esprit femme 2006

30才を前に、彼女は静かに正々堂々と、既に20年に渡り映画のキャリアを積んできた。あまりに優等生のヴィルジニー?身構えないで!柔らかな外見の裏には鋭い感受性が隠されているから・・・

彼女がおそらく最も感動的なのは、正にこんな瞬間だ。レストランで盗み撮られた写真がゴシップ誌を飾った時、パパラッチたちに追いまわされている気持ちでしたか?と聞いた時のこと−時間をかけて優しく答えてくれた:「あれが大切なことだって思いたくないわ、在り得ないもの」。彼女の慇懃な拒絶には高飛車で、ぶったところはない。見た目には静かな様子でも、唸る嵐を感じている。目は笑っていないし貝殻に入ったヤドカリみたいに、大きな赤いセーターに身を包む。高校なら、きっと学期の始まりには避け難い方程式(凄い美人 + 近寄り難い + 知的)のために嫌わるだろうが、学期末には予期しなかった方程式(忠実 + 活気 + 気配り)で皆の親友になるタイプだったろう。ジャメルやルメルシエと言った人たちのように即答しないことを意識してそれを残念だと思っている:「私、紋切り型の言い方になってるかしら?」「馬鹿げたことを言ってるわね!」それはちっとも構わないんですよ!女優さんが最善を尽くし自分の個性を出してくれるのは映画で、ですから。彼女は10才の時から映画の世界に受け入れられ、以来独自の場所を確保してきた。1年に1本の作品、それが通常ヴィルジニーの仕事のリズムだ。今、そのリズムが3本の映画が同時期に公開を向かえ、その中でも一番の期待作フランシス・ヴェベール監督の "La Doublure" で、ギャド・エルマレに恋する本屋の女性を演じている。恋する女性、多くは語らず、やんわりと否定したが、恋愛していることを直感できる状態が、彼女の人生の活力になっているんだろう■
 
 

エスプリ・ファム: 昨日のアポは、娘のリラちゃんが病気でキャンセルになりましたが、具合は良くなったんですか?
ヴィルジニー・ルドワイヤン:ええ、かなり回復しましたね。

そうした予期できない事態になると、冷静さを保てるほうですが、それでも慌ててしまう方ですか?
 4歳の娘の母親なら誰でも一杯一杯になってしまうことがあると思いますよ、特に健康に問題がある場合には。でも私はすごい心配屋さんではないですね・・・どう言えばいいのかしら?ヒステリーを起こしてしまうってことはないです。

あなたからすると、それは女性典型の欠点だと思いますか?
 今はそうは思いませんね。ヒステリーを起こす男性もどんどん増えてるって思いませんか?外見に気配りする男性が増えてるのと同じです。今は男性・女性の特徴が混ざっているじゃないでしょうか?それが良いとか悪いとかじゃなくて、そうなってるってことよね。

メトロセクシャル、ユーバーセクシャルとか、そうした言い方ですね?
 それは、違うわ!私にはそうした言い方はジャーナリストの考えかたに思えるの。人をそうした表現で定義付けて、そこまで一般化しようとするのには、唖然としちゃうから・・・

特にあなたが評価する男性的な特徴って、ありますか?
 心使いとか、女性へ見せる優しさとか、そうしたことはいいなって思います。私の鼻先へドアを閉めちゃう男性は好きじゃないけど、無作法っていう以前に、それって私たちが生きてるストレスの兆候なんでしょうね。自分が抱え込んだ問題で頭が一杯で他人が見えなくなってしまうの。不安がどんどん人間を蝕んで行って、それは男性も女性も同じだと思う。私たちの社会全体が不安を引き起こしてるから。でもメディアはそれを解消しようと何かをするわけじゃないもの。あまりに多くのことに不安を覚えると常に報道するでしょう。だから気が休まることがないのよ。

ここ最近、不安に感じたことって何ですか?
 あぁ、馬鹿みたいな、とてもつまらない事で不安になっちゃうから、教えたくないわ!でも風船みたいにすぐに不安解消しちゃうから。その代わり、郊外で暴動があった時は、人って信じられないほど不安に駆られるものなんだって思ったの。反応が異常だったわ。あの事件は確かに社会がうまく行ってないっていうサインだと思う。でも驚くようなことじゃなかったし、ショックでもなかったわ。郊外の若者がうんざりしてるって事が突然分ったって言う方が、狂ってるから!

でもそれは郊外に限った事じゃありませんね。若い世代は簡単に退屈してしまうと思いませんか?
 ええ、それは今の世の中では退屈しないでいるのにあまりにもお金がかかるからじゃないかしら。本、映画やCDはとても高いわ。人にとってはテレビで見るよりも、もっとひどい生活をしてるでしょうし、とても豊かな生活をしてる人も彼らの目に入るから。一方で人はすぐに飽きてしまう、全てのスピードがあまりに速いからよ。一度にあれもこれもしていないと、何もしてないって気になってしまうの・・・

それであなたは何もしない、あるいはとても日常的な事に喜びを見出せるタイプですか?
 ええ、そうね!映画の撮影が終われば、日常に帰るのが好き、毎日の生活の儀式みたいなことね。(笑)変化はあまり好きじゃないわ。

例えば、それは髪を切るってことにも言えることですか?
 (笑)正にそうね。でも見てて:これから公開される3本の出演作の一本では驚きがあると思うわ!

あなたは強くてしっかり屋という印象がありますね・・・実際そうですか?
 強い?そうね、時々はそうだけど、そう思えない時もあるから。しっかり屋?確かにそうね。映画を撮ってる時は、あまりに「バラバラ」な状態になってることが多いから、監督や演じる役に対峙して自分を消してる時もあるでしょ。映画ってめまいがするような面があるの。だから撮影がない時は、自分のことはきちんとコントロールしたいって思うの、でもそれでなんでもかんでも自分が決定権を持つってことじゃなくてね。他人のことを決めるじゃなくて、自分のことは自分で決めたいって意味ね。

それはあなたの教育から生まれたことですか?
 たぶんね。私の両親はとても頼りになる強い人たちだから。

年を取るに連れて・・・おっと・・・成熟さを増して、親に似てきたなと思いますか?
 「年取った」って言っていいわよ。(笑)実際よりも、人は女優にはよく媚を持たせてくれるでしょう。あるいは「成長に連れて」って言ったほうがいいのかしら?そうね、成長に伴って、自分は益々親に似てきたって思うわ。物の言い方とかも同じだって気付くことがあるの。気の持ち方もそうね・・・時々思うの・・・「これってどこから来てるのかな?」って。良く知ってる人を思い出すの。(笑)・・・でもいつもいつもって訳じゃないけど・・・

娘さんの中に自分自身を見出すこともありますか?
 ええ、時折ね。娘は私みたいにとても気が短いところがあるの。時々、見ててこう思うのよ:「ああ、そうしないで!」私も待つのが好きじゃないから。
 

何にハマっている?
皆、少しは中毒になっているモノがある。ヴィルジニーもそう。でもそれは思われていることと違うかも・・・

タバコにハマってる?
そう、中毒ね、間違いないわ。たばこを始めたのが早かったのね、14歳くらいだったの。2年間止めていたけど、また吸い始めてしまったわ。いつか絶対止めるって思っているけど、それはいつなのかしら?

読書にハマってる?
ええ、毎日読書しないとダメ。このインタヴューを受けたら、本を買いに行く予定なの。今朝、一冊読み終えたから。詩とか劇とかはあまり読まないわ、読むのは小説ね。でも読書は私にとっては何かを選んだり決めたりする時の基準にはならないわ。役に立たないようなものしか読まない人でも、それが好きなら、それでいいんじゃないかしら!

セレブであることにハマってる?
そうでもないと思うわ。でもそれにハマってしまうのはとても簡単よ。この仕事は虚栄心の展示会みたいなものだから。俳優たちへの関心って、その仕事の本質を考えたら桁外れでしょ。それを一旦認識できれば、中毒の罠にハマらないですむの。そうは言っても、私もカンヌへ言って、ナイト・ドレスを着て写真に撮られるのはまんざらじゃないわ。楽しいお遊びって感じだけど、それに騙されないようにしないとね。

甘いものにハマってる?
ううん!どちらかと言うと塩辛いほうが好き。チーズにハマってるかな。

靴とハンドバックにハマっる?
両方ね!服は大好きよ、それだけ。でも靴とハンドバックはどんな形のものでも、カジュアルでも洗練されているのも本当に好きなのね!

太陽にハマってる?
違うわ!天気がいい方が好きだけど、何時間も浜辺で寝そべってるなんて私はできないわ。それに浜辺に行くのはあまり好きじゃないの。完全に陽が遮断されたほうがいいわ。

テレビにハマってる?
全然。なくても全く平気よ。

少女時代は?
ううん。子供時代は楽しかったわ。でも過ぎたことを思い出して感傷に浸るタイプじゃないの。今を大切にして、前進したいもの・・・

メールと携帯にハマってる?
電子メール?ぜんぜんやらないわ!携帯はハマってる。携帯がないと終日落ち着かないから。

お金にハマってる?
お金があるっていうのは好きよ。でもお金にハマるなんてイヤ!もっと具体的に言うと、ギャラが凄いからって、好きでもない映画に出るつもりはないわ。

創造的な余暇にハマってる?
ううん、絵を描くわけじゃないし、宝石を作れるわけじゃないしね。とても不器用だから。絵が描けたり、洋裁が出来たり、何か作れたらいいなって思うわ。でも残念だけど、私にはできないの!

感動するのにハマってる?
そうね、なにか感動的なことに遭遇したいもの。だからとても生き生きとしてて、躍動的な人たちと出会いたいなって思う。

でも映画では待つことが多いですよね・・・
 ええ、でも待つのは分ってるから、うまく時間を使えるようにしてるわ。私が嫌いなのは、受身で待つことなの。

娘さんが悪戯をしたら、どうですか?ネコの尻尾をひっぱったり、お友達をぶったりとか?
 時々、悪戯もするわよ(笑)・・・

・・・どんな風に反応します?
 叱るわ(ヴィルジニー笑って)!

説得するほうですか、罰をあたるほう?
 両方ね。でも罰って言っても「部屋に行って頭を冷やしてらっしゃい!」って位かな。ああ、そう!うまく行く別の方法もあるわね:「3つまで数えるわよ、3までに・・・そうじゃないと・・・1...2...」今でもこれをやると効くの。でもそれも何歳までかな?

地下鉄に乗ってたら、娘さんがこう言ったとします:「あのおじさんを見て、凄いヘンな顔してる!」
 うわぁ、でも似たようなことを言う事もあるわ。とても恥ずかしいことね。その人がいる間は、娘と口論しないようにしてるわ。それから茶化して、こんな風に娘に言ったりします。「あなたはどうなの、自分はどんな顔をしてるの?」和ませるようにしますね。一度こう言ったことがあったんです:「あの女の人見た?男の人みたい」って。子供って、親を困惑させるコツが分ってるみたい・・・

女優として、まだ困惑してしまう事ってありますか?
 ううん、馬鹿げたことにも怖気つかなくなって来ましたね。自分が嫌いな映画以外なら、これは怖くてイヤって言うのはありません。うまく出来るってことにはならないでしょうけど。でも細かいことにこだわりたくないわ、例えば17歳の時になら、「いやよ、そんなことできないわ、バカみたいじゃない!」って思うわよね。10代のころは馬鹿みたいなことがとても嫌な訳。でも私はその面では運良く変われたって思うの。どちらかって言うと毎日の生活の中で出来ないことって私にはあるのね、時にはすごく当たり前な事も。タクシーの中で電話に出るのがすごくイヤだったりとか、薬屋さんで、症状を説明する時、自分の後ろにいる人たちに聞かれたら、モジモジしちゃうとかね。薬局にコンドームを買いに行けない若い子の気持は良く判るの:「サイズは?うーんとXXL・・・」(大爆笑のヴィルジニー)

あなたはプレイベートな質問には一切答えませんね・・・
 だからプライベートな訳でしょ。それが会話のネタになることにはこだわらないけど。

テレビでの感情的な告白話とかにはイライラする方ですか?
 イライラしたり感動することもあるわ。あまりに破廉恥な話はチャンネルを替えてしまうけど。

個人的な話題を避けていると、冷たいとか掴みどころがないって思われる心配はないですか?
 残念だけどないわ!人が私に関して言う事で深刻なことはないもの。人種偏見があるとか、反ユダヤ主義とか言われたくはないけど。でもそれ以外なら何も言われても平気よ!俳優ってすごくたくさんの事を投影されるから、それも普通なの。例えば、私には映画でしか見せないある種暴力的な面もあるの。人に思われていることと自分が違うって証明するのって、それが出来ても何の得にもならないのよ。

来年は30歳だそうですね、どんな気持ちですか?
 30歳、理性の年よね。30歳・・・ある種の落ち着きっていうか、何か確立されたものがある感じかな。でも怖くはないわ、もうロリータというレッテルから離れて、母親役を演じることが出来るようになるのも嬉しいから。

自分はカメラの前で成長して来たって思えますか?
 ええ、そうね・・・9歳の時にこの仕事を始めたし、とても早い頃から、折に触れ大人と接触してたしね。14歳の時、クロード・シャブロルやブノワ・ジャコー監督たちと仕事をしてたわ。それと同時に、自分の思春期を過ごしていたの。成績が良くないと外出できなかったり、初めて恋人が出来たり・・・仕事で自分の生活が変わってしまったことはなかったから。

常に男性に囲まれている女性という感じがしますけど・・・
 仕事では女性とたくさんの映画に出た訳じゃないけど。でも実生活では男性とばかりだったら我慢できないわ。私にはとても親しい女友達もいるから。

すぐに親しくなる友人がよくできるほうですか?
 ううん、半年毎に友達が変わるってことはないわね。女性の親友とは20年来のお付き合いよ、この世界の人じゃないし。親友が何人も大勢いるわけじゃないもの。どうしたら、多くなるのかしら?ううん、自分は友情はとても固いほうだと思うわ。

ナルシズムを測るとしたら、何点くらいになりますか?
 ひどいわ!点を言えばそれだけでナルシストってことになるじゃない。俳優の大半がそうだと思うけど、私も少しばかりはナルシストの部分もあるかも。


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