Weekend Le Vif / L'Express, 01 fevrier 2002/ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 2002年2月1日

「私はいつも達成可能な夢を持っているの。」

『8人の女たち』の素晴らしい発見とも言えるルディヴィーヌ・サニエは、フランス映画界の女性スターたちとの共演に恐れをなすことはなかった。自分の演技を変えても見た。この小さなカメレオン女優を紹介する。ダリュー、ドヌーブ、ベアール、ユペール、アルダン、ルドワイヤンとフランソワ・オゾン監督が豪華な『8人の女たち』のために集めたキャストは、他のどのフランス映画よりもスター(全ての世代が混ざっている)が多いのだ。『まぼろし』の監督がブラック・ユーモアとシャンソンで味付けした犯罪サスペンス映画に出演するこの確立されたスターたちの中で、一人の若手女優が才能を発揮している。ルディヴィーヌ・サニエは、全てに興味深々で跳ね回る女の子を演じている、殺人事件が起こった家の次女で、犯人の正体は誰なのか?を調べて行くうちに、仮面が一枚づつ剥がされていく。オゾン監督の前作:悪魔的な『焼け石に水』で既に頭角を表し、" Un jeu d'enfants "に出演、『年下のひと』や『夫たち、妻たち、恋人たち』などの作品に名前を連ね、最近では『僕の妻は女優』にも出演した。フランソワ・オゾン監督は、『8人の女たち』で彼女が共演者にも引けを取らないスターになるのを見た。分別があり、ルディヴィーヌにはカリスマ性ときちんと才能も持ち合わせている。我々が彼女に会ったパリでは、ボーイッシュな”ルックス”で、ショート・ヘア、全く化粧気がなく、カトリーヌの役柄そのままの感じだった。『焼け石に水』では官能的な女性も演じてみせた女優にはお遊び風と言ったところだろうか・・・

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス:
『8人の女たち』には、あなたとダニエル・ダリューを繋ぐ素晴らしくとても感動的なイメージがあります。あの映画の最高齢者と最も若いあなたが一緒になって、まるでリレーのような、ある世代から次の世代へと受け継がれるのです。あの瞬間、どんな風に感じていましたか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
とても感動していました。ダニエル・ダリューが歌う" II n'y a pas d'amour heureux"は、歌詞をアラゴン、曲をブラッサンスが書いていますが、この歌はもう長い事知っているような気がするのです、私が子供の頃から父が歌っていて、これを聞くとドキドキしてしまうんです。幸福な愛なんかない(ションソンの題名)って言うのは絶望の印だとも言えますけどね。でも私は、不幸には普遍性があるって言うことで、この歌には連帯感のような、ある部分では楽観的な部分もあると思います。とくかくとても人間的なんです。特にダリューとのシーンでは、私にはとても大切だと思えた継承と言うアイデアがあったのです。このシーンを演じられたのは私には名誉でしたね。あんな風に私を見つめるダリューからの贈り物をもらって、凄く感動したんです。私はあのシーンを見るといつも泣いてしまうんですね・・・

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
まだキャリアの浅いあなたには、その継承という考えは、あれだけのスターたちに囲まれて、実際肌で感じることが出来たのではないですか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
あの女優さんたちは皆、私が子供の頃から親しんで来ました。彼女たちの映画はいつも私の生活の中にあったと思います。でもまさか自分がある日、あの素晴らしい女優さんたちと一緒に仕事が出来るなんて思ってもみませんでした。想像を逸脱していましたね。撮影現場では、大家族の最年少者として、可愛がってもらいました。私は、舞い上がっていて、自分へやって来る知恵と優しさで包んでくれる波に愛撫されているような感じでしたね。

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
仕事での繋がりと言うのは、大切ですか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
ええ、私はまだ女優の仕事を始めたばかりなので。ちょっと成長し始めた植物のような気持ちなんですね、栄養分を吸っている根の事を知ればなお良いと思います。人に愛されるためには、これまでに成長して来た自分自身も愛せないとだめだと思います。私は自分の根にとても愛着があるので、人に出会うにつれ出来てくる、ある一貫性を持った家庭的な感じの枝分かれが見えるんです。一緒に仕事をしたいと思うには、人間的な感動を覚えないとならないんです。

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
『焼け石に水』では女性的で官能的でしたが、『8人の女たち』ではとてもボーイッシュな感じが出ていました。

ルディヴィーヌ・サニエ:
オゾン監督はカトリーヌの役を私にするのに長い間、躊躇していたんですね。監督はあの役を演じるには私は女性的過ぎると心配していました。彼は、「君は少女を演じるんだ!」と言って、この人物は少し両性具的な感じで演じて欲しいと説明してくれました。少しより男性的な身振りや、曖昧などっちつかずの態度を取ってみたり、快楽に誘惑される女の子だけどバージンだと言った感じを出して監督に納得してもらいました。この役には監督自身が反映されているので、私は監督の真似をしたんです!(笑)

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
この映画ではエマニュエル・ベアールがロミー・シュナイダーの写真を持っていますよね。もし自分があこがれの女優の写真を持つなら、それは誰ですか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
リヴ・ウルマンだと思います。一番魅力を感じる女優さんです。何故だか分らないのですが、彼女に親近感を覚えるんです、親密な感じで。彼女と仕事をした訳でもないし、実際に会ったこともないのですが。

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
『8人の女たち』のカトリーヌのようにあなたもお転婆なんですか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
それはあの役と私の一番大きな共通点だと思います。私は批判的な、少し残酷と言えるようなユーモア精神が好きです。

                          

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
破壊的な考え方をすることもあります?

ルディヴィーヌ・サニエ:
ええ、あります!ある状況で、それがひっくり返るような事にすぐ頭が回るんです。物事の馬鹿馬鹿しさに敏感なんですね。規律をおかしくしてしまうことも好きです。とても宗教に熱をあげていた時期があって、今ではそれも過去の事ですが、自分が襲われた反抗精神を覚えています。ミサに行くと、とても告白出来ないような考えが頭に浮かんでくるんです。詳細にはとてもお話できませんけどね(笑)スキャンダラスな考えが浮かんで来て、厳粛な場所で馬鹿笑いが止まらなくなるんです。おかしくて。それで自分がいるべき場所はここじゃないんだとも分りましたね・・・

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
映画ではシーラの歌でしたね!

ルディヴィーヌ・サニエ:
ええ、" Papa t'es plus dans l'coup "を歌いました。風の中のシーラが生きた時代の躍動感に満ちた花咲く乙女の歌なんです。開放が必要なんだと歌っているんです、”してはいけない”(タバコはだめとか、ズボンを履いてはだめ)と言うことを拒んでいるんですね。1960年代で、性の開放がすぐに起こります。この歌はとてもシンプルで庶民的な言葉で、ある現代性、若者たちの反抗心を歌っているんです。それにエディプスコンプレックス的な面もあります。これを歌った時は、監督に向かって歌ったつもりでした。オゾン監督をダサイ人扱いしてからかうのが好きなんです。
(笑)

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
あなたの人生のサントラにはどんな歌が入っていますか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
父がミュージシャンなので、ブラッサンスの歌をよく歌ってくれました、ブレルやフェレの歌を聴いて育ちました。私が生まれる以前のシャンソンも知っています、レイ・ヴェンチュラの" Tout va tres bien Madame la Marquise "とか。反抗心を歌うシャンソンも好きです、戦争の歌とか。平和を愛するあの偉大なボブ・マーレーの" Redemption Song " も大好きですね。若いから、ヒップ・ホップにも惹かれます。音楽は私の生活に根付いていますね。

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
あなたの家族のおかげで、女優を志すようになったのですか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
それは間違いないと思います。家族で映画やお芝居を見に行っていましたから。両親がいつも文化的な教育をしてくれました。家族が集まると、食事の後で、映画を見たりしていました、キャプラ監督の作品とか。一緒に見て一緒に泣いて笑っていました。私の母が演劇をやっていて、演劇が大好きなんです。姉も早くから演劇を始めました。私も彼女の授業へ一緒に行って、6歳の時から姉の相手役を演じていました。8歳の時には、『病は気から』のトワネットを演じました。すぐに劇が好きになったんです。同じく8歳の時、ある映画撮影をするためにこの演劇の授業に出ていた私にお呼びがかかったんです。映画の撮影でも言いようのない喜びがありました。仕事意識やこれは任務だとか言う意識はまったくありませんでした。当時は幼くて、お遊び気分でした。私は皆に愛嬌を振り舞いていて、大人たちを観察していました。大人の弱さも垣間見たけど、大人はイヤだって思いませんでした。さらに大きくなって、他の映画の仕事もやりました、人と出会えるのが楽しくて。でも特に野心があった訳でもありませんね。いつかはカンヌ映画祭のあの階段を上がって行きたいっていう女の子たちの前では私は何も言えませんでしたね・・・(笑)

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
夢がありますか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
ありますよ!でも大それた夢はありません、実現可能な夢です。自分にはチャンスがあって、いつも想像以上のことを得ています。

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス
デビューがとても若い時だと言うのは、ある種の子供心が保てるのですか?

ルディヴィーヌ・サニエ:
ええ!もちろん職業意識もできました、厳しさも作り出すことも、演技を組み立てなくてはならないことも分るようになりました。でも根本的には12年前と同じ情熱と同じ軽快さを自分は失っていないと思います。

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
自分と同じ世代に属していると思います?

ルディヴィーヌ・サニエ:
ええ、でも特別な重荷は感じません、この世代を代表するような何かになる責任感とかはないですね。

ウィークエンド・ル・ヴィフ/レクスプレス 
多くの否定的な紋切り型で、我々の世代は批判を受けます(正に不当に):政治に無関心で、何にも興味を示さない・・・
我々には反抗心が足らないのですかね?

ルディヴィーヌ・サニエ:
私たちは苦労を経験しないで大きくなったからでしょう。親たちは60年代後半生まれですから、確かに反抗心の芽生えが少ないのかも知れません。私たちは怠け者で立派とは言えないのかしら?よく分らないけど、とにかく私の回りでは大人たちは嬉々として仕事をしているのを見ているから、私も一生懸命やりたいって思うわ!映画の第二世紀が私たちの前に開けているんだから、前進あるのみよ!でも特権や公のイメージなどがもたらす甘えや幻覚に惑わされないようにね。『スター・アカデミー』を見ると、「かわいそうな人たち!」て思っちゃうの。だって、あの番組の中で生きていても、それは幻想でしかないんだもの・・・



BACK