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初冬の北アルプス中崎尾根 2000.12.9〜10

槍ヶ岳連峰稜線に昇る双子座

12月9日
快晴。ただし明日は曇りのち雨の予報。
8:50 名古屋を出発。国道41号線を高山方面へ北上。まずまず順調な道路状況。
美濃加茂と下呂の間でネズミ取りをやっていたが、幸いにして捕まらず。
高山直前で右に折れて新穂高方面へ。平湯峠付近から道路上に残雪あり。昨夜降った模様。
雪の無い轍を慎重に走る。

13時頃 平湯バスターミナルに到着。昼食。ターミナルの食堂の親父は鉄面で口も無いらしい。

13:20 新穂高温泉終点。白出沢林道入口が開放されているのでそのまま乗り入れる。もっとも
進めたのはゲートまでの数百メートルのみ。ゲート前の路肩に車を止め、13:39徒歩出発。
林道は一面銀世界。軽自動車の轍多数。ゲートには錠がかかっていたから、この先の小屋関係者か?

14:05 穂高平。穂高平小屋の前に6,70歳格好のおじいさんが一人三脚を取り片付け中。挨拶を交わすと、
さっき先行者が一人槍平方面に向かっているとのこと。
小屋のすぐ脇から槍ヶ岳遠望。何度も来ている穂高平だが、槍を見たのは初めて。

14:20 砂防(?)工事現場。 ここは何年経っても工事中である。いつ終了するのだろう?

14:40 白出沢林道終点。ここから先は登山道。ずっと轍があったので車があるかと思いきや、Uターン跡のみ。

14:45 白出沢にてスノースパッツをつけ、上衣を増やして出発。沢筋を下ってくる空気が非常に冷たい。
渡りきってしまうとまた気温が上がる。沢筋が他より涼しいのは常だが、普段はここまで温度差は無かったように思う。

15:27 チビ谷 やはり寒い。

15:58 滝谷(藤木レリーフ)。小休止。
16:02 同 発。

16:59 槍平。日も暮れた。この時期はやはり日没が早い。小屋の前で夕食。コンロで雪を溶かして湯をつくり、
餅入り汁粉二人前を摂取。
穂高(南岳?)の稜線から眩しく13夜の月が出る。

17:57 槍平発。奥丸山(中崎尾根)方面へ。谷筋を槍方向へ直登する夏道はトレース(踏み跡)なし。
奥丸山に登るのは初めてである。入り口の祠に手を合わせる。
奥丸山の登りは急登の連続。痩せ尾根渡りも数箇所あり、ロープが張られている。中崎尾根はすぐそこに
見えているのに、なかなか近づかない。

19:08 尾根までもう一息というところで先行するトレースが尽きた。先人はここで引き返したらしい。
その先の雪面は人跡未踏。これは予想外であった。トレースの有る無しで雪道にかかる労力は2倍から10倍くらい
違ってくる。今はまだ雪もせいぜい膝くらいまでだから2倍くらいのものだろうが、それでも行程が一気に困難に
なったことは間違いない。
まあここまで来たんだ、行けるだけ行ってやろうと先へ踏み出す。面白いことに、道と思われるところに沿って
兎の足跡がついている。人間が通って便利なところは兎にも便利なようである。ありがたく兎の足跡をたどり、
19:25 ついに中崎尾根に取り付く。
なんと、新穂高方面から続く尾根筋を通って無数の足跡がついている。一体誰が?しかも尾根に踏み入れてみると
足跡は人間が踏んだ場合の何分の一かの深さしかないことが判明。尾根筋は神様の通り道という伝承もあるから、
もしや神様か山人の足跡では!?いやいや、やっぱりそれはどうも兎の足跡らしくて、妙に大きいのは昼間の
日射で跡が拡大したものらしいんだな。それにしてもすごい数、これはもう兎街道。人間の踏み跡を残すのは
悪い気さえしてしまう。
背後を振り返ると穂高連峰から中岳、南岳にかけての稜線が一望、月光に照らされた雪の山ぎわから今しも
オリオンと御者が昇らんとしている。
槍は南岳の山の端に隠れて見えない。尾根道を槍方向へ歩き出す。

20:00 2388mピーク着。なだらかで広い。某ガイドブックに「絶好の幕営地」と書かれていたところ。
無風快晴。但し空中の靄多く、時折薄曇、月光の為もあって3〜4等星までしか見えない。しかしすばらしい眺め。
西穂〜槍ヶ岳、西鎌尾根まで槍・穂高連峰が一望である。いつ雲が広がるかわからないので早速写真を撮る。
星が少ないので星景写真としてはいまいち。

で、結局ここまでかかった労力(から推測するここから先の労力)や明日の天気に鑑みて槍ヶ岳登頂は見送るべきと
判断。テントを設営する。

テント脇にて。これでも夜中です!

22:59 シュラフ無しで寒くなってきたのでテントを撤収し、ゆっくりたらたらと下山することにする。
いささか空腹を覚え、焼菓子系栄養バーを食べるが、腹へのすわりが悪く、戻してしまう。前の富士山のときも
同様のことがあったし、どうもこれは山での行動食には向かないようだ。

22:45 奥丸山分岐。高積雲が空を覆いはじめる。槍平方面へ下る。途中何度も座りこんでうたた寝をしながら。

1:12 槍平。雲が出た所為もあってか、非常にあたたかである。小屋の張り出し屋根の下にちゃっかり天張る。
半分屋内みたいなものなので快適そうだ。

2:25 夜の寒気が染み込んできて再び眠れなくなり、また撤収、下山再開。眠ったのは30分くらい。
3:10 道の途中で味噌汁を作りはじめる。3:28再出発。
4:43 藤木レリーフ。
4:57 滝谷避難小屋下。
5:23 チビ谷
6:00頃 やっと天文薄明はじまる。
6:45 白出沢林道終点。うたた寝を繰り返しながらとはいえ、遠かった。6:58発。
7:20 例の工事現場。 7:35 穂高平 8:07 車(ゲート)。乗ると同時に雨が降り出した。セーフ!

帰りは雨の中を飛騨大鍾乳洞に立ち寄る。
それから飛騨小坂で温泉、昼食。
美濃加茂付近で大渋滞に巻き込まれ、帰宅は午後5時でした。