小学生からの起業家教室

 

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平成13年度東北地域起業家教育交流促進事業
〜仙台市立柳生(やなぎう)小学校

バーチャルカンパニーの取り組み〜

 

〓起業家的資質を備えた将来の地域リーダーを育てよう!〓

*起業家の持つ資質を伝えたい!*

 人間の能力は自身の努力や経験で積み重ねることができるが、その人の持つ「資質」は15歳くらいまでに形成されるとも言われ、創造力、リーダーシップ、チャレンジ精神といった起業家的資質を備えた地域人材は、「鉄は熱いうちに打て」との諺にもあるように、子供の頃からの体験によって育つものではないでしょうか。

*起業家と教育の交流を後押しする*

 東北経済産業局企画課では、平成11年度から「東北地域起業家教育交流促進事業」を実施しています。この事業は、このような考え方に基づき、地域の企業経営者などの協力により、小中高等学校の『総合的な学習の時間』等の行事に、社会人講師を派遣したり、教員の企業での研修をコーディネートしたりするもので、コーディネーターとして財団法人宮城総合研究所の協力を得て実施しているものです。

〓プロローグ〓 〜柳生小学校バーチャルカンパニー始まる〜

*小学校と協力して起業家教育を実践する!*

 仙台市立柳生小学校では、「未来を拓く生きる力のある児童」を育てる教育の一環として、放課後を活用して『柳生子ども塾』に取り組む、とてもユニークで活気のある小学校です。

 起業家の持つ「生きる力」を学校教育に役立ててもらいたい! 「起業家教育交流促進事業」のねらいと柳生小学校のユニークな取り組みが一致して「柳生小バーチャルカンパニー」の取り組みが、今、始まりました。

*燃える起業家と地域に密着した取り組み*

 講師は仙台市内に本社を置き情報サービス業を営むベンチャー企業「株式会社モモ」の伊藤靖社長。「地元の『柳生和紙』を小学生の斬新な発想でヒット商品にし、全世界に売り出したい!」と東北地域の将来を担う起業家の育成に燃えています。

 

『柳生子供塾』ってなに?

 仙台市立柳生小学校では、学ぶことの楽しさを子供達自身に体験してもらおうと、放課後の時間を活用して「柳生子供塾」を開講しています。

 書き初め教室、活け花、茶道、から凧づくり、雀踊りに至るまで、子供達の様々な関心や興味に対応した学習の機会を提供しようとする試みで、教師や地域のボランティアが講師となり、参加者も児童に限らず父兄にも開放するなどして、小学校が地域社会に開かれた子供達を支える地域拠点としての機能を担っています。

『柳生和紙』ってなに?

 仙台市太白区の柳生地区に伝わる柳生和紙は、仙台藩祖伊達政宗が仙台藩の産業として奨励して始まった伝統的な和紙です。明治後期には4百件を数えた和紙をすく家も、今では佐藤平治さん、ふみ江さんのご夫婦のみとなってしまいました。

 今、時代を超えて地元柳生の子供達の手によって、柳生和紙の良さが全世界に紹介されようとしています。

柳生和紙の手漉き職人・佐藤平治さん

 

〓柳生小バーチャルカンパニーいよいよ始動!〓
《平成13年4月25日(木) 第1回》

☆オリエンテーション☆

*講師紹介*

教頭先生から、「株式会社モモ 代表取締役社長 伊藤靖」さんが紹介される。
『社長さん』という紹介に、子供達から驚きの声が上がる。

*講師自己紹介*伊藤社長

伊藤社長から、コンピューターを使った仕事をしていること、会社の名前『モモ』はミヒャエル・エンデの『モモ』という本から名付けたこと、子供が3人いてそのうちの一人はみんなと同じ小学生であることなどが自己紹介され、伊藤社長はさらに続けた。

「どんなに才能があって、どんなにすばらしい絵が描けても、絵が売れなければ『生き延びる』ことはできない。子供達には自分のやりたいことがやれて、かつそれで『生き延びていける力』を持った大人に育ってもらいたい。だから以前から子供達と一緒にこんな授業をやってみたかった。」と。

 

株式会社モモ 代表取締役社長 伊藤靖: 高崎経済大学経済学部を卒業後、オンワード樫山、ソニープルデェンシャル生命等を経て1991年6月にマルチメディア時代に対応したSOHOスタイルのIT系ベンチャー企業、有限会社モモを設立。1995年4月から株式会社モモに組織変更。『柳生小バーチャルカンパニー』にはボランティア講師として参画。

*バーチャルカンパニーの目的説明*

伊藤社長は引き続き「柳生子供塾 バーチャルカンパニー」の目的を説明する。

「起業」とは新しく会社を興すこと、全く新しいことを始めるわけで、このチャレンジ精神を肌で感じて理解して欲しい。

みんなの将来の夢の一つとして「起業」というものも選択肢の一つになってもらえるよう、みんなで楽しみながらバーチャルカンパニーを作り、起業を体験してみよう!

会社を作ることの大変さ、一生懸命汗をかいて働くことの大切さを学ぼう!

本当の起業には冒険もつきものだけれど、バーチャル=仮想の会社だから失敗を気にせずチャレンジしよう!

夢を持って新しいことにチャレンジする精神は、子供の頃に身につければ将来きっと役に立つよ。こんな精神を身につけた子供達が大人になって、自分たちが住んでいる地域に新しいビジネスを起こし、いろんな会社がもっともっと出来て、地域も日本ももっともっと良くなっていって欲しい。

今回のテーマは「地元の伝統的な和紙『柳生和紙』を世界中に売ろう!」だ!。

インターネットを使って『柳生和紙』を国内だけでなく海外にも売る。インターネットにはそんな可能性があるんだ!どんどん売れれば、もしかしたら本当に給料も入ってくるかもしれないよ!

伊藤社長は子供達に呼びかけた「大人に負けない会社を作ってみよう!」と。

*子供達の自己紹介、将来の夢は?*将来の夢を語る児童の皆さん

子供達と参加者が一人ずつ自己紹介。

「バーチャルカンパニー」に参加した動機は?

  ─コンピューターが上手になりたかった! 社長になって威張りたい!…

「将来の夢」は?

  ─パイロット! 保育士! 女優! プロ野球の選手! マンガ家!

  ─医者! 商売がやりたい! 獣医さん! 体操の選手!など起業家と言う答えは??

実際に会社を経営しているお父さんや、子供のうちから金銭感覚を身につけることは必要というお母さんもいて、先生を含めて40名以上が集まった。

*「バーチャルカンパニー」の進め方*

伊藤社長から、「バーチャルカンパニー」の進め方について説明。

〈全体スケジュールは?〉

・1ヶ月に1回、全部で10回程度の講座を、これから一年間かけて実施。

・テーマは会社を作って『柳生和紙』を売ること。

〈講座の内容は?〉

・最初は起業家の精神について、みんなにわかってもらえるような話をします!

伊藤 「みんなは日本の有名な起業家の人を知っているかな?」

児童 「電気製品を作った人の話をNHKのプロジェクトXで、お父さんと見たよ!」

伊藤 「松下幸之助さんのことだね!ほかにも本田とかソニーとか外国ではビル・ゲイツなんかも有名だね!そう言った人の話を学んでから実際に会社作りに入りましょう。」

・実際に会社を作って、社名を決めよう!

伊藤 「会社の名前はとても大切、モモという社名にはとても思い入れがあるんだ!」

・定款を作ろう!

伊藤 「定款とは会社の目的=今回は和紙売ること、会社の理念=社会への貢献の仕方など、社風=楽しい会社にしたいとか、事業計画、売り上げ目標などを書くものです。」

「定款は法務大臣=校長先生に届け出て始めて会社として認知されるんだよ。」

・マーケットリサーチ、売り方を考えよう!

伊藤 「インターネットを使ってライバル会社の商品とか調べてみよう! ホームページで商品を売り込むには、売れるようなホームページを作ることも大切だよ。」

・商品を考えてみよう!

伊藤 「商品の使い道を考える、ここはアイデア勝負なので、みんなの柔軟な発想に一番期待してます。」

・決算してみよう!

伊藤 「決算てわかるかな?」

児童 「儲かったとか損したとか一年間の締めでしょう? 鉄道会社の社長になるTVゲームでやったことがあるよ!」

伊藤 「事業が終わったらみんなで決算してみよう。たくさん儲かったらどうしよう?」

*オリエンテーションの終わりに*

伊藤 「柳生和紙が売れれば、生産している人も喜ぶし、いい商品を作れば消費者も喜ぶ、いろんな人から喜ばれて、かつお金も儲かってしまう。小学生が和紙を売って地域の産業興しにつながったら、きっと柳生小学校はバーチャルカンパニーの先駆けとして有名になっちゃうかもしれないね! だからみんなでがんばろう!」

*次回までの宿題*伊藤社長、教頭先生、児童の皆さん

 「世界の有名な起業家について、本やテレビで見て調べてこよう!」

 「会社の名前やロゴを考えてみよう!」 

*教頭先生のお話 「社長になりたい人!」*

教頭先生 「次回も遅れないで集まりましょう。会社だったら遅れてきてはダメ、とても厳しいんだよ! 給料が減らされちゃうかもしれないよ!」

教頭先生 「自分が社長をやりたいって人はいるかな?」

児童 「ハーイ(大勢手を挙げる)」

教頭先生 「社長がいっぱいいる会社はないんだよ…」

児童 「それじゃ副社長でいい」「ボクは会長でいい」

☆次回から本格的なバーチャルカンパニーが始まります…。☆