべて騎手は200人近くいますから、乗る騎手のいない馬、というのはまずいないです。乗る馬のない騎手、というのはたくさんいますけれどもね――例えば、武豊騎手は今年すでに600レース以上騎乗していますけれど、去年デビューしてまだ通算で一勝しかしていない押田純子騎手は今年まだ35レースしか乗せてもらっていないですし――





馬のネーミング小話

太田さんって馬主さんは、「ウイニングチケット」という名前で、ダービーを勝っています。名前を見ているとなかなかその馬主さんのセンスが忍ばれますよね。
珍名で有名なのが小田切さんという馬主さんで、「ロバノパンヤ」とか、「ドングリ」「ヒコーキグモ」なんて名前が。昔、オークスという4歳牝馬限定のGIレースで大穴をあけた「ノアノハコブネ」も小田切さんだったかな?
あとは「マチカネ」の細川さんですね。「マチカネフクキタル」「マチカネコイノボリ」「マチカネオイデヤス」……

サクラバクシンオーは強かったですねえ。桜爆進王、と漢字で書くとなかなか勇ましい(^^)。1400m以下のレースでは敵なしでした。「サクラ」をつけるのは全さんというオーナーなんですが、一時期は「サクラなんとかオー」というパターンばかりで、ホントに区別がつけにくかったものです。それがまた、重賞を勝つような名馬がたくさんいるものだから――「サクラユタカオー」「サクラスターオー」「サクラバクシンオー」「サクラセカイオー」「サクラヤマトオー」「サクラチトセオー」てな具合。どれがどの重賞を勝ったんだっけ?とすぐに判るようになれば相当の競馬マニア。最近は「なんとかオー」というのは少なくなってきたようですけれどもね。

吉原さんという有名な馬主さんの馬が、ほとんど「エア」がつくんです。有名な馬だとエアグルーヴ、エアデジャヴーが牝馬、エアダブリン、エアチャリオットが牡馬かな。もともとは「エア」はつけていなかったのですが、お孫さんがマイケル・ジョーダンのファンで、そのお孫さんのお願いである一頭の牡馬にマイケル・ジョーダンのニックネームであるエアジョーダンってつけたんですよね。その馬がなかなか活躍してくれたので、それからエアをつけるようになった、という話を聞いています。

トウショウの馬は、牡馬には「トウショウなんとか」牝馬には「なんとかトウショウ」ってつけるんです。でも、トウショウボーイが種牡馬として大成功したので、トウショウでない馬でも一時期父馬の名を取った「なんとかトウショウ」というのが氾濫してややこしかったこともありました。




実況アナウンサー

やっぱり上手い下手ってありますよ。有名なのが、もう退職されたけれど関西テレビの杉本清アナウンサー。早口になりがちな競馬実況ですけれど、あのかたの競馬実況はゆっくりとされるんですよね。道中にさりげなく、レースの見どころを盛り込んでくれるし、きちっとツボをおさえた実況はさすがです。
「競馬実況の神様」と云われた人で、次々に飛び出す名フレーズをまとめた本が出版されているくらい。いまでもたまに大レースになると実況されています。




ギャンブラーのお守り

馬の蹄鉄ってギャンブラーのお守りだったりするんです。もしそういうのをい ただけるほどの知り合いでいらっしゃるなら、もらっておくと宝くじが当たりだしたりするかもしれませんよ。




おすすめ、お馬さんのマンガ

「じゃじゃ馬グルーミングUP」ゆうきまさみ (少年サンデーコミックス)
北海道の競走馬牧場が舞台のマンガ。競馬のロマンと、ロマンだけでは語れないシビアな部分もきっちり描かれていて、なかなかに興奮させてくれるマンガです。

「馬なり1ハロン劇場」よしだみほ
実際の競馬界のレース結果やらトピックスやらをもとにして、実在の馬を擬人化した一種のパロディ世界。
それなりに競馬の流れを追っている人でないと楽しみづらいマンガですが、競馬ファンにはおもしろい!