鳥 The Birds
公開:
1963年
鳥
製作:
ユニヴァーサル・スタジオ

アルフレッド・ヒッチコック
監督:
原作:
ダフネ・デュモーリア
脚本:
エヴァン・ハンター
撮影:
ロバート・バークス
出演:
ロッド・テイラー

ティッピ・ヘドレン

ジェシカ・タンディ

ペットショップで出会った弁護士ミッチに無礼な態度をとられたメラニーは、気まぐれと好奇心からミッチを追ってデボラ湾に向かうが、その途中一羽のカモメに襲撃される。その翌日、カモメだけでなく、あらゆる野生の鳥たちが人間を襲い始め、小さな町は大混乱に陥る。普段は人間に無害なスズメやカラスといった野生の鳥たちが突然訳も無く人間たちを襲いだす恐怖を描いた動物パニック映画の傑作。

60年に公開された低予算映画『サイコ』の思わぬ大ヒットによって次回作における観客の期待を否が応でも高めてしまったヒッチコックは、『サイコ』のスリルとサスペンスを超えるストーリー探しに奔走する。彼はテレビシリーズ『ヒッチコック劇場』用の素材として、実際に起こった事件を基にしたダフネ・デュ・モーリアの短編『鳥』を購入するが、国中で野生の鳥が人間を襲う事件が起こっていると知ったヒッチコックは、今作に劇場用映画としての可能性を見出す。ヒッチコックは脚本家のエヴァン・ハンターを雇い、『疑惑の影』(43)の撮影中に立ち寄ったサンフランシスコのボデガ湾を舞台にしたストーリーを築き上げる。ヒロインのメラニー役にはテレビのコマーシャルに主演していたのがヒッチコックの目に留まった演技経験のないモデルのヘドレンを抜擢する。今作の真の主役である鳥たちは野生の鳥、訓練された鳥、そして機械仕掛けの鳥などが使用される。何十羽もの鳥達がヘドレンを襲うシーンは、当初は、精巧な機械仕掛けの鳥が使われるはずだったが、ヒッチコックは本物の鳥を使用する事に決め、糸でくくりつけられた鳥達はヘドレンを襲うようにけしかけられた。だが、ヘドレンの方も逃げ出せないように床に縛られており、彼女は身体じゅう鳥に突かれた挙句に、左眼の下に深い傷を負わされて狂乱状態になる。また、作曲家のバーナード・ハーマンを今作の音楽顧問として招き、実際の鳥の鳴き声や羽ばたく音に電子音で作られた人工の泣き声や羽ばたきを加えて独特の泣き声を作り出す。ヒッチコックはサンフランシスコの観光名所であるゴールデンゲート・ブリッジが鳥達によって占拠されるというショッキングなシーンをラストに考えるが、予算が見合わなかったため却下される。今作には300以上の特殊撮影が含まれていたため、撮影は難航を極め、完成までに3年を要するが、完成した作品はあまりにも前衛的だったために批評家の反応は否定的だったが、スリルを求める観客からは絶大な支持を集める。


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