『審判員心得』

審友会  

    はじめて大会で審判をする場合には、うまくできるだろうかといった不安のほかに、どこへ行って誰の指示を仰げばよいのか、など様々な不安があると思います。
    また、「今日は、6人制のムービングです。できますよね」などと、審判に関する基本的なことを尋ねられたときに、よく知らなくても「わかってますよ」と答えたりすることはありませんか。よくわからないことは素直に質問するなどしないと、後で恥をかいたりするばかりでなく、選手、主審、クルーリーダーやクルーメンバーひいては他の大会役員にも迷惑をかけることになります。疑問な点は、最初のうちにクルーリーダーやチーフオブアンパイアに尋ねておくとよいでしょう。

    以下に、審判員として大会に参加する際に心掛けるべきことを挙げてみました。はじめて大会に参加される方やしばらくぶりで参加してみようという方は、参考にしてください。

この心得は、審友会メンバー向けに書かれていますので、本稿に「(代表)幹事」などと表現されている場合は、審友会組織の幹事ですのでお間違えのないように。


エントリー時の心構え

一通りの基本的な審判技術について練習すれば誰にもできますから、あまり心配することはありません。しかし、大会で審判員として任務を果たすには事前に充分練習をしておくのは当然です。大会の審判で経験を積み重ねることによって熟練度を上げることはあっても、大会が審判技術の練習の場ではありません。

はじめて審判をするという方は、近くの仲間や先輩に指導を仰いでください。経験の浅い(ライン)アンパイアは、審友会発行の「審判マニュアル」を参考にムービングなどについて充分練習をして臨んでください。

『審友会に審判を任せれば安心』という信頼を得るためにメンバー全員で努力しましょう。


参加有無の連絡

参加の申込みから参加決定までの流れは、次のように大会の種類によって異なります。
JTA主催・主管大会
(1)JTA主催・主管の主要な大会(『コートの友』末尾にも掲載されている)は、年末に翌年の大会日程が公表され、B級以上の審判員にダイレクトメールで希望調査がなされる。
(2)希望調査表が届いたら、年初から年末までの大会日程に参加希望日を書き込み、締切期限までに日本テニス協会に提出する。
(3)採用してもらえる場合には、大会の1〜2カ月前に返事が届く。返事がなかったら不採用と思ってよい。予定を早く知りたいときには、日本テニス協会に確認してみるとよい。

地域協会、都道府県協会主催・主管大会
(1)各都道府県協会に審判員登録しておけば、都道府県選手権などの案内が送られる。但し、現状は、都道府県によっては、すべてセルフジャッジまたは、負け審制を採用し、大会に審判員を付けていないところもある。

その他の大会
上記以外の大会が審友会に審判要請されたときは、以下のような系統で連絡されます。
(1)審友会副代表幹事(通常、副代表幹事が大会関係を扱います)または代表幹事から各都道府県(または地域)幹事へ審判要請の連絡がいく。
(2)各都道府県幹事からメンバー各位に審判要請。
(3)各幹事は、参加可能なメンバーを取りまとめ、副代表幹事へ連絡。
(4)参加者を調整した後、同様の系統でメンバーに「何日に出てください」または、「今回は参加できません」と連絡があります。この場合は、不採用でも連絡があります。
いずれの大会も大会開催日の2週間前になっても連絡がないときには、副代表幹事または各幹事にお問い合わせください。大会によっては、2〜3日前にならないと決まらないこともあります。
参加者が少ない場合には、副代表幹事から直接連絡することもあります。各幹事に連絡がとれなかったときは、こちらへもお問い合わせください。

土日、参加のチャンス

メンバーは仕事を持っている方が多いために、どうしても参加希望日は土日に集中します。
主要な大会の土日、特に、最終日となる土日は、レフェリーや大会関係者サイドで経験者をピックアップ(セレクト)して大会に臨みますので、自分の参加可能な初日が最終の土日となるような場合には、参加希望を出しても参加できないことがあります。
ウィークデーなどに参加して実績を認めていただくことが採用してもらう早道となります。また、審友会の講習会などで充分なトレーニングを積んでいるかどうかも考慮されます(レフェリーなどから経験の程度について問合せがあることも)。

各種団体から審友会に審判要請がある大会は、ほとんどが土日に開催されます。土日しか審判できないという方は、これらの試合に出て経験を積むのも1つのステップでしょう。
プロプレーヤーが参加する国際大会は1〜2週間通して開催されますので、これらの大会で審判するには、少なくとも2,3日休暇をとってウィークデーにも働かないと最終の土日に採用されません。休暇がとりにくい方は、年間を通して計画を立て、参加希望大会を絞って申し込むようにするとよいでしょう。


参加の取消・遅刻

エントリー後、急な都合で参加できなくなることがあります。参加できなくなったらできるだけ早く各幹事まで連絡してください。各幹事が副代表幹事に連絡して調整することになります。
参加日直前の3日前以降は、参加者一覧表の控えのメンバー(通常、採用者は●、不採用者(補欠:急遽審判員を増員するなどの要請があったときに参加できる)は○で表される)または大会に参加希望を出していない他のメンバーに替わってもらえないかどうか自分で連絡をとり、同時にその旨を直接、副代表幹事に連絡してください。

日によっては審友会メンバーに控え(○)がいないことがあります(特に、ウィークデー)。このような時は、女子連審判部などに応援要請しなければなりません。場合によっては、全く補充がつかないこともあります。

「サラリーマンだから急用は仕方ないでしょう」ということは理由になりません。"暇だから参加する"という人はほとんどいません。ましてや、「自分一人ぐらいいなくても何とかなるだろう」と連絡もなしに欠席するのはもってのほかです。また、「すみません。忘れていました」では済まないのです。

遅刻も大会関係者に多大な迷惑をかけます。当日の朝には、審判スケジュールが仕上がっていますから、遅刻すればクルーの組み替え等、デスク担当者が大変です。
車の渋滞などで遅刻しそうな時は、早めにデスクまで連絡してください(そのためには大会本部またはデスクの電話番号を事前に控えておきましょう)。
また、車で会場に来るときは、少なくとも30分前には到着するような心掛けが必要です。特に、平日は渋滞するものと心得ておいてください。

また、たまに、"今日は午前中しか参加できないのですが"とか、"2時には帰りたいのですが"という人がいるようです。大会関係者の迷惑も考えてみてください。あなたのために、参加したくても参加できなかったメンバーがいることもお忘れなく。


雨のとき

参加日が朝から雨、ということもあります。家の周りは雨でも会場は降っていないかもしれません。また、途中で止むかもしれません。止めば水はけをして試合を開始することだってあります。室内コートに振り替えることもあります。雨でも必ず会場まで出かけて大会本部の指示を待ってください。
雨が止んで試合ができる状態になった時に、審判員がいない、ということになって困るのは大会役員です。雨だったからと勝手に判断して大会に参加しなかったら、あなたのところに2度と参加要請は来ないでしょう。


服装について

審判員の服装は、大会によって、また、予選と本選では異なることがあります。これまでの審判員の一般的な服装は、およそ以下の4種です。
大会への参加要請があるときに事前に知らされることもありますが、直前まで不明な場合もあります。参加予定日までに確認しておきましょう。前日までに連絡がないときには、副代表幹事までお問い合わせください。
(1) 紺ブレザーにネクタイまたはスカーフ、紺ズボンまたはスカート、ゴム底靴。すべて自前。
(2) 上下ウォームアップスーツ貸与、襟付き白ポロシャツ(貸与されるウォームアップスーツの内側に)、紺ズボンまたはスカート、テニスシューズ自前。
(3) 上ジャンパーまたはトレーナー貸与、襟付き白ポロシャツ、紺ズボンまたはスカート、テニスシューズ自前。
(4) 全部自前、紺、黒、グレー等の濃色のウエア、テニスシューズ。

  その他、サンバイザー、帽子が貸与になることもあります。
  また、寒いときには各自で防寒の用意をしたほうがよいでしょう。



時計などのアクセサリー

時計やネックレスなど光線の具合によってキラキラ光るものはプレーの妨げになることがあります。特に、室内の試合では、選手からクレームが出やすくなります。ウエアの下に隠すか、最初から外しておいた方がよいでしょう。


待機の際の心構え

アンパイアは、ストップウォッチ、メジャー、コイン、スコアカード、鉛筆、ボール(スペアも)、必要なときにはプレーヤーのネームプレートなど7つ道具が揃っているか、確認し、スコアカードに予め記入できるところは記入して試合に臨んでください。

ラインアンパイアは、通常、クルーごとに1マッチまたは60〜90分単位で審判に入ります。クルーリーダーの指示に従い、担当時間および他のクルーメンバーを把握して待機してください。少なくとも担当時間の10分前にはコートサイドに集合してください。
また、審判に入る直前にはトイレを済ませ、ドリンク類はひかえてください。1マッチスルーの審判では2時間以上休憩がとれないこともあります。


選手との応対

特に、審判員は選手と必要以上に親しそうに話をしないほうがよいでしょう。あいさつはともかく、選手と親しそうに話をしていると、自分は公正に審判をするつもりでも他方の選手や応援に来た観客から、その審判に対し、偏見をもたれることがあります。
ましてや、どんなにすばらしいプレーであっても、試合中に拍手など、応援しているとみなされるような行為をしてはいけません。審判員として参加した日の試合では、観客席で試合を観戦中であっても同様です。さらに、選手にサインを求めるなどもってのほかです。
 

はじめての大会参加

主審として
経験もなく、ラインアンパイアのついた主審(チェアアンパイア)をすることはまずありませんが、ソロチェアアンパイアは、大会経験がなくても依頼されることがあります。
既に審判マニュアルや練習でプレマッチミーティングやアナウンスなどについて理解していても、はじめて参加する大会では、審判デスクに”ソロチェアは、はじめてですが”と申し出ておいた方がよいでしょう。
そうすれば、その日の2回目の試合の担当にしてもらえるなど、配慮をしていただけます。その間に1回目の試合のソロチェアアンパイアがどんなふうに試合を采配するかを見ておけば、トラブルが起きても落ち着いて対処できる余裕も生まれるでしょう。

主審経験が浅いと、最初はどうしてもスコアアナウンスやスコアカードの記録に気をとられて、ポイント終了直後の選手の表情やコート内への侵入物まで気がつきにくいものです。スコアカードへの記録は、極く短時間に済ませ、顔を上げて、常に選手やコートに目を向けるように心掛けてください。
下を向いてスコアカードに目を落としがちだと、選手は、主審が自分たちのプレーをきちんと把握しているのかどうか不安になります。きわどいジャッジの後では、選手から甘く見られてクレームをつけられたりすることもあります。

ラインアンパイアとして
はじめて大会などに参加するのであれば、まずラインアンパイアを経験したほうがよいでしょう(ラインアンパイアを付けていない大会も多いのですが)。
はじめての経験がソロチェアアンパイアの場合には、プレマッチミーティングから試合終了までさまざまなことに配慮しなければならないので、結構疲れるものです。大会の雰囲気を肌で感じて臨むには、担当ラインだけをジャッジするラインアンパイアが適当です。

ラインアンパイアも、はじめて参加する時には、クルーリーダーに”はじめて参加する”旨を必ず伝えてください。そうすれば、初心者として最もふさわしいポジションを与えてくれるでしょう。
もし、熟練者のような態度で参加すると”サービスラインをお願いします”などと言われ、後で自分自身が困ることになるばかりでなく、選手や主審、ひいてはクルーメンバー全員が迷惑することになります。誰でも一度は”はじめての大会”を経験するのです。決してはずかしいことではありません。

オーバールールについて
ラインジャッジの判定が主審によってオーバールールされることがあります。オーバールールされたとき、決して悪びれる必要はありません。主審は異なる観点から客観的な立場で判断しているのですから、それに従ってください。
誰でもたまにはミスジャッジがあります。そのミスジャッジにこだわっていると、連続してミスジャッジをすることになります。それは、避けたいものです。

また、主審の判定がいつも100%正しいとは限りません。しかし、オーバールールがあったら、不服そうな顔をせずに、そのオーバールールに素直に従ってください。不確かなコールやハンドシグナルがミスジャッジとなり、主審のオーバールールを誘いやすいのです。
自信をもってジャッジすることがオーバールールを少なくします。それでもオーバールールされたら素直に従うことです。オーバールールに対する選手からの質問は、主審に任せてください。

審判態度について

審友会の審判マニュアルをよく読み、予め練習しておくことはもちろんですが、審判に当たっては「正直」かつ、「素直」であることです。
審判員にとってこれが最も大切と言えるでしょう。これに欠ける人は審判員として失格かもしれません。ミスをしたら「正直」かつ、「素直」に認めるようでなくてはいけません。しかも、「すぐさま」です。タイミングが遅れると訂正できなくなり、逆にトラブルの原因になります。正直でなかったら、選手や他の審判員から信頼を損ねます。


健康について

大会に参加する前日は、夜更かしやアルコールの飲み過ぎに注意するのは選手と同様です。また、風邪などひかないように健康管理することが望まれます。頭痛の状態では、満足なジャッジができません。
視力や聴力を正常に保つことも要求されます。健康であることによって機敏で的確な判断が可能となります。

健康であれば誰でも審判員になれます。審判経験のない人に「審判をやってみませんか」と声をかけると、「今は、もう少しプレーヤーとしてプレーをしていたい。会社を定年になったらやりますよ」という方がいますが、歳をとってからプロテニスプレーヤーが参加するような大会の審判はできないと思っておいたほうがよいでしょう。
視力や聴力が劣り、機敏な動きができなくなってからではこのような大会の審判はできません。
現在、年配の方が第一戦で審判をしていますが、このような方は、若いときから審判員として経験を積んでいるからできるのです。
メンバーの大半は、草テニスプレーヤーとして活躍しながら審判をしています。あなたも思い立った今がチャンスです。定年まで待たずに審判してみませんか。




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