■■Lost Element様■■

第四章 集うは双子、現るは幻影、そして空賊

〜The gear which is put together〜



起こったのは突然。
気付いたのは偶然。
告げられたの警告。
始まったのは……第4ラウンド(?)

(高密度質量物体の接近を確認)

「なにか来ました!」
夕食も終え、休んでいたセラが立ち上がり叫ぶ。それ続くのは大きな光。
あわてて錬たちは家を飛び出す。
そこにあったのはモスクワの『アプラクシン4』の船体。
「くっ、やはりばれていたか」
サクラが身構えながら、そう言う。
「しかたがないよ、サクラ」
ディーはそう言って、「陰陽」を構える。
「わたしは逃げる準備をします」
セラはそう言い、D3を閉鎖空間から取り出す。
「僕は荷物をまとめてくるね」
真昼は家の中に入りながら、そう投げかける。
四人が自分の仕事にそれぞれ取り掛かる準備をする。が……

「ここがおまえの家か?なんか壁がないやないか」
「私だって、知らないわよ。大方、ユウが遊びに来てるんでしょ」

降りてきたのは月夜とイル。そしてアプラクシン4は帰っていく。
「ああ、また迎えの時に連絡しますんで、よろしく頼みます」
イルは離れていく戦艦に手を振り、そして玄関に向かおうとして、
「なんでおまえがここにおるんや?」
「それは私の台詞だ!幻影No.17!」
サクラの外套が翻り、イルを襲う。しかし、イルはそれを確認すると、後方に5メートル移動した。
「ちょっと待てや、会っていきなり攻撃って、どうゆう神経しとんねん」
「こんなところで捕まる気は一切ないのでな」
イルは抗議するが、サクラはそれをすばやくかえす。
「そういう問題やのうて、人としてどうかっちゅう問題やろ」
「私をアホなどと言ったのはあなたであろう。それならば少しぐらい見過ごせ」
そのまま始まる口喧嘩。そのようすはまるでファンメイとシャオロンのようである。どっちもピンポイント外しながら、一発ずつだけど。
そして、それが5分ほどすると、
「いい加減にしなさい!」
月夜からの拳骨制裁喧嘩両成敗が二人を襲った。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
二人そろって、声にならない悲鳴を上げる。
「いつまで私を放置する気よ。口喧嘩は迷惑だから町の外でやりなさい」
よほど痛かったのか、珍しく涙目になった二人が抗議を始める。
「それでも予告なしの拳骨を痛いやろ」
「そうしないとあんた絶対回避するでしょうが」
「もし、舌を噛んだらどうするのだ」
「生命維持槽にでも入ってなさい」
「そんなもん、携帯しとるやつなんておらんやろ」
「そもそもそれでもあまり意味がないと思うのだが」
「大丈夫よ、たいていの怪我は治るから」
「いや、それでも痛いもんは痛いで」
「そもそも舌を噛んだらそれどころではない気がするのだが」
「じゃあ、私が手術で付け直してあげるわよ」
「そんな痛そうなことは却下や」
「私もだ。麻酔も効かないだろうしな」
「組織がちゃんときれいに切断されていればきれいにくっつくわよ」
「噛んで切れたら、組織はつぶれとると思うんやけど」
「そのまえに出血も抑える方法がないしな」
無駄に思える抗議を繰り返す二人。
しかしこのお姉さんにはそんなことは通用しない。
やがて10分ほどしてから再び戦闘を始めた二人を月夜が殴り、気絶させて終わった。

 *

「なんでこんなことになっとんや?」
月夜に殴られた。サクラと一緒に気絶した。賢人会議は他の仲間がいた。ノイズメーカーを付けられている。右手と両足を拘束されている。紅茶が注がれている。肉まんが目の前に置かれている。渡されたのは紅茶が賢人会議の光使いセラ。肉まんが賢人会議の参謀真昼。治療もされている。やったのは天使の少女フィア
はっきり言って理解できない。
しかも目の前の紅茶と肉まんはイルの分である。
「どうなっとるんや、ここは」
「あまり深く考えんな」
投げかけられた言葉はヘイズのもの。
どうやらイルが眠っている間についたらしい。
「これを深く考えずにおれるか?」
「オレもおまえのとこの依頼で同じ目にあった」
……かわいそうなやつやな……
龍使いの島のことであろう。なぜかヘイズに同情するイル。
「オレのそのときと同じことになるかもしれねえから、覚悟して置けよ」
「へ?」
これ以上わけのわからない状況があるというのか?
拷問室でも尋問室でもない普通の部屋に連れてこられて、まだこの上があるというのか?
そんなことを考えていると、なぜかビデオカメラを持ったフィアが入ってきた。
「改めまして、フィアです。よろしくお願いします」
「あ、そらどうもご丁寧に」
ぺこり、と頭を下げるフィア。それに遭わせてイルも返事をする。
「……」
「おい」
ヘイズが横から声をかける。
「なんや」
「名前言っとけ」
なんとなく納得して、頷き口を開く。
「イルや。幻影No.17ちゅうんでよろしく」
「変わった名前ですね。由来はなんですか?」
さらにカメラを近づけ、そこでテーブルにおいて顔を覗き込むフィア。
「俺の能力のことや。ついでにNo.17は識別番号シリアルナンバーでなんの意味もないで」
軽くあしらっておくことにする。
「そうですか。それではイルさん。今から尋問を開始します」
元気よく、声を上げるフィア。おそらく龍使いの島でもこうだったのだろうと想像するイル。
……てか、まだ始まってなかったんか……

 *

「なあ、これ外してくれんか?」
「だめです。そんなことしたら逃げられて錬さんに怒られます」
「壁でも通り抜けれますからね」
イルと一緒にいるのはフィアとセラ。理由は月夜が指名したから………らしい。

「いくらなんでもこれはやりすぎじゃないの?」
「そうですよ、しかも本人に気付かれないように、自動で発動するスタンガンまで付けて」
月夜にそう言ったのは錬とディー。しかし、このお姉さんにそんなことを言うと……
「あんたたちも同じ目にあいたい?」
「めっそうもございません」
二人そろって拒否。まあ、助ける義理はないし。

「それで、今度は月夜の正拳突き、手刀、上段回し蹴り、踵落としなんか月夜式空手技大乱舞覇王伝を連発されてしまって、また、病院送りなの?」
「うん。今回のは手加減なしだったからね」
……それで人間って生きてられるんですかい、お兄さん。
「まあ、二月上旬には退院できるわよ」
「もうすこし早くできない?」
「治療費上乗せしていいなら」
「遠慮しておきます」

「それで、エルはなんで昨日幻影No.17が寝ている間、頭にずっと手を置いていたのだ?」
DLダウンロード
「応えになってねえぞ」
謎の単語を放ったエルにつっこむヘイズ。いや、なにかはわかるけど、なぜそんな言葉がでるかが謎なんです。
「DL……もう少しわかりやすくしてくれないか?」
そう言われ、エルは少し考え、
「サクラ風に言ったら学習」
「おまえは悪魔使いか!?」
「それはないだろう」
ヘイズが叫ぶが、すぐさまサクラが否定する。
「カテゴリは《精霊》だけど」
「なんだそのカテゴリ!」
みごとにはもったヘイズとサクラ。

「あの依頼はどうなってるの?」
「もちろん、万事に抜かりなし、もう目覚めてるよ」
ユウとマリア(AI)が二人で密談。しかし、まだ依頼をしてるんですか、おかあさん。
「それで、名前は?」
「『平穏を誓約されし者、此処に在り』、故にアコーセ。とりあえずはレアファ姓を名乗らせておくけど、それでいい?」
「いいわよ。それじゃ、なにもなければセラの誕生日に届けてあげて」
「OKだ。さて、No.7娘さんの名前も決まりましたし、パーっと派手にやる?」
「なにをよ」
「パーティー」
「気が早いわよ」

 *

なんだかんだで翌日です。
「いいお茶ですね。なんて言うお茶ですか?」
「たしか、『金蓮花茶』だったよ」
「どこ産ですか?」
どこぞ地球外の連邦の盟主国としか教えれない」
「ずるいです」
フェアルにお茶について聞いているのは、フィアとセラ。おそらく、それぞれの愛しの人錬とディーに淹れてあげようと、思ったのだろう。
「なあ、それよりもなんで俺は一時休戦とはいえ、賢人会議とお茶してるんや?」
「そんなこと私が知るはずないだろう、幻影No.17」
「まあ、そらそうやな」
本来ありえないような会話をしているのはサクラとイル。
「それで、真昼兄は?」
「弥生のところで入院してるわよ」
「またなんだ」
兄弟の不幸を話しているのは錬と月夜。あ、不幸といっても死んでいるわけではありません。
「僕はそのとき何も出来なかったんですよ。大好きな人たちが傷ついていると言うのに、なんて自分は無力なんだって思って」
「あ、ああ、そりゃ、大変だったな」
ディーにお酒を飲まして愚痴を聞くこと100%自業自得になったのはヘイズ。飲酒を止めなかったんですか、月夜さん。

昼食も終わり、それぞれの自由時間に入ることにした各々。
フィアとセラはフェアルに金蓮花茶の特徴などを教えてもらうと言って台所に入り、錬とディーは真昼のお見舞いに行くといって家を出て、イルは何もすることがない
と言って寝入り、サクラとユウはなにやら喧嘩を始めて町の外に飛び出し、エルは買い物に行ってくると言って隊商のところへ行き、現在リビングに残っているのは、
月夜とマリア。
「ねえ」
「なに、家庭事情の愚痴は聞かないわよ」
戦友雪と祐一の家族同然の人にそんなことしないわよ」
「じゃあ、なに?」
「ちょっとしたお願い」
「仕事なら高くつくわよ」
「そうじゃなくて、この先の……この世界のこと」



<作者様コメント>
ロストです。
ふああ、時間がさらに短く。
現在5月4日金曜日の22:52だから第一土曜に間に合うはずだから多分更新時に乗ってると思うけど不安だな。
さて、ほのぼの状態ですが、次回現れる『鳳炎使い』によってそれは破られます。
さて、どうなるのでしょうか?
それと問題です。
ユウの言ったNo.7とは一体誰でしょう?
もちろんクレアではありません。
もしそうなら千里眼にしますし
それでは!

<作者様サイト>
なし

◆とじる◆