カサブランカ Casablanca
公開:
1942年
カサブランカ
製作:
ワーナー・ブラザーズ・スタジオ

ハル・B・ウォリス
監督:
原作:
マリー・バーネット

ジョーン・アリスン
脚本:
フィリップ・G・エプスタイン

ジュリアス・G・エプスタイン

ハワード・コッチ
撮影:
アーサー・エディスン
音楽:
マックス・スタイナー
出演:

アメリカへの亡命を図るヨーロッパ人たちの寄港地であるフランス領モロッコのカサブランカで酒場を経営するリック。彼は昔の恋人エルザと再会するが、彼女には反ナチ運動を指導する夫がいた。エルザに裏切られながらも、いまだに彼女を忘れることが出来ないリックは、ナチスの目を盗んでふたりを無事にアメリカへ脱出させようとする。マリー・バーネットとジョーン・アリスンの未発表の戯曲『Everybody Comes to Rick's(誰もがリックの店にやって来る)』をベースに、二人の男と一人の女の三角関係を数々の名台詞と、マックス・スタイナーの美しい音楽で彩ったメロドラマの金字塔。

最初、後に合衆国大統領となるロナルド・レーガンとグラマー女優ヘディ・ラマー(後に彼女は44年にラジオ劇として放送された『カサブランカ』でイルザを演じる)の共演作として企画されるが、二人のスケジュールの調整がつかず、エルザ役には製作者のデヴィッド・O・セルズニックから、ワーナーのオリビア・デ・ハビランドを8週間借り受けることを条件に貸し出されたイングリッド・バーグマンが起用され、リック役はボガートに話が行く前にジョージ・ラフトにオファーされるが、彼は無名のスウェーデン女優(バーグマン)とは共演できないと言ってオファーを断る。レジスタンスのリーダーを演じたイタリアの男爵家出身のポール・ヘンリードは、クレジットでボガートやバーグマンと同等の扱いを受ける事で出演を承諾する。ピアノ・プレイヤーのサム役は企画の段階では女性で、製作者のハル・B・ウォリスは『姉妹と水兵』(43)等で知られる女優のレナ・ホーンの起用を考えていた。サムを演じたドゥーリイ・ウィルソンはピアノが弾けなかったため、彼が劇中で弾く主題曲「As Time Goes By(時のたつまま)」はスタジオ・ミュージシャンのエリオット・カーペンターによって吹き替えられる。この曲はこの作品のために書き下ろされたものではなく、31年のブロードウェイ・レヴュー『Everybody’s Welcome』のために作曲されたもの。粋なセリフと、哀愁漂うクライマックスで有名な映画ながら、撮影開始前にはあら筋程度の脚本しかなかったので製作状況は不安定だった上に、この映画のラストはなかなか決まらず、数通りのエンディングが撮影されたが、主演のバーグマンでさえ最後まで自分がラストでボガートと結ばれるのか、ヘンリードと結ばれるのか知らなかった。ボガートのラストの有名な決め台詞"Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship." 「ルイス、これが美しき友情の始まりだな。」は脚本にはなく、製作者のウォリスによって付け加えられ、撮影終了の3週間後に録音される(彼は『Everybody Comes to Rick's』だった今作のタイトルを『カサブランカ』に変更する)。第二次世界大戦真っ只中の42年に公開された事もあって、初公開時から人気は高く、映画は大ヒットして、リックのバーで「ラ・マルセイユーズ」が歌われるシーンでは、観客が総立ちになるほどの熱気だった。アカデミー賞では8部門でノミネートされ、作品賞、監督、脚色の3部門で受賞。60年代のボギー・ブームから再評価の気運が高まり、ウディ・アレンの『ボギー!俺も男だ』(71)や、ロブ・ライナー監督の『恋人たちの予感』(89)など後の映画に多大な影響を与える。


MAIN | FILMS | STARS & MAKERS | DICTIONARY | HISTORY | BBS | OTHRES