介護保険法の概要

介護保険法

(平成九年十二月十七日 法律第百二十三号)

改正 平成九年五月九日法律第四八号・平成九年六月二四日法律第一〇三号・平成九年一二月一七日法律第一二五号・平成一〇年六月一七日法律第一〇九号

目次

第一章 総則(第一条―第八条)

第二章 被保険者(第九条―第十三条)

第三章 介護認定審査会(第十四条―第十七条)

第四章 保険給付

第一節 通則(第十八条―第二十六条)
第二節 認定(第二十七条―第三十九条)
第三節 介護給付(第四十条―第五十一条)
第四節 予防給付(第五十二条―第六十一条)
第五節 市町村特別給付(第六十二条)
第六節 保険給付の制限等(第六十三条―第六十九条)

第五章 事業者及び施設

第一節 指定居宅サービス事業者(第七十条―第七十八条)
第二節 指定居宅介護支援事業者(第七十九条―第八十五条)
第三節 介護保険施設
第一款 指定介護老人福祉施設(第八十六条―第九十三条)
第二款 介護老人保健施設(第九十四条―第百六条)
第三款 指定介護療養型医療施設(第百七条―第百十五条)

第六章 介護保険事業計画(第百十六条―第百二十条)

第七章 費用等

第一節 費用の負担(第百二十一条―第百四十六条)
第二節 財政安定化基金等(第百四十七条―第百四十九条)
第三節 医療保険者の納付金(第百五十条―第百五十九条)

第八章 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務(第百六十条―第百七十四条)

第九章 保健福祉事業(第百七十五条)

第十章 国民健康保険団体連合会の介護保険事業関係業務(第百七十六条―第百七十八条)

第十一章 介護給付費審査委員会(第百七十九条―第百八十二条)

第十二章 審査請求(第百八十三条―第百九十六条)

第十三章 雑則(第百九十七条―第二百四条)

第十四章 罰則(第二百五条―第二百十五条)

附則

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

(介護保険)
第二条 介護保険は、被保険者の要介護状態又は要介護状態となるおそれがある状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。

 前項の保険給付は、要介護状態の軽減若しくは悪化の防止又は要介護状態となることの予防に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない。

 第一項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。

 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

(保険者)
第三条 市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、介護保険を行うものとする。

2 市町村及び特別区は、介護保険に関する収入及び支出について、政令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。

(国民の努力及び義務)
第四条 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。

 国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。

(国及び都道府県の責務)
第五条 国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他必要な各般の措置を講じなければならない。

2 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な指導及び適切な援助をしなければならない。

(医療保険者の協力)
第六条 医療保険者は、介護保険事業が健全かつ円滑に行われるよう協力しなければならない。

(定義)
第七条 この法律において「要介護状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)のいずれかに該当するものをいう。

 この法律において「要介護状態となるおそれがある状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、厚生省令で定める期間にわたり継続して、日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態(厚生省令で定める程度のものに限る。)であって、要介護状態以外の状態をいう。

 この法律において「要介護者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

一 要介護状態にある六十五歳以上の者
二 要介護状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(以下「特定疾病」という。)によって生じたものであるもの

 この法律において「要支援者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

一 要介護状態となるおそれがある状態にある六十五歳以上の者
二 要介護状態となるおそれがある状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要介護状態となるおそれがある状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものであるもの

 この法律において「居宅サービス」とは、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護、特定施設入所者生活介護及び福祉用具貸与をいい、「居宅サービス事業」とは居宅サービスを行う事業をいう。

6 この法律において「訪問介護」とは、要介護者又は要支援者(以下「要介護者等」という。)であって、居宅(老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の六に規定する軽費老人ホーム、同法第二十九条第一項に規定する有料老人ホーム(第十六項において単に「有料老人ホーム」という。)その他の厚生省令で定める施設における居室を含む。以下同じ。)において介護を受けるもの(以下「居宅要介護者等」という。)について、その者の居宅において介護福祉士その他厚生省令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生省令で定めるものをいう。

7 この法律において「訪問入浴介護」とは、居宅要介護者等について、その者の居宅を訪問し、浴槽を提供して行われる入浴の介護をいう。

8 この法律において「訪問看護」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において看護婦その他厚生省令で定める者により行われる療養上の世話又は必要な診療の補助をいう。

9 この法律において「訪問リハビリテーション」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションをいう。

10 この法律において「居宅療養管理指導」とは、居宅要介護者等について、病院、診療所又は薬局の医師、歯科医師、薬剤師その他厚生省令で定める者により行われる療養上の管理及び指導であって、厚生省令で定めるものをいう。

11 この法律において「通所介護」とは、居宅要介護者等について、老人福祉法第五条の二第三項に規定する厚生省令で定める施設又は同法第二十条の二の二に規定する老人デイサービスセンターに通わせ、当該施設において入浴及び食事の提供(これらに伴う介護を含む。)その他の日常生活上の世話であって厚生省令で定めるもの並びに機能訓練を行うことをいう。

12 この法律において「通所リハビリテーション」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、介護老人保健施設、病院、診療所その他の厚生省令で定める施設に通わせ、当該施設において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことをいう。

13 この法律において「短期入所生活介護」とは、居宅要介護者等について、老人福祉法第五条の二第四項に規定する厚生省令で定める施設又は同法第二十条の三に規定する老人短期入所施設に短期間入所させ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。

14 この法律において「短期入所療養介護」とは、居宅要介護者等(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。)について、介護老人保健施設、介護療養型医療施設その他の厚生省令で定める施設に短期間入所させ、当該施設において看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことをいう。

15 この法律において「痴呆対応型共同生活介護」とは、要介護者であって痴呆の状態にあるもの(当該痴呆に伴って著しい精神症状を呈する者及び当該痴呆に伴って著しい行動異常がある者並びにその者の痴呆の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。

16 この法律において「特定施設入所者生活介護」とは、有料老人ホームその他厚生省令で定める施設(以下この項において「特定施設」という。)に入所している要介護者等について、当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいう。

17 この法律において「福祉用具貸与」とは、居宅要介護者等について行われる福祉用具(心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、要介護者等の日常生活の自立を助けるためのものをいう。第四十四条第一項において同じ。)のうち厚生大臣が定めるものの貸与をいう。

18 この法律において「居宅介護支援」とは、居宅要介護者等が第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス又は特例居宅介護サービス費若しくは特例居宅支援サービス費に係る居宅サービス若しくはこれに相当するサービス及びその他の居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス又は福祉サービス(以下この項において「指定居宅サービス等」という。)の適切な利用等をすることができるよう、当該居宅要介護者等の依頼を受けて、その心身の状況、その置かれている環境、当該居宅要介護者等及びその家族の希望等を勘案し、利用する指定居宅サービス等の種類及び内容、これを担当する者その他厚生省令で定める事項を定めた計画(以下この項において「居宅サービス計画」という。)を作成するとともに、当該居宅サービス計画に基づく指定居宅サービス等の提供が確保されるよう、同条第一項に規定する指定居宅サービス事業者その他の者との連絡調整その他の便宜の提供を行い、及び当該居宅要介護者等が介護保険施設への入所を要する場合にあっては、介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行うことをいい、「居宅介護支援事業」とは、居宅介護支援を行う事業をいう。

19 この法律において「介護保険施設」とは、第四十八条第一項第一号に規定する指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び同項第三号に規定する指定介護療養型医療施設をいう。

20 この法律において「施設サービス」とは、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス及び介護療養施設サービスをいい、「施設サービス計画」とは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設又は介護療養型医療施設に入所している要介護者について、これらの施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生省令で定める事項を定めた計画をいう。

21 この法律において「介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホームであって、当該特別養護老人ホームに入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設をいい、「介護福祉施設サービス」とは、介護老人福祉施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話をいう。

22 この法律において「介護老人保健施設」とは、要介護者(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設として、第九十四条第一項の都道府県知事の許可を受けたものをいい、「介護保健施設サービス」とは、介護老人保健施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話をいう。

23 この法律において「介護療養型医療施設」とは、療養型病床群等(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第三項に規定する療養型病床群(その全部又は一部について専ら要介護者を入院させるものに限る。)又は同法第二十一条第一項ただし書の都道府県知事の許可を受けた病院その他のこれに準ずる病院であって政令で定めるものの病床のうち痴呆の状態にある要介護者の心身の特性に応じた適切な看護が行われるものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)を有する病院又は診療所であって、当該療養型病床群等(当該療養型病床群のうちその一部について専ら要介護者を入院させるものにあっては、当該専ら要介護者を入院させる部分に限る。以下同じ。)に入院する要介護者(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話及び機能訓練その他必要な医療を行うことを目的とする施設をいい、「介護療養施設サービス」とは、介護療養型医療施設の療養型病床群等に入院する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話及び機能訓練その他必要な医療をいう。

24 この法律において「医療保険各法」とは、次に掲げる法律をいう。

一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)
二 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)
三 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)
四 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)
五 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)
六 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)

25 この法律において「医療保険者」とは、医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う政府、健康保険組合、市町村(特別区を含む。)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。

26 この法律において「医療保険加入者」とは、次に掲げる者をいう。

一 健康保険法の規定による被保険者。ただし、同法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者を除く。
二 船員保険法の規定による被保険者
三 国民健康保険法の規定による被保険者
四 国家公務員共済組合法又は地方公務員等共済組合法に基づく共済組合の組合員
五 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者
六 健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者。ただし、健康保険法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者の同法の規定による被扶養者を除く。
七 健康保険法第六十九条の九の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第六十九条の八の規定による承認を受けて同法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者とならない期間内にある者及び同法第六十九条の九第三項の規定により当該日雇特例被保険者手帳を返納した者並びに同法の規定によるその者の被扶養者を除く。

(諮問)
第八条 厚生大臣は、この法律の規定による介護保険に関する重要事項については、あらかじめ、政令で定める審議会(以下「審議会」という。)に諮問するものとする。

第二章 被保険者

(被保険者)
第九条 次の各号のいずれかに該当する者は、市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)が行う介護保険の被保険者とする。

一 市町村の区域内に住所を有する六十五歳以上の者(以下「第一号被保険者」という。)
二 市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者(以下「第二号被保険者」という。)

(資格取得の時期)
第十条 前条の規定による当該市町村が行う介護保険の被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日から、その資格を取得する。

一 当該市町村の区域内に住所を有する医療保険加入者が四十歳に達したとき。
二 四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者又は六十五歳以上の者が当該市町村の区域内に住所を有するに至ったとき。
三 当該市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の者が医療保険加入者となったとき。
四 当該市町村の区域内に住所を有する者(医療保険加入者を除く。)が六十五歳に達したとき。

(資格喪失の時期)
第十一条 第九条の規定による当該市町村が行う介護保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所を有しなくなった日の翌日から、その資格を喪失する。ただし、当該市町村の区域内に住所を有しなくなった日に他の市町村の区域内に住所を有するに至ったときは、その日から、その資格を喪失する。

2 第二号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日から、その資格を喪失する。

(届出等)
第十二条 第一号被保険者は、厚生省令で定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項その他必要な事項を市町村に届け出なければならない。ただし、第十条第四号に該当するに至ったことにより被保険者の資格を取得した場合(厚生省令で定める場合を除く。)については、この限りでない。

2 第一号被保険者の属する世帯の世帯主は、その世帯に属する第一号被保険者に代わって、当該第一号被保険者に係る前項の規定による届出をすることができる。

3 被保険者は、市町村に対し、当該被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる。

4 被保険者は、その資格を喪失したときは、厚生省令で定めるところにより、速やかに、被保険者証を返還しなければならない。

5 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条から第二十五条までの規定による届出があったとき(当該届出に係る書面に同法第二十八条の二の規定による付記がされたときに限る。)は、その届出と同一の事由に基づく第一項本文の規定による届出があったものとみなす。

6 前各項に規定するもののほか、被保険者に関する届出及び被保険者証に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(介護保険施設に入所中の被保険者の特例)
第十三条 介護保険施設に入所することにより当該介護保険施設の所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者であって、当該介護保険施設に入所した際他の市町村(当該介護保険施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるものは、第九条の規定にかかわらず、当該他の市町村が行う介護保険の被保険者とする。ただし、二以上の介護保険施設に継続して入所している被保険者であって、現に入所している介護保険施設(以下この項及び次項において「現入所施設」という。)に入所する直前に入所していた介護保険施設(以下この項において「直前入所施設」という。)及び現入所施設のそれぞれに入所することにより直前入所施設及び現入所施設のそれぞれの所在する場所に順次住所を変更したと認められるもの(次項において「特定継続入所被保険者」という。)については、この限りでない。

2 特定継続入所被保険者のうち、次の各号に掲げるものは、第九条の規定にかかわらず、当該各号に定める市町村が行う介護保険の被保険者とする。

一  継続して入所している二以上の介護保険施設のそれぞれに入所することによりそれぞれの介護保険施設の所在する場所に順次住所を変更したと認められる被保険者であって、当該二以上の介護保険施設のうち最初の介護保険施設に入所した際他の市町村(現入所施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの 当該他の市町村
二 継続して入所している二以上の介護保険施設のうち一の介護保険施設から継続して他の介護保険施設に入所すること(以下この号において「継続入所」という。)により当該一の介護保険施設の所在する場所以外の場所から当該他の介護保険施設の所在する場所への住所の変更(以下この号において「特定住所変更」という。)を行ったと認められる被保険者であって、最後に行った特定住所変更に係る継続入所の際他の市町村(現入所施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの 当該他の市町村

3 前二項の規定の適用を受ける被保険者が入所している介護保険施設は、当該介護保険施設の所在する市町村及び当該被保険者に対し介護保険を行う市町村に、必要な協力をしなければならない。

第三章 介護認定審査会

(介護認定審査会)
第十四条 第三十八条第二項に規定する審査判定業務を行わせるため、市町村に介護認定審査会(以下「認定審査会」という。)を置く。

(委員)
第十五条 認定審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い条例で定める数とする。

2 委員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、市町村長(特別区にあっては、区長)が任命する。

(共同設置の支援)
第十六条 都道府県は、認定審査会について地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の七第一項の規定による共同設置をしようとする市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができる。

2 都道府県は、認定審査会を共同設置した市町村に対し、その円滑な運営が確保されるように必要な技術的な助言その他の援助をすることができる。

(政令への委任規定)
第十七条 この法律に定めるもののほか、認定審査会に関し必要な事項は、政令で定める。

第四章 保険給付
第一節 通則

(保険給付の種類)
第十八条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。

一 被保険者の要介護状態に関する保険給付(以下「介護給付」という。)
二 被保険者の要介護状態となるおそれがある状態に関する保険給付(以下「予防給付」という。)
三 前二号に掲げるもののほか、要介護状態の軽減若しくは悪化の防止又は要介護状態となることの予防に資する保険給付として条例で定めるもの(第五節において「市町村特別給付」という。)

(市町村の認定)
第十九条 介護給付を受けようとする被保険者は、要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について、市町村の認定(以下「要介護認定」という。)を受けなければならない。

2 予防給付を受けようとする被保険者は、要支援者に該当することについて、市町村の認定(以下「要支援認定」という。)を受けなければならない。

(他の法令による給付との調整)
第二十条 介護給付又は予防給付(以下「介護給付等」という。)は、当該要介護状態又は要介護状態となるおそれがある状態(以下「要介護状態等」という。)につき、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による療養補償給付若しくは療養給付その他の法令に基づく給付であって政令で定めるもののうち介護給付等に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、又は当該政令で定める給付以外の給付であって国若しくは地方公共団体の負担において介護給付等に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。

(損害賠償請求権)
第二十一条 市町村は、給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を行ったときは、その給付の価額の限度において、被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。

2 前項に規定する場合において、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、市町村は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる。

3 市町村は、第一項の規定により取得した請求権に係る損害賠償金の徴収又は収納の事務を国民健康保険法第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)であって厚生省令で定めるものに委託することができる。

(不正利得の徴収等)
第二十二条 偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、市町村は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。

2 前項に規定する場合において、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション又は短期入所療養介護についてその治療の必要の程度につき診断する医師その他居宅サービス若しくはこれに相当するサービス又は施設サービスに従事する医師又は歯科医師が、市町村に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、市町村は、当該医師又は歯科医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して同項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。

3 市町村は、第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者、第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援事業者又は介護保険施設(以下この項において「指定居宅サービス事業者等」という。)が、偽りその他不正の行為により第四十一条第六項(第五十三条第四項において準用する場合を含む。)、第四十六条第四項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)又は第四十八条第五項の規定による支払を受けたときは、当該指定居宅サービス事業者等に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に百分の四十を乗じて得た額を支払わせることができる。

(文書の提出等)
第二十三条 市町村は、保険給付に関して必要があると認めるときは、当該保険給付を受ける者又は当該保険給付に係る居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービスを担当する者、保険給付に係る第四十四条第一項に規定する特定福祉用具を販売する者若しくは保険給付に係る第四十五条第一項に規定する住宅改修を行う者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を求め、若しくは依頼し、又は当該職員に質問若しくは照会をさせることができる。

(帳簿書類の提示等)
第二十四条 厚生大臣又は都道府県知事は、介護給付等(居宅介護福祉用具購入費の支給及び居宅介護住宅改修費の支給並びに居宅支援福祉用具購入費の支給及び居宅支援住宅改修費の支給を除く。次項及び第二百八条において同じ。)に関して必要があると認めるときは、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービス(以下「居宅サービス等」という。)を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った居宅サービス等に関し、報告若しくは当該居宅サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

2 厚生大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、介護給付等を受けた被保険者又は被保険者であった者に対し、当該介護給付等に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

3 前二項の規定による質問を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(受給権の保護)
第二十五条 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

(租税その他の公課の禁止)
第二十六条 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。

第二節 認定

(要介護認定)
第二十七条 要介護認定を受けようとする被保険者は、厚生省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならない。この場合において、当該被保険者は、厚生省令で定めるところにより、第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援事業者又は介護保険施設(以下この条及び第三十二条第一項において「指定居宅介護支援事業者等」という。)に、当該申請に関する手続を代わって行わせることができる。

2 市町村は、前項の申請があったときは、当該職員をして、当該申請に係る被保険者に面接させ、その心身の状況、その置かれている環境その他厚生省令で定める事項について調査をさせるものとする。この場合において、市町村は、当該調査を指定居宅介護支援事業者等に委託することができる。

3 前項後段の規定により委託を受けた指定居宅介護支援事業者等は、第七十九条第二項第二号に規定する介護支援専門員その他厚生省令で定める者に当該委託に係る調査を行わせるものとする。

4 第二項後段の規定により委託を受けた指定居宅介護支援事業者等の役員若しくは前項の介護支援専門員その他厚生省令で定める者又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、当該委託業務に関して知り得た個人の秘密を漏らしてはならない。

5 第二項後段の規定により委託を受けた指定居宅介護支援事業者等の役員又は第三項の介護支援専門員その他厚生省令で定める者で、当該委託業務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

6 市町村は、第一項の申請があったときは、当該申請に係る被保険者の主治の医師に対し、当該被保険者の身体上又は精神上の障害の原因である疾病又は負傷の状況等につき意見を求めるものとする。ただし、当該被保険者に係る主治の医師がないときその他当該意見を求めることが困難なときは、市町村は、当該被保険者に対して、その指定する医師又は当該職員で医師であるものの診断を受けるべきことを命ずることができる。

7 市町村は、第二項の調査の結果、前項の主治の医師の意見又は指定する医師若しくは当該職員で医師であるものの診断の結果その他厚生省令で定める事項を認定審査会に通知し、第一項の申請に係る被保険者について、次の各号に掲げる被保険者の区分に応じ、当該各号に定める事項に関し審査及び判定を求めるものとする。

一 第一号被保険者 要介護状態に該当すること及びその該当する要介護状態区分
二 第二号被保険者 要介護状態に該当すること、その該当する要介護状態区分及びその要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものであること。

8 認定審査会は、前項の規定により審査及び判定を求められたときは、厚生大臣が定める基準に従い、当該審査及び判定に係る被保険者について、同項各号に規定する事項に関し審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知するものとする。この場合において、認定審査会は、必要があると認めるときは、次に掲げる事項について、市町村に意見を述べることができる。

一 当該被保険者の要介護状態の軽減又は悪化の防止のために必要な療養に関する事項
二 第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス又は第四十八条第一項に規定する指定施設サービス等の適切かつ有効な利用等に関し当該被保険者が留意すべき事項

9 認定審査会は、前項前段の審査及び判定をするに当たって必要があると認めるときは、当該審査及び判定に係る被保険者、その家族、第六項の主治の医師その他の関係者の意見を聴くことができる。

10 市町村は、第八項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要介護認定をしたときは、その結果を当該要介護認定に係る被保険者に通知しなければならない。この場合において、市町村は、次に掲げる事項を当該被保険者の被保険者証に記載し、これを返付するものとする。

一 該当する要介護状態区分
二 第八項第二号に掲げる事項に係る認定審査会の意見

11 要介護認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。

12 市町村は、第八項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要介護者に該当しないと認めたときは、理由を付して、その旨を第一項の申請に係る被保険者に通知するとともに、当該被保険者の被保険者証を返付するものとする。

13 市町村は、第一項の申請に係る被保険者が、正当な理由なしに、第二項の規定による調査に応じないとき、又は第六項ただし書の規定による診断命令に従わないときは、第一項の申請を却下することができる。

14 第一項の申請に対する処分は、当該申請のあった日から三十日以内にしなければならない。ただし、当該申請に係る被保険者の心身の状況の調査に日時を要する等特別な理由がある場合には、当該申請のあった日から三十日以内に、当該被保険者に対し、当該申請に対する処分をするためになお要する期間(次項において「処理見込期間」という。)及びその理由を通知し、これを延期することができる。

15 第一項の申請をした日から三十日以内に当該申請に対する処分がされないとき、若しくは前項ただし書の通知がないとき、又は処理見込期間が経過した日までに当該申請に対する処分がされないときは、当該申請に係る被保険者は、市町村が当該申請を却下したものとみなすことができる。

16 厚生大臣は、第八項の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(要介護認定の更新)
第二十八条 要介護認定は、要介護状態区分に応じて厚生省令で定める期間(以下この条において「有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。

2 要介護認定を受けた被保険者は、有効期間の満了後においても要介護状態に該当すると見込まれるときは、厚生省令で定めるところにより、市町村に対し、当該要介護認定の更新(以下「要介護更新認定」という。)の申請をすることができる。

3 前項の申請をすることができる被保険者が、災害その他やむを得ない理由により当該申請に係る要介護認定の有効期間の満了前に当該申請をすることができなかったときは、当該被保険者は、その理由のやんだ日から一月以内に限り、要介護更新認定の申請をすることができる。

4 前条(第十一項を除く。)の規定は、前二項の申請及び当該申請に係る要介護更新認定について準用する。この場合において、同条の規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

5 第三項の申請に係る要介護更新認定は、当該申請に係る要介護認定の有効期間の満了日の翌日にさかのぼってその効力を生ずる。

6 第一項の規定は、要介護更新認定について準用する。この場合において、同項中「厚生省令で定める期間」とあるのは、「有効期間の満了日の翌日から厚生省令で定める期間」と読み替えるものとする。

(要介護状態区分の変更の認定)
第二十九条 要介護認定を受けた被保険者は、その介護の必要の程度が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当すると認めるときは、厚生省令で定めるところにより、市町村に対し、要介護状態区分の変更の認定の申請をすることができる。

2 第二十七条の規定は、前項の申請及び当該申請に係る要介護状態区分の変更の認定について準用する。

第三十条 市町村は、要介護認定を受けた被保険者について、その介護の必要の程度が低下したことにより当該要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当するに至ったと認めるときは、要介護状態区分の変更の認定をすることができる。この場合において、市町村は、厚生省令で定めるところにより、当該変更の認定に係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、これに当該変更の認定に係る要介護状態区分及び次項において準用する第二十七条第八項後段の規定による認定審査会の意見(同項第二号に掲げる事項に係るものに限る。)を記載し、これを返付するものとする。

2 第二十七条第二項から第九項まで及び第十項前段の規定は、前項の要介護状態区分の変更の認定について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(要介護認定の取消し)
第三十一条 市町村は、要介護認定を受けた被保険者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該要介護認定を取り消すことができる。この場合において、市町村は、厚生省令で定めるところにより、当該取消しに係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、第二十七条第十項各号に掲げる事項の記載を消除し、これを返付するものとする。

一 要介護者に該当しなくなったと認めるとき。
二 正当な理由なしに、前条第二項若しくは次項において準用する第二十七条第二項の規定による調査に応じないとき、又は前条第二項若しくは次項において準用する第二十七条第六項ただし書の規定による診断命令に従わないとき。

2 第二十七条第二項から第七項まで、第八項前段、第九項及び第十項前段の規定は、前項第一号の規定による要介護認定の取消しについて準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(要支援認定)
第三十二条 要支援認定を受けようとする被保険者は、厚生省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならない。この場合において、当該被保険者は、厚生省令で定めるところにより、指定居宅介護支援事業者等に、当該申請に関する手続を代わって行わせることができる。

2 第二十七条第二項から第六項までの規定は、前項の申請に係る調査並びに前項の申請に係る被保険者の主治の医師の意見及び当該被保険者に対する診断命令について準用する。

3 市町村は、前項において準用する第二十七条第二項の調査の結果、前項において準用する同条第六項の主治の医師の意見又は指定する医師若しくは当該職員で医師であるものの診断の結果その他厚生省令で定める事項を認定審査会に通知し、第一項の申請に係る被保険者について、次の各号に掲げる被保険者の区分に応じ、当該各号に定める事項に関し審査及び判定を求めるものとする。

一 第一号被保険者 要介護状態となるおそれがある状態に該当すること。
二 第二号被保険者 要介護状態となるおそれがある状態に該当すること及びその要介護状態となるおそれがある状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものであること。

4 認定審査会は、前項の規定により審査及び判定を求められたときは、厚生大臣が定める基準に従い、当該審査及び判定に係る被保険者について、同項各号に規定する事項に関し審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知するものとする。この場合において、認定審査会は、必要があると認めるときは、次に掲げる事項について、市町村に意見を述べることができる。

一 当該被保険者が要介護状態となることを予防するために必要な療養及び家事に係る援助に関する事項
二 第四十一条第一項に規定する指定居宅サービスの適切かつ有効な利用等に関し当該被保険者が留意すべき事項

5 第二十七条第九項の規定は、前項前段の審査及び判定について準用する。

6 市町村は、第四項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要支援認定をしたときは、その結果を当該要支援認定に係る被保険者に通知しなければならない。この場合において、市町村は、次に掲げる事項を当該被保険者の被保険者証に記載し、これを返付するものとする。

一 要支援者に該当する旨
二 第四項第二号に掲げる事項に係る認定審査会の意見

7 要支援認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。

8 市町村は、第四項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要支援者に該当しないと認めたときは、理由を付して、その旨を第一項の申請に係る被保険者に通知するとともに、当該被保険者の被保険者証を返付するものとする。

9 第二十七条第十三項から第十五項までの規定は、第一項の申請及び当該申請に対する処分について準用する。

10 厚生大臣は、第四項の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(要支援認定の更新)
第三十三条 要支援認定は、厚生省令で定める期間(以下この条において「有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。

2 要支援認定を受けた被保険者は、有効期間の満了後においても要介護状態となるおそれがある状態に該当すると見込まれるときは、厚生省令で定めるところにより、市町村に対し、当該要支援認定の更新(以下「要支援更新認定」という。)の申請をすることができる。

3 前項の申請をすることができる被保険者が、災害その他やむを得ない理由により当該申請に係る要支援認定の有効期間の満了前に当該申請をすることができなかったときは、当該被保険者は、その理由のやんだ日から一月以内に限り、要支援更新認定の申請をすることができる。

4 前条(第七項を除く。)の規定は、前二項の申請及び当該申請に係る要支援更新認定について準用する。この場合において、同条の規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

5 第三項の申請に係る要支援更新認定は、当該申請に係る要支援認定の有効期間の満了日の翌日にさかのぼってその効力を生ずる。

6 第一項の規定は、要支援更新認定について準用する。この場合において、同項中「厚生省令で定める期間」とあるのは、「有効期間の満了日の翌日から厚生省令で定める期間」と読み替えるものとする。

(要支援認定の取消し)
第三十四条 市町村は、要支援認定を受けた被保険者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該要支援認定を取り消すことができる。この場合において、市町村は、厚生省令で定めるところにより、当該取消しに係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、第三十二条第六項各号に掲げる事項の記載を消除し、これを返付するものとする。

一 要支援者に該当しなくなったと認めるとき。
二 正当な理由なしに、次項において準用する第三十二条第二項の規定により準用される第二十七条第二項の規定による調査に応じないとき、又は次項において準用する第三十二条第二項の規定により準用される第二十七条第六項ただし書の規定による診断命令に従わないとき。

2 第三十二条第二項、第三項、第四項前段、第五項及び第六項前段の規定は、前項第一号の規定による要支援認定の取消しについて準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(要介護認定等の手続の特例)
第三十五条 認定審査会は、第二十七条第七項(第二十八条第四項において準用する場合を含む。)の規定により審査及び判定を求められた被保険者について、要介護者に該当しないと認める場合であっても、要支援者に該当すると認めるときは、第二十七条第八項(第二十八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その旨を市町村に通知することができる。

2 市町村は、前項の規定による通知があったときは、当該通知に係る被保険者について、第三十二条第一項の申請がなされ、同条第三項の規定により認定審査会に審査及び判定を求め、同条第四項の規定により認定審査会の通知を受けたものとみなし、要支援認定をすることができる。この場合において、市町村は、当該被保険者に、要支援認定をした旨を通知するとともに、同条第六項各号に掲げる事項を当該被保険者の被保険者証に記載し、これを返付するものとする。

3 認定審査会は、第三十二条第三項(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により審査及び判定を求められた被保険者について、要介護者に該当すると認めるときは、第三十二条第四項(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その旨を市町村に通知することができる。

4 市町村は、前項の規定による通知があったときは、当該通知に係る被保険者について、第二十七条第一項の申請がなされ、同条第七項の規定により認定審査会に審査及び判定を求め、同条第八項の規定により認定審査会の通知を受けたものとみなし、要介護認定をすることができる。この場合において、市町村は、当該被保険者に、要介護認定をした旨を通知するとともに、同条第十項各号に掲げる事項を当該被保険者の被保険者証に記載し、これを返付するものとする。

5 認定審査会は、第三十一条第二項において準用する第二十七条第七項の規定により審査及び判定を求められた被保険者について、要介護者に該当しないと認める場合であっても、要支援者に該当すると認めるときは、第三十一条第二項において準用する第二十七条第八項の規定にかかわらず、その旨を市町村に通知することができる。

6 市町村は、前項の規定による通知があったときは、当該通知に係る被保険者について、第三十二条第一項の申請がなされ、同条第三項の規定により認定審査会に審査及び判定を求め、同条第四項の規定により認定審査会の通知を受けたものとみなし、要支援認定をすることができる。この場合において、市町村は、厚生省令で定めるところにより、当該通知に係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、これに同条第六項各号に掲げる事項を記載し、これを返付するものとする。

(住所移転後の要介護認定及び要支援認定)
第三十六条 市町村は、他の市町村による要介護認定又は要支援認定を受けている者が当該市町村の行う介護保険の被保険者となった場合において、当該被保険者が、その資格を取得した日から十四日以内に、当該他の市町村から交付された当該要介護認定又は要支援認定に係る事項を証明する書面を添えて、要介護認定又は要支援認定の申請をしたときは、第二十七条第七項及び第十項前段又は第三十二条第三項及び第六項前段の規定にかかわらず、認定審査会の審査及び判定を経ることなく、当該書面に記載されている事項に即して、要介護認定又は要支援認定をすることができる。

(介護給付等対象サービスの種類の指定)
第三十七条 市町村は、要介護認定、要介護更新認定、第二十九条第二項において準用する第二十七条第十項若しくは第三十条第一項の規定による要介護状態区分の変更の認定、要支援認定又は要支援更新認定(以下この項において単に「認定」という。)をするに当たっては、第二十七条第八項第一号(第二十八条第四項、第二十九条第二項及び第三十条第二項において準用する場合を含む。)又は第三十二条第四項第一号(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる事項に係る認定審査会の意見に基づき、当該認定に係る被保険者が受けることができる居宅介護サービス費若しくは特例居宅介護サービス費に係る居宅サービス若しくは施設介護サービス費若しくは特例施設介護サービス費に係る施設サービス又は居宅支援サービス費若しくは特例居宅支援サービス費に係る居宅サービスの種類を指定することができる。この場合において、市町村は、当該被保険者の被保険者証に、第二十七条第十項後段(第二十八条第四項及び第二十九条第二項において準用する場合を含む。)、第三十条第一項後段若しくは第三十五条第四項後段又は第三十二条第六項後段(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第三十五条第二項後段若しくは第六項後段の規定による記載に併せて、当該指定に係る居宅サービス又は施設サービスの種類を記載するものとする。

2 前項前段の規定による指定を受けた被保険者は、当該指定に係る居宅サービス又は施設サービスの種類の変更の申請をすることができる。

3 前項の申請は、厚生省令で定めるところにより、被保険者証を添付して行うものとする。

4 市町村は、第二項の申請があった場合において、厚生省令で定めるところにより、認定審査会の意見を聴き、必要があると認めるときは、当該指定に係る居宅サービス又は施設サービスの種類の変更をすることができる。

5 市町村は、前項の規定により第二項の申請に係る被保険者について第一項前段の規定による指定に係る居宅サービス又は施設サービスの種類を変更したときは、その結果を当該被保険者に通知するとともに、当該被保険者の被保険者証に変更後の居宅サービス又は施設サービスの種類を記載し、これを返付するものとする。

(都道府県の援助等)
第三十八条 都道府県は、市町村が行う第二十七条から第三十五条まで及び前条の規定による業務に関し、その設置する福祉事務所(社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。)又は保健所による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助を行うことができる。

2 地方自治法第二百五十二条の十四第一項の規定により市町村の委託を受けて審査判定業務(第二十七条から第三十五条まで及び前条の規定により認定審査会が行う業務をいう。以下同じ。)を行う都道府県に、当該審査判定業務を行わせるため、都道府県介護認定審査会を置く。

3 第十五条及び第十七条の規定は、前項の都道府県介護認定審査会について準用する。この場合において、第十五条中「市町村長(特別区にあっては、区長)」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。

4 審査判定業務を都道府県に委託した市町村について第二十七条(第二十八条第四項、第二十九条第二項、第三十条第二項、第三十一条第二項及び第三十二条第五項において準用する場合を含む。)、第三十条、第三十二条(第三十三条第四項及び第三十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第三十五条から前条までの規定を適用する場合においては、これらの規定中「認定審査会」とあるのは、「都道府県介護認定審査会」とする。

(厚生省令への委任)
第三十九条 この節に定めるもののほか、要介護認定及び要支援認定の申請その他の手続に関し必要な事項は、厚生省令で定める。

第三節 介護給付

(介護給付の種類)
第四十条 介護給付は、次に掲げる保険給付とする。

一 居宅介護サービス費の支給
二 特例居宅介護サービス費の支給
三 居宅介護福祉用具購入費の支給
四 居宅介護住宅改修費の支給
五 居宅介護サービス計画費の支給
六 特例居宅介護サービス計画費の支給
七 施設介護サービス費の支給
八 特例施設介護サービス費の支給
九 高額介護サービス費の支給

(居宅介護サービス費の支給)
第四十一条 市町村は、要介護認定を受けた被保険者(以下「要介護被保険者」という。)のうち居宅において介護を受けるもの(以下「居宅要介護被保険者」という。)が、都道府県知事が指定する者(以下「指定居宅サービス事業者」という。)から当該指定に係る居宅サービス事業を行う事業所により行われる居宅サービス(以下「指定居宅サービス」という。)を受けたときは、当該居宅要介護被保険者に対し、当該指定居宅サービスに要した費用(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護及び特定施設入所者生活介護に要した費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。以下この条において同じ。)について、居宅介護サービス費を支給する。ただし、当該居宅要介護被保険者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の居宅サービスを受けたときは、この限りでない。

2 居宅介護サービス費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

 指定居宅サービスを受けようとする居宅要介護被保険者は、厚生省令で定めるところにより、自己の選定する指定居宅サービス事業者について、被保険者証を提示して、当該指定居宅サービスを受けるものとする。

 居宅介護サービス費の額は、次の各号に掲げる居宅サービスの区分に応じ、当該各号に定める額とする。

一 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション及び福祉用具貸与 これらの居宅サービスの種類ごとに、当該居宅サービスの種類に係る指定居宅サービスの内容、当該指定居宅サービスの事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅サービスに要する平均的な費用(通所介護及び通所リハビリテーションに要する費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額
二 短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護及び特定施設入所者生活介護 これらの居宅サービスの種類ごとに、要介護状態区分、当該居宅サービスの種類に係る指定居宅サービスの事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅サービスに要する平均的な費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額

5 厚生大臣は、前項各号の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

6 居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたとき(当該居宅要介護被保険者が第四十六条第四項の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定居宅サービスが当該指定居宅介護支援の対象となっている場合その他の厚生省令で定める場合に限る。)は、市町村は、当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービス事業者に支払うべき当該指定居宅サービスに要した費用について、居宅介護サービス費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅サービス事業者に支払うことができる。

7 前項の規定による支払があったときは、居宅要介護被保険者に対し居宅介護サービス費の支給があったものとみなす。

8 指定居宅サービス事業者は、指定居宅サービスその他のサービスの提供に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした居宅要介護被保険者に対し、厚生省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。

9 市町村は、指定居宅サービス事業者から居宅介護サービス費の請求があったときは、第四項各号の厚生大臣が定める基準及び第七十四条第二項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準(指定居宅サービスの取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査した上、支払うものとする。

10 市町村は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を連合会に委託することができる。

11 前項の規定による委託を受けた連合会は、当該委託をした市町村の同意を得て、厚生省令で定めるところにより、当該委託を受けた支払に関する事務の一部を、営利を目的としない法人であって厚生省令で定める要件に該当するものに委託することができる。

12 前各項に規定するもののほか、居宅介護サービス費の支給及び指定居宅サービス事業者の居宅介護サービス費の請求に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(特例居宅介護サービス費の支給)
第四十二条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要介護被保険者に対し、特例居宅介護サービス費を支給する 。

一 居宅要介護被保険者が、当該要介護認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により指定居宅サービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 居宅要介護被保険者が、指定居宅サービス以外の居宅サービス又はこれに相当するサービス(指定居宅サービスの事業に係る第七十四条第一項の厚生省令で定める基準及び同項の厚生省令で定める員数並びに同条第二項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準のうち、厚生省令で定めるものを満たすと認められる事業を行う事業所により行われるものに限る。次号及び第五十四条第一項において「基準該当居宅サービス」という。)を受けた場合において、必要があると認めるとき。
三 指定居宅サービス及び基準該当居宅サービスの確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生大臣が定める基準に該当するものに住所を有する居宅要介護被保険者が、指定居宅サービス及び基準該当居宅サービス以外の居宅サービス又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
四 その他政令で定めるとき。

2 特例居宅介護サービス費の額は、当該居宅サービス又はこれに相当するサービスについて前条第四項各号の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅サービス又はこれに相当するサービスに要した費用(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護及び特定施設入所者生活介護並びにこれらに相当するサービスに要した費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に居宅サービス又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額を基準として、市町村が定める。

(居宅介護サービス費等に係る支給限度額)
第四十三条 居宅要介護被保険者が居宅サービス区分(居宅サービス(これに相当するサービスを含む。以下この条において同じ。)について、その種類ごとの相互の代替性の有無等を勘案して厚生大臣が定める二以上の種類からなる区分をいう。以下同じ。)ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の居宅サービス区分に係る居宅サービスにつき支給する居宅介護サービス費の額の総額及び特例居宅介護サービス費の額の総額の合計額は、居宅介護サービス費区分支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

2 前項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額は、居宅サービス区分ごとに、同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービス区分に係る居宅サービスの要介護状態区分に応じた標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第四十一条第四項各号の厚生大臣が定める基準等を勘案して厚生大臣が定める額とする。

3 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第一項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅介護サービス費区分支給限度基準額とすることができる。

4 市町村は、居宅要介護被保険者が居宅サービスの種類(居宅サービス区分に含まれるものであって厚生大臣が定めるものに限る。次項において同じ。)ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の種類の居宅サービスにつき支給する居宅介護サービス費の額の総額及び特例居宅介護サービス費の額の総額の合計額について、居宅介護サービス費種類支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができないこととすることができる。

5 前項の居宅介護サービス費種類支給限度基準額は、居宅サービスの種類ごとに、同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービスの要介護状態区分に応じた標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第四十一条第四項各号の厚生大臣が定める基準等を勘案し、当該居宅サービスを含む居宅サービス区分に係る第一項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額(第三項の規定に基づき条例を定めている市町村にあっては、当該条例による措置が講ぜられた額とする。)の範囲内において、市町村が条例で定める額とする。

6 厚生大臣は、第一項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

7 居宅介護サービス費又は特例居宅介護サービス費を支給することにより第一項に規定する合計額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合又は第四項に規定する合計額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅介護サービス費又は特例居宅介護サービス費の額は、第四十一条第四項各号又は前条第二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅介護福祉用具購入費の支給)
第四十四条 市町村は、居宅要介護被保険者が、入浴又は排せつの用に供する福祉用具その他の厚生大臣が定める福祉用具(以下「特定福祉用具」という。)を購入したときは、当該居宅要介護被保険者に対し、居宅介護福祉用具購入費を支給する。

2 居宅介護福祉用具購入費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 居宅介護福祉用具購入費の額は、現に当該特定福祉用具の購入に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。

4 居宅要介護被保険者が月を単位として厚生省令で定める期間において購入した特定福祉用具につき支給する居宅介護福祉用具購入費の額の総額は、居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

5 前項の居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額は、同項に規定する厚生省令で定める期間における特定福祉用具の購入に通常要する費用を勘案して厚生大臣が定める額とする。

6 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額とすることができる。

7 厚生大臣は、第四項の居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

8 居宅介護福祉用具購入費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅介護福祉用具購入費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅介護住宅改修費の支給)
第四十五条 市町村は、居宅要介護被保険者が、手すりの取付けその他の厚生大臣が定める種類の住宅の改修(以下「住宅改修」という。)を行ったときは、当該居宅要介護被保険者に対し、居宅介護住宅改修費を支給する。

2 居宅介護住宅改修費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 居宅介護住宅改修費の額は、現に当該住宅改修に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。

4 居宅要介護被保険者が行った一の種類の住宅改修につき支給する居宅介護住宅改修費の額の総額は、居宅介護住宅改修費支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

5 前項の居宅介護住宅改修費支給限度基準額は、住宅改修の種類ごとに、通常要する費用を勘案して厚生大臣が定める額とする。

6 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅介護住宅改修費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅介護住宅改修費支給限度基準額とすることができる。

7 厚生大臣は、第四項の居宅介護住宅改修費支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

8 居宅介護住宅改修費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅介護住宅改修費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅介護サービス計画費の支給)
第四十六条 市町村は、居宅要介護被保険者が、都道府県知事が指定する者(以下「指定居宅介護支援事業者」という。)から当該指定に係る居宅介護支援事業を行う事業所により行われる居宅介護支援(以下「指定居宅介護支援」という。)を受けたときは、当該居宅要介護被保険者に対し、当該指定居宅介護支援に要した費用について、居宅介護サービス計画費を支給する。

2 居宅介護サービス計画費の額は、指定居宅介護支援の事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される指定居宅介護支援に要する平均的な費用の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅介護支援に要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅介護支援に要した費用の額とする。)とする。

3 厚生大臣は、前項の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

4 居宅要介護被保険者が指定居宅介護支援事業者から指定居宅介護支援を受けたとき(当該居宅要介護被保険者が、厚生省令で定めるところにより、当該指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合に限る。)は、市町村は、当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅介護支援事業者に支払うべき当該指定居宅介護支援に要した費用について、居宅介護サービス計画費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅介護支援事業者に支払うことができる。

5 前項の規定による支払があったときは、居宅要介護被保険者に対し居宅介護サービス計画費の支給があったものとみなす。

6 市町村は、指定居宅介護支援事業者から居宅介護サービス計画費の請求があったときは、第二項の厚生大臣が定める基準及び第八十一条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準(指定居宅介護支援の取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査した上、支払うものとする。

7 第四十一条第二項、第三項、第十項及び第十一項の規定は、居宅介護サービス計画費の支給について、同条第八項の規定は、指定居宅介護支援事業者について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

8 前各項に規定するもののほか、居宅介護サービス計画費の支給及び指定居宅介護支援事業者の居宅介護サービス計画費の請求に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(特例居宅介護サービス計画費の支給)
第四十七条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要介護被保険者に対し、特例居宅介護サービス計画費を支給する。

一 居宅要介護被保険者が、指定居宅介護支援以外の居宅介護支援又はこれに相当するサービス(指定居宅介護支援の事業に係る第八十一条第一項の厚生省令で定める員数及び同条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準のうち、厚生省令で定めるものを満たすと認められる事業を行う事業所により行われるものに限る。次号及び第五十九条第一項において「基準該当居宅介護支援」という。)を受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 指定居宅介護支援及び基準該当居宅介護支援の確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生大臣が定める基準に該当するものに住所を有する居宅要介護被保険者が、指定居宅介護支援及び基準該当居宅介護支援以外の居宅介護支援又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
三 その他政令で定めるとき。

2 特例居宅介護サービス計画費の額は、当該居宅介護支援又はこれに相当するサービスについて前条第二項の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅介護支援又はこれに相当するサービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に居宅介護支援又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)を基準として、市町村が定める。

(施設介護サービス費の支給)
第四十八条 市町村は、要介護被保険者が、次に掲げる施設サービス(以下「指定施設サービス等」という。)を受けたときは、当該要介護被保険者に対し、当該指定施設サービス等に要した費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。以下この条において同じ。)について、施設介護サービス費を支給する。ただし、当該要介護被保険者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の施設サービスを受けたときは、この限りでない。

一 都道府県知事が指定する介護老人福祉施設(以下「指定介護老人福祉施設」という。)により行われる介護福祉施設サービス(以下「指定介護福祉施設サービス」という。)
二 介護保健施設サービス
三 都道府県知事が指定する介護療養型医療施設(以下「指定介護療養型医療施設」という。)により行われる介護療養施設サービス(以下「指定介護療養施設サービス」という。)

 施設介護サービス費の額は、第一号に規定する額及び第二号に規定する額の合計額とする。

一 施設サービスの種類ごとに、要介護状態区分、当該施設サービスの種類に係る指定施設サービス等を行う介護保険施設の所在する地域等を勘案して算定される当該指定施設サービス等(食事の提供を除く。)に要する平均的な費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定施設サービス等に要した費用の額を超えるときは、当該現に指定施設サービス等に要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額
二 前号の介護保険施設における食事の提供に要する平均的な費用の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事の提供に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事の提供に要した費用の額とする。)から、平均的な家計における食費の状況を勘案して厚生大臣が定める額(所得の状況その他の事情をしん酌して厚生省令で定める者については、厚生大臣が別に定める額とする。以下「標準負担額」という。)を控除した額

3 厚生大臣は、標準負担額を定めた後に食費の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定しなければならない。

4 厚生大臣は、第二項各号の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

5 要介護被保険者が、介護保険施設から指定施設サービス等を受けたときは、市町村は、当該要介護被保険者が当該介護保険施設に支払うべき当該指定施設サービス等に要した費用について、施設介護サービス費として当該要介護被保険者に支給すべき額の限度において、当該要介護被保険者に代わり、当該介護保険施設に支払うことができる。

6 前項の規定による支払があったときは、要介護被保険者に対し施設介護サービス費の支給があったものとみなす。

7 市町村は、介護保険施設から施設介護サービス費の請求があったときは、第二項各号の厚生大臣が定める基準及び第八十八条第二項に規定する指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準(指定介護福祉施設サービスの取扱いに関する部分に限る。)、第九十七条第三項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準(介護保健施設サービスの取扱いに関する部分に限る。)又は第百十条第二項に規定する指定介護療養型医療施設の設備及び運営に関する基準(指定介護療養施設サービスの取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査した上、支払うものとする。

8 第四十一条第二項、第三項、第十項及び第十一項の規定は、施設介護サービス費の支給について、同条第八項の規定は、介護保険施設について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

9 前各項に規定するもののほか、施設介護サービス費の支給及び介護保険施設の施設介護サービス費の請求に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(特例施設介護サービス費の支給)
第四十九条 市町村は、次に掲げる場合には、要介護被保険者に対し、特例施設介護サービス費を支給する。

一 要介護被保険者が、当該要介護認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により指定施設サービス等を受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 その他政令で定めるとき。

2 特例施設介護サービス費の額は、当該施設サービス(食事の提供を除く。)について前条第二項第一号の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該施設サービスに要した費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に施設サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額及び当該食事の提供について同項第二号の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事の提供に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事の提供に要した費用の額とする。)から標準負担額を控除した額を基準として、市町村が定める。

(居宅介護サービス費等の額の特例)
第五十条 市町村が、災害その他の厚生省令で定める特別の事情があることにより、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービス、特定福祉用具の購入又は住宅改修に必要な費用を負担することが困難であると認めた要介護被保険者が受ける次の各号に掲げる介護給付について当該各号に定める規定を適用する場合においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。

一 居宅介護サービス費の支給 第四十一条第四項第一号及び第二号並びに第四十三条第一項、第四項及び第七項
二 特例居宅介護サービス費の支給 第四十二条第二項並びに第四十三条第一項、第四項及び第七項
三 施設介護サービス費の支給 第四十八条第二項第一号
四 特例施設介護サービス費の支給 第四十九条第二項
五 居宅介護福祉用具購入費の支給 第四十四条第三項、第四項及び第八項
六 居宅介護住宅改修費の支給 第四十五条第三項、第四項及び第八項

(高額介護サービス費の支給)
第五十一条 市町村は、要介護被保険者が受けた居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)又は施設サービスに要した費用の合計額として政令で定めるところにより算定した額から、当該費用につき支給された居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、施設介護サービス費及び特例施設介護サービス費の合計額を控除して得た額が、著しく高額であるときは、当該要介護被保険者に対し、高額介護サービス費を支給する。

2 前項に規定するもののほか、高額介護サービス費の支給要件、支給額その他高額介護サービス費の支給に関して必要な事項は、居宅サービス又は施設サービスに必要な費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。

第四節 予防給付

(予防給付の種類)
第五十二条 予防給付は、次に掲げる保険給付とする。

一 居宅支援サービス費の支給
二 特例居宅支援サービス費の支給
三 居宅支援福祉用具購入費の支給
四 居宅支援住宅改修費の支給
五 居宅支援サービス計画費の支給
六 特例居宅支援サービス計画費の支給
七 高額居宅支援サービス費の支給

(居宅支援サービス費の支給)
第五十三条 市町村は、要支援認定を受けた被保険者のうち居宅において日常生活を営むもの(以下「居宅要支援被保険者」という。)が、指定居宅サービス事業者から指定居宅サービス(痴呆対応型共同生活介護を除く。以下この節において同じ。)を受けたときは、当該居宅要支援被保険者に対し、当該指定居宅サービスに要した費用(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護及び特定施設入所者生活介護に要した費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。次項において同じ。)について、居宅支援サービス費を支給する。ただし、当該居宅要支援被保険者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の居宅サービスを受けたときは、この限りでない。

2 居宅支援サービス費の額は、次の各号に掲げる居宅サービスの区分に応じ、当該各号に定める額とする。

一 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション及び福祉用具貸与 これらの居宅サービスの種類ごとに、当該居宅サービスの種類に係る指定居宅サービスの内容、当該指定居宅サービスの事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅サービスに要する平均的な費用(通所介護及び通所リハビリテーションに要する費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額
二 短期入所生活介護、短期入所療養介護及び特定施設入所者生活介護 これらの居宅サービスの種類ごとに、当該居宅サービスの種類に係る指定居宅サービスの事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅サービスに要する平均的な費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額

3 厚生大臣は、前項各号の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

4 第四十一条第二項、第三項、第六項、第七項及び第九項から第十二項までの規定は、居宅支援サービス費の支給について、同条第八項の規定は、指定居宅サービス事業者について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(特例居宅支援サービス費の支給)
第五十四条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要支援被保険者に対し、特例居宅支援サービス費を支給する。

一 居宅要支援被保険者が、当該要支援認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により指定居宅サービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 居宅要支援被保険者が、基準該当居宅サービス(痴呆対応型共同生活介護に相当するものを除く。次号において同じ。)を受けた場合において、必要があると認めるとき。
三 指定居宅サービス及び基準該当居宅サービスの確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生大臣が定める基準に該当するものに住所を有する居宅要支援被保険者が、指定居宅サービス及び基準該当居宅サービス以外の居宅サービス又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
四 その他政令で定めるとき。

2 特例居宅支援サービス費の額は、当該居宅サービス又はこれに相当するサービスについて前条第二項各号の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅サービス又はこれに相当するサービスに要した費用(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護及び特定施設入所者生活介護並びにこれらに相当するサービスに要した費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に居宅サービス又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額を基準として、市町村が定める。

(居宅支援サービス費等に係る支給限度額)
第五十五条 居宅要支援被保険者が居宅サービス区分ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の居宅サービス区分に係る居宅サービス(これに相当するサービスを含む。以下この条において同じ。)につき支給する居宅支援サービス費の額の総額及び特例居宅支援サービス費の額の総額の合計額は、居宅支援サービス費区分支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

2 前項の居宅支援サービス費区分支給限度基準額は、居宅サービス区分ごとに、同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービス区分に係る居宅サービスの標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第五十三条第二項各号の厚生大臣が定める基準等を勘案して厚生大臣が定める額とする。

3 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第一項の居宅支援サービス費区分支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅支援サービス費区分支給限度基準額とすることができる。

4 市町村は、居宅要支援被保険者が居宅サービスの種類(居宅サービス区分に含まれるものであって厚生大臣が定めるものに限る。次項において同じ。)ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の種類の居宅サービスにつき支給する居宅支援サービス費の額の総額及び特例居宅支援サービス費の額の総額の合計額について、居宅支援サービス費種類支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができないこととすることができる。

5 前項の居宅支援サービス費種類支給限度基準額は、居宅サービスの種類ごとに、同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービスの標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第五十三条第二項各号の厚生大臣が定める基準等を勘案し、当該居宅サービスを含む居宅サービス区分に係る第一項の居宅支援サービス費区分支給限度基準額(第三項の規定に基づき条例を定めている市町村にあっては、当該条例による措置が講ぜられた額とする。)の範囲内において、市町村が条例で定める額とする。

6 厚生大臣は、第一項の居宅支援サービス費区分支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

7 居宅支援サービス費又は特例居宅支援サービス費を支給することにより第一項に規定する合計額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合又は第四項に規定する合計額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅支援サービス費又は特例居宅支援サービス費の額は、第五十三条第二項各号又は前条第二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅支援福祉用具購入費の支給)
第五十六条 市町村は、居宅要支援被保険者が、特定福祉用具を購入したときは、当該居宅要支援被保険者に対し、居宅支援福祉用具購入費を支給する。

2 居宅支援福祉用具購入費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 居宅支援福祉用具購入費の額は、現に当該特定福祉用具の購入に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。

4 居宅要支援被保険者が月を単位として厚生省令で定める期間において購入した特定福祉用具につき支給する居宅支援福祉用具購入費の額の総額は、居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

5 前項の居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額は、同項に規定する厚生省令で定める期間における特定福祉用具の購入に通常要する費用を勘案して厚生大臣が定める額とする。

6 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額とすることができる。

7 厚生大臣は、第四項の居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

8 居宅支援福祉用具購入費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅支援福祉用具購入費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅支援住宅改修費の支給)
第五十七条 市町村は、居宅要支援被保険者が、住宅改修を行ったときは、当該居宅要支援被保険者に対し、居宅支援住宅改修費を支給する。

2 居宅支援住宅改修費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 居宅支援住宅改修費の額は、現に当該住宅改修に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。

4 居宅要支援被保険者が行った一の種類の住宅改修につき支給する居宅支援住宅改修費の額の総額は、居宅支援住宅改修費支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

5 前項の居宅支援住宅改修費支給限度基準額は、住宅改修の種類ごとに、通常要する費用を勘案して厚生大臣が定める額とする。

6 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅支援住宅改修費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅支援住宅改修費支給限度基準額とすることができる。

7 厚生大臣は、第四項の居宅支援住宅改修費支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

8 居宅支援住宅改修費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅支援住宅改修費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅支援サービス計画費の支給)
第五十八条 市町村は、居宅要支援被保険者が、指定居宅介護支援事業者から指定居宅介護支援を受けたときは、当該居宅要支援被保険者に対し、当該指定居宅介護支援に要した費用について、居宅支援サービス計画費を支給する。

2 居宅支援サービス計画費の額は、指定居宅介護支援の事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅介護支援に要する平均的な費用の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅介護支援に要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅介護支援に要した費用の額とする。)とする。

3 厚生大臣は、前項の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

4 第四十六条第四項から第八項までの規定は、居宅支援サービス計画費の支給及び指定居宅介護支援事業者について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(特例居宅支援サービス計画費の支給)
第五十九条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要支援被保険者に対し、特例居宅支援サービス計画費を支給する。

一 居宅要支援被保険者が、基準該当居宅介護支援を受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 指定居宅介護支援及び基準該当居宅介護支援の確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生大臣が定める基準に該当するものに住所を有する居宅要支援被保険者が、指定居宅介護支援及び基準該当居宅介護支援以外の居宅介護支援又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
三 その他政令で定めるとき。

2 特例居宅支援サービス計画費の額は、当該居宅介護支援又はこれに相当するサービスについて前条第二項の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅介護支援又はこれに相当するサービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に居宅介護支援又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)を基準として、市町村が定める。

(居宅支援サービス費等の額の特例)
第六十条 市町村が、災害その他の厚生省令で定める特別の事情があることにより、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、特定福祉用具の購入又は住宅改修に必要な費用を負担することが困難であると認めた居宅要支援被保険者が受ける次の各号に掲げる予防給付について当該各号に定める規定を適用する場合においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。

一 居宅支援サービス費の支給 第五十三条第二項第一号及び第二号並びに第五十五条第一項、第四項及び第七項
二 特例居宅支援サービス費の支給 第五十四条第二項並びに第五十五条第一項、第四項及び第七項
三 居宅支援福祉用具購入費の支給 第五十六条第三項、第四項及び第八項
四 居宅支援住宅改修費の支給 第五十七条第三項、第四項及び第八項

(高額居宅支援サービス費の支給)
第六十一条 市町村は、居宅要支援被保険者が受けた居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)に要した費用の合計額として政令で定めるところにより算定した額から、当該費用につき支給された居宅支援サービス費及び特例居宅支援サービス費の合計額を控除して得た額が、著しく高額であるときは、当該居宅要支援被保険者に対し、高額居宅支援サービス費を支給する。

2 前項に規定するもののほか、高額居宅支援サービス費の支給要件、支給額その他高額居宅支援サービス費の支給に関して必要な事項は、居宅サービスに必要な費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。

第五節 市町村特別給付 

第六十二条 市町村は、要介護被保険者又は居宅要支援被保険者(以下「要介護被保険者等」という。)に対し、前二節の保険給付のほか、条例で定めるところにより、市町村特別給付を行うことができる。

第六節 保険給付の制限等

(保険給付の制限)
第六十三条 監獄、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁された者については、その期間に係る介護給付等は、行わない。

第六十四条 市町村は、自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由なしに介護給付等対象サービスの利用、居宅介護福祉用具購入費若しくは居宅支援福祉用具購入費に係る特定福祉用具の購入若しくは居宅介護住宅改修費若しくは居宅支援住宅改修費に係る住宅改修の実施に関する指示に従わないことにより、要介護状態等若しくはその原因となった事故を生じさせ、又は要介護状態等の程度を増進させた被保険者の当該要介護状態等については、これを支給事由とする介護給付等は、その全部又は一部を行わないことができる。

第六十五条 市町村は、介護給付等を受ける者が、正当な理由なしに、第二十三条の規定による求めに応ぜず、又は答弁を拒んだときは、介護給付等の全部又は一部を行わないことができる。

(保険料滞納者に係る支払方法の変更)
第六十六条 市町村は、保険料を滞納している第一号被保険者である要介護被保険者等(原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)による一般疾病医療費の支給その他厚生省令で定める医療に関する給付を受けることができるものを除く。)が、当該保険料の納期限から厚生省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に、第四十一条第六項(第五十三条第四項において準用する場合を含む。)、第四十六条第四項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)及び第四十八条第五項の規定を適用しない旨の記載(以下この条及び次条第三項において「支払方法変更の記載」という。)をするものとする。

2 市町村は、前項に規定する厚生省令で定める期間が経過しない場合においても、同項に規定する政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、同項に規定する要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に支払方法変更の記載をすることができる。

3 市町村は、前二項の規定により支払方法変更の記載を受けた要介護被保険者等が滞納している保険料を完納したとき、又は当該要介護被保険者等に係る滞納額の著しい減少、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該支払方法変更の記載を消除するものとする。

4 第一項又は第二項の規定により支払方法変更の記載を受けた要介護被保険者等が、当該支払方法の変更の記載がなされている間に受けた指定居宅サービス、指定居宅介護支援及び指定施設サービス等に係る居宅介護サービス費の支給及び居宅支援サービス費の支給、居宅介護サービス計画費の支給及び居宅支援サービス計画費の支給並びに施設介護サービス費の支給については、第四十一条第六項(第五十三条第四項において準用する場合を含む。)、第四十六条第四項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)及び第四十八条第五項の規定は適用しない。

(保険給付の支払の一時差止)
第六十七条 市町村は、保険給付を受けることができる第一号被保険者である要介護被保険者等が保険料を滞納しており、かつ、当該保険料の納期限から厚生省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとする。

2 市町村は、前項に規定する厚生省令で定める期間が経過しない場合においても、保険給付を受けることができる第一号被保険者である要介護被保険者等が保険料を滞納している場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めることができる。

3 市町村は、前条第一項又は第二項の規定により支払方法変更の記載を受けている要介護被保険者等であって、前二項の規定による保険給付の全部又は一部の支払の一時差止がなされているものが、なお滞納している保険料を納付しない場合においては、厚生省令で定めるところにより、あらかじめ、当該要介護被保険者等に通知して、当該一時差止に係る保険給付の額から当該要介護被保険者等が滞納している保険料額を控除することができる。

(医療保険各法の規定による保険料等に未納がある者に対する保険給付の一時差止)
第六十八条 市町村は、保険給付を受けることができる第二号被保険者である要介護被保険者等について、医療保険各法の定めるところにより当該要介護被保険者等が納付義務又は払込義務を負う保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。)又は掛金であってその納期限又は払込期限までに納付しなかったもの(以下この項及び次項において「未納医療保険料等」という。)がある場合においては、未納医療保険料等があることにつき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に、第四十一条第六項(第五十三条第四項において準用する場合を含む。)、第四十六条第四項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)及び第四十八条第五項の規定を適用しない旨並びに保険給付の全部又は一部の支払を差し止める旨の記載(以下この条において「保険給付差止の記載」という。)をすることができる。

2 市町村は、前項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等が、未納医療保険料等を完納したとき、又は当該要介護被保険者等に係る未納医療保険料等の著しい減少、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該保険給付差止の記載を消除するものとする。

3 第六十六条第四項の規定は、第一項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等について準用する。

4 市町村は、第一項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等について、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとする。

5 市町村は、要介護被保険者等についての保険給付差止の記載に関し必要があると認めるときは、当該要介護被保険者等の加入する医療保険者に対し、当該要介護被保険者等に係る医療保険各法の規定により徴収される保険料(地方税法の規定により徴収される国民健康保険税を含む。)又は掛金の納付状況その他厚生省令で定める事項について、厚生省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等の加入する医療保険者に対し、情報の提供を求めることができる。

(保険料を徴収する権利が消滅した場合の保険給付の特例)
第六十九条 市町村は、要介護認定、要介護更新認定、第二十九条第二項において準用する第二十七条第十項若しくは第三十条第一項の規定による要介護状態区分の変更の認定、要支援認定又は要支援更新認定(以下この項において単に「認定」という。)をした場合において、当該認定に係る第一号被保険者である要介護被保険者等について保険料徴収権消滅期間(当該期間に係る保険料を徴収する権利が時効によって消滅している期間につき政令で定めるところにより算定された期間をいう。以下この項において同じ。)があるときは、厚生省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等の被保険者証に、当該認定に係る第二十七条第十項後段(第二十八条第四項及び第二十九条第二項において準用する場合を含む。)、第三十条第一項後段若しくは第三十五条第四項後段又は第三十二条第六項後段(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第三十五条第二項後段若しくは第六項後段の規定による記載に併せて、介護給付等(居宅介護サービス計画費の支給、特例居宅介護サービス計画費の支給、居宅支援サービス計画費の支給及び特例居宅支援サービス計画費の支給並びに高額介護サービス費の支給及び高額居宅支援サービス費の支給を除く。)の額の減額を行う旨並びに高額介護サービス費及び高額居宅支援サービス費の支給を行わない旨並びにこれらの措置がとられる期間(市町村が、政令で定めるところにより、保険料徴収権消滅期間に応じて定める期間をいう。以下この条において「給付額減額期間」という。)の記載(以下この条において「給付額減額等の記載」という。)をするものとする。ただし、当該要介護被保険者等について、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、この限りでない。

2 市町村は、前項の規定により給付額減額等の記載を受けた要介護被保険者等について、同項ただし書の政令で定める特別の事情があると認めるとき、又は給付額減額期間が経過したときは、当該給付額減額等の記載を消除するものとする。

3 第一項の規定により給付額減額等の記載を受けた要介護被保険者等が、当該記載を受けた日の属する月の翌月の初日から当該給付額減額期間が経過するまでの間に利用した居宅サービス(これに相当するサービスを含む。次項において同じ。)及び施設サービス、購入した特定福祉用具並びに行った住宅改修に係る次の各号に掲げる介護給付等について当該各号に定める規定を適用する場合においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の七十」とする。

一 居宅介護サービス費の支給 第四十一条第四項第一号及び第二号並びに第四十三条第一項、第四項及び第七項
二 特例居宅介護サービス費の支給 第四十二条第二項並びに第四十三条第一項、第四項及び第七項
三 施設介護サービス費の支給 第四十八条第二項第一号
四 特例施設介護サービス費の支給 第四十九条第二項
五 居宅支援サービス費の支給 第五十三条第二項第一号及び第二号並びに第五十五条第一項、第四項及び第七項
六 特例居宅支援サービス費の支給 第五十四条第二項並びに第五十五条第一項、第四項及び第七項
七 居宅介護福祉用具購入費の支給 第四十四条第三項、第四項及び第八項
八 居宅支援福祉用具購入費の支給 第五十六条第三項、第四項及び第八項
九 居宅介護住宅改修費の支給 第四十五条第三項、第四項及び第八項
十 居宅支援住宅改修費の支給 第五十七条第三項、第四項及び第八項

4 第一項の規定により給付額減額等の記載を受けた要介護被保険者等が、当該記載を受けた日の属する月の翌月の初日から当該給付額減額期間が経過するまでの間に受けた居宅サービス及び施設サービスに要する費用については、第五十一条第一項及び第六十一条第一項の規定は、適用しない。

第五章 事業者及び施設
 
第一節 指定居宅サービス事業者

(指定居宅サービス事業者の指定)
第七十条 第四十一条第一項本文の指定は、厚生省令で定めるところにより、居宅サービス事業を行う者の申請により、居宅サービスの種類及び当該居宅サービスの種類に係る居宅サービス事業を行う事業所(以下この節において単に「事業所」という。)ごとに行う。

2 都道府県知事は、前項の申請があった場合において、次の各号(病院、診療所若しくは薬局により行われる居宅療養管理指導又は病院若しくは診療所により行われる訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション若しくは短期入所療養介護に係る指定の申請にあっては、第二号又は第三号)のいずれかに該当するときは、第四十一条第一項本文の指定をしてはならない。

一 申請者が法人でないとき。
二 当該申請に係る事業所の従業者の知識及び技能並びに人員が、第七十四条第一項の厚生省令で定める基準及び同項の厚生省令で定める員数を満たしていないとき。
三 申請者が、第七十四条第二項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な居宅サービス事業の運営をすることができないと認められるとき。

(指定居宅サービス事業者の特例)
第七十一条 病院、診療所又は薬局について、健康保険法第四十三条ノ三第一項の規定による保険医療機関若しくは保険薬局の指定があったとき(同条第十項の規定により同条第一項の指定があったものとみなされたときを含む。)、又は同法第四十四条第一項第一号の規定による特定承認保険医療機関の承認があったときは、その指定又は承認の時に、当該病院、診療所又は薬局の開設者について、当該病院、診療所又は薬局により行われる居宅サービス(病院又は診療所にあっては居宅療養管理指導その他厚生省令で定める種類の居宅サービスに限り、薬局にあっては居宅療養管理指導に限る。)に係る第四十一条第一項本文の指定があったものとみなす。ただし、当該病院、診療所又は薬局の開設者が、厚生省令で定めるところにより、別段の申出をしたときは、この限りでない。

2 前項の規定により指定居宅サービス事業者とみなされた者に係る第四十一条第一項本文の指定は、当該指定に係る病院、診療所又は薬局について、健康保険法第四十三条ノ十二の規定による保険医療機関若しくは保険薬局の指定の取消し又は同法第四十四条第十二項において準用する同法第四十三条ノ十二の規定による特定承認保険医療機関の承認の取消しがあったときは、その効力を失う。

第七十二条 介護老人保健施設又は介護療養型医療施設について、第九十四条第一項の許可又は第四十八条第一項第三号の指定があったときは、その許可又は指定の時に、当該介護老人保健施設又は介護療養型医療施設の開設者について、当該介護老人保健施設又は介護療養型医療施設により行われる居宅サービス(短期入所療養介護その他厚生省令で定める居宅サービスの種類に限る。)に係る第四十一条第一項本文の指定があったものとみなす。ただし、当該介護老人保健施設又は介護療養型医療施設の開設者が、厚生省令で定めるところにより、別段の申出をしたときは、この限りでない。

2 前項の規定により指定居宅サービス事業者とみなされた者に係る第四十一条第一項本文の指定は、当該指定に係る介護老人保健施設又は介護療養型医療施設について、第百四条第一項の規定による許可の取消し又は第百十四条第一項の規定による指定の取消しがあったときは、その効力を失う。

(指定居宅サービスの事業の基準)
第七十三条 指定居宅サービス事業者は、次条第二項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従い、要介護者等の心身の状況等に応じて適切な指定居宅サービスを提供するとともに、自らその提供する指定居宅サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより常に指定居宅サービスを受ける者の立場に立ってこれを提供するように努めなければならない。

2 指定居宅サービス事業者は、指定居宅サービスを受けようとする被保険者から提示された被保険者証に、第二十七条第十項第二号(第二十八条第四項及び第二十九条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第三十二条第六項第二号(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる意見又は第三十条第一項後段に規定する意見(以下「認定審査会意見」という。)が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、当該被保険者に当該指定居宅サービスを提供するように努めなければならない。

第七十四条 指定居宅サービス事業者は、当該指定に係る事業所ごとに、厚生省令で定める基準に従い厚生省令で定める員数の当該指定居宅サービスに従事する従業者を有しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準は、厚生大臣が定める。

3 厚生大臣は、第一項の厚生省令を定めようとするとき、及び前項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(変更の届出等)
第七十五条 指定居宅サービス事業者は、当該指定に係る事業所の名称及び所在地その他厚生省令で定める事項に変更があったとき、又は当該指定居宅サービスの事業を廃止し、休止し、若しくは再開したときは、厚生省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(報告等)
第七十六条 都道府県知事は、居宅介護サービス費の支給又は居宅支援サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定居宅サービス事業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項において「指定居宅サービス事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定居宅サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定居宅サービス事業者の当該指定に係る事業所について設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

(指定の取消し)
第七十七条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定居宅サービス事業者に係る第四十一条第一項本文の指定を取り消すことができる。

一 指定居宅サービス事業者が、当該指定に係る事業所の従業者の知識若しくは技能又は人員について、第七十四条第一項の厚生省令で定める基準又は同項の厚生省令で定める員数を満たすことができなくなったとき。
二 指定居宅サービス事業者が、第七十四条第二項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定居宅サービスの事業の運営をすることができなくなったとき。
三 居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費の請求に関し不正があったとき。
四 指定居宅サービス事業者が、前条第一項の規定により報告又は帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
五 指定居宅サービス事業者又は当該指定に係る事業所の従業者が、前条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定に係る事業所の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定居宅サービス事業者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
六 指定居宅サービス事業者が、不正の手段により第四十一条第一項本文の指定を受けたとき。

2 市町村は、保険給付に係る指定居宅サービスを行った指定居宅サービス事業者について、前項第二号又は第三号に該当すると認めるときは、その旨を当該指定に係る事業所の所在地の都道府県知事に通知することができる。

(公示)
第七十八条 都道府県知事は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。

一 第四十一条第一項本文の指定をしたとき。
二 第七十五条の規定による届出(同条の厚生省令で定める事項の変更並びに同条に規定する事業の休止及び再開に係るものを除く。)があったとき。
三 前条第一項の規定により第四十一条第一項本文の指定を取り消したとき。
 
第二節 指定居宅介護支援事業者

(指定居宅介護支援事業者の指定)
第七十九条 第四十六条第一項の指定は、厚生省令で定めるところにより、居宅介護支援事業を行う者の申請により、居宅介護支援事業を行う事業所(以下この節において単に「事業所」という。)ごとに行う。

2 都道府県知事は、前項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、第四十六条第一項の指定をしてはならない。

一 申請者が法人でないとき。
二 当該申請に係る事業所の介護支援専門員(要介護者等からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な居宅サービス又は施設サービスを利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者、介護保険施設等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するものとして厚生省令で定める者をいう。以下同じ。)の人員が、第八十一条第一項の厚生省令で定める員数を満たしていないとき。
三 申請者が、第八十一条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準に従って適正な居宅介護支援事業の運営をすることができないと認められるとき。

(指定居宅介護支援の事業の基準)
第八十条 指定居宅介護支援事業者は、次条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準に従い、要介護者等の心身の状況等に応じて適切な指定居宅介護支援を提供するとともに、自らその提供する指定居宅介護支援の質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより常に指定居宅介護支援を受ける者の立場に立ってこれを提供するように努めなければならない。

2 指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援を受けようとする被保険者から提示された被保険者証に、認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、当該被保険者に当該指定居宅介護支援を提供するように努めなければならない。

第八十一条 指定居宅介護支援事業者は、当該指定に係る事業所ごとに、厚生省令で定める員数の介護支援専門員を有しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準は、厚生大臣が定める。

3 厚生大臣は、第一項の厚生省令を定めようとするとき、及び前項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(変更の届出等)
第八十二条 指定居宅介護支援事業者は、当該指定に係る事業所の名称及び所在地その他厚生省令で定める事項に変更があったとき、又は当該指定居宅介護支援の事業を廃止し、休止し、若しくは再開したときは、厚生省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(報告等)
第八十三条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、指定居宅介護支援事業者若しくは指定居宅介護支援事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項において「指定居宅介護支援事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定居宅介護支援事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者若しくは指定居宅介護支援事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定居宅介護支援事業者の当該指定に係る事業所について帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

(指定の取消し)
第八十四条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定居宅介護支援事業者に係る第四十六条第一項の指定を取り消すことができる。

一 指定居宅介護支援事業者が、当該指定に係る事業所の介護支援専門員の人員について、第八十一条第一項の厚生省令で定める員数を満たすことができなくなったとき。
二 指定居宅介護支援事業者が、第八十一条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準に従って適正な指定居宅介護支援の事業の運営をすることができなくなったとき。
三 第二十七条第二項後段(第二十八条第四項、第二十九条第二項、第三十条第二項、第三十一条第二項及び第三十二条第二項(第三十三条第四項及び第三十四条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。次項、第九十二条、第百四条及び第百十四条において同じ。)の規定により調査の委託を受けた場合において、当該調査の結果について虚偽の報告をしたとき。
四 居宅介護サービス計画費又は居宅支援サービス計画費の請求に関し不正があったとき。
五 指定居宅介護支援事業者が、前条第一項の規定により報告又は帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
六 指定居宅介護支援事業者又は当該指定に係る事業所の従業者が、前条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定に係る事業所の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、指定居宅介護支援事業者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
七 指定居宅介護支援事業者が、不正の手段により第四十六条第一項の指定を受けたとき。

2 市町村は、保険給付に係る指定居宅介護支援又は第二十七条第二項後段の規定により委託した調査を行った指定居宅介護支援事業者について、前項第二号から第四号までのいずれかに該当すると認めるときは、その旨を当該指定に係る事業所の所在地の都道府県知事に通知することができる。

(公示)
第八十五条 都道府県知事は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。

一 第四十六条第一項の指定をしたとき。
二 第八十二条の規定による届出(同条の厚生省令で定める事項の変更並びに同条に規定する事業の休止及び再開に係るものを除く。)があったとき。
三 前条第一項の規定により第四十六条第一項の指定を取り消したとき。
 
第三節 介護保険施設
 
第一款 指定介護老人福祉施設

(指定介護老人福祉施設の指定)
第八十六条 第四十八条第一項第一号の指定は、厚生省令で定めるところにより、老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホームであって、その開設者の申請があったものについて行う。

2 都道府県知事は、前項の申請があった場合において、当該特別養護老人ホームが次の各号のいずれかに該当するときは、第四十八条第一項第一号の指定をしてはならない。

一 第八十八条第一項に規定する人員を有しないとき。
二 第八十八条第二項に規定する指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準に従って適正な介護老人福祉施設の運営をすることができないと認められるとき。

(指定介護老人福祉施設の基準)
第八十七条 指定介護老人福祉施設の開設者は、次条第二項に規定する指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準に従い、要介護者の心身の状況等に応じて適切な指定介護福祉施設サービスを提供するとともに、自らその提供する指定介護福祉施設サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより常に指定介護福祉施設サービスを受ける者の立場に立ってこれを提供するように努めなければならない。

2 指定介護老人福祉施設の開設者は、指定介護福祉施設サービスを受けようとする被保険者から提示された被保険者証に、認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、当該被保険者に当該指定介護福祉施設サービスを提供するように努めなければならない。

第八十八条 指定介護老人福祉施設は、厚生省令で定める員数の介護支援専門員その他の指定介護福祉施設サービスに従事する従業者を有しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準は、厚生大臣が定める。

3 厚生大臣は、第一項の厚生省令を定めようとするとき、及び前項に規定する指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(変更の届出)
第八十九条 指定介護老人福祉施設の開設者は、開設者の住所その他の厚生省令で定める事項に変更があったときは、厚生省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(報告等)
第九十条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、指定介護老人福祉施設若しくは指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者若しくは開設者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは指定介護老人福祉施設について設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

(指定の辞退)
第九十一条 指定介護老人福祉施設は、一月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。

(指定の取消し)
第九十二条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定介護老人福祉施設に係る第四十八条第一項第一号の指定を取り消すことができる。

一 指定介護老人福祉施設が、その行う指定介護福祉施設サービスに従事する従業者の人員について、第八十八条第一項の厚生省令で定める員数を満たすことができなくなったとき。
二 指定介護老人福祉施設が、第八十八条第二項に規定する指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定介護老人福祉施設の運営をすることができなくなったとき。
三 第二十七条第二項後段の規定により調査の委託を受けた場合において、当該調査の結果について虚偽の報告をしたとき。
四 施設介護サービス費の請求に関し不正があったとき。
五 指定介護老人福祉施設が、第九十条第一項の規定により報告又は帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
六 指定介護老人福祉施設の開設者又はその長若しくは従業者が、第九十条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定介護老人福祉施設の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定介護老人福祉施設の開設者又はその長が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
七 指定介護老人福祉施設の開設者が、不正の手段により第四十八条第一項第一号の指定を受けたとき。

2 市町村は、保険給付に係る指定介護福祉施設サービス又は第二十七条第二項後段の規定により委託した調査を行った指定介護老人福祉施設について、前項第二号から第四号までのいずれかに該当すると認めるときは、その旨を当該指定介護老人福祉施設の所在地の都道府県知事に通知することができる。

(公示)
第九十三条 都道府県知事は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。

一 第四十八条第一項第一号の指定をしたとき。
二 第九十一条の規定による第四十八条第一項第一号の指定の辞退があったとき。
三 前条第一項の規定により第四十八条第一項第一号の指定を取り消したとき。
 
第二款 介護老人保健施設

(開設許可)
第九十四条 介護老人保健施設を開設しようとする者は、厚生省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。

2 介護老人保健施設を開設した者(以下「介護老人保健施設の開設者」という。)が、当該介護老人保健施設の入所定員その他厚生省令で定める事項を変更しようとするときも、前項と同様とする。

3 都道府県知事は、前二項の許可の申請があった場合において、次の各号(前項の申請にあっては、第二号又は第三号)のいずれかに該当するときは、前二項の許可を与えることができない。

一 当該介護老人保健施設を開設しようとする者が、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人その他厚生大臣が定める者でないとき。
二 当該介護老人保健施設が第九十七条第一項に規定する施設又は同条第二項に規定する人員を有しないとき。
三 第九十七条第三項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準に従って適正な介護老人保健施設の運営をすることができないと認められるとき。

4 都道府県知事は、営利を目的として、介護老人保健施設を開設しようとする者に対しては、第一項の許可を与えないことができる。

5 都道府県知事は、第一項の許可又は第二項の許可(入所定員の増加に係るものに限る。以下この項において同じ。)の申請があった場合において、当該申請に係る施設の所在地を含む区域(第百十八条第二項第一号の規定により当該都道府県が定める区域とする。)における介護老人保健施設の入所定員の総数が、同条第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県介護保険事業支援計画において定めるその区域の介護老人保健施設の必要入所定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る施設の開設若しくは入所定員の増加によってこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県介護保険事業支援計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、第一項の許可又は第二項の許可を与えないことができる。

(介護老人保健施設の管理)
第九十五条 介護老人保健施設の開設者は、都道府県知事の承認を受けた医師に当該介護老人保健施設を管理させなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、介護老人保健施設の開設者は、都道府県知事の承認を受け、医師以外の者に当該介護老人保健施設を管理させることができる。

(介護老人保健施設の基準)
第九十六条 介護老人保健施設の開設者は、次条第三項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準に従い、要介護者の心身の状況等に応じて適切な介護保健施設サービスを提供するとともに、自らその提供する介護保健施設サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより常に介護保健施設サービスを受ける者の立場に立ってこれを提供するように努めなければならない。

2 介護老人保健施設の開設者は、介護保健施設サービスを受けようとする被保険者から提示された被保険者証に、認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、当該被保険者に当該介護保健施設サービスを提供するように努めなければならない。

第九十七条 介護老人保健施設は、厚生省令で定めるところにより、療養室、診察室、機能訓練室、談話室その他厚生省令で定める施設を有しなければならない。

2 介護老人保健施設は、厚生省令で定める員数の医師、看護婦、介護支援専門員及び介護その他の業務に従事する従業者を有しなければならない。

3 前二項に規定するもののほか、介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準は、厚生大臣が定める。

4 厚生大臣は、第一項及び第二項の厚生省令を定めようとするとき、並びに前項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(広告制限)
第九十八条 介護老人保健施設に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。

一 介護老人保健施設の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
二 介護老人保健施設に勤務する医師及び看護婦の氏名
三 前二号に掲げる事項のほか、厚生大臣の定める事項
四 その他都道府県知事の許可を受けた事項

2 厚生大臣は、前項第三号に掲げる事項の広告の方法について、厚生省令で定めるところにより、必要な定めをすることができる。

(変更の届出)
第九十九条 介護老人保健施設の開設者は、第九十四条第二項の規定による許可に係る事項を除き、当該介護老人保健施設の開設者の住所その他の厚生省令で定める事項に変更があったときは、厚生省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(報告等)
第百条 厚生大臣、都道府県知事、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(第三項及び第百五条において「保健所を設置する市」という。)の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、介護老人保健施設の開設者、介護老人保健施設を管理する者(以下「介護老人保健施設の管理者」という。)若しくは医師その他の従業者(以下「介護老人保健施設の開設者等」という。)に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、介護老人保健施設の開設者等に対し出頭を求め、又は当該職員に、介護老人保健施設の開設者等に対して質問させ、若しくは介護老人保健施設に立ち入り、その設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は立入検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

3 第一項の規定により、介護老人保健施設の開設者等に対し報告若しくは提出若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に介護老人保健施設の開設者等に対し質問させ、若しくは介護老人保健施設に立入検査をさせた保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、当該介護老人保健施設につき次条、第百二条、第百三条第一項又は第百四条第一項の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。

(設備の使用制限等)
第百一条 都道府県知事は、介護老人保健施設が、第九十七条第一項に規定する施設を有しなくなったとき、又は同条第三項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準(設備に関する部分に限る。)に適合しなくなったときは、当該介護老人保健施設の開設者に対し、期間を定めて、その全部若しくは一部の使用を制限し、若しくは禁止し、又は期限を定めて、修繕若しくは改築を命ずることができる。

(変更命令)
第百二条 都道府県知事は、介護老人保健施設の管理者が介護老人保健施設の管理者として不適当であると認めるときは、当該介護老人保健施設の開設者に対し、期限を定めて、介護老人保健施設の管理者の変更を命ずることができる。

(業務運営の改善命令等)
第百三条 都道府県知事は、介護老人保健施設が、第九十七条第二項に規定する人員を有しなくなったとき、又は同条第三項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準(運営に関する部分に限る。次項において同じ。)に適合しなくなったときは、当該介護老人保健施設の開設者に対し、期限を定めて、その運営の改善を命じ、又は期間を定めて、その業務の停止を命ずることができる。

2 市町村は、保険給付に係る介護保健施設サービスを行った介護老人保健施設について、第九十七条第三項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準に適合しなくなったと認めるときは、その旨を当該介護老人保健施設の所在地の都道府県知事に通知することができる。

(許可の取消し)
第百四条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該介護老人保健施設に係る第九十四条第一項の許可を取り消すことができる。

一 介護老人保健施設の開設者が、第九十四条第一項の許可を受けた後正当の理由がないのに、六月以上その業務を開始しないとき。
二 介護老人保健施設の開設者が前三条の規定による命令に違反したとき。
三 介護老人保健施設の開設者に犯罪又は医事に関する不正行為があったとき。
四 第二十七条第二項後段の規定により調査の委託を受けた場合において、当該調査の結果について虚偽の報告をしたとき。
五 施設介護サービス費の請求に関し不正があったとき。
六 介護老人保健施設の開設者等が、第百条第一項の規定により報告又は診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
七 介護老人保健施設の開設者等が、第百条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該介護老人保健施設の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該介護老人保健施設の開設者又は当該介護老人保健施設の管理者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。

2 市町村は、第二十七条第二項後段の規定により委託した調査又は保険給付に係る介護保健施設サービスを行った介護老人保健施設について、前項第四号又は第五号に該当すると認めるときは、その旨を当該介護老人保健施設の所在地の都道府県知事に通知することができる。

(医療法の準用)
第百五条 医療法第九条の規定は、介護老人保健施設の開設者について、同法第十五条第一項の規定は、介護老人保健施設の管理者について、同法第三十条の規定は、第百一条から前条までの規定に基づく処分について、同法第七十一条の三の規定は、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長が第百条第一項の規定により行う処分に対する不服申立てについて準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(医療法との関係等)
第百六条 介護老人保健施設は、医療法にいう病院又は診療所ではない。ただし、医療法及びこれに基づく命令以外の法令の規定(健康保険法、国民健康保険法その他の法令の政令で定める規定を除く。)において「病院」又は「診療所」とあるのは、介護老人保健施設(政令で定める法令の規定にあっては、政令で定めるものを除く。)を含むものとする。

第三款 指定介護療養型医療施設

(指定介護療養型医療施設の指定)
第百七条 第四十八条第一項第三号の指定は、厚生省令で定めるところにより、療養型病床群等を有する病院又は診療所であって、その開設者の申請があったものについて行う。

2 前項の申請は、第四十八条第一項第三号の指定に係る療養型病床群等の入所定員を定めてするものとする。

3 都道府県知事は、第一項の申請があった場合において、当該病院又は診療所が次の各号のいずれかに該当するときは、第四十八条第一項第三号の指定をしてはならない。

一 第百十条第一項に規定する人員を有しないとき。
二 第百十条第二項に規定する指定介護療養型医療施設の設備及び運営に関する基準に従って適正な介護療養型医療施設の運営をすることができないと認められるとき。

4 都道府県知事は、第一項の申請があった場合において、当該申請に係る施設の所在地を含む区域(第百十八条第二項第一号の規定により当該都道府県が定める区域とする。)における指定介護療養型医療施設の療養型病床群等に係る入所定員の総数が、同条第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県介護保険事業支援計画において定めるその区域の指定介護療養型医療施設の療養型病床群等に係る必要入所定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る施設の指定によってこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県介護保険事業支援計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、第四十八条第一項第三号の指定をしないことができる。

(指定の変更)
第百八条 指定介護療養型医療施設の開設者は、第四十八条第一項第三号の指定に係る療養型病床群等の入所定員を増加しようとするときは、あらかじめ、厚生省令で定めるところにより、当該指定介護療養型医療施設に係る同号の指定の変更を申請することができる。

2 前条第四項の規定は、前項の指定の変更の申請があった場合について準用する。この場合において、同条第四項中「指定をしない」とあるのは、「指定の変更を拒む」と読み替えるものとする。

(指定介護療養型医療施設の基準)
第百九条 指定介護療養型医療施設の開設者は、次条第二項に規定する指定介護療養型医療施設の設備及び運営に関する基準に従い、要介護者の心身の状況等に応じて適切な指定介護療養施設サービスを提供するとともに、自らその提供する指定介護療養施設サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより常に指定介護療養施設サービスを受ける者の立場に立ってこれを提供するように努めなければならない。

2 指定介護療養型医療施設の開設者は、指定介護療養施設サービスを受けようとする被保険者から提示された被保険者証に、認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、当該被保険者に当該指定介護療養施設サービスを提供するように努めなければならない。

第百十条 指定介護療養型医療施設は、厚生省令で定める員数の介護支援専門員その他の指定介護療養施設サービスに従事する従業者を有しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、指定介護療養型医療施設の設備及び運営に関する基準は、厚生大臣が定める。

3 厚生大臣は、第一項の厚生省令を定めようとするとき、及び前項に規定する指定介護療養型医療施設の設備及び運営に関する基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(変更の届出)
第百十一条 指定介護療養型医療施設の開設者は、開設者の住所その他の厚生省令で定める事項に変更があったときは、厚生省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(報告等)
第百十二条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、指定介護療養型医療施設若しくは指定介護療養型医療施設の開設者若しくは管理者、医師その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し、報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定介護療養型医療施設の開設者若しくは管理者、医師その他の従業者若しくは開設者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは指定介護療養型医療施設について設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

(指定の辞退)
第百十三条 指定介護療養型医療施設は、一月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。

(指定の取消し)
第百十四条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定介護療養型医療施設に係る第四十八条第一項第三号の指定を取り消すことができる。

一 指定介護療養型医療施設が、その行う指定介護療養施設サービスに従事する従業者の人員について、第百十条第一項の厚生省令で定める員数を満たすことができなくなったとき。
二 指定介護療養型医療施設が、第百十条第二項に規定する指定介護療養型医療施設の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定介護療養型医療施設の運営をすることができなくなったとき。
三 第二十七条第二項後段の規定により調査の委託を受けた場合において、当該調査の結果について虚偽の報告をしたとき。
四 施設介護サービス費の請求に関し不正があったとき。
五 指定介護療養型医療施設が、第百十二条第一項の規定により報告又は診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
六 指定介護療養型医療施設の開設者又は管理者、医師その他の従業者が、第百十二条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定介護療養型医療施設の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定介護療養型医療施設の開設者又は管理者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
七 指定介護療養型医療施設の開設者が、不正の手段により第四十八条第一項第三号の指定を受けたとき。

2 市町村は、保険給付に係る指定介護療養施設サービス又は第二十七条第二項後段の規定により委託した調査を行った指定介護療養型医療施設について、前項第二号から第四号までのいずれかに該当すると認めるときは、その旨を当該指定介護療養型医療施設の所在地の都道府県知事に通知することができる。

(公示)
第百十五条 都道府県知事は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。

一 第四十八条第一項第三号の指定をしたとき。
二 第百十三条の規定による第四十八条第一項第三号の指定の辞退があったとき。
三 前条第一項の規定により第四十八条第一項第三号の指定を取り消したとき。
 
第六章 介護保険事業計画

(基本指針)
第百十六条 厚生大臣は、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。

2 基本指針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。

一 介護給付等対象サービスを提供する体制の確保に関する基本的事項
二 次条第一項に規定する市町村介護保険事業計画において同条第二項第一号の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込みを定めるに当たって参酌すべき標準その他当該市町村介護保険事業計画及び第百十八条第一項に規定する都道府県介護保険事業支援計画の作成に関する事項
三 その他介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するために必要な事項

3 厚生大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更するに当たっては、あらかじめ、自治大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない。

4 厚生大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

(市町村介護保険事業計画)
第百十七条 市町村は、基本指針に即して、三年ごとに、五年を一期とする当該市町村が行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画(以下「市町村介護保険事業計画」という。)を定めるものとする。

2 市町村介護保険事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 各年度における介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み
二 前号の介護給付等対象サービスの種類ごとの見込量の確保のための方策
三 指定居宅サービスの事業又は指定居宅介護支援の事業を行う者相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービスの円滑な提供を図るための事業に関する事項
四 その他介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を図るために市町村が必要と認める事項

3 市町村介護保険事業計画は、当該市町村の区域における要介護者等の人数、要介護者等の介護給付等対象サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案して作成されなければならない。

4 市町村介護保険事業計画は、老人福祉法第二十条の八に規定する市町村老人福祉計画、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第四十六条の十八に規定する市町村老人保健計画その他の法律の規定による計画であって要介護者等の保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

5 市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

6 市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県の意見を聴かなければならない。

7 市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを都道府県知事に提出しなければならない。

(都道府県介護保険事業支援計画)
第百十八条 都道府県は、基本指針に即して、三年ごとに、五年を一期とする介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施の支援に関する計画(以下「都道府県介護保険事業支援計画」という。)を定めるものとする。

2 都道府県介護保険事業支援計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 当該都道府県が定める区域ごとに当該区域における各年度の介護保険施設の種類ごとの必要入所定員総数(指定介護療養型医療施設にあっては、当該指定介護療養型医療施設の療養型病床群等に係る必要入所定員総数)その他の介護給付等対象サービスの量の見込み
二 介護保険施設その他の介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備に関する事項
三 介護支援専門員その他の介護給付等対象サービスに従事する者の確保又は資質の向上に資する事業に関する事項
四 介護保険施設相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービスの円滑な提供を図るための事業に関する事項
五 その他介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を支援するために都道府県が必要と認める事項

3 都道府県介護保険事業支援計画は、老人福祉法第二十条の九に規定する都道府県老人福祉計画、老人保健法第四十六条の十九に規定する都道府県老人保健計画、医療法第三十条の三に規定する医療計画その他の法律の規定による計画であって要介護者等の保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

4 都道府県は、都道府県介護保険事業支援計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを厚生大臣に提出しなければならない。

(都道府県知事の助言等)
第百十九条 都道府県知事は、市町村に対し、市町村介護保険事業計画の作成上の技術的事項について必要な助言をすることができる。

2 厚生大臣は、都道府県に対し、都道府県介護保険事業支援計画の作成の手法その他都道府県介護保険事業支援計画の作成上重要な技術的事項について必要な助言をすることができる。

(国の援助)
第百二十条 国は、市町村又は都道府県が、市町村介護保険事業計画又は都道府県介護保険事業支援計画に定められた事業を実施しようとするときは、当該事業が円滑に実施されるように必要な助言、指導その他の援助の実施に努めるものとする。

第七章 費用等
第一節 費用の負担

(国の負担)
第百二十一条 国は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付及び予防給付に要する費用の額の百分の二十に相当する額を負担する。

2 第四十三条第三項、第四十四条第六項、第四十五条第六項、第五十五条第三項、第五十六条第六項又は第五十七条第六項の規定に基づき条例を定めている市町村に対する前項の規定の適用については、同項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額は、当該条例による措置が講ぜられないものとして、政令で定めるところにより算定した当該介護給付及び予防給付に要する費用の額に相当する額とする。

(調整交付金)
第百二十二条 国は、介護保険の財政の調整を行うため、第一号被保険者の年齢階級別の分布状況、第一号被保険者の所得の分布状況等を考慮して、政令で定めるところにより、市町村に対して調整交付金を交付する。

2 前項の規定による調整交付金の総額は、各市町村の前条第一項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、同項の規定を適用して算定した額。次項において同じ。)の総額の百分の五に相当する額とする。

3 毎年度分として交付すべき調整交付金の総額は、当該年度における各市町村の前条第一項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額の見込額の総額の百分の五に相当する額に当該年度の前年度以前の年度における調整交付金で、まだ交付していない額を加算し、又は当該前年度以前の年度において交付すべきであった額を超えて交付した額を当該見込額の総額の百分の五に相当する額から減額した額とする。

(都道府県の負担)
第百二十三条 都道府県は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付及び予防給付に要する費用の額の百分の十二・五に相当する額を負担する。

2 第百二十一条第二項の規定は、前項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額について準用する。

(市町村の一般会計における負担)
第百二十四条 市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護給付及び予防給付に要する費用の額の百分の十二・五に相当する額を負担する。

2 第百二十一条第二項の規定は、前項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額について準用する。

(介護給付費交付金)
第百二十五条 市町村の介護保険に関する特別会計において負担する費用のうち、介護給付及び予防給付に要する費用の額に第二号被保険者負担率を乗じて得た額(以下この章において「医療保険納付対象額」という。)については、政令で定めるところにより、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)が市町村に対して交付する介護給付費交付金をもって充てる。

2 前項の第二号被保険者負担率は、すべての市町村に係る被保険者の見込数の総数に対するすべての市町村に係る第二号被保険者の見込数の総数の割合に二分の一を乗じて得た率を基準として設定するものとし、三年ごとに、当該割合の推移を勘案して政令で定める。

3 第百二十一条第二項の規定は、第一項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額について準用する。

4 第一項の介護給付費交付金は、第百五十条第一項の規定により支払基金が徴収する納付金をもって充てる。

(事務費の交付)
第百二十六条 国は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護保険の事務の執行に要する費用(第二十七条から第三十七条までの規定により市町村が行う要介護認定又は要支援認定に係る事務の処理に必要な費用(地方自治法第二百五十二条の十四第一項の規定により審査判定業務を都道府県に委託している場合にあっては、当該委託に係る費用を含む。)その他の政令で定める費用に限る。)の二分の一に相当する額を交付する。

(国の補助)
第百二十七条 国は、第百二十一条及び第百二十二条に規定するもののほか、予算の範囲内において、介護保険事業に要する費用の一部を補助することができる。

(都道府県の補助)
第百二十八条 都道府県は、第百二十三条に規定するもののほか、介護保険事業に要する費用の一部を補助することができる。

(保険料)
第百二十九条 市町村は、介護保険事業に要する費用(財政安定化基金拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならない。

 前項の保険料は、第一号被保険者に対し、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定された保険料率により算定された保険料額によって課する。

 前項の保険料率は、市町村介護保険事業計画に定める介護給付等対象サービスの見込量等に基づいて算定した保険給付に要する費用の予想額、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用の予想額、第百四十七条第一項第二号の規定による都道府県からの借入金の償還に要する費用の予定額及び保健福祉事業に要する費用の予定額、第一号被保険者の所得の分布状況及びその見通し並びに国庫負担等の額等に照らし、おおむね三年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。

4 市町村は、第一項の規定にかかわらず、第二号被保険者からは保険料を徴収しない。

(賦課期日)
第百三十条 保険料の賦課期日は、当該年度の初日とする。

(保険料の徴収の方法)
第百三十一条 第百二十九条の保険料の徴収については、第百三十五条の規定により特別徴収(国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)による老齢基礎年金その他の同法、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法若しくは農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるもの及びその他これらの年金たる給付に類する老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支払をする者(以下「年金保険者」という。)に保険料を徴収させ、かつ、その徴収すべき保険料を納入させることをいう。以下同じ。)の方法による場合を除くほか、普通徴収(市町村が、保険料を課せられた第一号被保険者又は当該第一号被保険者の属する世帯の世帯主若しくは当該第一号被保険者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)に対し、地方自治法第二百三十一条の規定により納入の通知をすることによって保険料を徴収することをいう。以下同じ。)の方法によらなければならない。

(普通徴収に係る保険料の納付義務)
第百三十二条 第一号被保険者は、市町村がその者の保険料を普通徴収の方法によって徴収しようとする場合においては、当該保険料を納付しなければならない。

 世帯主は、市町村が当該世帯に属する第一号被保険者の保険料を普通徴収の方法によって徴収しようとする場合において、当該保険料を連帯して納付する義務を負う。

 配偶者の一方は、市町村が第一号被保険者たる他方の保険料を普通徴収の方法によって徴収しようとする場合において、当該保険料を連帯して納付する義務を負う。

(普通徴収に係る保険料の納期)
第百三十三条 普通徴収の方法によって徴収する保険料の納期は、当該市町村の条例で定める。

(年金保険者の市町村に対する通知)
第百三十四条 年金保険者は、毎年厚生省令で定める期日までに、当該年の四月一日現在において当該年金保険者から老齢退職年金給付の支払を受けている者であって六十五歳以上のもの(次に掲げるものを除く。)の氏名、住所その他厚生省令で定める事項を、その者が同日現在において住所を有する市町村(第十三条第一項又は第二項の規定によりその者が他の市町村が行う介護保険の第一号被保険者であるときは、当該他の市町村とする。)に通知しなければならない。

一 当該年の六月一日から翌年の五月三十一日までの間に支払を受けるべき当該老齢退職年金給付の額の総額が、当該年の四月一日の現況において政令で定める額未満である者
二 当該老齢退職年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供していることその他の厚生省令で定める特別の事情を有する者

2 年金保険者(社会保険庁長官及び地方公務員共済組合を除く。)は、前項の規定による通知を行う場合においては、社会保険庁長官の同意を得て、当該年金保険者が行う当該通知の全部を社会保険庁長官を経由して行うことができる。

3 前二項の場合においては、社会保険庁長官は、都道府県知事を経由して通知又は送付を行うものとする。

4 地方公務員共済組合は、第一項の規定による通知を行う場合においては、地方公務員共済組合連合会を経由して行うものとする。

5 社会保険庁長官は、第二項の同意をしたときは、当該同意に係る年金保険者(第百三十六条において「特定年金保険者」という。)を公示しなければならない。

(保険料の特別徴収)
第百三十五条 市町村は、前条第一項の規定による通知が行われた場合においては、当該通知に係る第一号被保険者(災害その他の特別の事情があることにより、特別徴収の方法によって保険料を徴収することが著しく困難であると認めるものを除く。)に対して課する保険料の全部(厚生省令で定める場合にあっては、その一部)を、特別徴収の方法によって徴収するものとする。ただし、当該通知に係る第一号被保険者が少ないことその他の特別の事情があることにより、特別徴収を行うことが適当でないと認められる市町村においては、特別徴収の方法によらないことができる。

2 市町村は、前項本文の規定により特別徴収の方法によって保険料を徴収しようとする場合においては、同項本文に規定する第一号被保険者(以下「特別徴収対象被保険者」という。)について、当該特別徴収対象被保険者に係る年金保険者(以下「特別徴収義務者」という。)に当該保険料を徴収させなければならない。

3 市町村は、同一の特別徴収対象被保険者について前条第一項の規定による通知に係る老齢退職年金給付(以下「特別徴収対象年金給付」という。)が二以上ある場合においては、これらの特別徴収対象年金給付に老齢基礎年金が含まれるときは当該老齢基礎年金について、老齢基礎年金が含まれないときは政令で定めるところにより一の特別徴収対象年金給付について保険料を徴収させるものとする。

(特別徴収額の通知等)
第百三十六条 市町村は、前条の規定により特別徴収の方法によって保険料を徴収しようとする場合においては、特別徴収対象被保険者に係る保険料を特別徴収の方法によって徴収する旨、当該特別徴収対象被保険者に係る支払回数割保険料額その他厚生省令で定める事項を、特別徴収義務者及び特別徴収対象被保険者に通知しなければならない。

2 前項の支払回数割保険料額は、厚生省令で定めるところにより、当該特別徴収対象被保険者につき、特別徴収の方法によって徴収する保険料額(以下「特別徴収対象保険料額」という。)から、第百四十条第一項及び第二項の規定により当該年の四月一日から九月三十日までの間に徴収される保険料額の合計額を控除して得た額を、当該年の十月一日から翌年三月三十一日までの間における当該特別徴収対象年金給付の支払の回数で除して得た額とする。

3 第一項の規定による特別徴収義務者に対する通知(社会保険庁長官及び特定年金保険者並びに地方公務員共済組合に係るものを除く。)は、当該年度の初日の属する年の八月三十一日までにしなければならない。

4 第一項の規定による特別徴収義務者に対する通知(社会保険庁長官に係るものに限る。)は、当該年度の初日の属する年の七月三十一日までに、都道府県知事を経由してしなければならない。

5 第一項の規定による特別徴収義務者に対する通知(特定年金保険者に係るものに限る。)は、当該年度の初日の属する年の七月三十一日までに、都道府県知事を経由してしなければならない。

6 前項に規定する都道府県知事は、社会保険庁長官を経由して特定年金保険者に送付を行うものとする。

7 第一項の規定による特別徴収義務者に対する通知(地方公務員共済組合に係るものに限る。)は、当該年度の初日の属する年の七月三十一日までに、地方公務員共済組合連合会を経由してしなければならない。

(特別徴収の方法によって徴収した保険料額の納入の義務等)
第百三十七条 特別徴収義務者は、前条第一項の規定による通知を受けた場合においては、同項に規定する支払回数割保険料額を、厚生省令で定めるところにより、当該年の十月一日から翌年三月三十一日までの間において特別徴収対象年金給付の支払をする際徴収し、その徴収した日の属する月の翌月の十日までに、これを当該市町村に納入する義務を負う。

2 地方公務員共済組合は、前項の規定により市町村に納入する場合においては、地方公務員共済組合連合会を経由して行うものとする。

3 特別徴収義務者が、特別徴収対象年金給付の支払をする際特別徴収対象被保険者から徴収しなかった保険料額に相当する額を第一項の規定により市町村に納入した場合においては、その徴収しなかった保険料額に相当する額を、当該納入をしたとき以後に当該特別徴収対象被保険者に支払うべき当該特別徴収対象年金給付から控除することができる。

4 特別徴収義務者は、第百三十五条の規定により当該特別徴収義務者が徴収すべき保険料に係る特別徴収対象被保険者が当該特別徴収義務者から特別徴収対象年金給付の支払を受けないこととなった場合その他厚生省令で定める場合においては、その事由が発生した日の属する月の翌月以降徴収すべき保険料額は、これを徴収して納入する義務を負わない。

5 前項に規定する場合においては、特別徴収義務者は、厚生省令で定めるところにより、特別徴収対象年金給付の支払を受けないこととなった特別徴収対象被保険者その他厚生省令で定める者の氏名、当該特別徴収対象被保険者に係る保険料徴収の実績その他必要な事項を、特別徴収に係る納入金を納入すべき市町村に通知しなければならない。

6 第百三十四条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による通知について準用する。

7 特別徴収義務者は、厚生省令で定めるところにより、第一項の規定により徴収する支払回数割保険料額を、特別徴収対象被保険者に対し通知するものとする。

(被保険者資格喪失等の場合の市町村の特別徴収義務者等に対する通知)
第百三十八条 市町村は、第百三十六条第一項の規定により支払回数割保険料額を特別徴収義務者に通知した後に当該通知に係る特別徴収対象被保険者が被保険者資格を喪失した場合その他厚生省令で定める場合においては、厚生省令で定めるところにより、その旨を当該特別徴収義務者及び当該特別徴収対象被保険者に通知しなければならない。

2 第百三十六条第四項から第七項までの規定は、前項の規定による特別徴収義務者に対する通知について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

3 特別徴収義務者は、第一項の規定による通知を受けた場合においては、その通知を受けた日以降特別徴収対象保険料額を徴収して納入する義務を負わない。この場合において、特別徴収義務者は、直ちに当該通知に係る特別徴収対象被保険者に係る保険料徴収の実績その他必要な事項を当該通知をした市町村に通知しなければならない。

4 第百三十四条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による通知について準用する。

(普通徴収保険料額への繰入)
第百三十九条 市町村は、第一号被保険者が特別徴収対象年金給付の支払を受けなくなったこと等により保険料を特別徴収の方法によって徴収されないこととなった場合においては、特別徴収の方法によって徴収されないこととなった額に相当する保険料額を、その特別徴収の方法によって徴収されないこととなった日以後において到来する第百三十三条の納期がある場合においてはそのそれぞれの納期において、その日以後に到来する同条の納期がない場合においては直ちに、普通徴収の方法によって徴収しなければならない。

2 特別徴収義務者から当該市町村に納入された第一号被保険者についての保険料額の合計額が当該第一号被保険者について特別徴収の方法によって徴収すべき保険料額を超える場合(特別徴収の方法によって徴収すべき保険料額がない場合を含む。)においては、市町村は、当該過納又は誤納に係る保険料額(当該過納又は誤納に係る保険料額が当該第一号被保険者が死亡したことにより生じたものであるときは、当該過納又は誤納に係る保険料額から厚生省令で定めるところにより算定した額を控除した額とする。次項において「過誤納額」という。)を当該第一号被保険者に還付しなければならない。

3 市町村は、前項の規定により過誤納額を還付すべき場合において、当該第一号被保険者の未納に係る保険料その他この法律の規定による徴収金があるときは、同項の規定にかかわらず、厚生省令で定めるところにより、当該過誤納額をこれに充当することができる。

(仮徴収)
第百四十条 市町村は、前年度の初日の属する年の十月一日から翌年の三月三十一日までの間における特別徴収対象年金給付の支払の際第百三十六条第一項に規定する支払回数割保険料額を徴収されていた第一号被保険者について、当該年度の初日からその日の属する年の五月三十一日までの間において当該支払回数割保険料額の徴収に係る老齢退職年金給付が支払われるときは、その支払に係る保険料額として、当該支払回数割保険料額に相当する額を、厚生省令で定めるところにより、特別徴収の方法によって徴収するものとする。

2 市町村は、前項に規定する第一号被保険者について、当該年度の初日の属する年の六月一日から九月三十日までの間において同項に規定する老齢退職年金給付が支払われるときは、それぞれの支払に係る保険料額として、当該第一号被保険者に係る同項に規定する支払回数割保険料額に相当する額(当該額によることが適当でないと認められる特別な事情がある場合においては、当該額の範囲内において市町村が定める額とする。)を、厚生省令で定めるところにより、特別徴収の方法によって徴収するものとする。

3 第百三十六条から前条まで(第百三十六条第二項を除く。)の規定は、前二項の規定による特別徴収について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

4 第一項の規定による特別徴収については、前項において準用する第百三十六条の規定による通知があったものとみなし、第二項の規定による特別徴収については、前項において準用する同条の規定による通知が期日までに行われないときは、第一項に規定する老齢退職年金給付のそれぞれの支払に係る保険料額として、第二項に規定する支払回数割保険料額に相当する額を特別徴収の方法によって徴収する旨の同条の規定による通知があったものとみなす。

(介護保険施設に入所中の被保険者の特例に係る特別徴収義務者への通知)
第百四十一条 市町村は、その行う介護保険の特別徴収対象被保険者が第十三条第一項又は第二項の規定の適用を受ける被保険者に該当するに至ったときは、速やかに、当該特別徴収対象被保険者に係る特別徴収義務者に、その旨を通知するものとする。

2 第百三十六条第四項から第七項までの規定は、前項の規定による特別徴収義務者に対する通知について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(保険料の減免等)
第百四十二条 市町村は、条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。

(地方税法の準用)
第百四十三条 保険料その他この法律の規定による徴収金(第百五十条第一項に規定する納付金及び第百五十七条第一項に規定する延滞金を除く。)については、地方税法第九条、第十三条の二、第二十条、第二十条の二及び第二十条の四の規定を準用する。

(滞納処分)
第百四十四条 市町村が徴収する保険料その他この法律の規定による徴収金は、地方自治法第二百三十一条の三第三項に規定する法律で定める歳入とする。

(保険料納付原簿)
第百四十五条 市町村は、保険料納付原簿を備え、これに第一号被保険者の氏名、住所、保険料の納付状況その他厚生省令で定める事項を記録するものとする。

(条例等への委任)
第百四十六条 この節に規定するもののほか、保険料の賦課及び徴収等に関する事項(特別徴収に関するものを除く。)は政令で定める基準に従って条例で、特別徴収に関して必要な事項は政令又は政令で定める基準に従って条例で定める。

第二節 財政安定化基金等

(財政安定化基金)
第百四十七条 都道府県は、次に掲げる介護保険の財政の安定化に資する事業に必要な費用に充てるため、財政安定化基金を設けるものとする。

一 実績保険料収納額が予定保険料収納額に不足すると見込まれ、かつ、基金事業対象収入額が基金事業対象費用額に不足すると見込まれる市町村に対し、政令で定めるところにより、イに掲げる額(イに掲げる額がロに掲げる額を超えるときは、ロに掲げる額とする。)の二分の一に相当する額を基礎として、当該市町村及びその他の市町村における保険料の収納状況を勘案して政令で定めるところにより算定した額を交付すること。
イ 実績保険料収納額が予定保険料収納額に不足すると見込まれる額
ロ 基金事業対象収入額が基金事業対象費用額に不足すると見込まれる額
二 基金事業対象収入額及び基金事業交付額の合計額が、基金事業対象費用額に不足すると見込まれる市町村に対し、政令で定めるところにより、当該不足すると見込まれる額を基礎として、当該市町村及びその他の市町村における保険料の収納状況を勘案して政令で定めるところにより算定した額の範囲内の額を貸し付けること。

 前項において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 予定保険料収納額 市町村において事業運営期間(市町村介護保険事業計画の初年度以降三箇年間をいう。以下この項において同じ。)中に収納が見込まれた保険料の額の合計額のうち、介護給付及び予防給付に要する費用の額、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用の額並びに前項第二号の規定による都道府県からの借入金(以下この項及び次条において「基金事業借入金」という。)の償還に要する費用の額に充てるものとして政令で定めるところにより算定した額
二 実績保険料収納額 市町村において前号の事業運営期間中に収納した保険料の額の合計額のうち、介護給付及び予防給付に要した費用の額、財政安定化基金拠出金の納付に要した費用の額並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額に充てるものとして政令で定めるところにより算定した額
三 基金事業対象収入額 市町村の介護保険に関する特別会計において第一号の事業運営期間中に収入した金額(第五号の基金事業交付額及び基金事業借入金の額を除く。)の合計額のうち、介護給付及び予防給付に要した費用の額、財政安定化基金拠出金の納付に要した費用の額並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額に充てるものとして政令で定めるところにより算定した額
四 基金事業対象費用額 市町村において第一号の事業運営期間中に介護給付及び予防給付に要した費用の額、財政安定化基金拠出金の納付に要した費用の額並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額の合計額として政令で定めるところにより算定した額
五 基金事業交付額 市町村が第一号の事業運営期間中に前項第一号の規定により交付を受けた額

 都道府県は、財政安定化基金に充てるため、政令で定めるところにより、市町村から財政安定化基金拠出金を徴収するものとする。

4 市町村は、前項の規定による財政安定化基金拠出金を納付する義務を負う。

5 都道府県は、政令で定めるところにより、第三項の規定により市町村から徴収した財政安定化基金拠出金の総額の三倍に相当する額を財政安定化基金に繰り入れなければならない。

 国は、政令で定めるところにより、前項の規定により都道府県が繰り入れた額の三分の一に相当する額を負担する。

7 財政安定化基金から生ずる収入は、すべて財政安定化基金に充てなければならない。

8 第百二十一条第二項の規定は、第二項第一号に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額並びに同項第二号から第四号までに規定する介護給付及び予防給付に要した費用の額について準用する。

(市町村相互財政安定化事業)
第百四十八条 市町村は、介護保険の財政の安定化を図るため、その介護保険に関する特別会計において負担する費用のうち介護給付及び予防給付に要する費用(第四十三条第三項、第四十四条第六項、第四十五条第六項、第五十五条第三項、第五十六条第六項又は第五十七条第六項の規定に基づき条例を定めている市町村に係る当該介護給付及び予防給付に要する費用については、当該条例による措置が講ぜられないものとして政令で定めるところにより算定した当該介護給付及び予防給付に要する費用とする。次項において同じ。)、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用並びに基金事業借入金の償還に要する費用の財源について、政令で定めるところにより、他の市町村と共同して、調整保険料率に基づき、市町村相互間において調整する事業(以下この条及び次条において「市町村相互財政安定化事業」という。)を行うことができる。

2 前項の調整保険料率は、市町村相互財政安定化事業を行う市町村(以下この条及び次条第二項において「特定市町村」という。)のそれぞれが、それぞれの第一号被保険者に対し、当該調整保険料率により算定した保険料額によって保険料を課するとしたならば、当該特定市町村につき事業実施期間(市町村相互財政安定化事業を実施する期間として特定市町村が次項の規約により定める三年を一期とする期間をいう。以下この項及び第四項において同じ。)において収納される保険料の額の合計額が、当該事業実施期間における当該特定市町村の介護給付及び予防給付に要する費用の額(当該介護給付及び予防給付に要する費用の額につき第百二十一条第一項、第百二十二条第一項、第百二十三条第一項、第百二十四条第一項及び第百二十五条第一項の規定により、国、都道府県、市町村の一般会計及び支払基金が負担し、又は交付する額を除く。)、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用の額並びに基金事業借入金の償還に要する費用の額の合計額と均衡を保つことができるものであって、当該特定市町村が政令で定める基準に従い定めるものとする。

3 市町村は、市町村相互財政安定化事業を行おうとするときは、その議会の議決を経てする協議により規約を定め、これを都道府県知事に届け出なければならない。

4 前項の規約には、次に掲げる事項につき規定を設けなければならない。

一 特定市町村
二 調整保険料率
三 事業実施期間
四 市町村相互財政安定化事業に係る資金の負担及び交付の方法
五 前各号に掲げる事項のほか、市町村相互財政安定化事業の実施に関し必要な事項

5 第三項の規定は、同項の規約を変更し、又は市町村相互財政安定化事業をとりやめようとする場合について準用する。

6 特定市町村が第百二十九条第二項の規定によりその条例で定める保険料率について同条第三項の規定を適用する場合においては、同項中「償還に要する費用の予定額」とあるのは「償還に要する費用の予定額、第百四十八条第一項に規定する市町村相互財政安定化事業により負担する額の予想額」と、「並びに国庫負担等の額等に照らし、おおむね三年」とあるのは「、国庫負担等の額並びに同項に規定する市町村相互財政安定化事業により交付される額の予想額等に照らし、おおむね第百四十八条第二項に規定する事業実施期間」とする。

7 特定市町村について前条第二項の規定を適用する場合においては、同項第一号中「並びに前項第二号の規定による都道府県からの借入金(以下「基金事業借入金」という。)の償還に要する費用の額」とあるのは「、前項第二号の規定による都道府県からの借入金(以下「基金事業借入金」という。)の償還に要する費用の額並びに市町村相互財政安定化事業(次条第一項に規定する市町村相互財政安定化事業をいう。以下この項において同じ。)により負担する額」と、同項第二号中「並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額」とあるのは「、基金事業借入金の償還に要した費用の額並びに市町村相互財政安定化事業により負担した額」と、同項第三号中「収入した金額(第五号の基金事業交付額及び基金事業借入金の額を除く。)」とあるのは「収入した金額(市町村相互財政安定化事業により交付された額を含み、第五号の基金事業交付額及び基金事業借入金の額を除く。)」と、「並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額」とあるのは「、基金事業借入金の償還に要した費用の額並びに市町村相互財政安定化事業により負担した額」と、同項第四号中「並びに基金事業借入金の償還に要した費用の額」とあるのは「、基金事業借入金の償還に要した費用の額並びに市町村相互財政安定化事業により負担した額」とする。

8 特定市町村は、厚生省令で定めるところにより、市町村相互財政安定化事業のうち資金の負担及び交付に関する事務の一部を、当該特定市町村が出資者又は構成員となっている営利を目的としない法人であって、厚生省令で定める要件に該当するものに委託することができる。

第百四十九条 都道府県は、市町村相互財政安定化事業を行おうとする市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うものとする。

2 都道府県は、特定市町村の求めに応じ、当該市町村相互財政安定化事業に係る調整保険料率についての基準を示す等必要な助言又は指導をすることができる。

第三節 医療保険者の納付金

(納付金の徴収及び納付義務)
第百五十条 支払基金は、第百六十条第一項に規定する業務に要する費用に充てるため、年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下この節及び次章において同じ。)ごとに、医療保険者から、介護給付費納付金(以下「納付金」という。)を徴収する。

 医療保険者は、納付金の納付に充てるため医療保険各法又は地方税法の規定により保険料若しくは掛金又は国民健康保険税を徴収し、納付金を納付する義務を負う。

(介護給付費納付金の額)
第百五十一条 前条第一項の規定により各医療保険者から徴収する納付金の額は、当該年度の概算介護給付費納付金の額とする。ただし、前々年度の概算介護給付費納付金の額が前々年度の確定介護給付費納付金の額を超えるときは、当該年度の概算介護給付費納付金の額からその超える額とその超える額に係る調整金額との合計額を控除して得た額とするものとし、前々年度の概算介護給付費納付金の額が前々年度の確定介護給付費納付金の額に満たないときは、当該年度の概算介護給付費納付金の額にその満たない額とその満たない額に係る調整金額との合計額を加算して得た額とする。

2 前項ただし書の調整金額は、前々年度におけるすべての医療保険者に係る概算介護給付費納付金の額と確定介護給付費納付金の額との過不足額につき生ずる利子その他の事情を勘案して厚生省令で定めるところにより各医療保険者ごとに算定される額とする。

(概算介護給付費納付金)
第百五十二条 前条第一項の概算介護給付費納付金の額は、当該年度におけるすべての市町村の医療保険納付対象額の見込額の総額を厚生省令で定めるところにより算定した当該年度におけるすべての医療保険者に係る第二号被保険者の見込数の総数で除して得た額に、厚生省令で定めるところにより算定した当該年度における当該医療保険者に係る第二号被保険者の見込数を乗じて得た額とする。

(確定介護給付費納付金)
第百五十三条 第百五十一条第一項ただし書の確定介護給付費納付金の額は、前々年度におけるすべての市町村の医療保険納付対象額の総額を厚生省令で定めるところにより算定した前々年度におけるすべての医療保険者に係る第二号被保険者の総数で除して得た額に、厚生省令で定めるところにより算定した前々年度における当該医療保険者に係る第二号被保険者の数を乗じて得た額とする。

(医療保険者が合併、分割及び解散をした場合における納付金の額の特例)
第百五十四条 合併又は分割により成立した医療保険者、合併又は分割後存続する医療保険者及び解散をした医療保険者の権利義務を承継した医療保険者に係る納付金の額の算定の特例については、政令で定める。

(納付金の額の決定、通知等)
第百五十五条 支払基金は、各年度につき、各医療保険者が納付すべき納付金の額を決定し、当該各医療保険者に対し、その者が納付すべき納付金の額、納付の方法及び納付すべき期限その他必要な事項を通知しなければならない。

2 前項の規定により納付金の額が定められた後、納付金の額を変更する必要が生じたときは、支払基金は、当該各医療保険者が納付すべき納付金の額を変更し、当該各医療保険者に対し、変更後の納付金の額を通知しなければならない。

3 支払基金は、医療保険者が納付した納付金の額が、前項の規定による変更後の納付金の額に満たない場合には、その不足する額について、同項の規定による通知とともに納付の方法及び納付すべき期限その他必要な事項を通知し、同項の規定による変更後の納付金の額を超える場合には、その超える額について、未納の納付金その他この法律の規定による支払基金の徴収金があるときはこれに充当し、なお残余があれば還付し、未納の徴収金がないときはこれを還付しなければならない。

(督促及び滞納処分)
第百五十六条 支払基金は、医療保険者が、納付すべき期限までに納付金を納付しないときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。

2 支払基金は、前項の規定により督促をするときは、当該医療保険者に対し、督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。

3 支払基金は、第一項の規定による督促を受けた医療保険者がその指定期限までにその督促状に係る納付金及び次条の規定による延滞金を完納しないときは、政令で定めるところにより、その徴収を、厚生大臣又は都道府県知事に請求するものとする。

4 前項の規定による徴収の請求を受けたときは、厚生大臣又は都道府県知事は、国税滞納処分の例により処分することができる。

(延滞金)
第百五十七条 前条第一項の規定により納付金の納付を督促したときは、支払基金は、その督促に係る納付金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期日の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、督促に係る納付金の額が千円未満であるときは、この限りでない。

2 前項の場合において、納付金の額の一部につき納付があったときは、その納付の日以降の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる納付金の額は、その納付のあった納付金の額を控除した額とする。

3 延滞金の計算において、前二項の納付金の額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

4 前三項の規定によって計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

5 延滞金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、徴収しない。ただし、第三号の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。

一 督促状に指定した期限までに納付金を完納したとき。
二 延滞金の額が百円未満であるとき。
三 納付金について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。
四 納付金を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。

(納付の猶予)
第百五十八条 支払基金は、やむを得ない事情により、医療保険者が納付金を納付することが著しく困難であると認められるときは、厚生省令で定めるところにより、当該医療保険者の申請に基づき、厚生大臣の承認を受けて、その納付すべき期限から一年以内の期間を限り、その一部の納付を猶予することができる。

2 支払基金は、前項の規定による猶予をしたときは、その旨、猶予に係る納付金の額、猶予期間その他必要な事項を医療保険者に通知しなければならない。

3 支払基金は、第一項の規定による猶予をしたときは、その猶予期間内は、その猶予に係る納付金につき新たに第百五十六条第一項の規定による督促及び同条第三項の規定による徴収の請求をすることができない。

(通知)
第百五十九条 市町村は、厚生省令で定めるところにより、支払基金に対し、各年度における医療保険納付対象額その他厚生省令で定める事項を通知しなければならない。

2 市町村は、前項の規定による通知の事務を連合会に委託することができる。

第八章 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務

(支払基金の業務)
第百六十条 支払基金は、社会保険診療報酬支払基金法第十三条に規定する業務のほか、第一条に規定する目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。

一 医療保険者から納付金を徴収すること。
二 市町村に対し第百二十五条第一項の介護給付費交付金を交付すること。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

2 前項に規定する業務は、介護保険関係業務という。

(業務の委託)
第百六十一条 支払基金は、厚生大臣の認可を受けて、介護保険関係業務の一部を医療保険者が加入している団体で厚生大臣が定めるものに委託することができる。

(業務方法書)
第百六十二条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、当該業務の開始前に、業務方法書を作成し、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。

2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、厚生省令で定める。

(報告等)
第百六十三条 支払基金は、医療保険者に対し、毎年度、医療保険加入者(四十歳以上六十五歳未満のものに限る。)の数その他の厚生省令で定める事項に関する報告を求めるほか、第百六十条第一項第一号に掲げる業務に関し必要があると認めるときは、文書その他の物件の提出を求めることができる。

(区分経理)
第百六十四条 支払基金は、介護保険関係業務に係る経理については、その他の業務に係る経理と区分して、特別の会計を設けて行わなければならない。

(予算等の認可)
第百六十五条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。

(財務諸表等)
第百六十六条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に厚生大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

2 支払基金は、前項の規定により財務諸表を厚生大臣に提出するときは、厚生省令で定めるところにより、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。

3 支払基金は、第一項の規定による厚生大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表又はその要旨を官報に公告し、かつ、財務諸表及び附属明細書並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見書を、各事務所に備えて置き、厚生省で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

(利益及び損失の処理)
第百六十七条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。

2 支払基金は、介護保険関係業務に関し、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は繰越欠損金として整理しなければならない。

3 支払基金は、予算をもって定める金額に限り、第一項の規定による積立金を第百六十条第一項第二号に掲げる業務に要する費用に充てることができる。

(借入金)
第百六十八条 支払基金は、社会保険診療報酬支払基金法第十七条の規定にかかわらず、介護保険関係業務に関し、厚生大臣の認可を受けて、長期借入金又は短期借入金をすることができる。

2 前項の規定による長期借入金は、二年以内に償還しなければならない。

3 第一項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

4 前項ただし書の規定により借り換えられた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。

(政府保証)
第百六十九条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内で、前条の規定による支払基金の長期借入金又は短期借入金に係る債務について保証することができる。

(余裕金の運用)
第百七十条 支払基金は、次の方法によるほか、介護保険関係業務に係る業務上の余裕金を運用してはならない。

一 国債、地方債その他厚生大臣が指定する有価証券の保有
二 銀行その他厚生大臣が指定する金融機関への預金又は郵便貯金
三 信託会社(信託業務を営む銀行を含む。)への金銭信託

(厚生省令への委任)
第百七十一条 この章に定めるもののほか、介護保険関係業務に係る支払基金の財務及び会計に関し必要な事項は、厚生省令で定める。

(報告の徴収等)
第百七十二条 厚生大臣又は都道府県知事は、支払基金又は第百六十一条の規定による委託を受けた者(以下この項及び第二百七条第二項において「受託者」という。)について、介護保険関係業務に関し必要があると認めるときは、その業務又は財産の状況に関する報告を徴し、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。ただし、受託者に対しては、当該受託業務の範囲内に限る。

2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

(社会保険診療報酬支払基金法の適用の特例)
第百七十三条 介護保険関係業務は、社会保険診療報酬支払基金法第二十三条第二項の規定の適用については、同法第十三条に規定する業務とみなす。

(審査請求)
第百七十四条 この法律に基づいてした支払基金の処分に不服のある者は、厚生大臣に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

第九章 保健福祉事業

第百七十五条 市町村は、要介護被保険者を現に介護する者等(以下この条において「介護者等」という。)に対する介護方法の指導その他の介護者等の支援のために必要な事業、被保険者が要介護状態となることを予防するために必要な事業、指定居宅サービス及び指定居宅介護支援の事業並びに介護保険施設の運営その他の保険給付のために必要な事業、被保険者が利用する介護給付等対象サービス等のための費用に係る資金の貸付けその他の必要な事業を行うことができる。

第十章 国民健康保険団体連合会の介護保険事業関係業務

(連合会の業務)
第百七十六条 連合会は、国民健康保険法の規定による業務のほか、次に掲げる業務を行う。

一 第四十一条第十項(第四十六条第七項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)、第四十八条第八項及び第五十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により市町村から委託を受けて行う居宅介護サービス費、居宅介護サービス計画費、施設介護サービス費、居宅支援サービス費及び居宅支援サービス計画費の請求に関する審査及び支払
二 指定居宅サービス、指定居宅介護支援及び指定施設サービス等の質の向上に関する調査並びに指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者及び介護保険施設に対する必要な指導及び助言

2 連合会は、前項各号に掲げる業務のほか、介護保険事業の円滑な運営に資するため、次に掲げる業務を行うことができる。

一 第二十一条第三項の規定により市町村から委託を受けて行う第三者に対する損害賠償金の徴収又は収納の事務
二 指定居宅サービス及び指定居宅介護支援の事業並びに介護保険施設の運営
三 前二号に掲げるもののほか、介護保険事業の円滑な運営に資する事業

(議決権の特例)
第百七十七条 連合会が前条の規定により行う業務(以下「介護保険事業関係業務」という。)については、国民健康保険法第八十六条において準用する同法第二十九条の規定にかかわらず、厚生省令で定めるところにより、規約をもって議決権に関する特段の定めをすることができる。

(区分経理)
第百七十八条 連合会は、介護保険事業関係業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。

第十一章 介護給付費審査委員会

(給付費審査委員会)
第百七十九条 第四十一条第十項(第四十六条第七項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)、第四十八条第八項及び第五十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定による委託を受けて介護給付費請求書の審査を行うため、連合会に、介護給付費審査委員会(以下「給付費審査委員会」という。)を置く。

(給付費審査委員会の組織)
第百八十条 給付費審査委員会は、規約で定めるそれぞれ同数の介護給付等対象サービス担当者(指定居宅サービス、指定居宅介護支援又は指定施設サービス等を担当する者をいう。第三項及び次条第一項において同じ。)を代表する委員、市町村を代表する委員及び公益を代表する委員をもって組織する。

2 委員は、連合会が委嘱する。

3 前項の委嘱は、介護給付等対象サービス担当者を代表する委員及び市町村を代表する委員については、それぞれ関係団体の推薦によって行わなければならない。

(給付費審査委員会の権限)
第百八十一条 給付費審査委員会は、介護給付費請求書の審査を行うため必要があると認めるときは、都道府県知事の承認を得て、当該指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者若しくは介護保険施設に対して、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を求め、又は当該指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者若しくは介護保険施設の開設者若しくは管理者若しくはその長若しくは当該指定居宅サービスの事業若しくは指定居宅介護支援の事業に係る事業所若しくは介護保険施設における介護給付等対象サービス担当者に対して、出頭若しくは説明を求めることができる。

2 連合会は、前項の規定により給付費審査委員会に出頭した者に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給しなければならない。ただし、当該指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者又は介護保険施設が提出した介護給付費請求書又は帳簿書類の記載が不備又は不当であったため出頭を求められて出頭した者に対しては、この限りでない。

(厚生省令への委任)
第百八十二条 この章に規定するもののほか、給付費審査委員会に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

第十二章 審査請求

(審査請求)
第百八十三条 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求に関する処分及び要介護認定又は要支援認定に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金(財政安定化基金拠出金、納付金及び第百五十七条第一項に規定する延滞金を除く。)に関する処分に不服がある者は、介護保険審査会に審査請求をすることができる。

2 前項の審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。

(介護保険審査会の設置)
第百八十四条 介護保険審査会(以下「保険審査会」という。)は、各都道府県に置く。

(組織)
第百八十五条 保険審査会は、次の各号に掲げる委員をもって組織し、その定数は、当該各号に定める数とする。

一 被保険者を代表する委員 三人
二 市町村を代表する委員 三人
三 公益を代表する委員 三人以上であって政令で定める基準に従い条例で定める員数

2 委員は、都道府県知事が任命する。

3 委員は、非常勤とする。

(委員の任期)
第百八十六条 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(会長)
第百八十七条 保険審査会に、公益を代表する委員のうちから委員が選挙する会長一人を置く。

2 会長に事故があるときは、前項の規定に準じて選挙された者が、その職務を代行する。

(専門調査員)
第百八十八条 保険審査会に、要介護認定又は要支援認定に関する処分に対する審査請求の事件に関し、専門の事項を調査させるため、専門調査員を置くことができる。

2 専門調査員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命する。

3 専門調査員は、非常勤とする。

(合議体)
第百八十九条 保険審査会は、会長、被保険者を代表する委員及び市町村を代表する委員の全員並びに会長以外の公益を代表する委員のうちから保険審査会が指名する二人をもって構成する合議体で、審査請求(要介護認定又は要支援認定に関する処分に対するものを除く。)の事件を取り扱う。

2 要介護認定又は要支援認定に関する処分に対する審査請求の事件は、公益を代表する委員のうちから、保険審査会が指名する三人をもって構成する合議体で取り扱う。

第百九十条 前条第一項の合議体は、被保険者を代表する委員、市町村を代表する委員及び公益を代表する委員各一人以上を含む過半数の委員の、同条第二項の合議体は、これを構成するすべての委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

2 前条第一項の合議体の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

3 前条第二項の合議体の議事は、その合議体を構成する委員の過半数をもって決する。

(管轄保険審査会)
第百九十一条 審査請求は、当該処分をした市町村をその区域に含む都道府県の保険審査会に対してしなければならない。

2 審査請求が管轄違いであるときは、保険審査会は、速やかに、事件を所轄の保険審査会に移送し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。

3 事件が移送されたときは、はじめから、移送を受けた保険審査会に審査請求があったものとみなす。

(審査請求の期間及び方式)
第百九十二条 審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して六十日以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。

(市町村に対する通知)
第百九十三条 保険審査会は、審査請求を受理したときは、原処分をした市町村及びその他の利害関係人に通知しなければならない。

(審理のための処分)
第百九十四条 保険審査会は、審理を行うため必要があると認めるときは、審査請求人若しくは関係人に対して報告若しくは意見を求め、その出頭を命じて審問し、又は医師その他保険審査会の指定する者(次項において「医師等」という。)に診断その他の調査をさせることができる。

2 都道府県は、前項の規定により保険審査会に出頭した関係人又は診断その他の調査をした医師等に対し、政令で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料又は報酬を支給しなければならない。

(政令への委任)
第百九十五条 この章及び行政不服審査法に規定するもののほか、審査請求の手続及び保険審査会に関して必要な事項は、政令で定める。

(審査請求と訴訟との関係)
第百九十六条 第百八十三条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。

第十三章 雑則

(報告の徴収等)
第百九十七条 厚生大臣又は都道府県知事は、市町村に対し、必要があると認めるときは、その事業の実施の状況に関する報告を求めることができる。

2 厚生大臣は、都道府県知事に対し、当該都道府県知事が第五章(第三節第二款を除く。)の規定により行う事務に関し必要があると認めるときは、報告を求め、又は助言若しくは勧告をすることができる。

3 厚生大臣又は都道府県知事は、医療保険者に対し、納付金の額の算定に関して必要があると認めるときは、その業務に関する報告を徴し、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。

4 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

(連合会に対する監督)
第百九十八条 連合会について国民健康保険法第百八条及び第百九条の規定を適用する場合において、これらの規定中「事業」とあるのは、「事業(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百七十七条に規定する介護保険事業関係業務を含む。)」とする。

(先取特権の順位)
第百九十九条 保険料その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

(時効)
第二百条 保険料、納付金その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。

2 保険料その他この法律の規定による徴収金の督促は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を生ずる。

(期間の計算)
第二百一条 この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、民法の期間に関する規定を準用する。

(被保険者等に関する調査)
第二百二条 市町村は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、第一号被保険者の配偶者若しくは第一号被保険者の属する世帯の世帯主又はこれらであった者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

(資料の提供等)
第二百三条 市町村は、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、第一号被保険者の配偶者若しくは第一号被保険者の属する世帯の世帯主の資産若しくは収入の状況又は被保険者に対する老齢退職年金給付の支給状況につき、郵便局その他の官公署若しくは年金保険者に対し必要な文書の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは被保険者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができる。

(実施規定)
第二百四条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生省令で定める。

第十四章 罰則

第二百五条 認定審査会、都道府県介護認定審査会、給付費審査委員会若しくは保険審査会の委員若しくは保険審査会の専門調査員又はこれらの委員若しくは保険審査会の専門調査員であった者が、正当な理由なしに、職務上知り得た指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設の開設者若しくは居宅サービス等を行った者の業務上の秘密又は個人の秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2 第二十七条第四項(第二十八条第四項、第二十九条第二項、第三十条第二項、第三十一条第二項及び第三十二条第二項(第三十三条第四項及び第三十四条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第二百六条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

一 第九十八条第一項各号に掲げる事項以外の事項を広告した者、同項各号に掲げる事項に関し虚偽の広告をした者又は同項第三号に掲げる事項の広告の方法が同条第二項の規定による定めに違反した者
二 第百一条又は第百二条の規定に基づく命令に違反した者

第二百七条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした健康保険組合、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団の役員、清算人又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

一 第百六十三条の規定による報告若しくは文書その他の物件の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の記載をした文書を提出したとき。
二 第百九十七条第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

2 第百七十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした支払基金又は受託者の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

第二百八条 介護給付等を受けた者が、第二十四条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、二十万円以下の罰金に処する。

第二百九条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

一 第九十五条の規定に違反した者
二 第百条第一項の規定による報告若しくは提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
三 第百五条において準用する医療法第九条の規定に違反した者

第二百十条 正当な理由なしに、第百九十四条第一項の規定による処分に違反して、出頭せず、陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、又は診断その他の調査をしなかった者は、二十万円以下の罰金に処する。ただし、保険審査会の行う審査の手続における請求人又は第百九十三条の規定により通知を受けた市町村その他の利害関係人は、この限りでない。

第二百十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第二百六条又は第二百九条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第二百十二条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした支払基金の役員は、二十万円以下の過料に処する。

一 この法律により厚生大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第百七十条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。

第二百十三条 居宅サービス等を行った者又はこれを使用する者が、第二十四条第一項の規定による報告若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、十万円以下の過料に処する。

第二百十四条 市町村は、条例で、第一号被保険者が第十二条第一項本文の規定による届出をしないとき(同条第二項の規定により当該第一号被保険者の属する世帯の世帯主から届出がなされたときを除く。)又は虚偽の届出をしたときは、十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。

2 市町村は、条例で、第三十条第一項後段、第三十一条第一項後段、第三十四条第一項後段、第三十五条第六項後段、第六十六条第一項若しくは第二項又は第六十八条第一項の規定により被保険者証の提出を求められてこれに応じない者に対し十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。

3 市町村は、条例で、被保険者、第一号被保険者の配偶者若しくは第一号被保険者の属する世帯の世帯主又はこれらであった者が正当な理由なしに、第二百二条第一項の規定により文書その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。

4 市町村は、条例で、偽りその他不正の行為により保険料その他この法律の規定による徴収金(納付金及び第百五十七条第一項に規定する延滞金を除く。)の徴収を免れた者に対し、その徴収を免れた金額の五倍に相当する金額以下の過料を科する規定を設けることができる。

5 地方自治法第二百五十五条の二の規定は、前各項の規定による過料の処分について準用する。

第二百十五条 連合会は、規約の定めるところにより、その施設(介護保険事業関係業務に限る。)の使用に関し十万円以下の過怠金を徴収することができる。

附 則

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一 第八条の規定 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日[平成一〇年一月一〇日―平成一〇年政令第六号]
二 第八章、第二百四条、第二百七条第二項及び第二百十二条の規定 平成十二年一月一日

(検討)
第二条 介護保険制度については、要介護者等に係る保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の状況、保険給付に要する費用の状況、国民負担の推移、社会経済の情勢等を勘案し、並びに障害者の福祉に係る施策、医療保険制度等との整合性及び市町村が行う介護保険事業の円滑な実施に配意し、被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲、保険給付の内容及び水準並びに保険料及び納付金(その納付に充てるため医療保険各法の規定により徴収する保険料(地方税法の規定により徴収する国民健康保険税を含む。)又は掛金を含む。)の負担の在り方を含め、この法律の施行後五年を目途としてその全般に関して検討が加えられ、その結果に基づき、必要な見直し等の措置が講ぜられるべきものとする。

第三条 政府は、この法律の施行後、保険給付に要する費用の動向、保険料負担の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、居宅サービス、施設サービス等に要する費用に占める介護給付等の割合について、検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

第四条 政府は、この法律の施行後十年を経過した場合において、第五章の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第五条 政府は、前三条の規定による検討をするに当たって、地方公共団体その他の関係者から、当該検討に係る事項に関する意見の提出があったときは、当該意見を十分に考慮しなければならない。

介護保険法の概要