■来日記者会見記
 

場所は銀座の資生堂ビルの9階。会場は思ったよりもこじんまりしている。

受け付け開始が5時、記者会見のスタートが5時半。終了予定が6時15分。つまり45分間もヴイルジニーと時間を共有できる訳だ!記者会見式次第と言うワープロ打ちの案内を見ていると同日:6時半からこの作品の協賛企業のランセル銀座店で、カクテル・パーティも模様され、オゾン監督以下、ヴィルジニー、サニエも参加予定だと言う。こちらの取材もぜひどうぞ!とあるではないか!?これなら、ヴィルジニーと話もできるかも知れないと言う期待にさらに大きく胸が膨らむ・・・・

会場はどんどん込んで来て、後方にはビデオカメラが何台も設置し始められた。会場のBGMはもちろん『8人の女たち』のサントラが程よいボリュームで流されている。会場の窓がわにはこの作品で各女優さんたちが実際に着た衣装が展示されている。この衣装の展示は、東京・大阪のオペークで今週22日から同時開催されるとの事。

会場には、記者たちが座るイスが並べられているが、60席くらいだろうか?そこから一段上の場所に3つの席とテーブル。それぞれ名前を書いたプレートが置いてある:左からオゾン監督、真中がヴィルジニー、そして右にサニエの順番。もちろんヴィルジニーに近い席を取ろうとするが僕が座れたのは前から3列目。3メートル位の距離かな?彼らの後ろにはサニエの横に映画のポスター。背後には花のロゴが一つ入った8femmes のロゴがスライドで映されている。

時間が経つにつれて会場はもう満杯、席を取れなかった人たちはビデオカメラの裏側に立っている・・・何人位の人がいるのだろうか?100人?僕はおそらく何百人と来るのかな?と思っていたので、少し拍子抜け・・・

さあ、司会の女性の映画『8人の女たち』たちの紹介が始まった。チラシからの丸読みなのだがそこはプロ、実に抑揚があってうまい。では、早速今回の記者会見のために来日した3人のゲストを紹介しましょう、「拍手でお迎えください!」と合図に僕は強く拍手をしたのだが、場数を踏んでいる映画記者/レポーターたちはパラパラ程度しか拍手しない、「こっちも仕事で来てんだぜ・・・」と言う雰囲気が一気に漂う。   さあ、会場の左側後ろから、サニエを先頭にヴィルジニー、そしてオゾン監督が会場に入って来たあぁ!ヴィルジニーは本当に来日してくれていたんですね!僕は彼らが着席するまで、拍手を続けた・・・・

さあ、視点の中心にヴィルジニーを入れながら、オゾン監督、サニエにも注目。僕が生ヴィルジニーを見るのはこれで4度目。僕が生身の彼女を最後に見たのは、横浜のフランス映画祭で、『ジャンヌと素敵な男の子』が上映された時。ヴィルジニーが『シングル・ガール』を皮切りに連続三年間、フランス映画祭のために来日してくれた最後の年のこと。あれからもう4年。彼女も去年母親になり、女優としても女性としても大きくなった気がする。これは決してファンの欲目ではなく、少しばかり「貫禄」も感じられるんです。真っ白なワンピース姿のサニエとは対照的にヴィルジニーの衣装は黒のスーツ。胸元にはシルクのオレンジ色のスカーフ。さほど高くはないけどヒールの靴で登場。着席後に、そのスカーフを外すと、切り込みの大きさに白い胸元がチラリ。スーツはシャネルですか!?近視の目を細めて僕ら取材陣を見ようとするけど、なかなか焦点が合わない様子。

その隣のサニエは本当に初々しくて、もう滅茶苦茶愛苦しいんですね。オゾン監督が彼女を可愛がるのも、すぐ理解できました。もう絵に書いたように可愛い女優さんです!記者会見はまだ場数を踏んでないと見えて、かなり緊張した様子で、青い目をクルクルさせながら会場を見渡していました。白いワンピースにはペイズリーのモチーフがあって、そのモチーフに沿って穴が開いていてアクセントになっています。僕と一度、目があったので、にっこりすると、サニエ嬢も大きくにっこりしてくれました。これに味を占めた僕はヴィルジニーとも視線を合わせようとしたのですが、彼女はメガネなしでは顔を識別出来ないくらいの近視ですがら、これはすぐに諦めて視線をオゾン監督へとパンさせました・・・

いやあ、オゾン監督、フランスの映画監督では一番ハンサムと言っても過言じゃないでしょうね。とにかく監督にしておくのは勿体ないと同性の僕が思う位いい男です。優しそうでいて、「監督」と言う視線を感じさせるる強いまなざしで会場を見ていました。この人があの『まぼろし』を撮っちゃったのか??と思うと、意外な感じがするほどオゾン監督は若いんですね。そのオゾン監督、一緒に来日したヴィルジニーとサニエの事をキャストから、”若くて一番綺麗な二人を連れて来ました。”なんて、そんな発言していいのか?オゾン!?

「今日は大勢集まって下さり嬉しい。(オゾン監督)」「日本へはもう数回着ていますが、いつも来日が楽しみです。『8人の女たち』楽しんでくださいね。(ヴィルジニー)」「来日するのは今回が初めてです。こんなにたくさん集まって頂いて嬉しいです(サニエ)」とやや形式ばった挨拶が続いた後、では質疑応答に入りますと司会のおねえさんの声・・・僕は真っ先に挙手し、では、黒いジャケットを来たそちらの男性からどうぞ、とあっさり僕が質問できることに!!

僕はフランス語でゆっくりとヴィルジニーに質問したが、案の定ロレツがよく回らない、ヴィルジニーは頷きながら聞いている・・・「来日してくれてどうも有難う。来年は是非また横浜のフランス映画祭へ戻って来て下さいね、恐縮です、次回作について質問させて下さい・・・エリック・ロシャン監督で、マリー・ジランと共演する作品が企画されているのは本当ですか?」

「ええ、フランス映画祭にはまた参加させてもらいたいと思ってます。あとそれはまだあくまで企画中の映画ね、実現したら、おそらくマリー・ジランとやることになると思うけど、私の次回作はジャン-ポール・ラプノー監督の"Bon Voyage"と言う作品です、さあ、では次は『8人の女たち』に関する質問をお願いね。」と僕の身勝手な質問からきちんと起動修正を図るプロ意識の高いヴィルジニー、さすがはカンヌ映画祭の司会を2度も勤めていますから手馴れています・・・彼女のプロ意識はこの後行われたカクテル・パーティでも再び発揮され、僕はとても感動し、また感心しました・・・・

これに続いた質問はどれも「予定調和」の取れた質問で、ヴィルジニー、サニエには「オゾン監督との仕事はどうでしたか?」と言うもので今年は『8人の女たち』の特集のためにインタヴュー記事を訳し続けた僕には、新しい情報は何もありませんでした。ただしヴィルジニーの「オゾン監督は前から仕事をしたいと思っていた監督の一人で・・・」と言う発言はある意味ウソで、『クリミナル・ラヴァース』の主演をヴィルジニーに頼んだが、断られ、当初黒髪のヴィルジニーをイメージして書いた脚本をオゾン監督はブロンドのナターシャ・レニエに変更し撮影した訳です。(あの映画は確かにヴィルジニーが出ていたらもっと面白くなっていたかも知れないが、脚本が気に入らなかったのでしょうか?)

で、続けて答えたサニエの話が凄く印象的でした。彼女は最新作の"Swimming Pool"を含めると、オゾンの3本の作品に出ている秘蔵っ子ですから、監督の仕事振りを説明するサニエには熱がこもっています・・・「監督に選んでもらってとても誇りに思います。監督はカメラにも精通していて、フレーミングから全て自分でやるので、安心して全てを任せることが出来るんです。また監督はユーモアにあふれていて、私はそのユーモア精神も大好きです・・・」と要するにサニエからオゾン監督へのラブコールとも言える内容でした・・・またサニエは、発言を通訳してもらっている間にヴィルジニーに何かを言われ、それがよほどおかしかったらしく、顔を赤くして笑うのを堪えていたのが可笑しかった。肩をピクピクさせて必死に吹き出さないようにしていましたね。

オゾン監督への質問は「撮影で一番大変だったのは?」と「共同脚本のマリーナ・デ・ヴァンと振り付け担当のセバスティアン・シャルルについて教えて下さい。」と言うものでした。

マリーナ・デ・ヴァンとセバスティアン・シャルルについては、本サイトの『8人の女たち』特集で共にインタヴューを訳していますので、そちらをお読み下さい。ちなみにシャルルはこの映画の後、振り付けの仕事の依頼が増えたと、オゾン監督は説明していました・・・またキャストについてですが、最初は男優を女装させて演じさせようかなどと言う案もあったらしいです・・・

さあ、質疑応答が終わると、いよいよフォト・セッション!御一行三人が座っていた椅子とテーブルが片付けられ、会見中は大勢が集まり、温度が上がったため、ヴィルジニーもテーブルに置いてあったミネラル・ウォーターのミニ・ペットボトル(ちなみにエヴィアン)をゴクゴク飲んでいました!

まあ、写真撮影って言うのは、三人が着席してからも、司会者の注意を完全に無視して皆バンバン、フラッシュ撮影していたのですが、いよいよ「ご自由にお撮りください」となるともうプロのカメラマンたちと言うのは傍若無人と言うか、凄いんですよ、まあ仕事だからいい写真撮るためにはガンガン指示出して行くんですよね、英語で"Look here!゛とか"Smile!"とか、僕も必死でなんとかいいポジションから写そうと努力するんですが、頭は小突かれるわ、肘鉄食らうわで、もう大変・・・しかも最初からスナップが撮れればいいやと持って来たカメラも¥600のディスポーザブル・タイプ。最初はオゾン監督の両側にヴィルジニー(右)とサニエ(左)と言うポジションニングで撮影開始、二人が映画で来た衣装が映るようにと衣装も移動。その後はオゾン監督が抜けて、女優二人での撮影会・・・フラッシュ攻撃の嵐にまぶしそうな二人・・・(まあプロのカメラマンたちが撮った写真はいずれ雑誌などで見ることが出来ると思います)僕の写真はこの程度(下記リンク)なのでご勘弁を・・・・

次はいよいよクライマックス!:御一行全員がやって来た「カクテル・パーティー」だあああああぁ!

「カクテル・パーティー」の場所は記者会見場と同じ通りにある「ランセル銀座店」の2階。

入口で受け付けを済ませ2階へ上がると、もちろんここは店内なのでかなり狭い。僕が上がって行くと、シャンパングラスを渡される。オゾン監督が「乾杯」の音頭を取るから、全部飲まないで待っていて下さいとウェイターの人に言われる。さすがに記者会見ほどの人はここにはいない、30人位だろうか?店内を見渡すと、関連商品となっているランセル・オリジナル・トートバックと映画からのスチールが何枚か飾られ、階段を上がったところにあるビデオモニターには『8人の女たち』の予告編が映し出されている。

もらったシャンパンをチビチビやりながら、店内においてあるテーブルとその後ろにあるソファーの上に"Reserve"とフランス語で書いたタグを発見!つまりここに御一行が座るんだろう・・・じゃあこの場所をキープすれば、ヴィルジニーの正面に居ることが出来るかも知れないと思い、ドキドキしながら三人の到着を待った・・・ほどなく一階から拍手の音、到着したらしい、皆誰が最初に上がって来るか、一斉に階段の方へ向く・・・最初に上がって来たのは他でもないヴィルジニーだあああああああああああああ。

僕は彼女と目が合ってしまったので、「ここに座ればいいんじゃないですか?」と言ってしまった。すると彼女は、僕の指示に従い僕とテーブルを隔てた向こう側のソファーに座わる。オゾン監督とサニエはまだ上がってこない・・・取り巻きの人たちもまだ一階にいるみたいだ・・・

僕はヴィルジニーを見て、「あの、写真を撮らせてもらってもいいですか?」と言うと、「もちろんいいわよ。」と言う返事。僕がポケットからカメラを出すと、なんとヴィルジニーは僕が撮るスナップ・ショットのために、わざわざ座り直し、背筋を立て、髪を手でなでて、軽くポーズを取って微笑んでくれたのだ。1フアンに過ぎない僕のリクエストに答えるためにベストを尽くすヴィルジニーの姿に僕は滅茶苦茶感動してしまい、その行動に対して少しは気の利いた賛辞を送りたかったのだが、”メルシー”と言うのがやっとだった・・・  

僕は震えてきそうだったので息を止めて数枚撮っていると、サニエとオゾン監督も二階へ到着。彼らの周りにはあっと言う間に人垣が出来てしまった。オゾン監督はなにやら通訳の人に指示を受けているようだ。その間を利用して、僕はヴィルジニーに話し掛けた・・・

「ヴィルジニー、あのぉ、"Bullit et Riper" という映画に、出演したのですか?」
 僕の怪しい発音に顔をしかめるヴィルジニー・・・
「ほら、あの人気TVコメディアンが出ている刑事モノとか言う・・・」
「ああ、分った、ええちょっとだけ出たわ、カメオ出演ね。本当に数分位。」
「じゃあ、これが日本で公開される可能性は低いだろうな・・・」
(ちょっと笑いながら)「うーん、どうかしら?でもどうして、この映画の事、知っているの?」
「実は僕はあなたのファン・サイトをやってまして、インタヴュー訳したり、最新情報載せたりしているんです、今日ここにこれたのはそのお陰だと思います。」
「あら、嬉しいわ。」
「あの、またサインをもらってもいいですか?」
記者会見の資料としてもらった『8人の女たち』のパンフにサインをしてもらう、ヴィルジニーはカバンからメガネを取り出し、書いてくれている・・隣にいるサニエ、オゾン監督にも「お願いできますか?」と大胆になって行く僕。
「"Bon Voyage"の撮影はどうでした、イザベル・アジャーニと共演されて?」
「彼女は本当に素晴らしいわ、凄い映画になると思う。」
とここまで話すとオゾン監督の「乾杯!」と言う声。僕はヴィルジニーとルディヴィーヌ・サニエ二人とグラスを合わせて乾杯してしまった。

その後、三人は立ち上がって、集まった人たちのためにサインに応じたり、一緒に写真を撮ったり、談笑したりして時間が過ぎて行く・・・

サインに応じているサニエに「日本にはいつまでいるんですか?」と聞くと、「日曜の夜に着いたばかりなのだけど水曜にはもう帰国するの。」ととても残念そうだった。「じゃあ、観光の時間なんかないですね。」と僕が言うと、「それは次回のお楽しみかな?」と返事をしてくれました。

映画会社の人と思える女性がヴィルジニーの腕を取って何か言っている・・・どうやらもうお開きの時間らしい。連れ立ってヴィルジニーが階段の方へ歩き始めた。僕は「お疲れ様」の意味を込めて、"Bonne soiree, Virginie."と言うと、彼女は僕を見て、"Merci."と言いながらにっこりしてくれた。続けて、オゾン監督もサニエも一階へ降りて行く・・・僕も下へ降りて行くと、既にヴィルジニーの姿は見えなかった。サニエはまだサインをねだられている様子。オゾン監督はランセルのお偉いさんらしき人と歓談中・・・

さあ、僕もそろそろ引き上げようか・・・パンフにしてもらったサインをじっくり見るために開くと、ヴィルジニーがメッセージを書いてくれていた・・・・

 Merci de vous occuper de mon site, a tres bientot. Virginie Ledoyen.
 私のサイトをやってくれてありがとう、また近いうちに会いましょう。 ヴィルジニー・ルドワイヤン

僕は一気に目頭が熱くなり、目に溜まった嬉し涙で、ヴィルジニーのサインが見えなくなった。

                                                                                           FIN



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