失業中のミュージシャン、ジョーとジェリーはギャングのコロンボ・ファミリーが密告者を殺害する所を偶然目撃してしまう。ギャングたちから逃げるために二人は女装して女ばかりのバンドに参加してマイアミに向かう。ジョーはリード・シンガーのシュガーに恋し、ジェリーは初老のプレイボーイに好かれてしまうが、そんな時、ギャングの集会がマイアミで開かれ二人は再び危機に陥る。ビリー・ワイルダー監督のそつの無い演出と、ジャック・レモンとトニー・カーティスの奇抜な女装、そしてアクターズ・スタジオで経験を積み、女優として成長したマリリン・モンローのコケティッシュな魅力など見所を満載した30年代のギャング映画の趣向をパロディにした(ジョージ・ラフト演じるギャングは『暗黒街の顔役』(32)で彼が演じたキャラクターのパロディ)コメディ映画の傑作。
二人のミュージシャンが変装して仕事に就くという内容のドイツ製のコメディ『Fanfares of Love』にインスピレーションを受けたワイルダーとI・A・L・ダイヤモンドが脚本を手掛け、キャストには最初ボブ・ホープとダニー・ケイ、そしてモンローが演じた歌手の役にミッチ・ゲイナーが予定されていた。モンローは、簡単なセリフをしゃべるだけでも時には40回以上も撮り直し、この映画がモノクロで撮影されるのが気に入らず、ワイルダーが主役の二人の女装がカラーではグロテスクに見えると説明したにも関わらず、それが理解できないモンローは撮影の間中機嫌が悪かった上に、ワイルダー監督を独裁者呼ばわりしていた。また、共演のトニー・カーティスはモンローとのラブ・シーンを「ヒットラーとキスするようなもの」だと言い出し、ワイルダーも撮影終了後に「妻を見ても女だからという理由で殴りたくなる衝動が消えた」と言っていたほどモンローには手を焼いていたようで、本編のおかしさとは裏腹に撮影現場の雰囲気は最悪だった。 ジョー・E・ブラゥン扮する億万長者オズグッド三世のラストの一言、"No one's perfect.(欠点はだれにでもあるさ)"はこの作品のテーマであると共に、ハリウッド映画屈指の名言。
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