ヴィルジニー・ルドワイヤン:「私は振りをするのが大好きなの」

3歳で広告に出演、20年で30数本の映画に出演、若い主役という体躯・・・スターの条件を全て兼ね備えている・・・「コメディを得意とする」フランシス・ヴェベール監督の映画 "La Doublure" へは迷わず出演決定したヴィルジニー・ルドワイヤン。

ヴィルジニー・ルドワイヤンは、その正体を明かさずにこちらをくすぐって来る人だ。柔らかい物腰に、繊細な顔立ち、早すぎず遅すぎない話し方、若々しい笑顔、透明感のある肌。そんな彼女は映画界で20年になるが、まだ30歳にもなっていないのだ!しかしここまでキャリア積むには色々あったことは想像に難しくない。その物腰もやむを得えない場合もあるのだろう。しかし小さい頃から、礼儀の第1歩は事を荒立てず、自分を客観視することだと学んで来た。そんな彼女はとても親しみやすく魅力的だ、4歳になる娘のリラちゃんが生まれた時に止めたというタバコに火を点ける。
 

またタバコを吸い始めてしまったんですね・・・

ヴィルジニー・ルドワイヤン:ええ、タバコが好きなんですね。2年間止めていて、もう絶対吸うことはないって思っていたんですけどね。でも決心できないままと言うか、本当に分らないうちにまた吸い始めてしまったわ。機械的にある夕食の時にタバコを吸って、それ以来また吸い続けてしまっています。

罪悪感はありませんか?

ううん、その瞬間は、これは例外と思っていたんですね。でもまた習慣となってしまいました。また止めなくてと自分に言い聞かせているんですけどね。

どうやって止めるんですか?もう一人子供を生むことで?

たぶん、それはないと思いますよ。今、罪悪感という話が出ましたけど、禁煙運動や罪悪感という理由でまた吸い始めてしまったのではないと思うんです。なにが何でも健康で、たばこはダメ、これはいいけどあれは食べない、運動は定期的にやるとか、すごく不安になりません?皆が同じ生活様式になって、同じものを食べて同じ行動をするなんて、硬化症にでもなりそうな無味乾燥なメンタリティーだと思うの。自分が良いと思うように生活すべきなのよ!

フランシス・ヴェベール監督の新作映画に出ていますね。共演者にはガド・エルマレ、ダニエル・オトーイユ、ダニエル・ブーン、クリスティン=スコット・トーマス。フランシス・ヴェベール監督は"La Chevre"(日本未公開)や『奇人たちの晩餐会』では男性のペアがよく登場して来ましたが、これだけの女性のキャラクターが出て来たのは初めてですね・・・

女性嫌いなのかなと疑われるところですよね。でも監督は女性にとても優しい視線を向けています。私の役もアリス(タグリオーニ)やクリスティンの役も確かに典型ではあるのですが、監督は風刺にならないようにしています。

この作品のテーマは社長が有名なトップモデルである愛人といるのをパパラッチされ、醜い離婚を回避するのに、この美人モデルが実は小市民であるフランソワ・ピニョンと生活を共にしていると信じさせようとします。なぜこの作品に出演しようと思ったのですか?

お話がマリヴォーを連想させて、それが気に入ったんですね、自分が演じるエミリーという役も明るくて、現実に根を下ろしてるタイプというのも良かったですね。なよなよした感じじゃないけど、いじらしい面もあるし、読書が大好きな私のような人間にとっては、彼女が本屋さんを経営してると言うのが凄く気にいりました。それにフランシス・ヴェベール監督と仕事をしたいと思っていましたから。

なぜですか?

進歩したいからじゃないでしょうか、俳優は皆それを望むと思うんですが。

ある映画監督が他の監督よりも自分を進歩させてくれるだろうと思う時、なにが理由になっていますか?

それはある映画が好きになることから来ているんじゃないかしら、自動的にセットの向こう側を見たくなると言うか、自分の仕事のやり方で何が得られるのか知りたくなるからだと思います。フランシス・ヴェベール監督に関しては、フランスではコメディについては第一人者ですよね、ある種のリズムというか、独特のダイナミズムというか、監督にしかない厳格な仕事のやり方ですね。例えば満足が行くまで40テイクも撮ることもあるんです!私はいつもそんなの自分は我慢ならない、そんなの無理って思っていたんですね。あるいはそんな撮影をしたとしても、自分が無力って思えるんじゃないかと。でも監督とは嫌な気持ちにならずに、そうしたこだわりかたも刺激的だと思えたんですね。

時と共に辛抱強くなったと思いますか?

なってないと思います!待つことが嫌いなんですね。何でも早くないとダメで、イライラしてしまうのは自分の気まぐれのせいだろうとは自覚しているんですけど。

3歳の頃からCMに出演していて、その後も演劇学校で勉強を続けていましたね、1986年に初めて映画出演しました。20年という映画のキャリアを経て、どんな気持ちですか?

幼い時にこの世界に入りましたから、自分の回りを見て、それを吸収して育つ時期ですよね。有名になって成功して、エゴが大きくなっても、幸福と思えない人たちを見てきたので、用心深くなりましたね。この仕事をしていると、褒められることが多いので現実離れした、少しおかしなエゴが生まれてしまうんです。私自身、そうした自分に酔ってしまうことを避けられない場合もあると思いますけど、いつも相対的に見る努力を心がけています。私の両親は良識があって、とてもしっかりしていましたから、宣伝に出ている可愛い娘がいて嬉しく思っていたでしょうけど、同時にそれも1時的なものだと考えていましたから、家で私の態度が「横柄」になって来たら、「ほら、もう寝なさい」とか「きちんと部屋の片づけをしなさい」と言われて、すぐに現実を見るように仕付けられました。1日中、人に綺麗だと言われていても、両親は違いましたから。それで良かったんですね!

女優の仕事で何よりも好きなことは何ですか?

メイクと髪型を整える時ですね。衣装を着て、振りをする準備をするの。私が好きなのはこの虚構って面かな。自分が置かれた現実をしばし忘れて、少し眩暈を覚えるような身を委ねるような感じになるんです。役の中に入って、完全にそれ以外の事が見えなくなる瞬間があって、別の場所にいるような気がするのね。


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