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アレクサンドル・ベリャーエフ

Александр Беляев (1884--1942)

== Biography ==

ロシア初のSF専業作家で、「ロシアのジュール・ヴェルヌ」と呼ばれる。生涯に60篇余りの作品を書いているが、その最大のテーマは科学、特に生体科学と、宗教あるいは倫理の対立にある。子供のころからヴェルヌを愛読し、ツィオルコフスキーを師と仰ぐ一方で、敬虔な牧師の家に育ち神学校も卒業していることがその背景にあるのだろう。臓器移植やクローン人間といった科学者の倫理が問題となっている現在にあって、ベリャーエフSFの先見性はもっと注目されてよいはずである。代表作は胴体を失い首から上の部分だけになってしまった人間をめぐる騒動を描いた『ドウエル教授の首』で、これは彼のデビュー作でもある。本邦では岩崎書店の六巻からなるベリャーエフ選集をはじめ、児童向けの翻訳を中心にかなりの数の作品が翻訳されている。中でもサメの鰓を移植されて水中でも呼吸ができるようになった少年を主人公にした『両棲人間』は、ジュブナイルSFの傑作として知られている。これについてはその翻訳の事情も含め細江ひろみさんのサイトが詳しい。このほか、アマゾンの大自然を舞台にした美しい中篇冒険小説『髑髏蛾』が創元SF文庫の『ロシア・ソビエトSF傑作集 下』に収録されている。欧米のSFの本国への紹介にも尽力し、ヴェルヌの『2889年』を翻訳したり、ジャック・ロンドンの代表作『鉄の踵』のロシア語版に序文を書いたり、レニングラードでH. G. ウェルズと会ったりもしている。

== Bibliography ==

  1. ドウエル教授の首 ( Голова профессора Доуэля, 1925 ) [ E-text ]
  2. 両棲人間 ( Человек-амфибия, 1928 ) [ E-text ]
  3. 髑髏蛾 ( Мертвая голова, 1928 ) [ E-text ]
last modified on 2004/06/13