ビリー・ワイルダー Billy Wilder

本名:
サミュエル・ワイルダー
ビリー・ワイルダー
職業:
監督、製作者、脚本家
生年:
1906年6月22日
出身国:
オーストリア
出身地:
ウィーン
没年:
2002年3月27日
代表作:
『サンセット大通り』(50)
『麗しのサブリナ』(54)
『お熱いのがお好き』(59)

ウィーンの大学に入学するが4ヶ月で退学、高校時代の教師の薦めで作家をめざすようになり、新聞社に就職して記者として働き始める。やがて、映画の魅力に魅了され脚本家に転向し、29年に『悪魔のレポーター』の脚本を執筆してドイツ映画界デビューを果たし、続いて脚本を手掛けたロバート・シオドマク監督の『日曜の人々』(29)で注目を集めるようになる。ヨーロッパでナチスが台頭し始めると、ユダヤ人のワイルダーはパリに移住。ドイツ出身の俳優ピーター・ローレや、作曲家のフランツ・ワックスマンらと共同生活をしながら、労働許可証がない為に偽名で脚本を執筆する。33年、ダニエル・ダリュー主演の『Mauvaise Graine』で監督デビューを果たし、翌34年にはコロムビア社の製作者でドイツ時代の友人だったヨーエ・マイの招きで、英語が喋れないにも関わらずにアメリカに渡る。長い下積み生活の後、37年にパラマウント社に『Champagne Waltz』の脚本を売り込むことに成功。翌年、同じドイツ出身で彼のアイドルであるエルンスト・ルビッチ監督の脚本を依頼され、チャールズ・ブラケットと共同で『青髭八人目の妻』(38)の脚本を手掛ける。パラマウントは二人の仕事ぶりに大いに満足し、ワイルダーとブラケットは引き続き共同で脚本を執筆、ミッチェル・ライゼン監督の『ミッドナイト』(39)、『囁きの木陰』(40)、ルビッチ監督の『ニノチカ』(39)、ハワード・ホークス監督の『教授と美女』(41)など名匠たちが手掛けたヒット作の脚本を手掛けて、最高の脚本家コンビとまで評されるようになる。しかし、ワイルダーは自分の脚本を扱う監督の手腕に満足せず、同じ脚本家のプレストン・スタージェスがパラマウントを説得して自分の脚本を監督する許可を得たことに触発されて、自らパラマウントを説き伏せてコメディ『少佐と少女』(42)を監督する。 44年にはレイモンド・チャンドラーとの共同脚本によるフィルムノワールの傑作『深夜の告白』(44)を発表、アカデミー賞では作品賞と監督賞を含む7部門にノミネートされて彼の監督としての評価を一気に高める。ワイルダーとブラケットは共同脚本家としてだけでなく、監督と製作者としても名コンビぶりを披露し、ビング・クロスビー主演のオペレッタ・ミュージカル『皇帝円舞曲』(48)や、マレーネ・ディトリッヒ主演のコミカルな恋愛劇『外国の事件』(48)などを手掛け、アルコール中毒者の苦悩を描いた問題作『失われた週末』(45)ではアカデミー作品賞とワイルダーの監督賞を含む4部門を制覇する。しかし、二人の間には争いが絶えず、ワイルダーはハリウッド風刺劇の傑作『サンセット大通り』(50)を最後にブラケットとの解消する。48年には女優のオードリー・ヤングと結婚、54年のロマンティック・コメディ『麗しのサブリナ』を最後に18年間働いたパラマウントを離れてフリーランスとなる。マリリン・モンロー主演のラブ・コメディ『七年目の浮気』(55)や、チャールズ・リンドバーグの伝記ドラマ『翼よ!あれが巴里の灯だ』(57)、アガサ・クリスティ原作の法廷サスペンス『情婦』(57)など様々なジャンルの作品を手掛け、57年のラブ・コメディ『昼下がりの情事』では新たな脚本執筆パートナーとなるI・A・L・ダイヤモンドと出会う。58年にはワイルダーは独立プロのミリッシュ・カンパニーと契約、60年代に入ると『お熱いのがお好き』(59)、アカデミー作品賞に輝いた『アパートの鍵貸します』(60)、『あなただけ今晩は』(63)、『恋人よ帰れ!わが胸に』(66)など、ワイルダーとダイヤモンドの共同脚本によるジャック・レモンウォルター・マッソーら個性豊かな俳優を起用した、都会的なユーモアに溢れた傑作人情喜劇を製作してゆく。70年代に入ると念願の企画『シャーロック・ホームズの冒険』(70)や3度目の映画となる『フロント・ページ』(74)などを手掛けるが、これらの作品は興行的にも批評的にも振るわず、81年の『新・おかしな二人/バディ・バディ』を最後に引退を表明。2000年には『ザ・エージェント』のキャメロン・クロウ監督とのインタビューを掲載した「ワイルダーならどうする?」が出版された。
オスカーにノミネートされること20回、6度の受賞を持つハリウッドを代表する名匠の一人であるが、気難しい性格のため、俳優やスタッフと口論になることも少なくなかった。喜劇からシリアス・ドラマまで様々なジャンルの作品をそつなく手掛けて、彼の類希なるキャラクター描写、テンポの良いストーリー・テリング、セリフの巧みさ、そして職人的な手腕によって、どの作品も現在見ても十分に楽む事の出来る上質のエンターティメント作品に仕上がっている。

ビリー・ワイルダー監督作フィルモグラフィー

Maunaisu Graine/悪い種子(33)

監督/原作

ニノチカ(39)

脚本

教授と美女(42)

脚本

少佐と少女(42)

監督/脚本

熱砂の秘密(43)

監督/脚本

深夜の告白(44)

監督/脚本

失われた週末(45)

監督/脚本

皇帝円舞曲(48)

監督/脚本

外国の事件(48)

監督/脚本

サンセット大通り(50)

監督/脚本

地獄の英雄(51)

製作/監督/脚本

第十七捕虜収容所(53)

製作/監督/脚本

麗しのサブリナ(54)

製作/監督/脚本

七年目の浮気(55)

製作/監督/脚本

翼よ!あれが巴里の灯だ(57)

監督/脚本

昼下りの情事(57)

製作/監督/脚本

情婦(57)

監督/脚本

お熱いのがお好き(59)

製作/監督/脚本

アパートの鍵貸します(60)

製作/監督/脚本

ワン・ツー・スリー ラブ・ハント作戦(61)

製作/監督/脚本

あなただけ今晩は(63)

製作/監督/脚本

ねえ!キスしてよ(64)

製作/監督/脚本

恋人よ帰れ!わが胸に(66)

製作/監督/脚本

シャーロック・ホームズの冒険(70)

製作/監督/脚本

お熱い夜をあなたに(72)

製作/監督/脚本

フロント・ページ(74)

監督/脚本

悲愁(79)

製作/監督/脚本

新・おかしな二人/バディ・バディ(81)

監督/脚本



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