"ELLE"誌1997年5月26日号のインタビュー

エル: あなたには仕事の依頼がたくさん舞い込んでいて、映画人の多くが、同世代のリーダー格と見なしていますね。 それをどう思いますか?

ヴィルジニー: 嬉しいけど、わたしは同世代の代弁者じゃないもの…

エル:個人的には政治参加できるでしょう?

ヴィルジニー: 私は女優で、自分の政治的信念をひけらかしたくない。自分の居場所をはっきりさせな いとね。どう言えばいいのか分からないけど、"7 sur 7"(フランスの政治番組)の放送に俳優が出てるのをみるのはつらいわ。自分のやり方があるもの…。

エル: と言うと…?

ヴィルジニー: チベット協会(49 Avenue Paul-Doumer, 75016 Paris) の幹事長をしています。ヒマラヤのチベットセンターと北インドへ薬と医師を派遣しているの。お金が必要なので、この話をしますが2週間現地へ言って、協会が必要な物資の点検をしたんですけど。本当にひどくて。あんなひどい状態は初めて。彼らのために行動するには、当たり前。知的なことでもないし、ヒロイズムからでもない、賞賛されるものでもなくて、体が動いてしまうから…

エル: あなたはブルジョワ出身ではないんですね。

ヴィルジニー: そうよ。低所得者が住んでいる地区で育ったし、父はダスの出身で、市場で働いています、祖母は、フランコ政権を逃れてきたスペイン人で、アパートの管理人よ。で、私は女優。だからってどうってこともない。 成功者コンプレックスは私にはないし、自分の生まれを恥じても誇りにも思っていないわ。あるがままよ。私は(レ・ミゼラブルの)コゼットじゃないし、何かがなくて不自由したこともない。 両親にはいつも甘やかされて来たし…

エル: どうやって女優になったのですか?

ヴィルジニー: 子供の時、コマーシャルの仕事をして、キャスティングして、写真の仕事をして、9歳の時、子供の演劇学校に入ったの。午前中に授業があって、午後はピアノのレッスン…。

エル: 外見には注意してますか?

ヴィルジニー: もちろん!、皆そうでしょう。ダサイって思われたくないもの。それに最近、私の職業では「肉体を包むもの」がいかに大切か気付いたの。以前は汚いジーンズとかTシャツ着て、コンバースを履いたりしてたけどね。今ではもっと気を付けるようにしているわ。でもあれこれしたいとか、野菜しか食べないとか、グッチを着たいとかが目的じゃないけど。食べ物には気をつけてるし、ダンスのレッスンも受けてるし。 身だしなみは良くしようとしてます。ヴィクティム・ファッション(大嫌い!) はダメ、シックなのもダメ(変装してますみたいなやつ)でもシンプルでエレガントな感じ。アルマーニは好きで、良く着るし、アニエスB、APCも好き。 ブランドじゃない薬局で買える化粧品も好き。ロシュ・ポゼーのシリーズ
のファンです。★



"ELLE" 1998年11月23日号でのインタビュー

注意:このインタヴューには9/14発売予定の『天使の肉体』(原題 En Plein Coeur)に関するネタばれが含まれています。
 

エル: "En Plein coeur "では、ブリジット・バルドーのかつての役をあなたは演じた訳ですが比較されても平気ですか?

ヴィルジニー: 私がバルドーと比較されるなんて驚いてしまうけど、嬉しい。この役の、役自体が象徴するもの全てが好きなの。演じている女優がうまくなくても、人物がスクリーンを満たし、輝いている。 映画の神様は存在するのよ。

エル: バルドーから40年後に演じたこの役を、どう思っていますか?

ヴィルジニー: 悪女タイプじゃないわ、ギルダじゃないもの。セシルは自分でどうしていいのか分からない子でつまらない強盗をするのに、プラスティックの拳銃を買ってしまい、将来が見えない子なの。衝動的に行動するけど、アバズレじゃない。前の彼氏とセックスしたり、ジェラール・ランバンの子を妊娠してしまうけど、それは、寝ることでしか自分を表現できない、それが彼女の唯一の語彙だからなの。

エル: そうすることが好きだからでもあるわけですよね!

ヴィルジニー: セシルはそうしたいわけ。でも自分をかばってもらうためにランバンを誘惑する時も、嬉しくて、そうしたのではないと思う。ただ議論できなくなって、自分の体をあまり大切に思ってないからなのよ。

エル: 映画でヌードになるのは、イヤな事?

ヴィルジニー: 問題はヌードがその映画に必要かどうかを知ることね。じゃないとすぐに低俗になる。ヌードが映画の目的に合うなら、私はそれほど気にならない。私ははずかしがり屋だけど。でももし突然、胸を出すのはイヤって私が言ってたら、同じ映画にならないもの。

エル: これほど官能的な役を演じるのは大変?

ヴィルジニー: 官能性よりエネルギーが伝わるように演じたつもり。でもそうしたら、セシルの役の半分しか演じられなくなってしまったから、官能性も完全に出したかったなあ。

エル: あなたは写真のモデルやテレビ映画、宣伝などに出てから、13才で映画デビューをしたわけですが、 これは天職と言ってもいいのでしょうね…

ヴィルジニー: 長いこと、不定期にしか女優の仕事をしなかったし、学校が休みの時にしか撮影をしなかったもの。女優になりたいとはまだ思っていなかった。将来どうしたいって当時聞かれた時は、少年事件を担当する判事って答えてた。16才半の時、オリビエ・アサイヤスの「冷たい水」の撮影の時初めて、女優になるんだって思ったのよ。

エル: その前は?

ヴィルジニー: 他の女の子たちと同じで、変装して、お化粧して、遊んでいた。 写真のモデルは全くの偶然で始めたの。母はあまり乗り気じゃなかったの、自分の娘をいじくりまわされるのが嫌だったのね。でも私は水曜日に託児所に行くより、撮影されるほうが良かったのね。

エル:学校の勉強に差し支えなかった?

ヴィルジニー: 子供の演劇学校へ行ってたの。大学入学試験の時、選択することになった: 試験を受けるか、それともブノワ・ジャコー と" La Vie de Marianne " を撮りにチェコスロヴァキアへ3ヶ月行くか。 旅立ったわ。

エル: 映画狂の選択ですね。 映画狂だったの?

ヴィルジニー: 子供の頃、毎週火曜日の夜は、父に映画に連れていってもらって、その後、ドラッグストアでニュテルラ味のクレープを食べるのが習慣だったのよ。

エル: お父さんは露天商だということですが…

ヴィルジニー: そう。昔は市場で働いていたの。今では縁日−展示会なんかに行ってる。でも私は物に不自由したこともないし、文句を言ったこともなかった。オーベルヴィリエに住んでいたの。それは映画の「ジェルミナル」でも「居酒屋」みたいでもなかったけど。私が演劇学校に通っていた時、他の生徒の両親には、医者や、弁護士、大学の先生もいたけど、私のほうがよっぽど甘やかされていたと思う。彼らの親は子供に物の価値を教え込もうとしてた、子守りして、お小遣いを稼がなければいけなかったのよ。

エル: あなたはどうでした?

ヴィルジニー: 13才の時、毎日50フラン(約千円)もらってた。でも地下鉄のキップや本はそのお小遣いで買っていたわ。地下鉄が大好きなの。地下鉄に乗ると、生きてるって感じがして。撮影中は、現実から少し離れるのね。朝迎えに来てもらって、喉乾く前に飲み物もらって、常に母親がいるみたいな状態。夜、家に帰ってから、「あ、コーヒーが欲しいな」なんて時々思ったりするのよ。するとコーヒーポットがすぐ近くにあって、恋人の顔が見えて、自分でコーヒーを入れてるの。

エル: (成功に)得意になることはある?

ヴィルジニー: ない、でも人間って全てにすぐ慣れちゃうから。 特にお金にはね。

エル: 長い間、独立しているのですね。

ヴィルジニー: ずっとね。小さい時でも、エージェントが「これをしなさい」と言ってきても、「決めるのは私よ」って答えていたし。16歳半の時、自分のアパートを手に入れたの。 留守録があるのが本当に嬉しかったなあ。 それが私には独立の証って感じだった。「もしもし、こちらはヴィルジニーです。」って、1日に何回も録音を入れ直してたわ。

エル: 若手女優の世代への連帯感みたいなのありますか?

ヴィルジニー: 彼女たちの多くに、 生活に根づいていたいと言う強い意志を感じるし、それは私にも理解できる。「冷たい水」の撮影の時には、2ヶ月間髪を洗わなかったの。偉いことでもなんでもないけどね!。 でも写真を撮るときは、きれいでいたい。そのために撮るんだもの!。かつらを付けて、付けまつげして、2時間もあれこれして、頭がおかしくなるくらいだけど、職業の一部だから。カンヌに行く時も、同じ、きれいなドレスを着たいわ。一番きれいになりたいとかクリスマス・ツリーに似せたいとかじゃなくて、自分を喜ばせたいの!。

エル: 8時のニュースに出るのは、恐い?

ヴィルジニー: ぜんぜん!。 呼んでくれたから行くのよ。 シックなシンプルな装いでね。

エル: ファッションには興味がある?

ヴィルジニー: 好きよ。でも「エル」に忠実にしたがうなら、毎週月曜日は、ラフな格好をすべきなのよね。ファッションにあまり振り回されたくないし、私買い物するの大嫌いだから、する時は、こことあそこに行ってと、買い物の順序を立てるのよ。今日はヴァネッサ・ブルーノのスカートとセルジョ・ロッシの靴を卸したの。ベンシモンからエスパドリーユまで、靴は私の弱点なの… 100足以上あるんじゃないかなあ。

エル: 出かける準備に時間をかけるほう?

ヴィルジニー: 2分半よ。 私がスカートを履いてたら、何か特別なことがあるってことなの。

エル: 自分をどう思いますか?

ヴィルジニー: 鏡とは、健全なお付き合いをしてると思うわ。 化粧はほとんどしないし、とても無器用で、いつもどこかにぶつかるの。子供みたいに傷と青あざだらけよ。

エル: 子供は欲しいですか?

ヴィルジニー: 25才までには一人欲しいな。

エル:父親になる人は見付かりましたか?

ヴィルジニー: ええ、そう思ってる。

エル:結婚は?

ヴィルジニー: 分からない。3ヶ月前は、絶対したいなと思ってたけど、後でくだらないなと思ってしまって。様子を見るわね。★

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