ロラン・バルト; 花輪光[訳] :: どこから始めるべきか? :: 『新=批評的エッセー』(みすず書房 1977)
Roland Barthes: Par où commencer?, Poétique 1970(1), pp.3--9; In: Nouveau essais critiques, 1972
ミシェル・セール; 村上光彦[訳] :: 天と地との測地学 :: ユリイカ 1977(9-5), pp.186--196
Michel Serres: Géodésiques de la Terre et du Ciel, L'Arc 1966(29), pp.13--19
ミシェル・ビュトール; 及川馥[訳] :: 至高点と黄金時代---ジュール・ヴェルヌの若干の作品を通して :: ユリイカ 1977(9-5), pp.204--231
Michel Butor: Le Point suprême et l'Âge d'Or à travers quelques œuvres de Jules Verne, Arts et lettres 1949(15)
レイモン・ベルール; 調佳智雄[訳] :: 寄木細工 :: 『皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ』(パシフィカ 1979)
Raymond Bellour: La mosaïque, L'Arc 1966(29), pp.1--4
フランシス・ラカサン; 調佳智雄[訳] :: 地球の難船者 :: 『永遠のアダム/エーゲ海燃ゆ』(パシフィカ 1979)
Francis Lacassin: Les naufragés de la Terre, L'Arc 1966(29), pp.68--80
ヴェルヌと同時代の空想科学小説作家には、もっと豊かな想像力を発揮した者も少なくない。それにも拘わらずヴェルヌが「SFの父祖」としての特権的な地位を得ている理由をその厳密な実証主義に求め、SFの形成過程におけるその位置づけを明らかにしようとする。ロニー兄やアンドレ・ローリー、ギュスターヴ・ル・ルージュらとかく忘れられがちな先駆者に光が当てられていることは重要だが、ウェルズを無批判に持ち上げ、E. R. バロウズをSFの開拓者として称揚する著者の言説には首を傾げたくなる部分も多い。『タイム・マシン』が傑作であることに異論はないが、『月世界最初の人間』は果たしてヴェルヌの月世界譚より優れているのだろうか。「『月世界最初の人間』ではその結末が曖昧であるために、読者は自分自身の夢想によってその続篇を補うことになる」という著者の言葉に対してはそのまま次のように返したい。『月世界一周』ではその月世界の姿が曖昧であるために、読者は自分自身の夢想によってその世界像を補うことになる、と。
ピエール・ヴェルサン; 山崎剛太郎[訳] :: 人工感情 :: 『洋上都市』(パシフィカ 1979)
Pierre Versins: Le sentiment de l'artifice, L'Arc 1966(29), pp.56--65
A. B. エバンズ; R. ミラー; 食野雅子[訳] :: ジュール・ベルヌの意外な素顔 :: 日経サイエンス 1997(27-10), pp.102--108
A. B. Evans; R. Miller: Jules Verne, misunderstood visionary, Scientific American 1997(4), pp.92--97