各種賞に関するニュース
1997年

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「もののけ姫」ニュース] [ホームページ]
日刊スポーツ映画大賞表彰式 1997/12/29
報知映画賞授与式 1997/12/27
もののけ姫 裕次郎賞 1997/12/04
第22回 報知映画賞 1997/12/01
デジタル工房は今 1997/10/20
朝日デジタル・エンターテインメント大賞'97 1997/10/09

日刊スポーツ映画大賞表彰式 日刊スポーツ 1997/12/29

「もののけ」2冠 監督賞&石原裕次郎賞
構想40年、1270万人動員

姫と殿がツーショット 宮崎監督にたけしが盾

 日本の映画配収記録を塗りかえた「もののけ姫」の宮崎駿監督(56)が監督賞を受賞した。前年の受賞者 でベネチア国際映画祭グランプリの北野武監督(50)から監督賞の盾が手渡され、世界で評価を集める豪華 ツーショットが実現した。北野監督が「来年はこの盾を宮崎監督から受け取りたい」と言えば、宮崎監督も 「ぜひ来年はこれをお返ししたい」と応じた。「もののけ姫」は石原裕次郎賞も受賞し、 裕次郎夫人の石原まき子さんから賞金300万円が贈られた。

 宮崎監督はあいさつで「どんなつくり方、企画でも一切干渉せず、映画の味方になってくれた」と 「もののけ姫」を製作した徳間康快社長と名パートナーの鈴木敏夫プロデューサー(49)への感謝の気持ち をせつせつと語った。ステージ下でプレゼンターの出番待ちをしていた北野監督がそれを聞いて大きく うなずいた。両監督はこれが初顔あわせだったが、壇上で握手を交わした瞬間に二人の顔は自然に ほころんだ。
 興行的にふるわなかった北野映画も、理解あるスタッフに支えられ、ベネチアの栄冠にたどりついた。 「もののけ姫」は宮崎監督が学生時代から40年近く構想を抱き続けてきた念願の作品。この日までに 1270万人の観客を動員、配収100億円。「これをつくらなければ、今までのことがうそになる」との決意が ヒットに結びついた。 「もののけ姫」は当初の予算を4億円上回る24億円の製作費をかけた。予算を超える と分かったとき、徳間社長は「倍になったのか?」と豪快にこたえた。 「あれには若いスタッフが感動していました」。毎回、製作費に頭を悩ましている北野監督は 「(お金は)あるところにはありますね。私の映画なんて500円の弁当が1個増えただけで死人が出る」 とジョークを飛ぱし、これには宮崎監督も頭をかいた。
 昨年は「キッズリターン」で監督賞をさらった北野監督は 「来年はこの場所に立って、同じ盾を宮崎さんからもらいたいですね」 と来年の受賞宣言をすれば、宮崎監督も「それでは来年はこれを私がお返ししましょう」 と、しっかり受けとめていた。
【松田秀彦】
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報知映画賞授与式 報知新聞 1997/12/27

宮崎駿監督
次回作は少々お待ちを…
21世紀に会いましょう
「今の日本には心から笑える映画必要」

声優候補にディカプリオ 来春に全米公開

特別賞
 日本が誇る世界の映像作家、宮崎駿監督(56)は、特別賞を受賞した「もののけ姫」のネクタイを締めて 登場した。「長くやっていると、こういうこともあるんだなと思います」簡単なあいさつに、戸惑いが 表れていた。
 7月12日に封切られ、配給収入105億円を突破。観客動員が1200万人以上と、日本映画史上最高のヒットを 記録し、現在も上映中で記録を更新し続けている。そんな騒ぎの中、宮崎監督は8月から信州の山小屋に こもり、目の治療にも歯科医にも行かず、のんびりと過ごしていた。
 「アニメといえど、時代とかみあっていなければいけない。不安や疑問、ためらい、絶望などニヒリズム も含めて、僕の中にもあったそれを正直に映画に出した。小さい子に受け入れられるとは思わなかったが、 自分たちと同じ時代を共有し、同じ問題を肌で感じているのだと思った」
 これまでのようにアニメーターが監督をやるのは無理だという。「この日本に必要なのは心から笑える 映画だなと思った。自分たちの映画には大きな空白ゾーンがあることが『もののけ』を作っているうちに わかった」
 作品を振り返り、次のことが考えられるようになるのに半年かかる。「脳のふたが締まりきっていない。 次の作品を立ち上げるにしても、早くても2000年にできるかどうか」遠慮がちな言葉を裏返せば、 21世紀には次回作が期待されるということだ。
 「もののけ姫」は原作の絵本とは、キャラクターもストーリーもまるっきり違う。 「別のタイトルにしてもよかったんだけど、鈴木敏夫プロデューサーが『もののけ姫』でいくって言ってね」 宮崎作品のヒット作のタイトルには「の」が入っているため、縁起をかついだ。「『の』が2つも入っている から、大ヒットするだろうと思ってね」と鈴木プロデューサー。会場にはゼネラル・プロデューサーの 徳間康快・徳間書店社長の満足そうな姿もあった。
 来年春には全米公開も決まり、英語版吹き替え用の声優にハリウッドの若手トップスター、 レオナルド・ディカプリオも有力候補に挙がっている。「E.T.」を超えた「ザ・プリンセス・モノノケ」 が今度は米国で旋風を起こす。
(出川 加寿子)

◆「もののけ姫」
 日本映画史上最高の23億円の製作費がかけられた大作アニメ。室町時代の日本を舞台に、自然、神、人間 の戦いを通し、3者の在り方を描く。香港、台湾、米国など世界各国で上映が予定されている。国内での配収 は、過去最高の「E.T.」(82年)が14年間守ってきた記録を上回る史上最高の105億円となった。
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もののけ姫 裕次郎賞  日刊スポーツ 1997/12/04

日刊スポーツ映画大賞 監督賞と2冠
記録ずくめ大ヒット 配収105億円 1300万人が感動

28日表彰式
 配給収入100億円を超える大ヒットとなった宮崎駿監督(56)のアニメ「もののけ姫」が石原裕次郎賞に 輝いた。第10回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原裕次郎記念館協賛) が3日、決定し、社会的現象となった「もののけ姫」が石原裕次郎賞、監督賞の2冠を獲得した。28日に東京・ 紀尾井町のホテルニューオータニで行われる表彰式で裕次郎夫人のまき子さんから賞金300万円が贈られる。

壮大スケール「自然VS.人間」
来年は世界で公開


大喜び
 インタビューのために訪れた東京・小金井のスタジオジブリには、「となりのトトロ」「紅の豚」など 宮崎アニメのぬいぐるみ、グッズが所狭しと置かれていた。「賞もヒットも、長くやっていれば、こういう こともあるんだな、という感じですね」。宮崎監督は顔をクシャクシャにして受賞の喜びを語った。真っ白 の髪とあごひげを伸ばした風ぼうは、周囲のぬいぐるみたちの中に溶け込んでいた。
 「もののけ姫」は今年7月に公開されて、現在まで配給収入105億円、1300万人の観客を動員する空前の 大ヒット。映画界の枠を超えて社会的な現象となった。今年は神戸の児童殺害事件、山一証券廃業など暗い ニュースが相次いだが、「もののけ」ブームは明るい話題の筆頭格だった。サッカー日本代表の岡田武史 監督(41)もホームのカザフスタン戦に圧勝した翌日、マレーシアに渡る前の1日だけの休日に、子供を 連れて「もののけ姫」を見に行ったという。
 宮崎監督はここまでヒットした理由について「決して肌触りの優しい作品でもないし、分かりやすい作品 でもない。この作品で扱っている自然と人間の対立という問題は永遠に解決不可能なんです。しかし、子供 たちは解決できない問題を、言葉や理屈ではない部分で見てくれた」と慎重に言葉を選びながら分析した。
 「もののけ姫」は宮崎アニメの区切りの10作目に当たる。実は宮崎監督が学生時代から40年近く構想を 抱いていた時代劇だったが、あまりにスケールが大きすぎて実現に至らなかった。「体力、気力を考えたら、 “もののけ姫”をやる最後のチャンス」と映画化を決断したのは3年前。アニメ史上最高の製作費24億円を 投入し、宮崎アニメの集大成として取り組んだ。
 生きるための森を切り崩していく村人たちと、森の動物たちの対決を描いた物語。「自然VS.人間」は これまでの宮崎アニメに一貫して流れるテーマだが、「"もののけ姫"」では、この問題を作品のど真ん中に 置こうと決意しました。大変なことになると思ったけど、それをやらなければスタジオジブリの10年間は 単なる商売だったことになってしまうと思った」と振り返る。

丸2年
 製作は丸2年を要した。作画数は通常のアニメの数倍に当たる14万枚。宮崎監督はスタジオジブリに泊まり 込んで100人を超えるアニメーターたちの陣頭指揮を執った。肉体的、精神的に経験したことのないハードな 日々が続いた。宮崎監督は「当時の製作ノートをパラパラと見ていると“逃げるな、逃げるな”と自分で 書いているんですね。これで赤字を出したら、もう作品は作ることができないと思った」と言う。文字通り 背水の陣だった。
 選考会では作品の壮大なスケールと、自然と人間というテーマをストレートに投げかけた姿勢が高く評価 された。宮崎監督は「コケたときにがっかりしないように、ヒットしたときにあまり喜ばないように しているんです。でも、これで作品をまた作ることができます」と黒ぶちメガネの奥の目を細めた。 「もののけ姫」は米ディズニー社の配給で来年、世界30カ国以上で公開される。
【田口辰男】


来年3月まで上映
 「もののけ姫」は7月12日に全国300館で公開された直後から大ヒットとなり、公開から44日後の8月25日に 「南極物語」が持っていた日本映画の興行記録・配収59億5000万円を抜き去った。各劇場とも平日の午前中 から立ち見となり、昭和30年代の映画の全盛期を思わせる盛況となった。
 10月30日には米映画「E.T.」が持っていた配収96億5000万円の日本記録を塗り替え11月17日には 配収100億円を突破した。来年3月まで上映されることも決まり、日本映画としては異例のロングラン となった。今年の映画界は11年ぶりに年間観客数が1億5000万人を超える見込みで、「もののけ姫」が大きな 原動力となった。

もののけ姫
村人と動物の戦い

 室町時代の日本を舞台にした冒険活劇。小さな村に住む若者アシタカがタタリ神にかけられた死ののろい を解くため西国へ旅に出る。旅先の村でアシタカは、山犬に育てられた娘サンと出会い、心の交流を持つ。 森を守ろうとするサンと動物たちは、森を切り開こうとするエボシ御前率いる村人たちと戦いを繰り広げて いた。

◆宮崎駿(みやざき・はやお)
 1941年(昭16)1月5日、東京生まれ。。学習院大時代は児童文学研究会に所属。卒業後に東映動画に入社。 84年に独立後の第1作「風の谷のナウシカ」を発表し脚光を浴びる。代表作に「となりのトトロ」など。
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第22回 報知映画賞  報知新聞 1997/12/01

史上最大のヒット「もののけ姫」

特別賞
 配給収入100億円強、観客動員が1235万人(11月26日現在)。「E.T.」が守ってきた興行記録を15年ぶりに 更新し、日本映画史上最大のヒットを記録した宮崎駿監督の「もののけ姫」が特別賞に決まった。
 「『もののけ姫』を作ったことで脳みその変なところを開けてしまったんです。これまでの例だと 回復するまで6か月はかかりますね」と宮崎監督。というわけでアニメ映画の巨匠は現在、長野・八ケ岳 のふもとの山小屋で静養中だ。
 88年「となりのトトロ」で監督賞を受賞して以来の報知映画賞受賞に「この作品はまとまりの悪さとか 完成度などで悪い点を持っているのに、お客は入ってくれるし、賞ももらえるし、長くやっていると、 いろいろなことがありますね」と宮崎監督。  「もののけ姫」公開時には「宮崎監督、引退宣言」という活字も躍った。「映画界から全部、手を引く なんて全く思ってません。何をやるか、随分前から考えていることがあるし、一番早くて2000年には 何らかの形をね」ファンにはうれしい"引退撤回宣言"も出た。
 すでに来春の全米公開も決定。英語版吹き替え用に大物声優の選出に入っている。「本当のこと言って、 100億円なんてどういう数字か、わからないんです。最大の功労者は私じゃなくて、プロデューサーの2人、 徳間康快さんと鈴木敏夫ということはハッキリしてるんですが…」最後まで周囲を立てる宮崎監督だった。

 ◆宮崎駿(みやざき・はやお)
1941年1月5日、東京・墨田区生まれ。56歳。学習院大政治経済学部卒業後、東映動画入社。 同社退社後の78年「未来少年コナン」を初演出79年、「ルパン三世 カリオストロの城」で監督デビュー。 85年、スタジオ・ジブリを設立し、次々と名作を生み出す。
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デジタル工房は今(抜粋)  朝日新聞夕刊 1997/10/20

 '97朝日デジタル・エンターテインメント大賞がこのほど発表された。デジタル技術は進化する一方だが、 今回は、進歩に惑わされず、いかに従来の創作に取り入れるかをテーマに取り組んできた作品が目立った。 受賞者の話を交えながら、映画やゲームの製作にデジタル技術が今どう使われているのか、2回にわたって 概観する。
(野波 健祐)


 「平面で描けないものは描かないのが、日本のアニメの作り方だった。でも、内部から発光する物体 とかの立体的なものを表現したかった。その欲求を満たす技術として、今回はコンピューター・グラフィックス を使った」
 「もののけ姫」のスタジオジブリCGチーム、菅野嘉則さん(32)はいう。この作品で初めて採用した デジタル技術と、従来のセル画との融合が評価され、シアター部門賞を得た。
 しかし、2時間余の作品のうち、3次元CGが使われた場面は5分。色ぬりなどのデジタル処理を含めても 15分ほどだ。シシ神が変身する場面など、「描きたい欲求」はわずかにとどめられた。
 菅野さんは「現時点では、ゴールが見えない」という。
 米国アニメは、いかに実写に近づけるかを、CG使用のゴールに見据えている。全編3次元CGを使った 「トイストーリー」がそうだった。CGソフトも、立体を作るのに適したものが多い。
 それに比べて、セルアニメにCGを入れる文法は確立されていない。
 「米国アニメはもともと人形劇からきている。頭の中には立体がある。日本のアニメは浮世絵みたいな ものです」と菅野さん。「CGソフトを使っても、浮世絵師が油絵の具で書いている感じ。環境も含めて、 日本アニメのデジタル化は緒についたばかり」

(以下省略)

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朝日デジタル・エンターテインメント大賞'97 朝日新聞 1997/10/09

シアター部門賞 もののけ姫

手仕事とデジタル表現の見事な融合
 宮崎駿監督が製作費23億5000万円をかけて、「紅の豚」以来5年ぶりに発表したアニメ大作。 室町期の日本を舞台に、主人公の少年アシタカ、犬神モロに育てられた少女サン(もののけ姫) を中心に繰り広げられる娯楽冒険時代活劇。上映時間2時間13分のうち、スタジオジブリCGチームによる デジタルアニメ部分は15分。残りは従来のセル画で作られ、手仕事とデジタル表現を見事に融合させた。 邦画の配給収入としては1983年の「南極物語」を抜いて歴代1位。 98年以降、米国などの世界配給が決まっている。
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