1998年の初め映画のプロダクションが始まる以前、(ダニー)ボイルは雑誌から無作為に写真を切り取っていた:自分の目に止まった島やフランス人女性の写真、自分の映画の感じを掴むためだった。若いフランス人女優、フランス語のアクセントをそこそこ真似られるイギリス・アメリカの女優たちも、タイタニックの爆発的なヒット以来(ひどい出来だった「仮面の男」は無視)のブロックバスター映画を作ろうとしているレオナルド・ディカプリオのヒロイン役を射止めようと躍起になっていた。程なく選ばれたのは23歳になるヴィルジニー・ルドワイヤンだった。

12月の寒い木曜日、FHMは次のブリジット・バルドーと称される女優に会いにパリへと向かった。写真撮影のために、ヴィルジニーは16区のデ・ロタ通りの真中で魅惑的な表情でカメラに唇を尖らせ立っていた。唯一困った事に、気が短く口汚いパリのドライバーたちを立ち往生させたので、うるさくクラクションを鳴らされた。彼女は薄い白シャツに凄いミニスカートと言う姿だったのだが。

「私がここで商売していると思ったのかも」と彼女は笑う。「この辺は売春婦がいるのね。私なら幾らかな?10フラン?」パリの歓楽街は1999年初めの4ヶ月を押し込められて過ごしたタイ-4500万ドルの映画のロケ地からは遠い。

「16週間そこに居たの。」とヴィルジニー。「撮影は誰も住んでいないピピリ島で行われたのね、だから毎朝5時起きてセットまで40分間ボートに乗っていくの。その間にメイクをして、衣装を着るの。」

そんな風光明媚な場所での撮影はサンダル履きの環境保護者たちに後退させられた。撮影隊がブルドーザーを使ってタイの自然公園に地元にはないココナッツの木を植えたからだ。環境を守る女性団体は、20世紀フォックス映画「ザ・ビーチ」をボイコットするように呼びかけた。しかしこんな騒ぎにヴィルジニーは動じなかった。「ほとんど仕事とは思えなかったわ」「クルーはみんな若くてイギリス人だったから休日のキャンプ見たいな感じだった。」「一番大変だったのは暑さね。私は肌が黄褐色だから日焼けしなかったわ。でもロブスター見たいに日焼けした人もたくさんいたけど。」

ヴィルジニーが自然な感じの美人なのは間違いない。今日は少し風邪気味で新作「レ・ミゼラブル」の撮影をプラハでしていて徹夜明けだ、フランスの大鼻スター・ドパルデューと未だにスター性はムンムンだが、禿げあがったジョン・マルコヴィッチと、共演している。彼女の英語はなかなかだ、それはダニー・ボイルがフランソワーズ役にと彼女を選んだ理由の一つでもあるのだが、-"bottle", "cigarette”などというありふれた単語にも喉にかかるフランス語なまりが聞かれる・・・
 

「ザ・ビーチ」では、ほとんど水の中にいますね… 泳ぐのは得意なんですか、それとも吹き替えの人がいたのですか?

泳ぐのは大好きよ。でも海で泳ぐのは結構怖いな。周りに何か浮いているのがイヤなのね。リチャードとエティエンヌと私が島の間を泳いでいくシーンではクラゲがたくさんいたのね。あちこち刺されてしまって。プールで泳ぐほうが好きね。雰囲気の問題かな:シャワーやゴーグルをした人たちに子供達の歓声。パリのポントワーズ通りにある古いプールへちょっとだけ泳ぎに良く行くのね。

タイへ行く人たちはよく下痢するって聞きますが、アジアの王国で数日過ごして、トイレに駆け込むなんてことはなかったのですか?

私は平気だったわ。何を食べるか気を付ければいいの。タイの食べ物はスパイシーで私好みなの。一番大変だったのは、暑さで一日10時間も太陽の下で仕事をすると、脱水症状を起こさないように注意しなければいけないのね。島では涼むための日陰を探すのがとても難しくて。

ニセのグッチ・バックや怪しげなラコステのTシャツとか買ってフランスへ帰ったの?

ううん、そういう事が出来るバンコクには行かなかったから。でもサロンやタイの猟師が着ているズボンは何着か買ったわ。観光している時間はあまりなかったな。ホテルへ戻って就寝、私は寝ないとだめなの。ホテルにはカラオケがあったけど、私は歌わないようにしてるから。ひどい音痴でね。一度でも聞いたら、きっとこう言うわよ。“もう止めとけ”って。

学生時代にモデルやっていたから、クラスの生意気な男の子から感心されたんじゃない?

13,4の頃は、ボーイフレンドはいたわよ。でもその頃って彼氏は良く替わるでしょ。本当に彼氏って感じなかったわ、キスするだけだったから。女友達と正しいキスの仕方を発見するのによく話したわ。初めての時はすごく緊張して。モデルをやっていたことを羨ましがってた子もいたけど、だからって他の子より余計に興味を持ってもらった事はなかったわよ。

どんな男があなたのタイプですか?イギリス人の男性はどうです?

ブロンドや黒髪がいいとか、特別にタイプって言うのはないですね。お金持ちとかも私は気にしない。頭の良い人が好き。イギリス人のユーモアは好きよ:皮肉とブラック・ユーモア。イギリスの男性は上品ね。スノッブな人にも会ったけど、フランス人にもいるから。フランスでは、イギリスかアメリカ訛りが受けるのよ、とてもチャーミングだってね。

出かけると、甘い言葉で言い寄って来る男がたくさんいるでしょ?

人がたくさんいる場所へは行かないし、私はクラブとか大嫌いなのね。お決まりのセリフを言ってくる人もいるわね、おかしくて笑っちゃう。でもそんな風に私は男性を見てないもの、私に気があるのかななんて知ろうとしないから。私にはボーイフレンドがいて、もう三年もお付き合いしてるの。でも彼の話をするのは好きじゃないのね、後ろめたいとかじゃなくて、彼は彼で“ヴィルジニーの彼氏”って事だけで知られたくないから。

最後にフランスの女性は腋毛を剃らないことで有名ですけど、あなたはどうされているのですか?

冗談でしょ!そんなことないわよ。私が保証する。私は剃らないの。ワックスを使うのよ。処理に時間がかかるけど、この方が長持ちするのよね。★

FHM 2000年2月号

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