乱暴者(あばれもの) The Wild One
公開:
1953年
暴力者
製作:
スタンリー・クレイマー・プロダクション

スタンリー・クレイマー
監督:
ラズロ・ベネディク
原作:
フランク・ルーニー
脚本:
ジョン・パクストン
撮影:
ハル・モーア
音楽:
リース・スティーブンス
出演:
マーロン・ブランド

メリー・マーフィー

リー・マービン

ジョニー率いるバイカー集団は、バイク・レースの会場でトロフィーを奪って警官達に追い出されて、閑静な田舎町に大挙して押し寄せる。ジョニーはウェイトレスのキャシーに惹かれるが、対立する暴走族の一団が現れて争いとなる、バイカーたちの無軌道な行動によって町を荒らされた住民たちの怒りは爆発し、ジョニーに集団リンチを加える。初めて暴走族の実態を描いた映画で、反抗的で、誤解されやすく、傷つきやすい50年代の若者を主人公にしたアンチ・ヒーロー映画のはしりとなった作品。

1947年の独立記念日、4000人のバイカーたちがカリフォルニアの小さな町ホリスターを襲撃する事件がおきる。ライフ誌に掲載されたこの事件の写真に発想を得て、フランク・ルー二ーはハーパーズ・マガジンに『The Cyclists’ Raid(バイカーの襲撃)』を発表する。製作者のスタンリー・クレイマーは物語の映画化権を購入し、彼が製作した『セールスマンの死』(51)を監督したラズロ・ベネディクを監督に起用する。クレイマーはバイカーたちのリーダー、ジョニー役に当時ハリウッドで注目を浴びていた若手スター、マーロン・ブランドを希望して彼に話を持ちかける。クレイマー製作よる『男たち』(50)で映画デビューを飾ったブランドはクレイマーを尊敬しており、非行を戒め、暴走族の恐ろしさを訴えるという社会的なメッセージが込められている脚本も気に入って、『欲望という名の電車』(51)の撮影で忙しかったにもかかわらずに出演を承諾する。クレイマーは映画の撮影を実際の事件が起こったホリスターで行うことを希望するが、コロムビア社の社長ハリー・コーンはスタジオの撮影所で撮影を行うことを主張する。本物のバイカーがエキストラとして起用され、ブランドは彼らと共に過ごして役作りを行い、劇中彼が着る衣装もブランド自身が選ぶ。コーンは完成したこの映画を嫌い、コロムビアのセールス部門は映画のタイトルの変更を求め、『Hot Blood(熱き血)』と『The Wild One(乱暴な奴)』二つのタイトルを提案して後者が選ばれる。映画はアメリカではまずまずの成績を収めるが、保守的なイギリスでは68年まで上映が禁止される。しかし、レザー・ジャケット、ジーンズ、オートバイ、ロックンロールなど若者の文化を先取りした今作は、体制に不満を持つヤング・ジェネレーションから圧倒的な支持を集め、ブランドの姿に若者たちは反抗の美学を感じて、彼を新たなセックス・シンボルに祭り上げ、ブランドは一躍彼らのヒーロー的存在となる。今作に刺激されて、若者たちの体制への反抗をテーマにした『理由なき反抗』(55)や『監獄ロック』(57) といった作品が続々と製作されるようになり、暴力的だが傷つきやすいをキャラクター演じたジェームス・ディーンやエルビス・プレスリーらは50年代のアンチ・ヒーローの象徴としてもてはやされるようになる。


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