必死の逃亡者 The Desperate Hours
公開:
1955年
必死の逃亡者
製作:
パラマウント・スタジオ

ウィリアム・ワイラー
監督:
原作:
ジョセフ・へイズ
脚本:
ジョセフ・へイズ
撮影:
リー・ガームス
音楽:
ゲイル・クビク
出演:
ハンフリー・ボガート

フレドリック・マーチ

アーサー・ケネディ

インディアナ州の閑静な住宅街に住むヒリアード一家。 この平凡な家庭に突如三人の脱獄囚が押し入り、逃走資金が届くまで家族を人質にとって家に立てこもる。 家族を人質にとられ助けも呼べない父親のダンは、家族の命を守るため脱獄犯たちに対して決死の賭けを挑むのだが…。 ウィリアム・ワイラー監督が脱獄囚と平凡な一家との息詰まる対立を緻密な演出で描いた良質のサスペンス映画。

劇作家のジョセフ・ヘイズは実際に起こった話を基にして小説『The Desperate Hours』を書き上げ、へイズが自ら戯曲化。 ハリウッド・デビュー作『銀の盃』(54)のひどい出来に失望してブロードウェイに戻ってきたポール・ニューマンが脱獄犯のリーダー、グリフィン役に扮した舞台は、 55年の2月19日にブロードウェイで幕を開けると批評家から絶大な支持を集めて6ヶ月ものロング・ランを記録するヒット作となった。 このヒット舞台の映画化にはハンフリー・ボガートとウィリアム・ワイラーが興味を示したが、ワイラーは小説が発表される以前に映画化権を獲得。 自分のプロダクションで映画化を望んでいたボガートは、ワイラーの熱意に負けて製作をあきらめ、久々の悪役となるグリフィン役を演じる事に専念した。 最初、父親のダン役にはボガートの友人であるスペンサー・トレイシーがキャスティングされていたが、 出演料が折り合わなかったうえに、ボガートとのクレジットの格付けのトップをめぐる問題も持ち上がって、 最終的にボガートとトレイシーの夢の共演は実現せずに終わり、彼との共演を熱望していたボガートを大いに失望させた トレイシーに代わって演技派のフレドリック・マーチがダンを演じ、寡黙ながらも力強い演技はボガートの野蛮で荒々しい演技と対立してこの映画のテンションを高めた。 ワイラーとボガートは『デッド・エンド』(37)に続いて二度目の顔合わせとなったが、 自分が納得するまで同じシーンを何度も撮り直すワイラーと、監督の意図が理解できなボガートは撮影中いつも対立していた。

90年には『天国の門』(80)のマイケル・チミノ監督が、 ミッキー・ロークとアンソニー・ホプキンスを主演に迎えて『逃亡者』としてリメイクした。


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