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風の科学 ★かぜのかがく★

 


INDEX
第9話/台風
第8話/フェーン現象
第7話/夕立
第6話/梅雨
第5話/都会の風は厳しい?
第4話/春の前線
第3話/春一番
第2話/季節風
第1話/風はどこから来て、どこへ向かうの?

第9話/台風

 第7話で予告した通り、今回は台風です。しかし、なんと見事にタイムリーな話題なんでしょう。被害に合われた方、大変でしょうけどがんばってください。
 さて、台風ってなんぞや? 基本的には熱帯低気圧のうち、中心の最大風速が17.2m/s以上のもののことを言います。じゃ、熱帯低気圧ってなんなの? って話しなんですが、早い話が熱帯生まれの低気圧です(そのまんまやないかい!)。熱帯低気圧は、巨大な積乱雲の固まりなんですが、普通の積乱雲(ようするにカミナリ雲)の寿命は数時間です。では、なぜに熱帯低気圧はずっと生きつづけられるのか?
 それは、熱帯低気圧が生まれ育つ環境に原因があります。そう、そこは熱帯の海です。これまで、何度もお話させて頂きましたが(第7話第6話第4話
あたりを参考にして下さい)、低気圧の生命線は上昇気流です。冷たく重い空気が上にあり、暖かく軽い空気が下にあるというアンバランスな状態が上昇気流を生んで雲を発生させるのです。普通のカミナリ雲は、雨を降らせると、地面なんかが冷めて下にある暖かい空気が暖かくなくなってしまうため、上昇気流がなくなってしまい、カミナリ雲は消滅するのです。
 ところが、熱帯の海だとどうでしょう? 水(海水)は暖まりにくく冷めにくいため、多少の雨が降ったところで冷めることはありません。だから、常に熱を海面近くの空気に与え続けるのです。そうすると、上昇気流がいつまでも弱くならないため、どんどん熱帯低気圧が発達して、台風になるのです。日本に台風が近づいてくるにつれて、また上陸したりすると、とたんに勢力が弱くなるのは、熱の供給が弱くなるからなんです。
 では、台風はなんで南から北に上がってくるのでしょうか? 実はこれってあんまり予報士の参考書の載ってないんですよね。台風がカーブしていくのは、低緯度では偏東風(貿易風)に流されて西進し、中緯度では偏西風に乗って東進するとか、太平洋高気圧の縁に沿って進むとか、そういう理由なんですけどね。なんで、北進するのか? どうして南には行かないの?(瞬間的に南に移動する台風もあるにはありますけど) どうも、この辺はあまりみなさんも知らないらしく、インターネット上で探してみても、なかなか答えは見当たりません。私は、単純に熱の輸送ということで、温度の高いとこから、温度の低いところへ、熱量を持ったものが移動していくのだ、と思っていましたが、「台風は、コリオリの力が大きい方へ移動する性質があって、だんだん北へ移動します。」と、ありました。どうして、コリオリの力が大きい方(コリオリの力は緯度が高いほど強いです)へ移動するのかはわかりません。すみません、不勉強で…
 で、台風と普通の低気圧の違いとしては、風雨が強烈に強いことが挙げられます。台風が発達すると、おのずと気圧が下がるので、風力は強まりますし、雨も強くなります。それに加えて、台風が海洋上にあるときは、ひたすら水蒸気を供給されるので、これが雨量の増加の原因となってます。
 では、天気予報とかで予報円だの暴風域だの出てきますが、あれは何を示しているのか… と、詳しく説明しようと思ったのですが、まさにこれを説明しているとてもよいサイト(台風情報の見方)があったので、そちらをご覧になってみてください。
 最後に、今回の大雨被害は、台風と全然かけ離れた場所で起きました。このメカニズムを説明したいと思います。東海地方で記録的な大雨が降った時(左図参照)、台風ははるか西北西のかなたの沖縄にいました。ほぼ同時期、日本列島に沿って前線が存在していました。低気圧のまわりには、反時計周りに風が吹いています。台風に伴う風は、東海地方においては南寄りの風となります。南寄りの風というのは、太平洋の上を吹いてきますから、とっても湿っていて暖かいです。「南よりの暖かく湿った風が前線を刺激して大雨になる恐れがあります」とは、今回とってもよく耳にしたフレーズですが、まさに今回は教科書に載ってもいいくらいの典型的なパターンです。暖かく湿った風は前線のところで、冷たい空気の上に上昇する形となり、このとき湿り成分が雨雲となるわけです。そして、今回特に最悪だったのは、台風の動きが大変遅かったため、気圧配置が全然変化せず、長い間同じようにあとからあとから、暖かく湿った風が吹いてきたことです。このおかげで、同じようなところで激しい雨が降り続き、今回のような大災害となったのです。
 台風が遠くても、今回みたいに雨がどーっと降ることはあります。くれぐれも気象情報はチェックしておきましょう!


次回更新は 2000年 10月08日の予定です!!★

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第8話/フェーン現象

 アメリカから戻ってくるとやっぱり日本の夏は暑いと感じます。もうずいぶんましになってきたとのことですが、私には全然そんな風に思えません。
 ところで、夏の全国の気温って、普通は名古屋・大阪とかが一番高いですよね。沖縄よりも高かったりするでしょう。なんで沖縄より名古屋とか大阪が暑いかというと、単純に風の通りが悪いというのと、沖縄は周りが水面なので(水面は暖まりにくい)その分気温も上昇しにくい、ということが主な理由です。
 しかし、たまに(特に台風の過ぎ去ったあと)富山・新潟・山形のあたりで異様に最高気温が高かったりすることがあることに気付いたことはありませんか。37度とか38度とかいう、異様な高温を記録することが多いのは、実はこういった日本海側の地域の場合が多いです。もっとも最近は、ヒートアイランド現象(冷房などの排熱などで、大都市の気温が上昇すること)で太平洋側の大都市も負けてはいませんが。  では、なぜ日本海側の気温が上昇するのでしょうか? これは、フェーン現象によるものです。よく聞くでしょう、この言葉。でも、フェーン現象ってなに?
 もともと、フェーンというのは、ドイツ南部に吹く南風のことです。アルプス山脈を越えてくるこの熱風は、ドイツにおいても雪崩や山火事を引き起こしています。日本でも、夏場のほか、春一番(第3話参照)のときに起こって、雪崩や洪水を引き起こします。
 このフェーン現象をきちんと説明するためには、けっこうきちんとした物理学が必要になるんですが、できるだけ簡単に説明しましょう。次の3項目が理解できれば、フェーン現象を説明できます。

@標高の高いところほど、気圧が低い。
A空気は圧力が掛かると熱くなり、圧力が下がると冷たくなる。
B乾いた空気と比べて、湿った空気は暖まりにくく冷めにくい。

@標高の高いところほど、気圧が低い。
 ま、これは組体操の人間ピラミッドなんかを考えてもらうとわかるんですけど、上の人より下の人がきついですよね。これは上からより強い圧力がかかっているからなのです。自然界でも同じで、標高が高いとこと低いとこを比べれば、標高の低いとこが圧力は高く、逆に標高の高いとこは圧力が低い、というわけです。
A空気は圧力が掛かると熱くなり、圧力が下がると冷たくなる。
 これは若干たとえが難しいんですけど、よく言われるのは、空気入れで自転車のタイヤに空気を入れた直後の空気入れを触ると熱いということなんかですかね。これは、断熱圧縮というのですが、早い話が圧縮すると圧力が上がって熱くなるのです。逆に、圧力が下がって膨張すると冷たくなります。この原理を用いている代表的な例が、エアコンです。
B乾いた空気と比べて、湿った空気は暖まりにくく冷めにくい。
これはなんとなく感覚的にわかるでしょうけど、物理的に言えば、乾いた空気よりも湿った空気の方が、比熱の大きい水蒸気を多く含むため、全体の比熱が大きい。だから、熱しにくく冷めにくい、ということになるでしょうか。

 これだけわかると、あとは簡単です。夏場、特に台風が過ぎ去ったあとは、強烈な南風が吹きます。日本の山脈にぶつかった南風はどんどん昇って行きますが、このときは南風、太平洋の湿気をたくさん 含んでいるので冷めにくく、100m上がるごとに0.5度くらいづつ温度が下がります。同時に、雲が発生して雨を降らせます。頂上に達したときの南風は20度です。今度日本海に向かって降りていくときは、雨を降らせて乾いた状態なので、100m下るごとに1度ずつ温度が上がります。そうすると、下に降りた時、南風の温度は40度(!)となるのです。このおかげで、日本海側の気温が高くなる、というわけです。

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第7話/夕立

 さて、今月は何にしようかなぁ、ちょうど台風が通り過ぎたので、台風にしようかなぁ、とも思ったのですが、台風は9月にしましょう、やっぱり。ということで、今回は夏の風物詩、夕立です。
 とはいえ、私、実家の長崎では、あんまり夕立というものを経験しなかったように思います。一時期を過ごした、鹿児島や京都でもあんまり… でも、ここ鈴鹿はけっこうあります。どうしてでしょうか?
 まず、夕立ってどうして起こるのか、考えてみます。夕立を起こすのは積乱雲、いわゆる入道雲です。昼過ぎに発生して、急速に発達し、夕立を降らせて夜がくると消えてなくなります。こんな激しく短い一生の雲は、積乱雲だけです。
 では、積乱雲とはどうやってできるのでしょう。これは、夏の強い日差しで、地面近くの空気が急速に加熱されることが原因です。だから、冬にかみなり雲はできませんよね。
 直感で言って、左の二つの絵は、どっちが不安定でしょうか。右ですよね。軽いものは上に行きたいでしょう。これを、夏の大気に当てはめると、暖められた軽い空気は、上に行きたいわけです。
 しかし、風があまりなく、平らな土地だと、上に行くきっかけがなかなかできません。風があれば、気流が乱れるので、それをきっかけに上に行けるのですが… そうやって、大気の状態が、どんどん不安定になっていきます。それが、なにかのきっかけで崩れたら、さあ、大変! ある1ヶ所で、暖められた空気が昇り始めると、まわりの空気も、どんどんそこから昇りに行くのです。それは、ちょうど、大バーゲンや新台入替の日の朝、開店と同時に店内になだれ込むお客さんのようなものといったらわかりやすいでしょうか。これで、激しく大気が乱れるのです。
 さてさて、この暖められた空気が上空へ昇ると、今度はまわりの冷たい空気によって、急激に冷やされます。夏の湿気を帯びた空気が冷やされると、水蒸気が水滴や氷粒に変わります(どうしてかわかんない人は、6月のを見てね)。雲の発生です。暖かい空気は次から次へとやってきますので、どんどん雲は発達します。そして、上空で浮かんでいる水滴などが重力に耐えられなくなった瞬間、どーっと雨が降り出すわけです。なんせ、雲の発達度合いは半端じゃないので、雨の降り方は半端じゃないです。あまりに大気が乱れているので、摩擦で起きた電気を雲が蓄積していき、雷を落とすこともあります。
 いったん雨が降り出すと、その雨によって地面は冷やされるので、地表近くの空気の温度は下がっていきます。そうすると、大気が安定してしまいます。つまり、それ以上積乱雲は発達しなくなります。したがって、雨が止むと、もうそこに積乱雲はなくなってしまっているわけです。
 で、冒頭に長崎や鹿児島・京都であまり夕立がなかった、と書きましたがその原因は、この3都市にはまとまった平地がないからです。山があると、そこをつたって暖かい空気は昇っていきやすいので(この原因を説明するのは、ちょっと長くなるので省略)、大気が大きく乱れることが少ないのです。
 結論、とにかく日差しが強くって風のない日は、気をつけなければいけませんね。

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第6話/梅雨

 あ〜さて、とうとう、この時期がやってきてしましました。しかし、どうして、梅の花も咲かない6月の雨のことを、「梅雨」っていうんでしょう? これは、梅の実が熟する時期だからだそうです、とヤマハ発動機の英語版のサイトに書いてありました(もちろん英語です…)。絵がかわいかったので、のぞいてみてはいかが?
 と、ライバル会社のPRはこれくらいにして、というか、そんな時期に梅の実なんかなったっけ? と思いつつ、本題に入りましょう。この梅雨、早い話が、前線(第4話参照のこと)に伴う雨のことです。で、前線ができる原因などは第4話を見てもらうとあらかたわかると思いますので、ここでは、

@ なぜ、前線で雨が降るのか?
A なぜ、梅雨の前線は長続きするのか?
  

について述べなければならないと思います。(むぅ、これは長編になりそうだ。)

@ なぜ、前線で雨が降るのか?
 えっとですねぇ、この時期、クルマとかバス・電車に乗るとよく経験すると思うのですが、窓ガラスが曇りますよねぇ。なんで曇るかっつうと、あれですね、湿気の多い室内の空気が、窓ガラス(外気はだいたいの場合、中より冷たいです)で冷やされて、水蒸気が露となるわけです。
 ま、前線ってのは暖かい空気と冷たい空気がぶつかっている場所なわけなので、窓ガラスと同様なことが起こります。つまり、水蒸気が露となるわけです。これが、雲の素となっているのです。
 雲がありゃ雨が降るってのが、自然の摂理だと考えるのが普通ですが、案外そうでもなくって、雨の降らない雲も結構あります。ただし、前線の雲は、残念ながら(!?)雨が降ります。
 ということで、結論、前線で雨が降ります。

A なぜ、梅雨の前線は長続きするのか?
 だいたい、暖かい空気と冷たい空気がぶつかると、混ざり合って、最終的には温度差がなくなっていきます。だから、前線もいつかはなくなります。では、なぜ前線が持続しやすいのかというと、ずっと、前線の南北から暖かい空気と冷たい空気が供給されるからです。
 日本のある緯度では、偏西風が吹いていて、お天気も西から東へと移っていきます。ですがですねぇ、この偏西風、日本のずっと西側にあるチベット高原によって、流れを分断されるのです。北側に行った流れは、まだ暖まっていない北の大地を通り抜け、冷たい空気を日本上空に運びます。これに対し、南側の流れは、もうすっかり夏気分の南の大地を通り抜け、さらに東シナ海や太平洋から水蒸気をたっぷりもらって、日本上空へやってくるのです。ですから、この状態が続く限り、前線は生き残るのです。そして、梅雨が終わるのは、北の大地も十分暖まる、7月中ごろとなります。  ということで、結論、梅雨前線は長続きします。

 @とAから、梅雨空はまだしばらく続くのでした。チャンチャン!

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第5話/都会の風は厳しい?

 ゴールデンウィークも終わって1週間が経ちました。みなさん、五月病になってませんか? 夢のような連休が終わり、帰ってきた都会の厳しい風… あれ? そういえば、田舎より都会の方が、風が厳しい気がしませんか? そんなことない!?
 ま、たしかに、田舎といっても海辺などは風が強いんですけど、実際、都会の風は強いです。ま、今の季節はそうでもありませんが、夏とか冬は強くなります(じゃぁ、今の時期にネタにするな!って? まぁ、気にしないで)これは、主に空調(暖房・冷房)の発生する熱に起因しています。冷房は、熱を冷ましてるのでは? と思う方もいらっしゃるでしょうけど、室外機からの熱風を思い出してください。あれは明らかに熱を発しています。で、熱が発生するとなぜ風が起こるかというと… これは第1話を参照してください。
 ついでにいうと、1日の間でも、コンクリートジャングル(暖まりやすく、冷めやすい)の都市と、林(暖まりにくく、冷めにくい)の多い郊外では温度差が生じるため、風が生じます。しかも、林の存在は、風の風力を弱める働きがあるのですが、ビルなどにはその働きがありません。かえって、風を変な風に曲げてしまい、ビル風(強い風が風向きが不安定に吹くこと)の原因となっています。
 というわけで、これから徐々に冷房を効かせる職場が増えるにつれ、都市風も強くなっていくのです。やっぱり、都会の風は厳しいのですね…

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第4話/春の前線

 さてさて、桜咲く今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。今月は、春の前線についての話です(それって、風と関係あるの?ってツッコミは、なしね)。
 そもそも前線ってなんでしょう? 天気図でみると、低気圧からひげのように伸びた線が、まさしく前線です。低気圧ってだけで雨が降りそうなのに、前線と聞くと、げぇってカンジの人も多いでしょうね。で、よく見ると、前線に2つの色があるのがわかります。これは味気ない天気図に少しでも彩りを加えよう、という気象庁の策略、ではありません。
 前線とは、性質の違う気団、簡単に言えば、暖かい空気の固まりと冷たい空気の固まりが接触するところに発生する境界のことをいいます。そして、なぜ前線で雨が降るか、というと…これは、多少説明が長くなりますので、6月の梅雨のころに話しましょう。とにかく、前線が発生すると、雨が降ります。
 天気図に描かれる前線には左の4種類があります。

 寒冷前線
 冷たい空気の流れが暖かい空気にぶつかる時にできる前線です。冷たい空気は、暖かい空気より重いので暖かい空気の下に潜り込もうとしますが、地面がじゃまで潜り込めません。そこで、まともに暖かい空気とぶつかることになります。
 温暖前線
 暖かい空気の流れが冷たい空気にぶつかる時にできる前線です。暖かい空気は、冷たい空気より軽いので冷たい空気の上へ覆い被さるようなカンジになります。寒冷前線と違い地面がじゃまにならないので、暖かい空気にとっては、のれんに腕押しってカンジです。
 停滞前線
 暖かい空気と冷たい空気の勢いがどっこいどっこいのときの前線です。どっこいどっこいなので動きがありません。だから、ず〜っと雨が降ることになります。梅雨とかが典型的ですね。
 閉塞前線
 この前線は、あまり出てくることがないので、省略します。

 で、春というのは暖かくなっていく季節です。ですから、暖かい空気に勢いがあるわけで、温暖前線がメインとなります。さっきも述べたように、温暖前線は、暖かい空気と冷たい空気がまともにぶつかり合わずに、図のように上がっていくので、広い範囲で雨が降ります。が、その分降りかたは弱くて、しとしと降ることになります。また、暖かい空気がなかなか冷たい空気を押していかないので、前線自体の動きは比較的ゆっくりです。
 その結果、春の雨はだら〜っとしとしと降るカンジなわけです。逆にいうと、秋はザ〜ッと集中的に降るわけですねぇ。勉強になりました?

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第3話/春一番

 えーっと、春一番ですね。春一番さんは、アントニオ猪木のものまねオンリーで身を立てている芸人さんです。最近、DionのCMに出演して、けっこう全国区です。ちょっと、吉本新喜劇の辻本に似ています。

 冗談はさておいて、春一番ってなんでしょうねぇ。辞書を引くと

はるいちばん【春一番】
早春の頃吹く、その年初めての強い南風。日本海を発達した低気圧が通過するときに吹く。


とあります。気象学的には、もう少し難しい定義がありますが、おおよその意味はそういうことです。つまり、日本海に低気圧が通れば吹くんですねー。???じゃー、冬の間は、日本海に低気圧は通らないの? そんなことはありません。というか、よく通ります。しかし、普通、南風は吹きません。それはなぜか、というと、季節風が強いからです(季節風については、第2話を見てね)
 で、実は、今年、まだ春一番が吹いてません(3月12日現在)。春一番の定義として、「立春から春分の間で」という定義があるので、今年はひょっとしたら吹かないかもしれません。というのも、ここまで述べてきたとおり、発達した低気圧が日本海を通過して、なおかつ季節風が弱まれば春一番が吹くわけですが、今年はなかなか、発達した低気圧ができないのです。
 その理由としては……、気象予報士の卵は、きちんとはわかっていません。ただ、おそらく、太平洋の水温が今年はまだ上がってきていないのが原因じゃないかなぁ、と思われます。え、なんで、そうだと、低気圧が発達しないの?と思われる方が多いでしょう。このメカニズムはけっこう複雑です。

太平洋の水温が上がらない

太平洋上の空気の気温が上がらない

太平洋上の空気と大陸上の空気との温度差が小さいままである

前線が発生しない

低気圧が発達しない


とまあ、こんなところでしょうか(間違ってたらすみません。だいたい合っていると思いますが)。低気圧の盛衰には、高い上空を吹く偏西風の強さや、蛇行の大きさにも左右されるので、一つの理由で片付けるわけにもいかないので…
 で、前線のメカニズムについては、話し出すとキリがないので、次回に回すことにしようかなあ、と思っています。
 「なぁんだ、春一番吹かないのかぁ」とがっかりしている人もいるかと思いますが、災害の面から言うと、実は、吹かない方がいい場合が多いのです。

○春一番をもたらすほどの強い低気圧ですから、それ自体の風害が起こる。
○強くて暖かい南風は、フェーン現象を伴って日本海側に吹き抜けるため、雪崩・洪水が発生する。
○大気圧が去った後は、逆に強烈な北風が吹くため、健康を害しやすい(これって災害?)

などと、大変なことがいくつも起こります。ですから、今年みたいに、春一番が吹かずに、ゆっくりと暖かくなっていく方が、災害の点からはいいんですけどねぇ。

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第2話/季節風

 えーっと、月刊のコンテンツの中では、これが初更新となりますね。
 さてと、今回は季節風の話をしようと思います。よく天気予報で「季節風の噴出しに伴う、筋状の雲」という言葉を耳にします。で、筋状の雲についてはおいといて、季節風って何でしょうねー。
 まず、前回のおさらいですが、風は対流と気圧差が原因で起きるといいました。で、ですねー、今回のキーとなるのは、「陸は熱しやすく冷めやすい。海は熱しにくく冷めにくい」です。これさえ押さえとけば、かなりの風を説明できます。
 冬場は、他の季節と比べて、地面(水面)の受ける太陽エネルギーが少ないです。単純に、冬が寒いのはこのせいです。で、冬は陸も海も寒いのですが、実は陸の方が、海より余計に寒くなります。
 で、そうしますと、相対的に海の空気の方が軽いので、上に上がろうとします。そうすると、海に陸から空気が流れてきます。で、陸の上空の空気が下に降りて来て、で、海の上空の空気が、陸の上空に行く、と。まあ、現実にはうまいこと、空気がグルグル回るわけではないのですが、少なくとも陸から海に空気が流れるのは事実です。
 で、冬の間は、陸の方が温度が低いので、陸(ユーラシア大陸・シベリアとか)から海(太平洋・日本)に向かって、風が吹きます。が、夏は逆に陸の方が暑くなるので、海から陸に風が吹きます。で、これはそういう、冬とか夏とかいう、長いスケールの話だけではなく、1日の間にも起きます。
 昼と夜の関係は、ちょうど、夏と冬の関係に似ています。… もうおわかりですね。昼は海から陸へ、夜は陸から海へ風が吹きます。これが、海風・陸風です。ただし、陸風・海風は、太陽エネルギーの1日間の変動が大きい夏に強く、冬はあまり起きません。
 まあ、いろんな風があるわけですが、傾向として、「暖かいところには、風が吹き込む。寒いところからは風が吹き出す。」ということを覚えておくと、なにかの役に立つかもしれませんよ。


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第1話/風はどこから来て、どこへ向かうの?

 さて、ちょっと教育テレビっぽいページですけど、とりあえず見て欲しいわけです。
 風というのは、気象の基本です。たしかに、太陽の光であり、空気であり、水であり、いろいろなものが気象の基本ではありますが、予報するには、風の動きをつかまなければなりません。そこで、気象予報士を目指す私が、風の仕組みをできるだけ簡単に話していこうと思うわけです。

 で、風というもの、これは要は空気が動く、流れるといったことです。まあ、空気が上昇したり、下降したりすることを風とはあまり言わず、普通は右から左へとか、背中から前方とか、風とはだいたいそういうもののはずですが。それはともかく、なぜ空気は動くのでしょう?

 空気の動きはだいたい次の2つの理由で起こります。
@対流
 軽いものは上に上がり、重いものは降りてきます。
 つまり、軽い空気(例えば、太陽熱で暖められて膨張した空気とかヘリウムの入った風船)なんかは上に上っていくわけです。
A気圧差
 天気予報で、高気圧とか低気圧とかってありますよね。あれは、空気がギュッと詰まっているか、ホワーっと広がっているかって状態の違いなわけです。それでもって、水が高いところから低いところに流れるのと同じように、高気圧から低気圧の方向に空気が動くのです。

 今の時期、天気予報で「西高東低の冬型の気圧配置」という言葉をよく耳にするでしょう。この天気図が、まさにその西高東低です。西気圧、気圧なので、西高東低です。
 「はて?」と、疑問に思った人がいるかもしれません。そう、西高東低ならば、風は西から東に吹くはずですよね(赤の矢印)。しかし、実際は強い北西寄りの風(ピンクの矢印)が吹きます。これはなぜでしょう?
 実は、地球が自転している影響で、動いているものはすべて、右に曲がっていくのです。これはコリオリの力と呼ばれています。一番簡単にこれを感じることができるのは、洗面台に水を溜めて、栓を抜いたときの渦です。コリオリの力がなければ渦など巻かないのですが、コリオリの力のおかげで、右巻きの渦ができるはずです。
 余談ですが、コリオリの力は、南半球では逆になります。ですから、洗面台の渦も北半球とは逆の左巻きになるんです。


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