「嗚呼!黄金体験」
(食事中の方は御遠慮ください)

「さあね・・・。君たちだって「能力」を秘密にしてるんだろ?」
一見爽やかに言ってのけたジョルノであったが、心の中は爽やかではなかった。
心の中だけならまだしも、口の中はなおさら爽やかでなかった。
アバッキオのおしっことジョルノの唾液を吸ったくらげが、口の中でどんどん膨張していった。
(うう・・・。口の中で生暖かいものがむくむく大きくなっていく・・・。)
じきにくらげはジョルノの口いっぱいに大きくなった。
きついアンモニア臭のするそれが舌や頬の内側を圧迫する。
早く何とかしたいと思いつつも、仲間になめられるわけにはいかない、ジョルノはぐっとこらえた。
ジョルノは額の脂汗を手でぬぐった。しかし汗は次から次へと流れてくる。
熱いわけではないのに、まるでフルマラソンを走っているかのように、汗はとめども無く流れる。
「なんか臭くない?ミスタ。」ナランチャがたずねる。
「まあそりゃアバッキオがカップに出したからなあ。うん、それにしても臭うぞ。」とミスタ。
ジョルノはぬぐった汗の臭いを嗅いでみた。
(しまった!ぼくのGEで作った生命への攻撃は自分自身に帰ってくる。ということは、
くらげにおしっこを吸わせたら、そのおしっこは自分に帰ってくるのか?
このままだと全身おしっこでずぶぬれになってしまう。まずい!GE解除だ!)
ジョルノはGEの能力をこっそり解除した。くらげは元の前歯に戻った。
そしてジョルノの口の中はアバッキオの体液で満たされた。
フーゴたちが好奇の目でジョルノを見つめている。
(くう・・・。これを早くなんとかしなくちゃ・・・。
でもさっき見栄を切った以上、トイレに行かせてもらうわけには行かないし・・・。
今ここでギブアップしたら、この先ずっと馬鹿にされるに決まってる。
ええい、覚悟を決めろ。それにしてもなんで僕がこんなひどい目に会わなきゃいけないんだ。
それもあの陰湿なカリメロ野郎のせいだ。いつかこの仕返しはしてやる。
たとえあいつの手首が切れても治してやるもんか。死んでも花を添えてやったりしないぞ
おやあいつはどこに行ったんだ。くそ。ああ、他の連中がぼくのことを見つめている。
やるんだジョルノ、死にはしないさ。そういう健康法だってあるじゃないか。いくぞ、1,2,3・・・・・・・・。)
ごっくん!
ジョルノの口の中の液体は、更に奥へと流れていった。
とりあえずこれで口の中の不快感と、臭い汗からは解放された。
仲間にぼろを見せることも無く、ジョルノはほっと一息ついた。
とそのとき、レストランの小部屋からアバッキオが出てきた。手には皿を持っている。
レストラン内にぷーんと異臭が漂った。
「気に入ったよジョルノ君。ところでカレーでも食うかい?

【おわり】