瑞雲の法話「仏の教えをわかりやすく、少しずつ」

仏師、瑞雲の法話
 第2巻
第2章
(観音特集)

仏像彫刻と法話の世界

仏像彫刻ワールド 仏師、瑞雲の略歴 仏師、瑞雲の法話最新版
仏像ドットコム・東洋仏所 アート仏像(仏師瑞雲の微笑仏) BIWCC仏像彫刻通信講座
[仏師、瑞雲の製作風景][仏師、瑞雲のイベント][法味言上と信仰相談][仏像初詣][お問い合わせ]


1)法話 (第2巻2章)観音特集


瑞雲作聖観音ショップ

第1巻 第2巻
仏師、瑞雲の法話集第1巻 仏師、瑞雲の法話集第2巻
第1章  法話1〜法話14 (2000) 第1章 法話101〜113
第2章 法話15〜法話21 第2章 法話114〜126
第3章 法話22〜法話29 第3章 法話127〜140
第4章 法話30〜法話39 第4章 法話141〜153
第5章 法話40〜法話48 最終版 法話154〜
(仏師瑞雲の法話最新版)
第6章 法話49〜法話57 (2001) NEW
第7章 法話58〜法話66 2011以降の新法話
第8章 法話67〜法話76 ますます、おもしろくなった
仏師 瑞雲の仏像彫刻と法話
第9章 法話77〜法話87 (2002)
第10章 法話88〜法話100

法話126・X,masイルミネーター

ある牧師さんの笑い話とも言える本当の話です。 クリスマスは最近すっかり日本に定着してきました。12月に入る頃には夜ともなれば家の周りに、わざと人に見えるようにクリスマスのイルミネーションを飾る家が増えてきました。ある人は電球を数百個点して電気屋に支払った費用が500万円、月の電気代が10万円とか、このような人にイルミネーターと新語が名付けられました。電力会社もイラク問題による原油の値上がりや何やでで節約してもらいたいとこぼしているとか。

キリスト教徒の場合クリスマスは元来、厳粛に祝うものですから、牧師さんが知り合いの教会に行ったらクリスマスパーテイをやってるので、「あれ、教会ではパーテイをやるのですか?」と驚かれたそうです。

ところで、私は仏師の仕事の傍ら英会話を教会で習い始めて既に8年になりました。アメリカ人の宣教師ご夫妻に英語と色々向こうの文化を教えてもらっており、聖書も新約聖書、旧約聖書をずーっと講義を聞いています。キリストは馬小屋で生まれ、父ヨセフ、母マリアは、今のクリスマスの豪華なイメージから比べれば、大変貧しい状況下にあったのです。貧しい人々のために立ち上がられたキリストさまのご苦難を想えば、とてもとてもケーキなど食べて騒ぐわけにはまいりません。残念なことは戦後、キリスト教の布教活動は続けられながらも本当の信者は期待されたほど増えていないことではないでしょうか。

私は仏教の僧侶ですが、キリスト教がわからなければ西洋人の考え方がわからない、考え方がわからなければ、私のアート仏像が西洋に受け入れられないと、そう思っています。

法話125・史上最強!商売繁盛の仏像が勢揃い

先週、古い顧客で霊感のあるお寺様がアトリエに見えた。今回は仏像の修復依頼で尋ねて
みえたのですが、ちょうど大黒天を何体か彫ってる途中でしたから、急に大黒様が欲しく
なられたらしく「大きな大黒様が寺にはあるのですが、このかわいらしい大黒天を私にも
彫って下さい」とのこと、私が「霊験あらたかな三面大黒様が勧請してあるから手を
合わせて行かれたら」と申し上げると、「先生、この三面大黒さまに手を合わせたら
指先に電気がビリビリ来ますね、
すごい神力ですね」と感服された様子でした。

私は、三面大黒天さまを自分の一代守護神として祀ったいきさつと仏像の霊験話をお聞か
せしました。更に感激されたらしく、「こうして三面さまを拝顔出来るのも何かの仏縁、
是非、三面大黒天像を彫ってください」ということになり、家を簡単にひっくり返す
くらいの力がある三面様のお祀りの仕方など教えて差し上げた次第です。

ちょうど仏像彫刻教室の生徒が彫っていた蔵王権現像も出来上がっていて写真撮影する
ので机の上に置いてありましたから、この仏像にも霊気を感じられたようです。
仏像は彫る人の心(性格)と神仏の霊気が重なって一体の仏像になるので、三面大黒天
さまや蔵王権現さまのような荒い神様でも優しさがうかがえる福の神になると実感した
次第です。

さて、これで私の心願だった三面大黒天三宝荒神蔵王権現と史上最強の商売繁盛の
神様三体が仏像事典に出そろうわけです。殆どの神社仏閣では秘仏としていて、
お参りに行っても、一般の方は、なかなかお目にかかれない仏像で、新年初詣ページ
の不況も跳ね飛ばすビッグコーナーになる予定です。
瑞雲のオンライン仏像初詣巡り

法話124・弱音を吐きだしたら人は老いる

弱音を吐き出したら人は老いる。希望を持ったら人は若返る。
これは1945年8月30日に連合軍総司令官として初めて来日し、教育や農地改革、民主主義
国家の育成といった戦後日本の繁栄の基を作ったマッカーサー元帥の言葉です。
日本人は敗戦による物資の不足や精神的な疲れも克服して見事に立ち直りましたね。
いったい誰があの当時、何もないところから、日本が「物づくり世界一」の地位を築く
と予想したでしょうか。

さて、先般ノーベル賞を受賞した田中耕一さん、名前の通り、一人黙々と田の中に入り
耕しているような不屈の精神の持ち主である彼は「常識にとらわれず開発を積み重ねて
行きたい」と述べておられます。彼は会社では、あまりの研究熱心さで変人扱いされて
いたそうですが、ふと、あの偉大な野口英世博士の生き様を想い出しました。

野口英世も貧乏な家の生まれながら、苦学を重ね世界から尊敬を受けるまでに出世
しました。お金もコネも無い無い尽くしから、あそこまで伸びれたのは、同じく
変人とまで言われた研究熱心さと燃えるような希望があったからなんです。

お釈迦様は法華経に「今此三界 皆是我有 其中衆生 悉是吾子」と説かれております。
地球のあらゆるものは仏の心が作り出したものであり、お金や偏見、常識に縛られて
右往左往している衆生も仏の子であるということですね。今の不況も、お釈迦様の
お心の内と考えれば、今日本人は常識を超越した真の希望を持たなくてはなりません。
この希望こそ「心願」とか「誓願」、「祈り」と言われるもので、この希望の心に
仏は感応し、無より有を生む真の力を与えると仏典に説かれております。

法話123・観音今昔物語(その7)

■女癖の悪い男が観音さまに救われた話■
今は昔、備中の国に良藤(よしふじ)という女癖の悪い男がいました。
寛平(かんぴょう)八年の秋、たまたま散歩中に出会った実に魅惑的な女と、
その夜のうちに契ってしまい我が家のことも忘れて女の家に住みついたんです。
子供まで作って幸せ気分でした。

もとの家では妻が「また、例のごとく何処かの女の所にしけ込んでいるに違い
ない」と思いつつも、いつまでたっても帰ってこないので、これは何処かで死んだ
のに違いないということになり、観音像をお祀りし夫の供養を始めたんです。

さて、良藤が失踪してから13日目、弔いに来ていた村人の前に、良藤の家の前に
建ってる倉の床下から突然に猿のような汚れた男がはい出て来ました。なんと、
良藤ではありませんか!狐に化かされ女狐と夫婦になっていたのです。
どこからともなく杖をついた一人の老人が尋ねてきて、杖で良藤は背中を突かれ
床下から追い出されたのでした。観音様が老人に化けて良藤を連れ戻したようです。
この13日間は良藤にとっては13年くらいに感じられたのでした。その後、
良藤は次第に正気に戻ったのですが、恥ずかしい体験をしたものですね。

この話から言えることは、愛欲もほどほどにしないと動物霊に取り憑かれるという
ことですね。私も20代の血気盛んな頃、淫乱な女性にそそのかされて、床を同じく
することになり、途中までは夢中でしたが、いざ、というときに人生の無常を感じ、
その場から逃げ帰ったことがありました。観音様の前で懺悔しようと拝んでおりまし
たら、両手にかけた数珠が蛇に変身、ビックリしましたね。このことがあってから、
108の珠(煩悩)がある数珠の偉大さを知ったのでした。「大般涅槃経」に
「愛欲は煩悩の王様、善を食う鬼女、花に隠れ住む毒蛇、人を悪道へ引きずり込む」
とあります。


観音像(瑞雲の仏像画像事典)

(今昔物語巻十六第十七話より)

法話122・観音今昔物語(その6)

■観音を信仰していた男が助けた蛇の恩返しで長者になった話■
今は昔、貧乏だが観音様を信仰している男がおりました。ある日、如意作りの職人に
捕らえられた小蛇を、「浦島太郎の話」と同じように助けて池に逃がしてやりました。

さて、その道すがら年の頃なら12,3才、高貴な風の美しい娘にであいました。
娘が「お礼がしたいから目をつむって」と言うので、そのようにすると宝石で出来た
竜宮へ招かれました。この娘は助けた小蛇で、娘の父親である龍王からお礼にと、
切っても切ってもまた元に戻る厚さ10センチ程の黄金の餅をもらったんです。
この男はその後、この黄金の餅を少しずつ切ってお金に換え大長者となり益々
観音様を信仰したということです。

この話から言えることは、生き物は大事にしなきゃ損だということですね。
仏典には、人は長い輪廻転生の間には生前の行いの善し悪しで天上界にも地獄にも、
また動物に生を受けることもあると説かれております。縁があって飼った犬や猫も
元は前世の父母だったかも知れないのですよ。ところで、龍王は総称を八大龍王
と言って、この世には八つの龍がいると言われております。水の中に住む魚類や
蛇,亀などの王様でもあります。
八大龍王(仏像画像事典) (今昔物語巻十六第十五話より)

法話121・観音今昔物語(その5)

■男が観音様の功徳により財産と美女を得たお話■
今は昔、聖武天皇の御代に東人という者がいて吉野山に籠もり、観音様
南無銅銭満貫白米万石好女多徳」(なもどうせんまんがんはくまいまんごくかうにょ
たとく)と唱えてはお金、米、美女が欲しいと祈っておりました。

さて、3年たったころ粟田三位朝臣(あわたのさんみあそん)という長者の娘が
重病にかかり医者の薬でも治らないので、この東人に祈祷してもらったんです。
すると不思議にも病が癒え、この娘は東人に恋心を起こして二人は結ばれました。

ところが、数年経って娘は病気にかかり死んでしまいました。娘は臨終の時、
妹に「私はもう死にます、気がかりなのは夫の東人のこと。そなた東人の妻に
なってはくれまいか?」と頼むと、妹は姉の遺言を承諾し、二人は幸せに暮らした
ということです。

東人は観音様に「大福徳」という現世利益を祈って、長者の財産をもらい、美しい
妻をめとることになったわけで、観音の威徳のすごさを尊ばなかったものはいなかった
のです。この話から言えることは、観音様は少々わがままな願いでも叶えて下さる
ということですね。私も20歳代の頃は、この男のように「美人の恋人が欲しい」と
修行中の身ながら祈っておりましたら、「今、お前に彼女を授けてやったら、
彫刻家にしてやれない。ちゃんと縁のある前世から決まった人を準備してあるので
時期が来たら与えてやる」と諭されたことがあるんですよ。
聖観音像

(今昔物語巻十六第十四話より)

法話120・武士道と毘沙門天

テレビの人気番組、仮面ライダー1号(本郷猛)を演じた藤岡 弘氏がテレビやラジオに
ここのところ出演され、再起不能とまで言われたバイクの事故から立ち直ったいきさつを
ご本人が話されるのを聞いて、「これぞ!大和魂、武士道」と感心しました。
藤岡氏はマスクもいいですが、スタントマンを使わずに自らアクションされるほどの
運動能力の持ち主で、自分の力を過信したことが事故につながったそうです。

事故に遭ったことで、自らを省み、武道家であった父親の教えが身にしみてわかったと
話されております。氏が言われる「武道とは自分の心にうち勝つ闘い、これが武士道
とは、仏教の「法句経」に説かれる
「己に勝つのは千万の敵に勝つよりすぐれた勝利である」

という教えにも通じます。来年のNHK大河ドラマは「宮本武蔵」とか、人は生きる哲学
を持ちたいものですね。今から楽しみです。

さて、伝教大師、最澄の言葉に
「道心の中に衣食(えじき)あり、衣食の中に道心なし。」があり、
これは、「道を求めるたゆまぬ向上心があれば生きる糧は自ずと得られる。生きる糧、
即ち、お金を優先したら求道心(ぐどうしん)は生まれない」ということを教えています。

ひるがえって今の日本の現状を眺めれば、経済不況は深刻で、日本中を悲観させて
います。しかし、これはお金や経済という「衣食」のはかなさに日本人一人一人が
気づきなさいという神仏のお知らせではないでしょうか?今の日本には藤岡氏が
言われるような「武士道」、伝教大師が教えておられる「道心」が先ず必要なんです。

さて、武士道というと武道家がお祀りしたいと思う仏像に四天王の代表である毘沙門天
火焔のなかにあって大地を踏ん張っている不動明王などがあります。毘沙門天さまは
戦の神でありますが格闘技の選手などには人気です。また、不動明王は気力や
不動心のパワーをいただけるご利益があるのでしょう。

法話119・観音今昔物語(その4)

■観音さまが老婆に化けて功徳を下さった話■
今は昔、京に年は若いが身よりのない貧しい一人暮らしの女がいました。女は「観音様
におすがりしなければ幸せにはなれないだろう」と毎日朝夕、清水(きよみず)の観音
にお参りしておりました。

そのころの清水の坂あたりには人家がなく粗末な小屋だけがあって、そこに老婆が住んで
おりました。老婆は、この娘をふびんに思い「この小屋から通ってお参りなさい。
そのうちきっとお幸せになられますよ」と言って食事を用意し、むすめの世話をしたの
でした。

ある夜、むすめはお堂からの帰り道に疲れたので休んでいますと、京の方から大勢の
家来を連れた主人が通りかかり、むすめを見ると、「私はじかるべき前世の因縁があって、
あなたを妻としたい、これから遠い国に行く途中すが一緒に来てはくれまいか」と
いうことになり、夫婦となって幸せに暮らすことになりました。むすめは世話をして
くれた老婆にお礼を言って旅に出ようと小屋を尋ね、お礼に何か形見に差し上げたい
と思いましたが何もないので、自分の髪の毛を一束切って老婆に与えますと、老婆は
喜んで涙を流し髪の毛を指先に三巻き巻いて「もうお会いすることはないでしょうが、
この指だけは決してなくならないから、この指を尋ねておいでください」と泣く泣く
わかれました。

数年たって、女は老婆のことがしみじみ思い出され清水の老婆がいた小屋を尋ねましたが、
もう小屋はありませんでした。女は清水のお堂に幸せになれたお礼参りをしていますと
観音像の御手に、自分が老婆に与えた髪が巻かれているのを見つけました。女は
「観音様が老婆に化して現れなさったのだ」と心から有り難い気持ちになって泣きながら
家に帰ったのでした。

このお話から言えることは、観音さまは尊び申し上げ、お年寄りは大切にすべきですね。

(今昔物語巻十六第九話より)

法話118・観音今昔物語(その3)

拉致された兵士が観音様に救われた話
今は昔、百済が唐に攻められたとき、救援として大陸に渡った越智直(おちのあたい)
という者がいました。救援空しく唐軍の捕虜となって仲間8人と共に島に幽閉
されました。

この島は前は看守が守っていて後ろは海、逃げ場がありません。皆で嘆き悲しんで
いますと、たまたま1体の観音像を見つけました。そして観音像に「どうか観音さま
の慈悲で助けて頂き、本国に帰れますように」と祈っておりました。

ところで、この後ろの海岸には1本の大きな松の木があって、その松を密かに切って
舟の形にくり抜き、この松の舟に観音像を安置し脱出したんです。西風にあおられ
真っ直ぐに九州へ着いた兵士たちは「これひとえに観音さまの功徳」と喜びました。

その後、この話が朝廷にも伝わり、天皇は感激されて褒美として土地を下さり、
お堂を建て、この観音像を末永くお祀りしたということです。

(今昔物語巻十六第二話より)

法話117・観音今昔物語(その2)

餓死寸前の僧がしし鍋を食べて観音様に救われた話
昔、丹後国の成合(なりあい)寺で貧しい僧が仏道修行しておりました。この辺は冬は
雪が高く積もる所で、誰一人訪れるものもなく食物も尽きて餓死寸前でした。

僧は、この寺の観音に最後の力を振り絞って「どうか観音さま、助けてください」と祈り
ますと寺の境内に狼に食われた猪が逃げ込んできました。僧は「これは観音さまがお与え
くださったもの」と思い殺生の罪を犯すのを少しはためらいましたが、シシ鍋にして食べ
一冬越せたんです。

さて、雪が解けて里の村人たちが「お寺にこもっていた修行僧は食べるものもなく餓死
してしまったかも知れない」といいながら寺に尋ねてきますと、鍋の中に檜を刻んで
煮て食べた跡がありました。「いくら何でも木を煮て食べるとは」といいながら御宝前の
仏像を見ると、観音像の股のあたりが切り取られていました。僧は「さては観音さまが猪に
身を変えられて私を助けてくださったんだ」と気づき、村人ともども涙を流して、観音さま
に感激し喜んだということです。
観音像(瑞雲の仏像画像事典)

(今昔物語巻十六第四話より)

法話116・観音今昔物語(如意輪観音)

やもめの女が如意輪観音様に救われた話
今は昔、越前国敦賀に一人娘をこよなくかわいがっていた人がありました。
この娘は男運が悪く、やもめ暮らしでしたので、両親は年をとったこともあり如意輪観音様
お堂を屋敷内に造り観音像を安置して娘の幸せを祈っておりましたが、まもなく二人とも
亡くなってしまいました。

さて、その後は使用人も離れ衣食にも困るほど家運が衰退してしまい、ただ広い屋敷内で
毎日、観音に向かって祈る日々が続きました。そうして暮らしていたある夜、夢に老僧が
現れ、「気の毒なので、良い夫を見つけてやった。明日には来るだろう」と言うと夢が
覚めました。

次の日に夕方、80人もの使用人を連れた30歳くらいの主人が宿を借りたいと尋ねて
きました。この男は大変に裕福な豪族のあととりで最愛の妻を亡くし悲しみがまだ
やまないでいましたが、何と、この借りた宿の娘が最愛の妻に生き写しでしたので、
その夜のうちに深いちぎりを結び、後には仲むつまじい夫婦となって幸せに暮らしたと
いうことです。多くの子供に恵まれ、また功徳をいただいた観音様を益々信仰したこと
は言うまでもありません。
観音像(仏像画像事典)

(今昔物語巻十六第七話より)


法話115・占いブーム

先週は、インターネットで私のホームページを見られて、現役で活躍されている
占い師の方が工房へ見えました。

この占い師の方は、多少霊感があるせいか最近の占いブームと相まって経営されて
いる占いの館が大繁盛とのこと。私に「人の運命を見ると、どうしても霊魂に
たよられます。時折、近くのお寺さまでお払いしてもらっていますが、瑞雲さん
は仏像を彫って、どのようのお祓いされているのですか?」と聞かれるので、
私は「毎朝、お経をあげるのが日課で、仏像彫刻もお経の力(経力)で彫るんですよ」
とお答えしました。仕事が絶えないのもお経の力、彫った仏像が不思議な霊験を
顕わすのもお経の力、お経こそ、真にブームになってもらいたいものですね。

私の師は大変著名な霊感師であったことは前にも述べましたが、師はいつも
お数珠を懐に入れておりました。たいていの霊は数珠の力で近寄れませんが、
たまに、たちの悪い不成仏霊や鬼神がくると木剣(ぼっけん)で払っていましたね。

私は日蓮宗の祈祷本尊である鬼子母神様を毎朝勧請し毎日毎月の安泰を祈念しています
ので例に頼られるということはありません。霊媒体質の方は容易に頼られないよう、この鬼子母神か、強い神力で行者や仏法の実践者を守護する普賢菩薩さまを信仰するようにお薦めしています。

さて、占いは一種の統計学ですから、占いが33%以上当たると大変な占い師と
いうことになると私は信じています。これが50%から100%近く当たるのは
神仏の力か高級動物霊によるものです。私も若い頃は師匠のように霊感師になれたら
と思ったこともありましたから、たくさんの占い師とお会いしました。
過去の経験から、「衆怨悉退散」の文句がある法華経の「観音経」をいつも懐に
入れておくようお薦めした次第です。


法話114・仏師と大黒さま

ここのところ、立て続けに日曜日が日曜日にならない。インターネットからの
お客様が工房に訪ねてお出でになる。

不思議なのは、私のホームページの大黒天像を見られた方がご霊気を感じて、
大黒様が欲しくなってみえるのです。更に共通することは、この不景気に
会社をうまく運営して売り上げが上昇中の社長さん方だということです。
話を聞けば、皆さんが30才代後半なのに大変に信心深く、「このような、
不景気に不思議に会社の業績がいいのは、親の徳と自分のビジネスに対する
考え方のせいですが、勝ち抜いて行くには、やはりしんどい。大黒様のお力を
お借りしてもう一段上に伸びたい」とおっしゃるのです。

私は大黒様のお話や仏師のお話などして差し上げ、「信仰の心得」も説いて聞かせることに
しています。大黒様は福の神としては群を抜いたスーパースターですが、今の
小槌と袋をもったニコニコや顔のお姿は、鎌倉時代頃起こった「本地垂迹思想」
により、日本の国を造ったとされる大国主命と合体したお姿なんです。
初めは、商人の守り神として都市部で信仰されだし、次第に農家や一般家庭の
家計や台所の神様として祀られるようになりました。昔から伝わる大黒舞い
「大黒という人は、一に俵を踏んまえて、二ににっこり笑って、
三に酒つくりて、四に世の中よいように、五ついつものごとくにて、六つ
無病息災で、七つ何事ないように、八つ屋敷を広めて、九つ小倉をぶっ建てて
十でとうとう納まる御世こそめでたけれ」と歌いながら町中を練り歩く風習
が残っていますね。仏師はこのようなことを知って仏像を彫らないといけません。

さて、ここのところテレビやラジオでは日中国交正常化30年を祈念して、
中国に生き残りをかけて企業進出している会社の実体を報道しています。
ある安売りショップの社長さんのお話を聞いてビックリしましたが、
安い中国の物資と労働力のお陰で現在、大繁盛している大会社でさへ
20〜30年後は全くわからないとおっしゃっていました。

巨大国家中国の経済成長とグローバル化で、これからどうなるのかわからないのは
日本だけではありません。日本の国を造られた大国主命をはじめ諸仏諸神に
お導きをされるよう祈りながらご尊像の彫刻をするのが仏師の仕事ではと改めて
肝に命じた次第です。

 如意輪観音  不動明王  毘沙門天  鬼子母神
Copyright 2010-2020 東洋仏所 仏師 松田瑞雲 無断転用禁止