夜、部屋の電気を全て消し
僕は、真っ暗を願う。
ベッドに横になり
携帯のアラームをセットする。
すぐには消えない携帯の明かりが
僕の部屋の暗闇に
薄く、青白い光を放つ。
ふと、携帯の照明が消える。
期待と絶望が入り混じった気持ちが
ため息をついた。
それでも、部屋のレースのカーテンは
暗闇を作ってはくれない。
この部屋は明るすぎる。
僕は、真っ暗が欲しいのに。
『会話』
今のマンションに越してきて、もうすぐ2年が経とうとしている。
それにも関わらず、僕は今日まで、
マンションの住人と、ただの一度も話をしたことがなかった。
やたらでかくて、優しそうな男を連れている
隣の部屋の女の子とは
ばったり、外で会うことが多い。
それでも、話なんてしやしない。
今日は、朝から雨降りだ。
この雨は、何かをもたらすのか、
それとも、何かを流し去るのか。
今日は、そんなことはどうでもいい。
とにかく、僕は、夜御飯の買い物を終え
エレベーターに乗ったんだ。
そこで、一緒だったアジア人留学生の男が、
僕に話し掛けた。
「大学生?」
「学校はどこ?」
1階から6階に行くまでに、
男は、僕にそれだけを聞いた。
「どうして、英語で聞くの?」
そう、問いたかったが
僕は「おやすみ」と言った。
* * *
今日は、天気予報を見ていない。
明日は、晴れるのだろうか。