トランプで遊ぶ事さえも知られていないでしょう、ナポレオン。
大富豪を越す人気を得るために、ここに遊び方を記そうと思います。


使用する物…トランプ(ジョーカーは一枚だけ使う。ローカル・ルールとして、二枚抜いても良い)
参加人数…5人 多すぎても少なすぎても駄目。これがメジャーになれない一つの理由。
一番必要な物…ルールを覚えるための根気。途中で訳が分からなくなっても、最後まで通して文を読めば、何とか理解できるはずです。我慢して最後まで読んで下さい。と言うよりも、全部読まないと理解は不能でしょう。


 まず、五人に10枚ずつ配ります。するとカードが三枚余るはずですが、これは伏せて置いて下さい。そして、誰が「ナポレオン」になるかを決めます。このゲームには三つの階級があります。「ナポレオン」「副官」「連合軍」の三つです。詳しくは後述します。ナポレオンの決め方は、皆で順番に宣言する事で決めます。宣言の方法は、「もし切り札がダイヤだったら、俺は役札を7枚取る事ができる」という形です。まぁ「ダイヤで7」という言い方で十分です。いきなり「切り札」「役札」等という専門用語が出てビックリしたでしょうが、役札というのは、10、J、Q、K、Aの事です。つまり、全部で20枚です。「切り札」については後述します。今は名前だけ覚えて置いて下さい。
 そしてこの宣言ですが、宣言する人は、必ず前の人が言った宣言より、強い宣言をしなくてはなりません。「強い宣言」の条件ですが、役札の枚数が多い方が「強い」宣言となります。では、役札が同じ枚数では「強い」宣言になりえないのか、というと、それは違います。同じ枚数でも「切り札」をどのマーク(以下:シークエンス)にするかによって、「強い」宣言を行う事も可能です。実はシークエンスの中でも、優劣が存在するのです。一番強いのはスペード。次がハート。そしてダイヤ、クラブの順になります。つまり、「切り札がダイヤだったら俺は役札を7枚取れる」の次に強い宣言は、「ハートで7枚」というわけです。その次は「スペードで7枚」。そしてその次は「クラブで8枚」という事です。先程から何度も出ている「切り札」。これがこのゲームの中で最も重要な事です。
 さて、次々に宣言が出され、自分はこれ以上強い宣言を出すことができないと思った時は、パスをします。つまり、オリです。そうして四人がパスをした時、残った一人が「ナポレオン」になる事ができるのです。
 ここで気をつける事は、必ずしもナポレオンになる事が有利とは限らないということ。しかし、この宣言によって必ず(駆け引きが生じた場合を除く)手持ちのカードが一番強い人物がナポレオンになるカラクリになっているのです。この意味がわかった頃には、ルールを完璧に覚えていることでしょう。

 ナポレオンが決定したようです。仮にここではN-yamがナポレオンだったとしましょう。N-yamは「ハートで12枚」という宣言でナポレオンになりました。N-yamは今回のゲームの中で、役札を12枚取らなくてはいけません。しかし、一対四で勝つのは至難の業です。そこでナポレオンであるN-yamが「副官」を指名します。指名の仕方は簡単です。「○○のカードを持っている人」という言い方です。一般的に、○○に当てはまるのは強いカードです。このゲームにおいて、一番強いカードはスペードのエースなのですが、自分が持っていなかった場合、「スペードのエースを持っている人」と宣言することになるわけです。ナポレオンと副官は仲間となります。副官は…虹さんとでもしましょう。残りの3人は連合軍となり、文字通り3人は一丸となって戦います。ナポレオンと副官の取った役札の枚数が、12枚以上であれば、ナポレオンと副官の勝ち。12枚取る事を連合軍が阻止できれば、連合軍の勝利となります。
 ここでポイントとなる事は、ナポレオンが副官を指名した際、副官は自分が副官である事を公言しなくていいということです。つまりわかりやすく言えば、副官は連合軍のスパイとして戦うのです。もちろん上記の場合で言うと、副官がスペードのエースを場に出した場合、虹さんが副官であるということがばれるのです。最後までスペードのエースを出さずに持っていて、スパイとして戦うことによって周りからマークされずに戦うのも作戦の内、というわけです。
 ナポレオンが副官を指名した後、ナポレオンは場に残っていた三枚のカードを手に入れ、自分のいらないカード三枚と交換することができます。ちなみにこの時、残った三枚のカードの中に、副官に指名したカードが混じっていた場合、副官は無しと言う事になります(もちろんその事を隠しながら戦う必要があるのですが…)。不必要と判断した三枚は場に裏に伏せて捨てます。この時、捨てたカードの中に役札がある場合、役札は表にして捨てます。この捨てた三枚のカードは、最初の勝負で勝った者が手に入れることになります。

 さて、勝利条件が分かったところで、肝心の勝負のやり方を説明します。
 簡単に説明すると、一人一人が順番にカードを出していき、場に5枚カードが揃った時、一番強いカードを出していた者が、場に出されたカードを全て取ることができます(手持ちにするわけではありません!)。取ったカードの中に役札が入っていた場合は、その取った役札の枚数が最終的な勝負を決めるので、役札はゲームが終わるまで大切に持っていて下さい。全員がカードを10枚ずつ持っているので、計10ターンの勝負をすることになります。カードを出す順番は、前の勝負で勝った者が、一番最初にカードを切ります(一番最初の勝負はナポレオンから始めます)。前の者が切ったカードを見てから、次の者がカードを切るわけですから、当然、後からカードを切る者の方が有利なのです。
 それではそのカードの強さを説明します。

 一番弱いカードは「2」です。次に3、4、5、6、7…J、Q、K、Aの順です。ただし、特別に強いカードという物があり、その時の条件等によって弱いカードでも化ける事があります。その特別なカードなのですが、「切り札」「セイム2」「ジョーカー請求」「裏ジャック」「表ジャック」「ジョーカー」「マイティ」「よろめき」等があります。以上のカードの強さを覚えなくてはいけないのが、ルールを覚える上でつまづいてしまうところです。
 場に出せるカードには制限があります。一番最初に出す者には制限がありませんが、二人目以降は、一番最初に出されたカードと同じシークエンスのカードを出さなくてはいけません。では同じシークエンスのカードが、自分の手持ちになかった場合はどうするのか。この時は好きなカードを出す事ができます。つまり、最初に出されたシークエンスが手持ちになかった場合は、自分にとって有利な事なのです。その理由は「切り札」があるからです。詳しくは「切り札」の説明を読んで下さい。最初に出されたシークエンスと違うシークエンスのカードは、数字に関係なく、負けます(例外として、この次に説明する切り札等は、違うシークエンスでも勝つ事ができます)。この事を踏まえた上で、特別なカードの説明に移ります。

 まず一番最初に説明する必要があるのが「切り札」です。一番最初の「宣言」の説明を覚えているでしょうか。「切り札がハートだったら…」という、あれです。この切り札というのは、シークエンスで決まります。N-yamは「ハートで12枚」という宣言でナポレオンに決定しました。この時、ハートのカード全てが「切り札」になります。「切り札」はどのシークエンスに対しても強く、数字で負けていても、シークエンスがハート以外であれば、「切り札」であるハートが無条件で勝つ事ができます。ただし、最初に場に出されたカードがハート以外(例えばクラブ)で、自分がそのシークエンス(ここではクラブ)を持っていなかった場合のみ、ハートを行使できるのです。これは上で説明した通りです。つまり、ナポレオンになったN-yamは、自分がハートを沢山持っていたから「切り札がハートだったら…」と宣言したのです。 ハートを沢山持っている=他のシークエンスのカードは少ない=ハートを出す機会が多い=ハートをなんとしてでも切り札にしたい!=自分がナポレオンになるしかない だからN-yamはナポレオンになったのです。この事がおわかりでしょうか?

 続いて「裏ジャック」「表ジャック」を説明します。これは切り札と深い関係にあります。今回は切り札がハートです。この場合、「裏ジャック」はダイヤのJ、「表ジャック」はハートのJになります。赤いカード同士が表と裏の関係にあります。もちろん黒いカードも同様で、切り札がクラブだった場合は、「裏ジャック」がスペードのJ、「表ジャック」がクラブのJとなるのです(切り札がスペードだった場合は、裏がクラブ、表がスペードとなります)。この「表・裏ジャック」は切り札よりも強く、同様に数字に関係なく勝つことができます。ちなみに「表・裏ジャック」以外のJはただの11です。別に強くないです。裏と表では表ジャックの方が強いので注意しましょう。

 ジョーカーですが、これは簡単です。いつでも無条件に出す事ができます。強さは表ジャックの次に強いです。ジョーカーが一番最初に切られた場合、その後のシークエンスはどう決まるのかいうと、ジョーカーを切った人がシークエンスを指定する事ができます。切り札を減らしてやれ、と思えば切り札のシークエンスを指定すればいいのです。これで表ジャックが切られれば幸運でしょう。ちなみにジョーカーは役札ではありません。つい間違えてしまいますが、気を付けましょう。

 そしてこのゲームの中でもっとも強い「マイティ」。実はこれ、スペードのエースの事なのです。ジョーカーと違い、いつでも出せる、というわけではありませんが、ジョーカーよりも強く、かつ役札であるわけですから、これを持っていればゲームをかなり有利に運ぶ事ができるでしょう。
 ちなみにこの「マイティ」とは、このゲームの名前であり、発案者であるナポレオンの事を指しているのです。つまり、「私は無敵だ」と。そう言いたいのです。無敵たって、島流しされた後、その島でこのゲーム考えたってなぁ…。ナポレオンがかつての栄光を思い出しながら、このゲームを楽しんだと言われています。なんだか泣けてきますね。

 しかしそのマイティにも弱点があります。それが「よろめき」です。この「よろめき」とは、マイティと「ハートのQ」が同じターンの場に捨てられた時に起こります。マイティは無敵なのですが、この「ハートのQ」に関しては例外です。マイティは、「ハートのQ」に無条件で負けます。逆転を狙えるカードです。ただし、マイティがいない場合にはただの12という「数字」扱いになってしまいます。

 よろめきのように、条件次第では優劣が変わるカードもあります。「セイム2」もその一つです。「セイム2」とは、場に5枚カードが捨てられた時、その5枚のカードが、
  1、全て同じシークエンスである。
  2、表・裏ジャック、ジョーカー、マイティが場に存在しない。
  3、「2」が捨てられている。
  4、第一ターン目ではない。
 という条件を満たした際、やはり無条件で「2」の勝ちとなります。これが「セイム2」です。スペードにも勝てます。

 更に「クラブの3」。一番最初に切られたカードが「クラブの3」だった場合、ジョーカーを持っている者は必ずジョーカーを切らなくてはいけません。これが「ジョーカー請求」です。副官指名が「ジョーカーを持っている人」だった場合、必然的に副官がばれてしまいます。また、ジョーカーは二番目に強いカードですから、ジョーカーを持っていない者は、(勝ち目がないので)なるべく弱いカードを処理してしまいます。このため、ジョーカーを持っている者には迷惑極まりない行為となります。ちなみに「ジョーカー請求」にターンは関係ありません。


 どうでしょう? おおまかなルールの理解は得られたでしょうか。ここで付け加えておきたいのは、ナポレオンになる価値という物です。せっかくナポレオンになったというのに、勝っても負けても連合軍と同じ喜びと悔しさしか得られないと言うのでは、ゲームとして少々アンバランスです。そこで今回は、得点制を提案します。勝った人は60点を山分け。ナポレオンと副官が勝った場合は ナポレオン:40 副官:20 の割合。連合軍が勝った時はキッチリ三等分。ナポレオンが副官無しで一人で勝った場合は60点総取り。ナポレオンが副官無しで負けた場合は、連合軍四人で四等分。
 ゲームを始める前に何回勝負かをあらかじめ決めておけばいいでしょう。これならばナポレオンになる価値が充分に生み出されるはずです。
 また、お金を賭けてやる場合は、12円を一口として賭けあうといいでしょう。

 ルールがまだ理解できない、という人は、とりあえずナポレオンや副官などを決めないで、適当に切り札を決めた上で遊んでみて下さい。単純に多く役札を取れた人の勝ち。まず最初はカードの優劣を覚える事から始めましょう。すると、手持ちのシークエンスの数が偏った際、その、数の多いシークエンスを切り札にしたい、と強く願うはずです。ゲームの最初に行う「宣言」とはそれを可能にする物なのです。ただし、それには切り札を沢山取るという公約と、一人の副官を道連れにするという事と、連合軍から集中的にマークされる等と、色々リスクが付きまといます。しかし勝てば40点。…このゲームのミソがわかっていただけたでしょうか?



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