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ユージーン

・1995年2月25日初版
・新潮社刊

■サカナカナ
■フラミンゴカフェ
■コラージュ
■ユージーン
■あとがき
■単行本リスト



サカナカナ(プチフラワー1990年5月号)

・人付き合いは悪い、女にモテない魚谷(トトヤ)の前に現れた小さな半魚人。彼が人間に戻るためにはトトヤの協力が不可欠ナンダと泣きつかれて……。

・人魚は可憐、半魚人は不気味、でもこの半魚人は何だかカワイイ。トトヤ見てると、川原泉のキャラを思い出す。


――魚の血は冷たいというけど/ぼくの血もそうかもしれない/もしそうならどんなに楽だろう



フラミンゴカフェ(別冊ヤングユー1990年サマー号)

・なぜかまたトトヤガワという。たぶん上のトトヤとは別人(性格は酷似)。エリートと婚約した唯子の前に、高校のとき「約束」を交わしたトトヤガワくんが現れる。最後はお決まりどおりですが、ラストでのトトヤガワくんの喜びようが笑える。英二みたい。

・主人公が女性で、しかも大人です。掲載誌の力でしょうか。



コラージュ(ビーラブミステリー6集1990年5月号)

・趣味でコラージュを作っている主婦のぶ子。夫の海外単身赴任中に義母が亡くなり、残された心臓病の義弟が彼女のもとにやってくる。切り貼りして作るコラージュのように「透」はのぶ子を訪れたわけです。

・どうでもいいけど、のぶ子の留守電、私も昔持ってました。だんだんベルの音が小さくなって使えなくなったけど……。今ではどこにもない型です。



ユージーン(プチフラワー1994年3月号)

・アル中ヤク中の家庭で育ったどうしようもない俳優ユージーン。エージェントのゴドフリーは何とかして彼に仕事を見つけて更正させようとするのですが……。

・「神さまの本」を売るブスで半分気の触れた女と、美人でグラマーで俗人(すなわち偽善者)のマリア、二人の間で神様を演じる冷酷なユージーンと、誠実な性格のままに右往左往するゴドフリー――人間世界(+神様という名の不条理)の縮図ですね。誰がいなけりゃ万事平和で幸せかってーと、それはマリアなんですが、実際にこの世で幅を利かせるのも、残念ながらマリアなんですよねえ。


――交わって通じあって、安らかに全うするの……(「交通安全」のお守りを前にして)



■あとがき(書き下ろし)

・上の四つの作品を作者自ら解説して下さってます。「フラミンゴ・カフェ」に言及しての「単なる結婚願望は出世欲に近い」というの、なるほどと思いました。「ユージーン」では描きたかった題材を描けたとか。プチフラワー偉い。

・「ユージーン」単行本は、小学館と集英社と講談社の雑誌で発行された作品を新潮社が集めてくれたという変わった本だということが、初出一覧を見てわかりました。