シナリオをどう思ったのか?自分が演じた役は?劇中で歌ったシャンソンは?共演者たちは?監督のフランソワ・オゾンは?個別にインタヴューしてみた。

ダニエル・ダリュー:「オゾン監督は私たちに恐ろしい事をさせるの。」

始めに:フランソワ・オゾン監督の映画は、私は絶対見れないのが何本かあるのね、怖くて眠れなくなっちゃいそうで。『クリミナル・ラヴァーズ』なんかビデオで見るのもだめよ!『まぼろし』が公開されていて、おばあちゃんの役をやってくれと依頼されたのですぐに引き受けることにしたの。シナリオの原作となっているお芝居もなんとなく覚えているわ。結末を決めたのがジャン・アヌイだってあなた知ってた?

自分の役:おばあちゃんの役はとても狡猾なの。演じるのはそんなに難しくはないけど、いつもオーバーアクトになるのが問題ね。適度にやらなくてはだめよ、でも少しづれていないとね、完全ではないけど役を信じるようにしないと、それで見る人たちが色んなレベルで見方を調節出来るようにするのよ。おばあちゃんは、あの中で一番のワルなのかしら?私は受け入れることが出来たけど。

フランソワ・オゾン監督:彼にはマックス・オフリュスを連想したわね。ことなげに自分が欲しいもの全てを手に入れるの。皆、彼に魅了されて、にっこりすると凄く素敵だけど、それで私たちに恐ろしい事をさせるんだもの。

スタジオ:8人の女優、8人がかける椅子があって、8台のアルファ・ロメオに、役の名前が書いてある8つの控え室に、8人の運転手・・・以前私が経験した映画を再発見させてもらったわ、ディヴィヴィエ、トルネール、オフリュスの時代、ロケをしなかった時代のことよ。スタジオ撮影は大好きだわ。自分のコートをどこにかけたらいいのか、テイクとテイクの間どこにいればいいのかすぐに分るし、誰かの家や通りだと、いつも困惑するの。このセットでなら、いつも自宅気分でしょ。全員が毎日いたし、台詞はないけど画面に入るシーンを撮影するのにも便利だから。突然オゾン監督が、「あそこの二人にこのシーンは見られているね」とか言って。イザベル・ユペールには本当に感動したのね。凄い完璧主義者で、秘密主義者なの。紙袋を持っていて4時になるとそこからパンを一切れ出してきて、分けてくれるのよ。私には皆とても面白かったわ。

架空の母親:仕事でカトリーヌ・ドヌーブに会うと、私は彼女の母親なの!彼女の母親を演じるのはこれで4度目。でも押入れに閉じ込められたのは今回が初めてだったわ。『8人の女たち』で彼女にはマリリンを連想したわね、それに実際私は彼女をマリリンと呼んでいたわ。これほど多様な架空の世界で定期的に、カトリーヌが自分の娘でいるなんてとても感動的。まるで別の人生が別なところで、私たちにお構いなく演じられているような感じで。映画の時間って染み込んで来るのね。カトリーヌが私の娘で、初めて会った時のことも覚えているわ、栗色の髪の毛で可愛らしい顔つきの、少女の彼女をね。

シャンソン:"Il n'y a pas d'amour heureux"を歌ってみて、リサイタルをやってみたくなったわ。考えてみたの・・・・私の年ではね、1917年生まれだから、いつも計画を立てておかなくてはいけないの。



LE NOUVEL OBSERVATEUR Semaine du jeudi 31 janvier 2002 - n-1943

ダニエル・ダリュー

「とてもワクワクする企画ね!」

「フランソワ・オゾン監督には私がデビューした頃に一緒に仕事をした監督を重ね合わせることが出来るわ。"Abus de confiance"でアンリ・デコワン監督は私にゴロツキの役をくれたし、ビリー・ワイルダー監督は"Mauvaise Graine/Bad Blood"ではスペインの泥棒のお頭役を私にくれたわ。オゾン監督は当時の私に似てるの。聖歌隊の子供みたいだけど、ひねくれているのよ。それに気づいた時には、もう遅いの。前からいつか一緒に仕事をしましょうと言われていたのだけど、私は信じなかったの、ほら今度一緒に食事をしましょうと、いつも言うけど実際はしない人っているじゃない。だからかなり不安だったのよ。これまでの作品を何本が見せてもらったのだけど、私の趣味に合うと思うものしか見せてくれなかったわ。『クリミナル・ラヴァーズ』は見て欲しくないって言うの、血生臭いからって。とにかく『8人の女たち』は断ることが出来なかったわ。あの原作を書いた人が主役をやらないかって言ってくれたのだけど、当時スケジュールが合わなくて私は出演できなかったのね、映画ではカトリーヌ・ドヌーブが引き継いだあの奥様役だったのよ。当初はあの母親役はなかったのだけど、オゾン監督が私のためにって特別に書いてくれたの。その方が良くて、楽しかったわ。でもあのシャンソンは誰か別の人が歌うべきだったのじゃないかしら。とにかくフランソワには決して”ノー”と言えないの。すごく優しくて愛すべき存在だから自分のしたいように出来るのね。私たちは彼の指人形って感じで、嬉々として彼に従うのよ。私の意見ではこの映画は綺麗で、明確で繊細ね。監督は『まぼろし』も同じだけと、魅力的で知的な映画の再来を別のジャンルで公言しているの。正直に言うと、この数年オファーされたものは全然気に入らなかったの。シナリオも深刻で、悲しくてエスプリを感じることが出来ないものばかりで。オフリュス監督は本当に映像の魔術師だったけど、彼の後では、その魔術が後退したような気がするわ。だからこの企画には本当にワクワクさせられたわ。互いにライバルだと思う8人の女優たちのこの映画の話題は業界でも賑やかだったわね。撮影現場にはスパイがいたのよ:人によってはトラブルを期待していたのね。でも無駄骨だったわよ」



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