JDCC集団健康度チェック目録(GHI)ver.1.0をヒントに、
(日本の)エホバの証人のコミュニティについて考える


JDCC集団健康度チェック目録(GHI)ver.1.0とは、何らかの集団の「健康度」をチェックするために作成された質問集で、 米国人と日本人の間では人権感覚が全く異なっていることから、米国の研究に乗っかるのをやめ、日本のさまざまな集団(必ずしも宗教団体に限定されるわけではない)の健康度を知るための指標として、数年前に作成されたものだそうです。

具体的にどんなふうにして作られたかというと、日本脱カルト研究会(JDCC)のHPによれば、日本のカルト問題のプロフェッショナルとされる8人の人々(心理学者、神学者、弁護士、聖職者から成る)が合宿して、特定の団体をなるべく思い浮かべないようにしつつ、日本国憲法の「基本的人権の尊重」の条文をよく参照しながらブレイン・ストーミングを行ったところ、ありったけ思いついた項目が248に及んだそうです。次に脱カルト研究会(JDCC)の会員の中の19名によって、架空の団体を想定した場合それら248の項目(="活動")がどの程度反社会的であると思うかを、5段階で評価してもらい、その結果に基づき118項目に減らした後、さらに統計的なチェックを行う目的で、130名の大学生に架空の団体をイメージしてもらう方法によって質問項目とポイントの有効性をチェックし、さらに別な186名の大学生に、最も自分が関わっている団体をイメージしてもらって項目ごとにポイントを判断してもらい、それを分析して合計114項目に減らしたものだそうです。
各質問に対して、
0 点-----「あてはまらない」
1 点-----「どちらとも言えない(わからない)」
2 点-----「少し当てはまる」
3 点-----「まったく当てはまる」
のいずれかを選び、「総合健康度」が合計0〜324点までのレンジで表現されるというものです。
 「この人はJWが唯一の神の正しい組織と考えているのか、そうでないのか、どっちなのか?」つまり「白か黒か」「全か無か」思考で迫りたくなるJW関係者がいるのではないかと、私はちょっと気がかりなのですが、それは個人としても集団としても不健康的な思考の型です。なぜなら、「全か無か」の思考は、以前の「目ざめよ」誌にも要旨が抜粋された通り、本人やその思考に接する人々にうつ状態をもたらすことがある「歪んだ思考の型」のひとつですし(1987年10月22号p13の囲み記事参照。目ざめよ誌の記事が出た当時は引用文献の邦訳が出ていなかったので「気分がよくなるー新気分療法」という書名で紹介されていますが、これはその後、認知療法の本として広く知られるようになった「いやな気分よさようなら」デビッド・バーンズ著、星和書店、のことで、ご存知の方も多いと思います)、また白黒思考・全か無か思考はカルトが得意とする二元論でもあるため、「その発想で考えるのはカルトっぽいことになってしまう」のです。(注意!^^)

GHIの114項目をひとつひとつ考えていくにあたって、よく理解しておく必要があるのは、集団の健康度は白か黒かで判断するものではなく、白と黒の間にあるグレーの領域を表現する必要があること、純白から真っ黒までのさまざまなトーンのグレイの領域を連続体として考えてみるものである、ということです。JDCC集団健康度チェック目録ver.1.0では、いくつかの領域ごとに基本的人権の侵害状況を小集計した上で、合計点数の総合健康度が算出される仕組みになっていて、

(1)入脱会の自由に対する侵害
(2)信教・思想の自由に対する侵害
(3)通信・居住の自由に対する侵害
(4)性・子供の権利に対する侵害
(5)健康・文化的生活の権利に対する侵害
(6)民主教育に対する侵害
(7)組織の民主制に対する侵害
(8)プライバシーに対する侵害
(9)その他の人権に対する侵害 からなっています。

なお、現時点までの結果をまとめた「中間発表」がweb上に公開されていますが、データを集めて分析している研究家も、サンプルが偏っていてその集団全体の特徴を正確に示すものではないことは念頭に置いているようです。非常に数多くの団体関係者が回答を寄せているそうですが、ひとつの団体あたりでは多くて数十人分で、回答数の多い8つの団体について、上記(1)〜(9)の項目別にグラフで示されています。そのうち団体名が明らかにされているのはオウム真理教と統一協会のみで、興味深いことに、オウム並みに諸項目のポイントが高い、「こわくて名前が言えない」組合法人の団体もあるのだそうです(私は勉強不足のため、具体的に想像できませんでした。)また、団体名は公表されていませんが、集まったデータ数の多かった8つの中に、もう一つ「ここも非常に多くの議論がなされている」という「キリスト教系の」団体があり、(6)(7)(1)の項目のポイントは高めで(2)(3)(4)(5)(9)のポイントが低いという特徴から、このグループは主に、エホバの証人の親がいる家庭で育てられ、特に1970−80年代にJW組織の中で子供時代を送った人々、あるいはバプテスマ・排斥・復帰などに関連してトラブルを経験した人々から成っていたのではなかろうか?と思いました。


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(参考サイト)
JDCC集団健康度チェック目録(GHI)ver.1.0
・中間発表を行った西田公昭さん(社会心理学者)のHP


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