1997年を振り返る

[
「もののけ姫」ニュース] [ホームページ]
世相'97 1997/12/29
子ども重大ニュース 1997/12/28
97年 あんたが主役 1997/12/27
'97年を振り返って 1997/12/25
平成9年ヒット商品番付 1997/12/25
回顧'97 映画 1997/12/25
97年ヒット商品番付 1997/12/05
日本新語・流行語大賞 1997/12/02

世相'97 朝日新聞 1997/12/29

この人この言葉

◆宮崎駿監督
「何も整理がついていない。自分の頭の変なところを開けてしまったような気がして、 とても考えがまとまらない」
(10月30日、アニメ映画「もののけ姫」の配給収入が国内記録を更新したことについて記者会見し、 理由を尋ねられて)

空飛べる子供の心
 宮崎駿監督の作品には、自然と人間のかかわりがテーマとして一貫する。
 「もののけ姫」は難解というのが大方の世評である。それなのに、何百万人もの子どもが足を運んだ。 その秘密の一つは、宮崎監督が子どもたちを妖怪(ようかい)や魔女の世界に迎え入れることだ。
 人知を超えるこうした存在を子どもはすっと受け入れる。近代合理主義に洗脳された大人の多くは、 否定に掛かる事象だ。子どもにとって、童話の中の生き物が人間の言葉を話すのは、不自然でも幻想 でもない。彼らを仲間ととらえ、一体化する。線引きをしたり、区別したりするのは、大人の脳の仕業 だろう。
 宮崎作品では、登場する人物や物体がしばしば空を飛んだり、宙に浮いたりする。空を飛ぶことなど、 大人は夢でしか見ない。ところが、子どもたちはアニメの主人公と一緒に大空を舞う。少年時代の夢を かなえた一人が宇宙飛行士の土井隆雄さんである。
 宮崎作品の女性は、共通した性格を持つ。そろって、しっかり者だ。多くは少女なのに、賢く、強く、 自立した姿は、大人の女の雰囲気を漂わす。
 「もののけ姫」の盛況は、子どもばかりでなく、少年、少女の心を持つ大人が支えたからだろう。
[
TOP]
子ども重大ニュース 朝日新聞 1997/12/28

 子どもが選んだ今年最大のニュースは「ダイアナ元英皇太子妃の死去」− くもん子ども研究所(大阪市)は今月半ば、全国の小学4年−高校3年の男女461人に「重大ニュース」を たずねた。主な事件や出来事38項目の中から5項目を選んでもらった結果、「ダイアナ元妃」と並んで、 半数以上の子どもが「神戸市の男児殺害時件」を挙げ、サッカー日本代表のワールドカップ初出場が続いた。
 子どもらしく「もののけ姫」や「ポケモン」にも関心が集まったが、これらを上回ったのが5位の 「消費税率アップ」。同研究所は「おこづかいに響いたのか、予想外のランク入りでした」。

1位 ダイアナ元英皇太子妃死去 55.7%
2位 神戸市の男児殺害事件 50.5%
3位 サッカー日本代表がW杯へ 43.4%
4位 安室奈美恵さん電撃結婚 33.2%
5位 消費税率5%に引き上げ 31.7%
6位 映画「もののけ姫」大ヒット27.8%
7位 「ポケモン」ブーム 25.4%
8位 ペルー大使公邸人質事件 22.8%
9位 山一証券などの金融機関破たん 21.9%
10位マザー・テレサ死去 19.7%
(くもん子ども研究所調べ、%は複数回答の率)
[
TOP]
97年 あんたが主役 朝日新聞夕刊 1997/12/27
ウィークエンド経済版

大化けしたで賞 ポケモン/もののけ姫
 今年の流行最前線には、この世にいないものに関したものが目立った。堂々の横綱はポケモンこと 「ポケットモンスター」。故郷のゲームソフトを飛び越え、テレビアニメ、キャラクター商品などで大活躍。 「勢い余ってテレビの中で暴れすぎちゃった」とピカチュウの反省の声も。
 アニメ映画「もののけ姫」は大関。1982年の「E.T.」以来15年ぶりに国内の配給収入記録を更新したのは、 もののけの力のせいか。小結は「たまごっち」。発売1年で国内外合わせて3200万個を売った。
 敢闘賞はサンリオのキャラクター「キティちゃん」。生誕から22年たった今年、人気が再燃。 特別仕様の軽自動車まで登場した。
 今年の消費動向について博報堂生活総合研究所の関沢英彦所長は、「物質を所有する欲求よりも、 失楽園ブームに見られるように、日常生活とは別の世界を体験したり見たりしたいという傾向が強かった。 来年はますますこの傾向が強まるのでは」と見ている。
[
TOP]
'97年を振り返って 朝日新聞夕刊 1997/12/25

記者座談会 映画

海外受賞相次ぎ、若手も台頭
「もののけ姫」は幅広い観客をつかんで大ヒット
A 年末になって伊丹十三、三船敏郎の死という衝撃的なニュースが飛び込んだ。
B 萬屋錦之介、勝新太郎に続き、三船まで。映画スターらしい華のある俳優が次々にいなくなる……
C 伊丹監督の自殺もショック。理性的な強い人という印象だったのに。映画界の大きな損失だ。
A 総体では明るい話題が多かった年だったかな。
C「うなぎ」「HANA−BI」「東京夜曲」と海外の映画祭で大きな受賞が相次いだ。「もののけ姫」は 配給収入100億円を突破、史上最大のヒットになった。
B どちらも突然ではないと思う。映画祭でいえば、ここ数年、独立系作品の積極的な出品で、 日本映画への注目度が高まっていた。
C「もののけ姫」も、過去の宮崎駿作品への信頼がヒットにつながったと言える。
A 「Shall we ダンス?」が米国で10億円突破のヒット。「もののけ姫」も欧米公開が楽しみだね。
C「失楽園」は大人の観客を集め、「エヴァンゲリオン」は若者に熱烈に支持された。洋画は 「インデペンデンス・デイ」「ロスト・ワールド」がヒット。映画人口も昨年を25%も上回る見通しだ。
B 新人・中堅の秀作も目立った。カンヌ新人賞の仙頭(旧姓・河瀬)直実、青山真治、望月六郎、 矢口史靖、サブ、瀬々敬久、黒沢清、諏訪敦彦、中島哲也、犬童一心、三谷幸喜……。
C 原田真人、原将人も若々しい作品を発表した。秋口には「東京日和」「愛する」も人気だった。 みな独立系だね。
A 大手で意欲作といえば、「誘拐」か。松竹は小中規模の邦画チェーン「シネマ・ジャパネスク」 を始めた。
A シネマコンプレックスの増加でスクリーン数は昨年より50以上増えたが、邦画の受け皿になるか どうか。
C 文芸坐の倒産という残念な話があった。「ゴジラ」の生みの親の田中友幸プロデューサー、 「君の名は」の大庭秀雄監督、「八月の濡れた砂」の藤田敏八監督も亡くなった。 日本映画復興と言われる一方で、一つの時代の終わりも感じる年だったね。
[
TOP]
平成9年ヒット商品番付 日本経済新聞 1997/12/25

 日本経済新聞社は24日、「平成9年ヒット商品番付」をまとめた。それによると東の横綱は映画 「もののけ姫」、西は東京三菱銀行の預金。大関は携帯ゲーム機でブームになりキャラクター商品に 広がった「ポケットモンスター(ポケモン)」と「たまごっち」が入った。消費が冷え込む中での "子供狙い"、先行き不安からの安定志向を反映した"生活防衛"がヒットのカギになった。 (詳細は25日付日経流通新聞に)

キーワードは 生活防衛 子供向け

安定志向を反映
「環境」「健康」関連も人気

 「もののけ姫」は日本映画の記録を次々に塗り替えた。映画館には公開から数カ月たっても長蛇の列が でき、観客動員数は1200万人を突破。配給収入は日本での公開映画で初めて100億円を超えた。室町時代を 想定した舞台。自然を侵食しつつ生きなければならない人間のかっとうや、集団同士の対立を描いた内容は 決して明るくないが、一緒に生きようという訴えかけが、不安定な世相の中で、子供だけでなく、大人の心 にも響いた。
 ヒット商品や流行で世相をみるねらいで始めた番付は今年で27年目だが、4月の消費税率引き上げや 金融不安で、消費者の生活防衛意識が番付にも反映されたのが今年の特徴。格付け外車に高い格付けを された東京三菱銀行に個人預金が雪崩のようにシフトしたのはその典型だ。5月ごろから増え始めた同行の 個人預金は、冬のボーナス預金が始まった12月初旬の時点で純増額が2兆円。残高は15兆円を超え都銀トップ に躍り出たという。「暗い年だけに人々が安定志向に走ったのではないか」と高垣佑頭取はみる。
 搭乗距離に応じて航空券などを提供する航空各社の国内線マイレージサービスには、4月以降、200万人 以上が会員登録。10月の酒税法改正で価格が下がったウイスキーは同月、11月と前年比30%以上の伸びを 示した。
 一方、「ポケモン」は12月にテレビアニメを見た子供が次々と倒れ病院に運び込まれるなど、マイナス面 も含め社会現象化した。ゲームソフトの累計販売本数数は750万本を突破し、キャラクター商品を含めた 市場規模は2000億円に育ったといわれる。
 携帯型電子ペット育成ゲームの「たまごっち」は、1500万個以上を販売。一時は品切れ状態が続き、 定価1980円の商品に1万円を超える値が付いた。子供をターゲットにしヒットした商品としてはゲーム機の 「プレイステーション」、発光体付きシューズなども挙げられる。
 「環境」や「健康」に関連する商品も強みを発揮した。ガソリンと電気の併用で走るトヨタ自動車の 「プリウス」、低価格化した家庭用生ごみ処理機などが本格普及の端緒をつかんだ。動脈硬化の予防になる といわれた赤ワイン、虫歯を防ぐと話題になった「キシリトールガム」、ビタミンCや食物繊維を含む 「キリンサプリ」などが消費者の購買意欲をくすぐった。

【東】
【西】
もののけ姫 横綱東京三菱銀行の預金
ポケットモンスター(ポケモン)大関たまごっち
モバイル情報機器  関脇ダイアナ元妃追悼CD
アサヒ スーパードライ 小結失楽園
「少年H」(講談社) 前頭ガーデニンググッズ
デジタルカメラ 赤ワイン
プレイステーション デジタルビデオカメラ
キシリトールガム(ロッテ) 小顔化粧品
国内線マイレージサービス マイペディア97(CD-ROM百科事典)
プリウス(トヨタ自動車) セピア色の写真
キリン サプリ 電子マネー
家庭用生ごみ処理機 Gショック(カシオ計算機)
MDプレーヤー 厚底サンダル・ブーツ
JR京都伊勢丹 ウイスキー
発光体付きシューズ バーバリー・ブルーレーベル
ベルギーワッフル クイーンズスクエア横浜

[殊勲賞] サッカー岡田武史監督
[技能賞] 北野武(ビートたけし)
[話題賞] 安室奈美恵、タイガー・ウッズ
[復活賞] キティちゃん
[残念賞] ベンツAクラス、伊良部秀輝
[
TOP]
回顧'97 日本経済新聞 1997/12/25

映画

邦画、海外で高い評価 「もののけ姫」記録的ヒット

 97年は日本映画史に記憶される1年になった。国際映画祭での相次ぐ受賞、記録的な興行成績と、久々に 邦画の華やかな話題でにぎわった。

低かった国内の意識
 "邦画復活"の幕開けは、5月のカンヌ国際映画祭だった。今村昌平監督の「うなぎ」がグランプリ (パルムドール)を、仙頭(旧姓・河瀬)直美監督の「萌の朱雀」が、新人賞にあたるカメラドールを受賞。 9月のモントリオールでは、市川準監督の「東京夜曲」が監督賞を獲得した。
 続くベネチアで、日本人として39年ぶりに北野武監督の「HANA−BI」がグランプリ(金獅子賞)に輝き、 にわかに関心が高まった。ただ、欧米では北野監督は早くから注目されており、受賞は当然という評価。 むしろ驚きをもって受け止めた国内の反応に、自国の映画に対する意識の低さが表れていた。
 7月には、周防正行監督の「Shall we ダンス?」が米国で封切られ、現在も興行中という ロングランヒットに。収益は黒沢明監督の「乱」を抜いて900万ドルを超し、日本映画の記録を塗り替えた。 現代劇もハリウッドのおひざ元で通用することを証明した。

若者や女性から支持
 国内では、宮崎駿監督のアニメ「もののけ姫」が7月に公開され、配給収入100億円、観客動員数1200万人 という怪物的記録を生んだ。スティーブン・スピルバーク監督の「E.T.」を抜いての新記録樹立だ。 自然と人間社会の共存を問う深遠なテーマ、「生きろ」というメッセージヘの若者の共鳴など、 単なるブームというより社会現象として波紋を広げた。
 庵野秀明監督のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版も、10代から20代の若者を中心にブームを 巻き起こした。「シト新生」「THE END OF EVANGELION」の2作は合わせて約25億円の好成績。 森田芳光監督の「失楽園」は、中高年層や女性の支持を得て約23億円という邦画では異例のヒットになった。
 一方、社会派娯楽作品で大衆に人気を博した伊丹十三監督の死という出来事もあった。

良質な物語求める
 「もののけ姫」の陰に隠れたが、洋画も順調だった。興行1位は昨年末から公開されたSF 「インデペンデンス・デイ」で、配収約68億円。ジュラシック・パークの続編「ロスト・ワールド」 も約60億円。
 この2作に象徴されるように、ハリウッドはSFXを駆使した大作志向がますます強まっている。 特殊効果に頼りすぎ、物語自身に魅力のない作品が増えているのも事実だ。観客の足が日本映画へ向かった とすれぱ、単純な視覚の快楽から良質な物語へ回帰したいという欲求の表れかもしれない。
 ヒット作に恵まれたことに加え、観客が足を運びやすい複合型映画館が全国で増えたこともあり、 ここ10年間ほど年間1億人前後で推移してきた観客動員数が、今年は1億5000万人に達した。
 客観的に見れば、今年の活況は幸運な偶然が重なった結果に過ぎないとも言える。だが、邦画見直しの 機運を生かして来年以降もブームを維持することは可能だろう。そのために映画会社やプロデューサーが、 良質な企画を打ち出し、志ある監督を資金的に支えることができるかどうか。正念場はこれからだ。
(文化部 白木緑)
[
TOP]
97年ヒット商品番付 朝日新聞 1997/12/05

子供向け・小粒が売れました
 住友系の経営コンサルティング会社、日本総研ビジコン(本社・東京)は4日、「97年のヒット商品番付」 を発表した。高額品が姿を消し、代わりに子供向けや小粒な商品・サービスや流行が上位に名を連ねた。
 番付は、出荷台数や売上高などを参考に、話題性や今後の成長性を加味して決めている。東の横綱 「たまごっち」は、関連商品を含め4-9月で249億円を売り上げた。西の横綱にあげられたアニメ映画 「もののけ姫」は、配給収入100億円を突破した。
 日本総研ビジコンは今年の特徴について、子供志向▽携帯性▽育つ過程を楽しむ▽憩いや安心感、の4点 を指摘している。

97年ヒット商品番付

西
たまごっち 横綱 もののけ姫
携帯情報機器 大関 ポケットモンスター
デジタルカメラ&ビデオカメラ関脇 失楽園
小室ファミリー 小結 小顔化粧品
Gショック 前頭1チャイドル
デジキューブ 同2 キャンドル・イン・ザ・ウインド
キシリトール入りガム 同3 ねるじぇら
少年H 同4 サプリ
キティちゃんグッズ 同5 割引サービス
ガーデニング 同6 高付加価値白物家電
[
TOP]
日本新語・流行語大賞 朝日新聞 1997/12/02

 この1年間に生まれた新語や流行語の中から特に話題になった言葉に贈られる「日本新語・流行語大賞」 が決まり、1日、都内で表彰式が行われた。大賞には「失楽園」が選ばれ、作家の渡辺淳一氏と女優の 黒木瞳さんが受賞した。
 一般のアンケートを参考にした新語・流行語のトップテンとしては「たまごっち」「日本版ビッグバン」 「もののけ(姫)」「パパラッチ」「郵政3事業」などが選ばれた。
 主催者側は今年の特徴について「不景気な社会を反映してか、勢いや新しい発想が盛り込まれた言葉が なかった」と話している。
[
TOP]
[「もののけ姫」ニュース] [ホームページ]