レベッカ Rebecca
公開:
1940年
レベッカ
製作:
セルズニック・インターナショナル

デビッド・O・セルズニック
監督:
原作:
ダフネ・デュ・モーリア
脚本:
ロバート・E・シャーウッド

ジョーン・ハリソン
撮影:
ジョージ・バーンズ
音楽:
フランツ・ワックスマン
出演:
ローレンス・オリビエ

ジョーン・フォンテーン

ジョージ・サンダース

モンテカルロで大金持ちの英国紳士マキシムと知り合ったアメリカ人女性。彼女はマキシムの2人目の妻となり彼の大邸宅に移り住むが、 上流社会の生活に馴染めず、前妻のレベッカを敬愛していた使用人のダンヴァース夫人からは嫉妬から執拗な嫌がらせを受ける。 前妻の死に興味を持ったマキシム夫人は、調査を進めてゆくうちに彼女の死の裏に隠された卑劣な事実を知る。 母国イギリスで『三十九夜』(35)や『バルカン超特急』(39)などの質の高いサスペンス映画を手掛けて大きな成功を収めたアルフレッド・ヒッチコック監督のハリウッド進出第一作にして、アカデミー作品賞を受賞した恋愛サスペンス映画。

敏腕製作者のデビッド・O・セルズニックは、イギリスで名声を獲得したヒッチコックをハリウッドに呼び寄せ、彼のもとで映画を監督する契約を結ぶ。 セルズニックは豪華客船の悲劇を描く『タイタニック』をヒッチコックのハリウッド・デビュー作として企画するが、計画は一時中断してしまう。 彼はヒッチコックにイングリッド・バーグマンのハリウッド・デビュー作『別離』(39)を監督せようとも考えていたが、 ヒッチコックが映画化権を獲得しようとしたものの提示額が高すぎて断念したダフネ・デュ・モーリアの小説『レベッカ』に目を付ける。 しかし、デュ・モーリアは彼女が36年に発表した小説『埋もれた青春』をヒッチコックが映画化した『巌窟の野獣』(39)の出来に不満で、『レベッカ』の映画化にも不安を感じていたが、『二都物語』(34)や『アンナ・カレニナ』(35)など古典小説を忠実に映画化するセルズニックの評判を信頼して、小説が出版された4週間後に映画化権を5万ドルで売り渡す。 ヒッチコックは妻のアルマと『巌窟の野獣』の脚本家ジョーン・ハリソンと共に90ページのアウトラインを完成させ、それをフィリップ・マクドナルドが脚本にまとめあげる。 セルズニックは超大作『風と共に去りぬ』(39)の製作で忙しかったが、『レベッカ』の製作にも積極的に関わり、原作の忠実な映画化を望んでいたセルズニックは、暗いメロドラマだった原作にユーモアを盛り込もうとしたヒッチコックと脚本をめぐって対立する。 マキシムが最初の妻レベッカを殺害して罪を受けないという原作に忠実な筋書きがヘイズ・オフィスの規定にひっかかると、セルズニックは『哀愁』(40)の原作者ロバート・E・シャーウッドを招いて脚本の最終部分の手直しを依頼する。 マキシム役にはデビッド・ニーヴン、ウィリアム・パウエル、レスリー・ハワードらが候補にあがったが、ヒッチコックに反対され、最終的に『嵐が丘』(39)の好演で注目されたローレンス・オリビエに決まる。 ヒロイン選びは『風と共に去りぬ』(39)のスカーレット探しなみに難航を極め、セルズニックは最初ロレッタ・ヤングを主役に考えたが、マクシム役に決まったオリビエの希望で恋人のヴィヴァン・リーが候補に上がり、リーも出演を熱望したが役に向かないという理由で却下される。 その後、20人ほどの女優がスクリーン・テストを受け、最終的にオリヴィア・デ・ハビランド、マーガレット・サラヴァン、アン・バクスター、ジョーン・フォンティーンの4人が候補に上がり、内気ではにかみ屋のイメージのあるフォンティーンに決定する。 フォンティーンは俳優のブライアン・アーハンと結婚してハネムーンに出かける予定だったが、当時のヨーロッパでは戦争の気運が高まっており、戦争が起これば起用したイギリス俳優たちが映画を捨てて帰国する恐れがあったため、セルズニックはフォンテーンにハネムーンを途中で切り上げるよう説得して映画の撮影に参加させる。 ヒッチコックは、すべてのアングルからシーンを撮影するハリウッド流の撮影方法を拒否して、イギリス時代に慣れ親しんだ、脚本段階で主要な場面を設定し、それぞれの場面にセリフ、アクション、キャメラの位置などを細かく指定して不要なシーンを撮らない方法で撮影を行うが、 この方法だと他人が編集時に手を加えることが出来ないために、映画をヒッチコックの思い通りにさせたくないセルズニックの反感を買ってしまう。 ヒッチコックはセルズニックからの度重なる干渉や、リーが相手役でないことに失望したオリビエに悩まされたものの、俳優経験の少ないフォンテーンには積極的に演技指導を行って、自分の思い通りのヒロイン像を作り上げる。 100万ドルの制作費で完成した映画は、公開されると批評家と観客の両方から絶大な支持を受けて大ヒットを記録。アカデミー賞では11部門にノミネートされ、作品賞と撮影賞の二部門に輝く。


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