
(音楽「おなじみ初流乃もとい春の海」)
チャン、チャララララララン♪
あけましておめでとうございます、新春恒例架空対談のお時間です。
本日のゲストは、影の薄い主人公と言われ続けて60巻まで来てしまったがけっぷちジョルノさんと
あっさりと出番無くなってもうじき2年目フーゴさんです。
ジョルノ(以下ジ)「やあ、久しぶりですね」
フーゴ「・・・・やあ。その節はどうも。」
ジョルノ「あそこでお別れして以来ですね。のたれ死にしたかと思っていましたが、どうしてなかなかお元気そうで。一体どこでどうしてたんですか?」
フーゴ「キミがあんな事さえしでかさなきゃ、ブチャラティがボスを裏切る事なんて無かったハズなんだ。いままでずっと真面目に、ただ幹部になりたくてチャンスをうかがっていたのにさ。一体なんの為に6億も組織に上納したんだよ、もったいない事を・・・・信じられなかったね」
ジョルノ「そうですか?ブチャラティの行動は別に、ボクがそうさせようと画策したりはしませんでしたよ。ボスの正体を知りたがったのも彼自身でしたし、ましてやトリッシュの事は・・・正直ボクが彼だったら、あんなムチャはしませんでしたね。スタンドの正体もわからないのに深追いするなんて、死にたくてやってるとしか思えませんよ」
フーゴ「きさ・・ま・・」
ジョルノ「あの時ボクが駆けつけて、彼の身体を『蘇生』させなかったら、何もかも終わりでした。幹部としての出世の道も断たれた上に、警戒されて近づくことも出来なかった。なんとかブチャラティを『動かす』ことが出来たからこそ、みんなの士気をあおり、『打倒ボス』の旗を掲げ、難問続きの正体探しに、漕ぎ出す事が出来ましたよ。まあ、キミのようにアタマのいい奴が、戦線を離れてしまうのはしょうがない事です。誰だって自分の命は惜しい。ボクがキミでもやっぱり、こんな絶望的なパーティーに入ろうとは思えませんでしたからね。まあ、アバッキオとトリッシュで、取り合えずの突破口は出来たからサルディニアに向かいましたけど、もしも八方塞がりで、どこにもボスの正体を解く鍵が見付からなかったら・・・・ボクはチーム全員を殺して、その首を土産にボスに投降するという手しか、考え付きませんでした」
フーゴ「言わせておけば!何もかもお前のせいだ!!お前が変な『黄金の夢』なんて言い出したから、ブチャラティが血迷ったんだ。組織を敵に回してボスの正体を探るだなんて、今まで思いもしなかったバカな野望なのに!」
ジョルノ「ふふ・・・しかしなかなかスリリングな旅でしたよ。サルディニアでは思惑通り、アバッキオが始末されたし」
フーゴ「!」
ジョルノ「おかしいでしょ?ブチャラティのあれだけの負傷だってボクの能力で治せたんですよ、なんで胸に穴2つ開いた程度の、しかも双眼鏡で見張ってられる距離に居たアバッキオを助けられないワケがありますか?ボスの顔なんてリプレイ出来なくても、逃げていれば必ずボスの方から追ってくる。アバッキオの利用価値なんてみんなの取り合えずの『目標』を見出させる為だけのモノだったんですよ。だから彼が死んで、まあ、たまたまですがボスの顔を知ることが出来たのは、嬉しい誤算でしたね。アバッキオにあそこまで根性が有ったとは意外でした。それに『アバッキオの弔い合戦』という士気も高めてくれて、おいしいサルディニア行きでしたね。」
フーゴ「ア・・・アバッキオの死体をうち捨てて行ったのは、お前の考えか?」
ジョルノ「ブチャラティは『何かに変えて持ち運ぶ事が出来ないか?』って聞いてきましたがね、ボクはアバッキオの死体だったものを持ち歩くのはイヤだったし、いつまでも『死体』見てメソメソしてても、これからの士気に影響するじゃありませんか。置いていけばいいんです。警察に発見されれば、遺族が取りに来るでしょう。『事件』扱いされれば、警察とボクらでボスを挟みうちにすることが出来るかも知れませんしね。まあ、警察なんかに頼れるくらいだったら。ハナっから苦労はしてませんが。」
フーゴ「おまえたちの・・・おまえたちのせいで例の港町からローマまで、カビだらけの死体が累々とし、変な矢で入れ代わった善良な一般市民たちが、今度はバケモノへと変貌を遂げて行くんだぞ!!この責任をどう取るつもりだ!」
ジョルノ「チョコラータの『カビ』は、ボクが謎を解いたうえ、本体も始末したじゃありませんか。それ以上なんかやってやるコトがありますか?自分の身一つ守れない、他力本願で足手まといの一般市民なんかの為に、このジョルノ・ジョバァーナ様が!!」
フーゴ「それが本音なのか!」
ジョルノ「キミこそホントの事を言ったらどうです?なんでヴェネツィアで離別したハズの君が、そこまで細かくボクらの闘いの経過を知ってるんですか?」
フーゴ「ああ言うよ!ボクはやっぱり一人で離れてしまうのが恐くて、ヴェネツィアの運河を泳いで追い、空港ではなんとか他の飛行機に潜り込んで海を渡り、サルディニアで一部始終を見届け、そこから命からがら、カビや『レクイエム』の攻撃をかわしながら付いて来てたんだ!!」
ジョルノ「・・・・・知ってましたよ(ニヤリ)」
フーゴ「え?」
ジョルノ「ボクの『探知能力』もパワーアップしたんですよね・・・・コロッセオの物陰から、ずっと様子を伺ってたキミの存在。あの時キミは「蜜蜂」の姿だったのに、元に戻れて良かったじゃあ無いですか」
フーゴ「ナランチャが死んでキミが元の姿に戻ったのを見てひらめいたよ。だからボクの身体の急所を突いて絶命させてから、元の身体に戻ったんだ。」
ジョルノ「ふふ・・・全部ボクの思惑どおりですね。そうだ、キミへのプレゼント代わりのナランチャの死体・・・綺麗にラッピング出来てたでしょう?しょうが無いですよね、ボクの身体と入れ替わっちゃったんだから、助けてあげられるものも、見捨てなきゃボクが元に戻れない。ヤな予感はしてたんですよね、あのまま入れ替わってたらバケモノになっちゃうトコでした。まあ、せめての罪滅ぼしで、花で飾って弔ってあげましたがね・・・キミの目に留まるように。」
フーゴ「ナランチャも!・・・・許せん!きさまッ!!!出でよパープル・ヘイズ!!」
(紫の煙と共にスタンド発現、電光石火の早業で、ジョルノに向かってパーンチ!!)
ジョルノ「ふ、無駄無駄!ゴールド・エクスペリエンス!!」
(ジョルノのスタンドがフーゴの拳をつかみ、そしてそのままフーゴの方にねじり倒す)
フーゴ「わああっ!!」
(その時突然照明が消え、あたりは真っ暗に。闇の中、ジョルノの甲高い笑い声とフーゴのうめき声が響く)
ジョルノ「ハハハハッ!!だから無駄だと言ってるじゃあないですか。ボクにはワクチンによる免疫が有ったのを忘れて居たんですか?馬鹿ですねえ。スタンドがバカなのは知ってましたが、本体まで、これほどボクの思惑通りに動いてくれるとは、気持ちいいくらいですよ。ハハハハッ!照明の電線をヘビに変えれば、真っ暗になってウイルスは暴走する。ああ、気分がいい。サイコーだ!ハハハハハハッ!!さて、もういいかな?解除して明るくしよう。」
(溶けゆく本体のかたわらでもう動かなくなったスタンドの拳に付いている、まだ割れていないカプセルを回収する)
ジョルノ「「ゴールド・エクスペリエンス!ふふ、これはもらっておこう。ボクの大好きなカエルにでも変えて・・・また誰か邪魔者が居る時に使えそうだ・・・ボス戦にも有効でしょう。さあ、行きましょうかね・・・・ああ、しゃべり疲れたなあ・・・・フーゴ君、悲惨な最期だけど、冥土の土産話だけはいっぱい持たせてやったからね、あの世でアバッキオやナランチャに話してやるといい・・・クックック・・・・信じないかも知れないけどね。」
(ケラケラ笑いながら立ち去るジョルノ。と、その時。)
ジョルノ「あれ?なんだこの手・・・ブツブツが出来て・・・広がってくる!なんだこれは?まさかパープル・ヘイズが?!」
(崩れ、朽ち果てゆく身体のフーゴの口がわずかにつぶやく)
フーゴ「忘れてるな・・・パワーアップ・・・してるんだよ・・・・レクイエムで・・・・ボクも・・・・ただじゃ・・死なな・・い」
(ドロドロと溶けていくジョルノの身体。断末魔の叫びが響き渡り、やがて静かになる。)
よーやん「やな夢・・・・見たなあ。たまにちゃんと寝ると。」