経済入門

第一章 基礎の基礎

1.経済とはなにか?i
 私達、日本人に限らず人間は、生きている限りモノ(財)やサービス消費します。 こうした消費には、生きる為に不可欠な衣食住に限らず、より人間的で充実した生活を送る事を目的とした教育、娯楽なんかも含まれます。

 しかし、世の中消費に回せる資源には限りがあります。このため多くの人がよりよい生活を送るためには限りある資源をより有効に利用する工夫が必要です。
 そこで私達が生活の欲求を満たし幸福な人生を送るため有限の資源を有効活用していこうとします。こうした行動やそうした一人一人の行動がもたらす社会全体での資源のやり取り利用を総合的にとらえて「経済」といい、ひいては経済事象とか経済活動とかいいます。私達の日常は全て経済活動が伴っているのです。

2.個人個人が経済活動

自分の時間も有効に利用する事も広い意味での経済活動のひとつであり、必ずしも全ての経済活動にお金が伴うものではありません。そうは言っても分業が進んだ(物物交換時代に比べ)現代社会での経済活動は、多くの場合売り手と買い手との間でお金と財やサービスを交換することを通じて行われます。
 個人の視点から見れば、主に労働力を提供することで生産活動に参加し、それにより所得を稼ぎ、それを元に財やサービスを消費するという一連の経済活動を行っているわけです。
働く(生産活動)→稼ぐ・所得を得る(収益活動)→使う・消費する(支出活動)→また働く・・・ 
 これが個人の一連の経済活動です。

3.経済活動の基本原則
経済活動が成長すると、だんだん効率的になっていきます。
現在生産活動においても分業が高度に進み、それぞれが得意な役割分担を行うのです。

@生産活動 に従事する場合には私達は仕事そのものでより多くの満足を得られるかどうか、より多くの財やサービスを消費できるようどれだけ多くの給料を稼げるか、を考えて職業を選びます。またそのバランスをうまくとること自体、経済活動です。

A収益活動 はサラリーマンの場合なら、生産活動によって労働を提供して交換する所得を得る活動をいいます。「稼ぐ」ということです。
企業の場合には財やサービスを販売することです。国の場合には税金を徴収することですね。

B支出活動  は収益活動によって得た限られた所得の中で、価格を比較し、一番満足が得られるように消費品目や量を決めていきます。

このように一連の@→A→B→@の三角形を循環よく行い、生産、支出の両面で効率的な行動をとることが経済活動の基本原則です。
 またその成長はらせん状に成長していきます。@・A・Bこのどれが欠けてもダメです。
また、価格を決めることにより、生産・支出の需要関係に反映し、より最適な活動を行うことができます。そうして経済全体に効率的な資源配分を可能とするわけです。

第二章 経済を動かす3つの力

1.「家計」「企業」「政府」3者そろって経済は動く

 私達は生活するうえで財やサービスを消費します。自給自足の経済では自分で消費する分は自分で生産しますが、分業が高度に進んだ現代では、主に企業より生産された財・サービスをお金で払って購入します。
 財・サービスの購入に必要なお金は、労働力を提供するなど、何らかの形で生産活動に参加することで受け取ります。単純に労働力を提供しなくても、知識の譲渡や資財の取引でもお金を受け取ることができますね。
 つまり、生産活動に参加し、所得の分配を受け、それを財・サービスの購入に支出するという一連の流れが経済活動であり、こうした個人の経済活動は主に「家計」というひとつのまとまった単位で進められています。
 またこうしたまとまった単位は「家計」「企業」「政府」とそれぞれの活動をおこなっており、またそれぞれが提供しあって経済全体は動いているのです。 

2.「企業」の経済活動

 現代では、生産活動のほとんどが「企業」を通じて行われています。企業は労働力、土地、情報、資本(生産要素)を使って生産活動を行います。労働力は家計から提供を受け、情報・資本・土地は家計や他の企業から調達し、それぞれの生産要素にその対価(労働力には賃金、資本には利子、土地には地代、情報には情報料)を支払います。
 企業の生産活動においては他の企業の財・サービスを購入することも行われ、これらは中間投入と呼ばれます。企業は生産した財・サービスを家計や企業に販売することで収益活動として売上を獲得し、売上から生産要素の調達や中間投入に必要となった費用を除いた分が利潤(利益)となります。企業は創意工夫を働かせ、費用節約、売上拡大などに努力し、利潤がなるべく多くなるよう行動するのです。
 企業経済の大きな要素は「収益性」でありますが「成長性」や「安全性」も大きな要素であり、この3つの要素が備わった企業が優秀な企業とも言われます。

3.政府の経済活動

 経済活動の主な担い手はこの「家計」と「企業」ですが、「政府」も経済活動に関与してきます。政府の主な経済活動は、行政サービスを生産し、企業、家計に提供することです。
 政府は企業同様、労働力、資本、土地、情報を対価を支払って使用し、生産活動を行います。その行政サービスの収入源は主に、家計や企業に税金を課することで徴収します。これは、行政サービスが行うべきものが、国防、司法、治安、治山治水など、国民や地域全体に及ぶ性格を持つためです。
 政府は、税金などにより徴収した歳入の一部を、失業保険、年金などの形で支払いますが、これは社会保障とよばれます。また政府は企業に補助金を支給し、生産活動が経済全体にとってより望ましい方向へ進むように促したりもするんです。

このように「家計」「企業」「政府」の三者が主な経済の主体となり資源を交換することで経済が循環していくのです。

経済単位 生産活動 収益活動 支出活動
家計 労働など 所得 所得収入 個人消費
企業 製造・販売など 売上 売上収入 経費・仕入
政府 行政サービス・
社会保障
歳入 税金徴収 予算経費

家計 企業 政府
家計 - 労働力の提供 税金の支払い
企業 賃金の支払い - 税金の支払い
政府 サービス・社会保障 投融資・補助金 -

 

第3章 ちいさな経済視点


ミクロとマクロ
経済には大まかに、「ミクロ経済」と「マクロ経済」とがあります。
ミクロとは小さな視点での経済を言います。
個人の消費や、企業・商店・役所や地域の消費的な経済行動だと思って下さい。
 対する、「マクロ経済」とは、国家の経済を、企業・家計・政府の3つの経済を主体に活動の総体を、包括的、客観的に、経済全体の姿を捉えようというものです。
 ぴんとこない方は、「ミクロ」が小さい視点で、「マクロ」が大きな視点だと思って下さい。

ミクロ経済の目的
 ミクロ経済の目的は、経済活動を行う人間や、企業の価格などに関する予想や行動にまで深く踏み込み、分析することによって私たちの取り巻く経済のメカニズムを説き明かそうというものです。この結果によって、より創意工夫のとれた経済事象を行う判断材料とします。例えば、来月の連休は、家族4人で、「ディズニー・シーへいくぞ!!」と意気込んだ地方のお父さんがいるとします。東京へはせっかくだから、泊りがけで行きたいが、金もかかる。日帰りでは忙しいし、ついでに「エクスペリア」でも買い物をしたい・・・という選択肢がまず生まれ、その後、では残業を多くして(労働力の提供)収入を得るか、他の財やサービスの購入を控えて(購入の減少)、旅行費用に充てるか、といった様々な優先行動を条件別に選択します。
 これらの選択条件は、その必要性・満足度・便利さなどによって決められます。このお父さんの場合だと、家族との思い出創りが、自分の残業と、昼食は吉野屋の280円牛丼で節約することよりも優先された(必要性・満足性)ことになります。
 消費者は、自らの生産活動や財産の運用によって得た所得を、財やサービスの購入に充てますが、買いたいものはすべて買えるわけではないので、そこにミクロ経済が必要であり、分析されていくのです。
 


 そこで、企業はミクロ経済の分析結果により、最も利益を得るにはどうしたらよいか考えます。
 つまり、企業はマーケット(市場)の中で、どれだけ生産し、その商品の価格をいくらにすれば最大の利益を得られるかを考え、企業活動が行われるのです。
 生産には、設備や労働力等、費用がかかります。売上を上げても、コストオーバーではもともこもありません。ですから、最大の利益をあげるために、どうすれば費用を安く抑えるか、という点も、企業にとっては大きな課題でしょう。また、マーケットにおいて、どれだけシェア(市場占有率)を獲得できるかも、企業行動を決める大事な要件です。

第4章 大きな経済視点


マクロ経済
 小さい視点として、消費や生産の個別の行動がミクロ経済であるのに対し、マクロ経済は、「家計・企業・政府」の3つの経済主体活動を総体として、包括的に捉えるものです。
 ミクロ経済と、マクロ経済は、相反するものではなく、両者をより全体的に分析することで、より正確な経済の姿が見えてくるのです。

 マクロでは、経済指標というモノサシを取り入れる事によって、それぞれの経済主体や、一国、世界の経済動向を数値的に捉えることができます。

 それは、家庭ではどうか?企業ではどうか?政府はどうか?

 といったように、3つの経済主体の活動を分析し、
 景気が上にむているかどうか、インフレかデフレか?などと、判断するのです。

 その判断材料として、使われる経済指標として物価上昇率、失業率、経済成長率などがあります。

つまり、よく言うところの「失業率×%」という報道は、マクロ経済分析のためのモノサシであるのです。

マクロ経済の政府の役割
 この、マクロ経済の分析を元に、政府は、各経済主体への調整を行います。
原則として、政府は、物価が上がってしまうインフレを避けるための物価安定政策
失業率を抑えるための、低失業率政策など
財政・金融政策を通じて、企業や家計などの民間の経済活動を促進させます。
 
 そういった、政府が政策を適切に行う為には、経済全体の現状を把握させる必要があります。
その際、このマクロ経済の見方が、重要度を増してくるのです。

 つまり、正しいマクロ経済の分析が出来ないことには、政府が適切な政策を行うことが難しくなるとも言えます。 

例えば、不況の時には、政府は、公共投資を増大させたり、また公定歩合を引き下げ、政策金利を引き下げるる政策をとってきました。

 しかし、通用してきた不況時の政策が、マクロで分析をし、通用しなくなっている事を政府は一刻も早く判断し、
その原因追求と、その調整対処を急がなければなりません。

 今日の不況は、その方程式とも言えた政府の政策が、通用しなくなっている事を知りながら、
その原因追求と、対処、つまり、民間経済への調整活動を、先延ばしにした事が、戦後最悪の大不況となっていると言っても、過言ではありません。

 ここでいう原因と言われているのが、不良債権です。