ちょっと雑学を!

FREE TALKなどで書いたことをより詳しく
ちょっぴり雑学的な要素を混ぜ合わせて
たーんが説明しちゃいます。


雷と豊作の関係

 

 雷は古来「稲妻」と呼ばれ、雷が多い年は豊作になると言われてきました。また、「稲妻ひと光で稲が一寸伸びる」「雷と稲光は稲をよく育てる」などという表現によって各地で語り継がれてきました。さて、雷と稲の生育に関係は本当にあるのかということが今回のテーマになりますが、夏期から初秋にかけての時期に雷は多発することが多く、その時期は稲の生育時期でとても大切な時期と一致することが大きく関係しています。FREE TALKのコーナーで少し触れていますが、ここでは雷と豊作の関係についてじっくり説明していきたいと思います。
 たとえば夏期に照りつける暑い日差しの中では、地表が加熱され、熱せられた空気が強い上昇気流となって上っていき、積乱雲となって雷雨が生じます(この時期見られるのがこの気象現象)。このような気象現象の下では、稲の生長にとって必要な高い気温が保持され、十分な量の光が与えられるであろう。また、雷に伴う雨が田に水を補給します。これによって、光合成による  6CO26H2O+光エネルギー →C6H12O6(ブドウ糖)+6O2
炭酸同化(無機物の二酸化炭素と水とから糖を作る働き)が進み、こうして蓄えられた養分を用いて稲穂が形成されるのが雷の多発が間接的に豊作を予示することなのです。しかし、このことは間接的なことであって他方では、もっと直接的な関係もありうるのである。
 稲作において一定の収量を確保するためにはN肥料(三大肥料の一つで、その有無ないし多少が稲の生長・育成を左右し、ひいては米の収量に影響をもたらすことはよく知られている。)を外部から施さなければならないということが収量確保の条件となっていますが、それは収穫と同時に持ち去られるため年々、これを補わなければなりません。地球の空気中には約80%もN2が存在していることはご存知かもしれませんが、それならそのN2を利用すればと考えてみたくなりますが、実際にこの不活性な空気窒素を固定して利用できる生物は、ある種のランソウ類,豆科植物と共生する根粒細菌,アゾトパクター,クロストリジウムなど,数が限られているため直接利用ができないのです。結局、主流となってるのは人間の手による化学肥料の投入によって一定の収量を確保しているのです。
 しかし、ここで問題なのは、まだ化学肥料が存在せず、N肥料についての知識も十分になかった頃から、雷と豊作との関係が言われてきたということは雷がN肥料を作って供給しているかもしれないことを示唆しているように思われないだろうか。つまり、雷による強放電が空中窒素を固定することを稲が利用すると考えられる可能性としてありうることになる。(空気中で電気火花を飛ばすと、N2O2とが化合して窒素酸化物ができることは、200年前から知られており、20世紀初頭には工業化もされている。)そして、空気中のN2O2が反応して窒素酸化物が生成され、それが雨水に溶けてHNO3となり、地中に入ってほかの物質と化合し硫酸縁となって稲に吸収される。このことが、もっと直接的な関係である。このほか、豊作にいたる要件としては、花芽形成、生殖細胞の形成、種子の形成などの諸要件や呼吸によるATPの生産DNAの複製、細胞分裂の諸条件など、数多くある。ここでは、古くからの言い伝えられている雷と豊作ということで述べてきました。
 これらの説明の妥当性を調べるためには以下の調査を行えばよい。
前者では、一定の時期の雷の発生件数とその間の気温、日射量、雨量並びに光合成量と単位面積当たりの米の収量との相関を調べることである。後者では、雷の発生前後の空気中の窒素酸化物の濃度、雨量の中の硝酸量、土壌中の硝酸塩量、稲のN含有率などの変化を調べ相関を見ることである。