コンチネンタル / 離婚協奏曲 The Gay Divorcee
公開:
1934年
コンチネンタル
製作:
RKOスタジオ

パンドロ・S・バーマン
監督:
マーク・サンドリッチ
原作:
ドワイト・テイラー
脚本:
ジョージ・マリオン二世

ドロシー・ヨースト
撮影:
デビッド・アベル
音楽:
マックス・スタイナー
出演:

休暇中のアメリカ人ダンサー、ガイはパリの港で知り合った美しい女性ミミに一目ぼれして、あの手この手で口説こうとするものの全て空振りに終わる。実は彼女は離婚訴訟中の身で、夫の同意を得ようと躍起になっていた。彼女はガイの友人である弁護士に友人とは知らずに相談して、ジゴロと一夜を共にする計画を立てるが、ミミがガイをジゴロと間違えたことから計画は意外な方向へ進んでゆく。 製作のパンドロ・S・バーマン(7本のアステア=ロジャース映画を製作)、監督のマーク・サンドリッチ(5本の作品を監督)、振付のハミーズ・パンらアステア=ロジャース映画の主要スタッフが集結した、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの初主演ミュージカル

アステアとロジャースが初めてコンビを組んだ1933年のミュージカル映画『空中レビュー時代』では、二人は主演ではなく助演者であった。しかし、共にブロードウェイ出身で、旧知の間柄でもあるアステアとロジャースの息の合った流れるようなダンスに観客は熱狂して「映画の新しい魔術」と激賞された。 試写での反響を知ったRKO社の製作主任パンドロ・S・バーマンは、二人に興行的価値を見出して、早速アステアとロジャース・コンビの主演映画を企画。姉アデールとコンビを解消したアステアが32年にソロで舞台に立ち、ブロードウェイで248回、ロンドンで108回上演されたコール・ポーターのヒット舞台ミュージカル『The Gay Divorce(陽気な離婚)』の映画化権を、ヒット作としては格安の3万5,000ドルで獲得する。 アステアは『空中レビュー時代』の撮影が終了すると、『The Gay Divorce』のロンドン公演に出演するためイギリスに渡るが、映画の出来とスクリーン上での自分の姿に失望した彼は、早くもハリウッドでの将来に不安を抱いていた。しかし、バーマンから『空中〜』の試写の評判が良かった事を聞くと、新しい映画の製作に乗り気になり、最初は映画には向かないと感じていた『The Gay Divorce』の映画化に同意する。 アステアはソロとしての成功を切望していたうえに、姉と長い間コンビを組んでいた後に再び女性とコンビを組まされる事に抵抗を感じていたので、ロジャースとの再共演には乗り気ではなかった。そこで、バーマンは出演料以外に映画収益の1%の収入と、ダンス・シーンの演出を任せるという契約俳優としては異例の契約を結んで、アステアにロジャースとの共演を承諾させる。 物語に踊り以外の華を添えるために、アステアとロジャースの共演者には芸達者な俳優たちが起用され、エドワード・エヴァレット・ホートンがロンドンの弁護士役に、オリジナルの舞台でもアステアと共演したエリック・ローズがジゴロ、トネッティ役に、エリック・ブロールがウェイター役に起用され、以後3人はアステア=ロジャース映画には欠かせない名バイプレイヤーとして活躍する。 映画化に際して、舞台で使用されたコール・ポーターの歌はヒット曲の「ナイト・アンド・デイ」以外はすべて削除して、ハリウッドの作曲家たちに新しい曲の製作を依頼。ハリー・レヴェルとマーク・ゴードンが手掛けた「Don't Let It Bother You」と「Let's K-nock K-nees」、コン・コンラッドとハーブ・マジソンが手掛けた「A Needle In a Haystack」と「ザ・コンチネンタル」の4曲が新たに追加された。ラストのプロダクション・ナンバー「ザ・コンチネンタル」は17分30秒にも及び、このモノクロの芸術ともいえるダンス・ナンバーはアカデミー主題歌賞を受賞した。 また、「Let's K-nocked K-nees」では、第二次世界大戦中にピンナップ・ガールとして活躍し、イギリスのロイズ保険社が片足100万ドルの保険をかけたベティー・グレイブルが出演しており、当時17歳の彼女はエドワード・エヴァレット・ホートン共演して陽気な歌声を披露している。 映画のタイトルは、離婚が禁じられているカソリックの人々を考慮して『The Gay Divorcee(陽気な離婚女[男])』に変更されるが、へイズ・オフィスは、舞台の内容があまりにもきわどいうえに、観客が離婚が陽気なものだと感じて離婚を生じさせる危険があると懸念して映画化を認めなかったため、バーマンは台詞を洗練させて物語を茶番劇として描くことを約束して製作の許可を得る。 映画が公開されるとスタジオの期待を大きく上回る大ヒットとなり、アカデミー賞では作品、室内装置、録音、作曲、主題歌の5部門にノミネートされる。一躍RKOのドル箱コンビとなったアステアとロジャースは引き続き『ロバータ』(35)、『トップ・ハット』(35)、『艦隊を追って』(36)、『有頂天時代』(36)、『踊らん哉』(37)、『気儘時代』(38)、『カッスル夫妻』(39)でもコンビを組んで、49年にM-G-M社で製作された『ブロードウェイのバークレー夫妻』を含めて合計10本の作品で共演を果たす。 映画は世界中で大きな成功を収めたが、ファシスト政権下のイタリアではエリック・ローズ演じるトネッティがイタリア人を侮辱しているとして公開が禁止された。

 
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