ニノチカ Ninotchka
公開:
1939年
ニノチカ
製作:
監督:
脚本:
ビリー・ワイルダー

チャールズ・ブラケット

ウォルター・ライシュ
撮影:
ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽:
ワーナー・R・ハイマン
出演:
グレタ・ガルボ

メルビン・ダグラス

アイナ・クレアー

アメリカに宝石を売りさばきに来たエージェントを監視するため、ロシアからやってきた、冷たい心を持つ女エージェント、ニノチカ。最初彼女は資本主義の堕落を批判するものの、パリとプレイボーイの伯爵の虜となって、初めての恋を体験する。女スパイとプレイボーイとの恋愛合戦を通して共産主義を徹底的に皮肉った名匠エルンスト・ルビッチ監督のタッチが粋に冴えわたるソフィスティケーテッド・コメディの快作。ルビッチの洗練されたオシャレなセリフと、クールな美貌とミステリアスな雰囲気を持つグレタ・ガルボとのミスマッチとも思えるコンビネーションが意外な笑いを醸し出す。

ガルボが初めて主演して大ヒットしたトーキー『アンナ・クリスティ』(30)でのキャッチコピーはガルボが喋ることを大きな売りにした「Garbo Talks!(ガルボがしゃべる!)」だったが、今作のコピーは、これをもじった「Garbo Laughs!(ガルボが笑う!)」にして、初めてコメディに挑んだガルボの今までとは180度違うコメディエンヌとしての一面と、初めて見せる魅惑的な笑顔を売り物にしているが、残念ながら、劇中のガルボの笑い声は吹き替えられている。実はこの作品の脚本執筆はこのキャッチコピーが決まった時点から始まり、脚本を担当したビリー・ワイルダーとチャールズ・ブラケットはM-G-Mからこのコピーに即したストーリーを作り上げるよう指示される。また、ショーウィンドウに飾ってある帽子に対するニノチカの行動を通して、彼女の心境の変化を見事に描いたルビッチ・タッチの真骨頂とも言えるシーンは、ワイルダーとブラケットの脚本にはなくこのアイディアを思いついたのはルビッチ監督自身だった。映画は高い評価を得て、興行的にも大きな成功を収めるが、その反面、眉をひそめて不快そうな顔をしても美しい、といわれたガルボの神秘性が消えたと悲しむ声も多かった。

後にブロードウェイ・ミュージカル『絹の靴下』としてリメイクされ、57年にはフレッド・アステアとシド・チャリース主演で映画化される。


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