フランケンシュタイン Frankenstein
公開:
1931年
フランケンシュタイン
製作:
ユニヴァーサル・スタジオ

カール・レムリ・ジュニア
監督:
ジェームズ・ホエール
原作:
メアリー・シェリー
脚本:
ギャレット・フォート

フランシス・E・ファラガー
撮影:
アーサー・エディソン
出演:
ボリス・カーロフ

コリン・クライブ

メイ・クラーク

恋人とや父親と別れて人里離れた塔で人造人間の研究に没頭するフランケンシュタイン博士。 博士は墓場から盗んだ死体と医学校から盗んだ脳を組み合わせ、雷のエネルギーを使って人造人間に命を与えることに成功するが、 頭蓋に収められた脳は殺人者のものだった。 博士の助手フリッツのいじめに耐えかねた怪物はフリッツを殺して逃亡。 その途中で出会った少女も誤って殺してしまい、怒りにかられた村人たちは怪物を水車小屋に追いつめる・・・。 後のホラー映画などに多大な影響を与えた怪奇映画の金字塔。

怪奇映画 『魔人ドラキュラ』(31)を大ヒットさせたユニヴァーサル社は 続いてメアリー・シェリーが1818年に発表した小説で、1910年にトーマス・エジソンが映画化した『フランケンシュタイン』の二度目の映画化を企画。 怪物役は『ドラキュラ』でブレイクしたベラ・ルゴシにオファーされ、スクリーン・テストも行われたが、 ルゴシは台詞を喋らない怪物役に興味を示さず、時間の掛かる特殊メイクは自分の顔がわかりにくくなるという理由で出演を辞退した。 ルゴシに代わって『夜の大統領』(31)などのギャング映画で注目を集めていたボリス・カーロフを抜擢。カーロフもルゴシ同様出演するべきか迷ったが、この役が成功のきっかけになると考えて出演を承諾した。 ロバート・フローリーが脚本家兼監督として起用されるが、ルゴシを使って撮影したテスト・フィルムの出来が悪かったため、彼に代わってジェームズ・ホエールが監督に起用された。 フランケンシュタイン博士役にはホエールの『暁の総攻撃』(30)に出演したコリン・クライブが起用され、『ドラキュラ』にも出演したエドワード・ヴァン・スローンやドワイト・フライらが脇を固めた。 『ドラキュラ』と同じく、映画版『フランケンシュタイン』も原作小説よりも、30年2月にロンドンで上演された舞台版のストーリーに基づいて製作。 舞台の台本をジョン・L・ボルダーストンが手を入れ、ギャレット・フォートとフランシス・ファラゴーが映画用の脚本を執筆したが、 フローリーの脚本にあったフリッツが異常者の脳と取り違えるシーンやクライマックスの風車小屋のシーンは新しい脚本にも残された。 怪物の特殊メイクはジャック・P・ピアースが担当。 生物学を研究したピアースは、 肌にはグリーン=グレイのグリースを塗り、首の両側には電気を注入するためのボルトをつけ、 手術で頭を開くことから頭のてっぺんを平らにした。 撮影は真夏に行われ、撮影所内にはエアコンもなかったので、汗でメイクが流れてそのたびに修復する必要があったが、 ピアースが苦心の末に生み出した怪物のメイクは以後フランケンシュタインの怪物のイメージを固定させるほどのインパクトを与えた。 ユニヴァーサルは怪物のキャラクター・デザインを意匠登録したので、以後他のスタジオが同じ特殊メイクを使うことは出来なかった。 カーロフはメイク以外にも道路工夫がアスファルト工事に使う重い靴を履き、腰から膝の上辺りまでの丈の重いチュニックを着せられたので、思うように動けなかったが、それが怪物のぎこちない動作に反映されることになった。 怪物とマリアの交流場面はカーロフの名演技もあって映画史に残る名シーンとなったが、怪物がマリアを湖に投げ込んで溺死させてしまうシーンは残酷すぎるという理由からカットされて公開された。 制作費25万ドルのこの映画は1200万ドルを稼ぎ出す大ヒット作となり、脇役扱いされて試写会にも呼ばれなかったカーロフは一躍ホラー映画界の大スターとなり、『ミイラ再生』(32)や『黒猫』(34)などに出演して絶大な人気を博した。

1作目の公開から4年後の35年にはホエールの演出、カーロフ、クライブの再主演による続編『フランケンシュタインの花嫁』が公開。 エルザ・ランチェスターがエジプトの女王ネフェルティティを彷彿させるヘア・スタイルのタイトルロールを演じて、前作以上の高い評価を得た。 また、カーロフは39年の『フランケンシュタインの復活』でも怪物役を演じ、66年のテレビ・シリーズ『ルート66』は怪物のスタイルでゲスト出演を果たした。


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