「おはようございます。」masaの声で
one zero three事務所の1日は始まる。
ちなざぶろうが、オフィスの来客用ソファーで
うつらうつらしている。どうやら昨日は徹夜だったらしい。
彼はお気に入りブルーのシャツにいつもマスクをしている。
今はすすきの花粉症らしい。彼の仕事内容は怪しい発明と研究である。
彼には妻子がいるようだが、別居しているらしい。
ほとんど事務所をすみかとし、地下室や、屋上を改築しているようだ。
masaは水とコーヒーを入れて、社長室にむかい、ドアをノックした。
「どうぞ」りゅうのバリトンの低い声が聞こえる。
「おはようございます。社長」masaは水とコーヒーを差し出す。
「おはようmasa君」と言いながら、りゅうは水を一気に飲みほした。
そして「六甲の天然水だね」
「その通りでございます。」
りゅうは満足そうにふふんと鼻を鳴らした。
社長のりゅうは、水とお茶にはかなりうるさい方である。
そして水の銘柄を当てることと、お茶をたてることを趣味としている。
現在独身、うわさでは美人のスチュワーデスとつきあっているらしい。
masaは本日のスケジュールを確認する。
「午後2時、スカイホーク大佐の自宅へ訪問、
午後4時あおさんの学校で講演会、以上でよろしかったですか?」
「うんそうだね、今夜はMASAMARUさんのコンサートに行くから戻らないよ
ではそろそろ出かける。」
りゅうはコーヒーを飲みながら答えた。
ここで、ONE ZERO THREE事務所を簡単に紹介してみよう。
通称「ワン・ゼロ」の創立記念日は2001年4月27日。
この日は社長のりゅうの誕生日でもある。
資本金は0円で従業員数は4名。
代表取締役社長のりゅう、開発研究員のちなざぶろう、
ナース・営業レディのるみぞう、秘書・事務員のmasaである。
営業時間は24時間、フレックスタイム制、勤務地は京都で
職種は「なんでも屋」である。
事務所は宇治川のそばにある2階建ての鉄筋コンクリートの建物だ。
以前は図書館だったらしく、上品な雰囲気を漂わせている。
なんでも、るみぞうが昔つきあっていた男にプレゼントされた建物なのだ。
彼女といえば、出社時間は大抵お昼過ぎた。
又は、気が向いた時にしか事務所には顔を出さない。
出社したとしても事務所のシャワールームに入り浸っているか、
携帯電話で電話をしているだけなのだ。
しかし、るみぞうのおかげでこの事務所は営業を続けられている所も
あるのだ。恋人に貢がした宝石などでmasa達の給料が支払われている。
しかし、このことはりゅうとるみぞうだけの秘密である。
もちろん、りゅうの描いた絵を売買して得る利益が面なのだが。。。
事務担当のmasaは掃除とファイルの整理をしながら、
こまごまと働いている。
電話は、開業してから1度も鳴ったことはない。
お昼の3時ぐらいになって、るみぞうが出勤してきた。
大きな帽子をかぶったロングの髪に、赤のワンピースを着ている。
胸元ははちきれんばかりのボインがゆれている。
すると、今まで眠っていたちなざぶろうが目を覚まし活動をはじめた。
「あら〜社長はいないの〜?masa」
「ええ外出されています。今日はお戻りになりません。」
「スッチーとデートかしら?」
「いいえ!社長は、東京に出張されています。」
masaはきっぱりと言った。
彼女はるみぞうが苦手である。
まじめで、少々ロマンティストのmasaは
今だに白馬の王子様を待っているという天然記念物なみのお嬢様である。
一方るみぞうは、きままで派手好きで常に男をはべらせていた。
族に言う悪女であるが、気高く美しい、品のある女である。
「お客は来たかしら?」
「なしです。」
「まあさぶいわね〜♪おふろ沸いてるかしら?」
「はい、用意しています!」とちなざぶろうが元気に答えた。
彼は眠っていても、ふろをたくことだけは忘れない。
るみぞうはふろからあがると、綺麗に化粧をしてどこかへ行ってしまった。
「もう!るみぞうさんたらっやる気あるのかしら?」
masaはぷんぷんしながら、小さな金庫の現金を数え出した。
そして夕方5時になると
「おさき失礼します〜」とmasaは事務所を後にした。
そして、ちなざぶろうが研究をはじめた。
第1話 事務所の日常 おわり 企画 one
zero three 編集 masa
|