Art Therapist's Homepage


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ようこそ。これはアートセラピーに興味を持つ方たちのためのネットワーク作りや情報交換を目的としたホームページです。私はアメリカ在住なのでアメリカにおけるアートセラピーの現状をお知らせしていますが、これまでに日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど世界各地から情報が寄せられています。(掲示板をご覧ください)(HP開設日:1998年7月8日/最終更新日: 2011年9月20日)



もくじ


自己紹介


アートセラピーとは


アートセラピストになるには


勤務先について


私の修士論文


アートセラピーの問題点


精神分析と対象関係論について


セラピーのオリエンテーションについて


薬物・アルコール依存症カウンセリングについて


スピリチュアリティについて


リンク


最近の私











自己紹介




氏名: 北川のぞみ

生年月日: 196?年5月29日

血液型: O型

経歴: 短大の英文科(札幌)を卒業後、旅行会社に勤務。その後、米国のニューヨーク州立大学ニューポルツ校に編入学し、女性学を専攻。(主に女性問題、人種問題を勉強。副専攻はアート。)卒業後、NY市内で電話相談カウンセラーとして2年間勤務。働きながら心理学を学ぶ。その後、ニューヨーク大学(以後、NYU)教育学部大学院にてアートセラピーを専攻し、修士号を取得。卒業後はNY市内の私立精神病院、コミュニティセンター、NY州立精神病院、カリフォルニア州立精神病院、ニューメキシコ州ナバホインディアン居留地内のアルコール・薬物依存症の治療施設などにセラピストとして勤務。現在はワシントン州シアトル近郊で臨床マネージャーとして外来クリニックで16人のカウンセラーの指導、監督をする傍ら、個人開業を行っている。個人開業の内容はアートセラピーから大きく変化し、スピリチュアル・ライフ・コーチング、催眠療法、NLP(神経言語プログラミング)、エナジー・ヒーリング、シャーマニックなアプローチなどへと広がっている。

資格:LMHC (Licensed Mental Health Counselor by the State of Washington-ワシントン州認定メンタル・ヘルス・カウンセラー)

Approved Supervisor by the State of Washington(ワシントン州認定スーパーバイザー)

A.T.R.-B.C.(Registered & Board-Certified Art Therapist with American Art Therapy Association -米国アートセラピー協会登録・認定アートセラピスト)


趣味: 絵を描く & 見ること、ネットサーフ、旅行、温泉につかること、瞑想、ヨガ

宣伝: 〇笋凌靴靴ぅ咼献優后ΕΕД屮汽ぅ箸アップデートされました。リンクをご覧ください。実際のセッションはワシントン州でしかやっていませんが、スピリチュアル・ライフ・コーチングはオンラインでも行っています。∋笋一部(たった8ページですが・・)を書いた本が出版されています。「アート×セラピー潮流」(フィルムアート社)というタイトルです。カリフォルニア州立精神病院で働いていた頃のクライアント、犯罪と依存症の関わりなどについて書かれています。それとこのHPにリンクされているWebマガジン「レアリゼ」に私がナバホ国での仕事や生活について書いたエッセイが掲載されています。

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アートセラピーとは




日本には「芸術療法」という言葉がありますが、アメリカの「アートセラピー」とはちょっとニュアンスが違うような気がしますので、ここではあえて「アートセラピー」を使わせていただきます。それと私は Psychoanalytically-orientd Art Therapy (精神分析学的アプローチを用いたアートセラピー)のトレーニングを大学院で受けていますので、その視点からお話をしています。長年の経験を経た現在の私のアプローチはかなり折衷的になっていますが・・。(精神分析的、人間心理学的、認知療法的、家族療法的、トランスパーソナル的なアプローチが統合された感じです。)

アートセラピーは心理療法のひとつで、アート(描画、ペインティング、コラージュ、彫塑、オブジェなど)を使って様々な問題を抱えたクライアントの精神的回復を助けるものです。音楽や詩、ダンス、サイコドラマなどを使った療法はこれと区別されています。(これらを含む場合、「Creative Arts Therapy」とか「Expressive Therapy」と呼んだりします。)米国では1930年代から使われるようになり、Margaret Naumburgがパイオニア、Edith Kramerがセカンドパイオニアであると一般的には考えられているようです。非言語的コミュニケーションがセラピーの中心となるため、言葉で自分の心の中の葛藤やトラウマなどを表現しにくいクライアントに特に有効です。表情が豊かでおしゃべりな人が必ずしも自己表現できているとは限りません。堪えられないほどの精神的苦痛というのは、往々にして口には出せないものです。

心の中に強い葛藤やトラウマが存在するとき、それはその人の作る作品や作品制作の過程に何らかの形で現れてきます。1回目のセッションで現れることもありますし、何ヶ月もかかる場合もあります。その現われ方は必ずしも明確ではありません。それらを見抜くには経験と勘に頼ることも多いので、私個人はアートセラピストというのは非常に職人的な職業ではないかと思うことがあります。(もちろん理論的裏付けも大切なことですが)クライアントはメタファーを使って自己表現するので、アートセラピストもメタファーを使って返答しなければなりません。作品の中に明らかに何かが現れていても、それを直接クライアントに尋ねたり、本人の目の前で分析したりすることはありません。(チーム医療の場合は他のスタッフには解釈を説明したりしますが・・・)遠まわしにクライアントの無意識に潜むものを意識へと浮上させるよう努力します。(これが一番難しい!)クライアントは様々な想いの断片を作品に表現することによって、少しずつ内に潜む混乱した思考や感情を統合してゆきます。そこまで到達すると、口に出せなかったことを話し始めるクライアントもいます。通常のカウンセリングでも同じかと思いますが、アートセラピストは「治す」のではなく、クライアントが自分自身を癒してゆくのをサポートする立場にあります。

アートセラピーはその他にもクライアントの攻撃性や性的衝動を作品に表現させ、昇華させたり、アートの技術を高めることによってクライアントの自己評価を高める役割も果たします。また、アートセラピストは心理査定も行います。スペースが足りないので詳しくはご紹介できませんが、「Kramer Evaluation」、「Ulman Personality Assessment」(UPAP)、「HTP」、「DDS」などを使って査定を行います。

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アートセラピストになるには




米国には「A.T.R.」(Registered Art Therapist −米国アートセラピー協会登録アートセラピスト)という資格があります。これを取得した後試験を受けて合格すると「A.T.R.-B.C.」(Board Certified −協会認定アートセラピスト)になれます。これらは協会が認定する民間資格であり、日本の国家資格に相当する「State License」ではありません。ニューヨーク州、ニューメキシコ州、ミシシッピ州、ウィスコンシン州にだけアートセラピストのState Licenseがあるようです。(他にもあるかもしれません。)私はニューメキシコ州に移住したときにやっと州のライセンスを取得しました。(ニューヨーク州では私が去った後にLCAT (Licensed Creative Arts Therapist)というState Licenseができました・・)その他の州ではアートセラピストはLPC(Licensed Professional Counselor)、LMTF(Licensed Marriage & Family Therapist)、 LMHC(Licensed Mental Health Counselor)などのState Licenseを取得してアートセラピーを行うか、ATRの資格を認めてくれる職場で働いたりしています。私は現在、Licensed Mental Health Counselor(ワシントン州認定メンタル・ヘルス・カウンセラー)として個人開業を行っています。

全米での知名度はあまり高くない割に、A.T.R.の資格を取得するのは簡単なことではありません。まず大学院(協会認定の学校が望ましい)でアートセラピーを専攻し、修士号を取得しなければなりません。修士取得後、1000時間の臨床経験(この1000時間は直接クライアントに接する時間で、ペーパーワークなどは除かれる。これを満たすにはフルタイムでも最低1年半から2年くらいかかります。)も必要で、それに加えて10時間の臨床経験に対し、1時間のスーパービジョンを受けることが義務づけられています。自分が働く場所にA.T.R.がいればその人にスーパーバイズしてもらえますが、そうでない場合、他所のA.T.R.にお金を払ってスーパーバイズしてもらわなければなりません。(1時間50-100ドルくらい取られることもあるそうです。)A.T.R-B.C.を持っていれば、ニューメキシコ州では書類を提出するだけで州のライセンスが取得できます。

大学院もかなりハードで、私の学校の場合、コースワークと修士論文の他に1000時間のインターンシップを終えなければ卒業できません。これを2年間で終わらせようとすると週3日働き、最低週3回夜学校へ行ってクラスを受け、その上膨大な量のリーディングや課題をこなし、その合間をぬって修士論文を書きあげなければなりません。私のクラスメートは(私自身も含む)みんな目の下に隈をつくり、ヨレヨレになって学校へ来ていました。じんましんや血尿が出た人もいます。(このプログラムは3年分の量があるといわれています。)それからNYUは精神分析学的な志向が強いため、学生は精神分析やセラピーも受けるように教授から勧められます。精神分析やセラピーはきちんと資格を持ったセラピストから受けると1セッション最低50-100ドルくらいかかるので、学生にとっては結構大変なことです。(私は在学中は精神分析的セラピーを3ヶ月間受けただけでしたが、卒業後はWilliam Alanson White Instituteでフォーマルな精神分析を9ヶ月間受けました。週3回。ハードでした。)アートセラピストになるにはとてつもなく時間とお金と体力が必要です。(気力も)

大学院に入学するには、心理学とアート両方のバックグラウンドが必要です。クライアントの作品制作の手助けをしたり助言したりすることは信頼関係を築いてゆく上で非常に重要な部分なので、アートの基本的な技術は必須です。「アートセラピストはセラピストであり、美術教師であり、アーティストでなければならない」と私の学校の教授(セカンドパイオニアと言われているEdith Kramer)は言っています。もちろん心理学も重要です。必ずしも学部時代に心理学を専攻していなければならないということはありませんが、最低基本的なクラスは取っておかなければなりません。一番望ましいのはアートと心理学のダブルメジャーでしょう。ちなみにNYUではアートセラピープログラムに入る前に心理学で15単位以上、アートで30単位以上、行動科学または社会科学で30単位以上、美術教育学で3単位以上取得していなければなりません。2−3足りない場合はアートセラピーのクラスと並行して取ってゆくこともできます。日本のような入試はありませんが、成績証明書、エッセイ(小論文)、学部時代の教授あるいは職場の上司などからの推薦書3通、TOEFLのスコア等を送付し、その後ポートフォリオと呼ばれる作品のサンプルを提出させられます。(人物のデッサンと塑像、ペインティングは必須)その後、プログラムの教授と面接があり、実技の試験もあります。この実技の試験は芸術的な技術そのものを見るためのものではなく、受験生の共感性、柔軟性、芸術を通して自己表現する能力などを見るのが目的です。プログラムに合格すると、修士論文、インターンシップを含む50単位を取得して修士課程を終えます。私のように学部時代心理学専攻でなかった者は60単位近く取りましたが・・・

卒業生は様々な場所で働いています。病院の精神科病棟、小児科病棟(ガン・白血病の子供などを対象)、ホスピス、リハビリ病棟、老人ホーム、エイズ患者の施設、刑務所、薬物・アルコール中毒患者の施設、情緒障害児施設、身体障害者施設、ホームレスシェルター、盲学校、コミュニティー・メンタルヘルスセンター、養護学校などで活躍しています。

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勤務先について




私がニューメキシコ州ナバホ・インディアン居留地内にいたときは、ナバホ国部族政府(れっきとして自治政府です)の職員としてアルコール・薬物依存症の問題を抱えるナバホのティーンエイジャーを対象に働いていました。ファミリー・セラピストとして働いていましたが、もちろんアートセラピーもやっていました。考えられないほど複雑な家庭環境を持つ子供が多く、ファミリーセラピーなしには治療は成り立ちませんでした。親がアルコール依存症の問題を抱えていることが多く、世代から世代へとトラウマが受け継がれてきています。90日間の治療プログラムで、この間クライアントはここで寄宿生活を送ります。ディレクターの心理学者1名、ファミリーセラピスト2名、アルコール・薬物カウンセラー5名、Traditional Practitioner(メディスン・マンのこと)1名、看護婦1名、教師2名、その他Residential スタッフ、など計30名くらいの職員が働いていました。クライアント数は12〜14名くらい。

カリフォルニア州での職場はカリフォルニア州立精神病院の入院病棟です。患者数1100人、職員数2000人ほどの大規模な病院です。殺人、暴行、レイプ、放火、強盗といったハードコアな犯罪を犯した患者さんたちばかりです。患者さんは可愛いのですが、病院全体がバリバリに認知・行動療法系で私にとってはつらいものがありました・・・。私の病棟には精神科医2名、心理学者2名、ソーシャルワーカー2名、アートセラピスト1名、ミュージックセラピスト1名、ナース、サイキアトリック・テクニシャンと呼ばれる看護スタッフ、その他アシスタント、看護学生などが働いていました。

ニューヨーク最後の職場はニューヨーク市マンハッタンにある私立病院のMICA病棟(Mentally ill & Chemically Addictedの略 - 精神病でかつ薬物・アルコール依存症も抱えた患者さんのための入院病棟)で、ベッド数は19というこじんまりした病棟です。私はその当時アルコール・薬物依存症専門カウンセラーの資格を取ろうとしていたため、その治療経験を積むために転職しました。アートセラピーだけでなく、言語的なグループ(例えば「12ステップ」、「セルフケア」、「MICAを理解する」など)、瞑想&リラクセーションなどのグループも担当しています。瞑想は薬物・アルコール依存症の治療によく使われています。あとは個人カウンセリングも行っています。スタッフは精神科医2名、研修医3名、セラピスト2名(私のここでのタイトルは「Psychiatric Rehabilitation Therapist」-精神科リハビリセラピストです。)ソーシャルワーカー2名、ナース、PCA(Patient Care Associateの略。看護アシスタントのこと。)各数名です。

ここの前に働いていた場所はニューヨーク州立精神病院の入院病棟です。この病院はかなり大きく、患者数400〜500人、職員数は1200人ほどです。老人病棟、MICA病棟(精神疾患と薬物・アルコール中毒両方で苦しむ患者さんのための病棟)、リサーチ病棟、Polydipsia病棟(慢性精神病と併発することが多い体内の水分の代謝がうまくいかなくなる病気・・・慢性精神病とPolydipsiaとHyponatremiaを併発したものをPIPシンドロームと言います。このシンドロームに苦しむ患者さんのための病棟)、ヒスパニック病棟(スペイン語を母国語とする患者さんのための病棟)、そして私が働いていた問題のSTAIR(Service for the Treatment and Abatement of Interpersonal Risk)病棟などがあります。

このSTAIRプログラムは精神病、人格障害、薬物・アルコール依存症などを持ち、かつ犯罪や暴力的な行為を繰り返してきた患者さんを対象とするプログラムです。そのためほとんどの患者さんが犯罪歴を持ち、仮釈放中の患者さんが刑務所や医療刑務所から転送されてくるケースもあります。犯罪歴も強烈で殺人、殺人未遂、レイプ、強盗、放火などの凶悪犯罪を犯してきている患者さんも多いです。オリエンテーションは認知・行動療法系で、私のオリエンテーション(精神分析的)とはかなり違うのですが、いろいろと勉強になってます。ステップシステムという報酬制度をとっており、新しく入院してきた患者さんにはステップ1が与えられ、行動が改善される毎にステップが上がってゆきます。ステップが上がる毎にいろいろな特権(外出許可や病院内で働くための許可、煙草の数など)が増えてゆきます。ステップ7になるとTransitional Unitという退院準備のための病棟に移されます。しかし患者さんにとってはこの「行動の改善」が難しく、何年も入院している人も沢山います。STAIR病棟は全部で4つありますが、私のいた病棟の患者数は25人、ほとんど男性で女性は2名のみでした。スタッフは精神科医1名、内科医1名、臨床心理士1名、ソーシャルワーカー2名、リハビリテーションカウンセラー1名、アートセラピスト1名(私のこと)、看護婦(士)、セラピーエイド(私がアートセラピーをやるときにアシスタントについてくれた人たち)数名、Psychology Intern(臨床心理学で博士号を取ってる最中の学生)2名でした。犯罪者との仕事にはここですっかりハマッてしまったのですが、書くと非常に長くなる理由で退職しました。患者さんには今だに未練があります。

州立病院で働いていたときは週6日も働いており、日曜はマンハッタンにあるコミュニティーセンターで、精神障害者でかつホームレス(又は元ホームレス)の人たちを対象にした週末プログラムで働いていました。この週末プログラムではアートセラピー、コンピュータークラス、お料理教室、Story Telling(お話を作る)グループが行われ、通ってくるクライアントにお薬と食事、お金(1人5ドル程度)も提供します。ここで私は2時間だけグループアートセラピーを担当していました。人数は日によって変わりますが8〜13名くらいで、ほとんどが男性、女性は1名のみです。ほとんどのクライアントが慢性の精神分裂病、アルコール・薬物中毒に苦しんでいました。ここでは1年半も働いていたのですが、さすがに疲れて2001年4月に辞めました。

州立病院の前に働いていたのはこれもマンハッタンにある私立精神病院のアジア人向け病棟でした。ここでは日本人の患者をゲットするために雇われたため、日系コミュニティでのアウトリーチ(要するに宣伝ですね)ばかりやらされて臨床経験は非常に物足りないものでした。パートタイムでしたし、おまけに患者さんのほとんどは中国人で、英語が通じない人ばかりでコミュニケーションに非常に苦労しました。ここでの仕事は労働ビザを取るための手段、という感じでした。ここは2000年5月に退職しました。

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薬物・アルコール依存症カウンセリングについて




私が薬物・アルコール依存症の治療に関わり始めたのは、ニューヨーク州立精神病院で働いていたときです。精神病の犯罪者の75%は薬物・アルコール依存症の問題を抱えており、避けて通ることは出来ませんでした。私がこの分野について何も知らなかったため、患者さんをより深く理解するためにアルコール・薬物中毒カウンセリングのクラスを取り始めました。取っているうちに、どうせお金を使うなら資格も取ろう、とニューヨーク州認定アルコール・薬物中毒カウンセラーの資格を取得しました。私のアイデンティティはアートセラピストなので、この資格は仕事をする上で補助的に使ってきたに過ぎません。しかし、ナバホ・インディアン居留地での仕事はもろにアルコール・薬物依存症の治療だったので、もっとその部分を使っていました。この分野は奥が深く、謎の部分もかなりあります。普通のサイコセラピーだけで依存症は絶対治りません。私は個人的に、依存症はスピリチュアルな病気だと思っています。そう思っている臨床家は非常に多く、そのため依存症の治療プログラムには必ずスピリチュアリティが組み込まれています。これはクライアント本人の中で、大きなスピリチュアルな変化が起こらない限り、依存症を克服することはできないからです。ナバホ国での職場でも、非常にその点に力を入れており、メディスン・マンと共に働いていました。メディスン・マンによるヒーリング・セレモニーやスウェットロッジなどが治療に生かされています。その経験が現在の個人開業に生かされています。(重度の依存症を持つクライアントは現在対象にしていませんが・・)

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スピリチュリティについて



私は昔からスピリチュアリティ(日本語では精神世界などと訳すのでしょうか?)には非常に関心がありましたが、これをアートセラピーの仕事に使おうなど以前は考えもしませんでした。仕事は仕事、趣味は趣味、というふうにしっかり分けていたのです。しかしNY州立病院で働き始めて犯罪者やアルコール・薬物依存症の患者さんと接してゆくうちに、治療をする上でスピリチュアリティの必要性を強く感じるようになりました。というのは、この精神病患者の終着駅である州立病院に入院している患者さんの生い立ちや生きてきた環境を知ると、ひとは何のために生まれてくるのか、ということを考えざるを得なくなるからです。他のスタッフの中には「こんなひどい犯罪を犯しやがって」という思いを捨てられない人たちが結構いて、それが患者さんに対する憎しみにまで変わってゆく様子を見てしまいました。それが患者さんに対する懲罰主義になっていったり、患者さんのネガティブな部分を強調したりするようになって、治療とはほど遠い環境になっていました。私は学校では精神分析的アプローチのトレーニングを受けたものの、この患者さんたちにこの方法は通用しないことを思い知らされました。あまりに精神病理が深すぎて、自分の問題に対する洞察力がまったくないからです。私は一時途方に暮れましたが、気をとりなおしてとにかくHumanisticなアプローチを試みました。ひたすら励まし、サポートし、作品を褒める、というUnconditional Acceptance(無条件に受け入れること)を続けました。そこにはこの患者さんたちは必ずそれに応えてくれる、必ず良くなってくれる、という信仰に近い思いがありました。まったくやる気がなく反抗的だった患者さんの中には半年経つ頃には信じられないくらい美しい作品を作るようになり、笑顔を見せるようになった人も数多く見られました。私がこの病院を辞めるときには殺人やレイプや放火などの重罪を犯した刑務所帰りのごつい男どもが涙を流してくれました。これらの患者さんはおそろしく感覚が鋭敏で、絶対ごまかしは通用しません。うわべだけいいことを言ってもすぐ見ぬいてしまうし、人そのものを見ることができる人たちです。彼等は私が学校で習ったテクニックや手法などにはまったく反応しませんでしたが、私の姿勢、性格、文化、表情、などに激しく反応していろいろなことを言ってきました。つまり私が人間としてどうか、ということが彼等には重要だったのです。昔は死刑肯定派だった私がここでの体験で大きく変わりました。どんなにひどい犯罪を犯した人でも救われる可能性があるということがわかったからです。ここで働いたことでカルマとは何なのか、などということまで考えるようになりました。セラピストも自分自身の世界観、宗教観などをきちんと持っておかないと、本当の意味での治療はできないかもしれません。

上記のコメントはかなり昔に書いたもので、それからかなりスピリチュアルに進化した現在の私はもっと深いレベルでのヒーリングを行うようになってきています。子供の頃から霊感が強かったのですが、そういうことを話すと「精神病になったのでは」と人から疑われるのを恐れてずっと隠して生きていました。でも最近はかなり開き直ってきていて、「私は指導霊とコミュニケートする」などとビジネスウェブサイトにまで書くようになりました。私のところにやってくるクライアントも自分の使命は何なのか、魂を成長させるにはどうしたらいいのか、などかなり難しい問題を抱えてくる人が多くなりました。 ・・・気が向いたらまたつけ足します。

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私の修士論文




学会や出版物で(作品や詳しい情報を)発表しても良いという同意は患者さんとその保護者からもらっていますが、Webページに載せても良いという項目は同意書になかったので、詳細や作品はここでご紹介することはできません。タイトルと概要のみ載せたいと思います。ご興味のある方は日本芸術療法学会誌 Vol.30 No.2 1999の46−52ページをご覧ください。(会員以外は学会誌は購入できませんが、国会図書館などで閲覧できるそうです。)オリジナルはもちろん英語ですが、投稿する際日本語に訳しました。

タイトル: 「人格障害の一少年事例への芸術療法−作品に見出された対象関係と自己感に着目して」

概要: 人格障害を持つ15歳の少年(面接開始時は14歳)との8ヶ月間にわたるアートセラピー(個人面接)のケーススタディです。この少年は生後2年間に渡って母親から虐待を受けた過去を持っていました。Transference,Transitional Phenomena,Potential Space,Mirroring, Mergingなどが次々と起こり、対象関係論はもっともな理論だと納得したケースです。少年は無事病院のプログラムを卒業しました。

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アートセラピーの問題点




日本では臨床心理士、精神科医師が絵画療法などを行うケースがほとんどでしょうが、米国ではアートセラピストがアートセラピーを行います。アートセラピストは独立したプロフェッショナルな職業として認められています。しかしながら、州のライセンスを持っていないと立場が弱くなります。私は今まで米国内の4つの州でセラピストとして働いてきましたが、アートセラピストであるかどうか、というよりも州のライセンスを持っているかどうかという問題が、仕事を得る上でもセラピーを行う上でも非常に重要なのだということがよくわかりました。それは現在のアメリカのお粗末な社会福祉政策や健康保険のシステムにも起因しています。国の予算が戦争にばかり費やされて国民のメンタルヘルスは結構ないがしろにされています。政府からの援助がほとんど得られない病院やコミュニティ・メンタル・ヘルス・センター、非営利団体などでは、保険会社から下りるお金にしか頼らざるを得ません。保険会社の締め付けはどんどんひどくなっており、州のライセンスを持ったセラピストのサービスに対してしかほとんどお金はおりません。そういう職場では、どんなに優秀なセラピストであっても州のライセンスがないと仕事を得ることはできません。そしてこのManaged Careという悪名高い保険のシステムは長期間のセラピーに対してお金を払わなくなってきているので、短期間で表面的な結果が出る認知・行動療法系のアプローチが歓迎されるという傾向もあります。アートセラピストにとっては厳しい現状になってきています。

それと、アートセラピストはあまりにも専門化しすぎて他のことができない面もあります。「Primary Therapist」という言葉があるのですが、これは患者さんに関する責任を一手に引き受ける「主要セラピスト」という意味です。Primary Therapistは患者さんの家族と常に連絡を取って家庭環境などを把握し、治療法や投薬についても医師を交えて話し合ったりします。多くのアートセラピストは自分たちの職域にこだわった結果、Co-therapistとして働いています。(もちろんPrimary Therapistとして働いたり、個人開業しているアートセラピストも数多くいますが。)私個人としてはアートセラピストもどんどんPrimary Therapistとして働くべきだと思いますし、アートだけに固執せずに言語的アプローチも積極的に取り入れた方が良いと思っています。アートセラピーは時折奇跡的に効果を上げることもありますが、言語的アプローチ同様に、限界があります。やはり患者さん、クライアントによって、いろいろやり方は変えてゆくべきでしょう。私自身、メンタル・ヘルス・カウンセラー、アルコール・薬物中毒カウンセラーの資格を持ち、臨床心理学の勉強もしてきているので、両方のアプローチをずっと行ってきました。そのおかげで今まで仕事にあぶれることはなかったようです。
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精神分析と対象関係論について




精神分析とはみなさんご存知のフロイトによって生み出されたサイコセラピーの元祖とも言うべきものです。手法としては、クライアントに思うことをそのまま話してもらい、(Free Association−自由連想法)その人の無意識に潜む葛藤やトラウマなどを見つけ出してゆきます。クライアントの話の内容だけでなく、その人のしぐさ、表情、行動などもよく観察して分析します。(もちろん夢分析もします)神経症にしか使えないと思われている方も多いでしょうが、精神病や人格障害の治療などにも効果をあげています。

精神分析家になるにはきちんと認可を受けた機関でトレーニングを受けなければならず、資格を取得するには最低でも4年間くらいかかります。(博士号を取得するよりずっとつらいと言う人も結構います)その間自分自身の分析もずっと受け続けなけらばなりません。これは非常に重要な点で、自分自身の無意識に未解決の問題が残っていると、クライアントとの分析時に突然それが浮上してくることがあります。私自身も、患者さんとのセラピーの中で突然遠い昔に忘れていた記憶が鮮明に蘇えってきたことがあります。それで私は自分の中に未解決の問題があることを知り、その後精神分析的セラピーを3ヶ月間受けました。自分の無意識に潜む未解決の問題から目をそむけたまま他人を分析するというのは自分自身にとってもクライアントにとっても非常に危険なことです。私は卒業後、自分自身をもっと良く知るためにフォーマルな精神分析を約9ヶ月間受けました。(本当は週3回、2年間がめやすなんですが事情により早めに終えました。)分析家の資格を取らずに「精神分析家」と名乗ることはできません。「精神分析的アプローチを使うセラピスト」になります。

対象関係論とは簡単に言うと自我あるいは自己感(Sense of Self)は対象(多くは親などの重要な人物)を一旦内在化、同一化し、そこから分離・独立して発達してゆくという考え方でしょうか。(本当はこんなに簡単には説明できないんですが・・・)Melanie Kleinがパイオニアであると一般的には考えられており、その後に続くFairbairn,Winnicott,Mahlerなどの理論も有名です。(もちろん他にも有名な人たちはいっぱいいます)いずれもフロイトの理論から発達した理論ですが、フロイト派精神分析学とは区別されています。ちなみに私の卒論ではWinnicott,Mahler,Stolorowなどの理論が使われています。

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セラピーのオリエンテーションについて



建設中



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リンク




1.Spiritual Way of Life, LLC

私が2006年に個人開業するために立ち上げた有限会社のビジネス・ウェブサイト。今年には会社名を変更しました。応援してください。


2.Clinical Psychologist's Home Page

臨床心理士小海宏之さんのホームページ。臨床心理士国家資格化問題、心理学・精神医学関係リンクが特に充実。


3.アートナビ

アートに関する検索エンジン、リンク集。最新のアート情報を掲載。


4.Color

アートセラピストを目指すmissakkiさんのHP。アートセラピーに関心のある人や実践している人のための情報交換の場を提供。ワークショップや勉強会の情報も。


5.Art Therapy Park

心理学などを勉強されてきた柳研二さんのHP。絵を描くという表現の楽しみにフォーカス。


6.American Art Therapy Association, Inc.

American Art Therapy Association (米国アートセラピー協会)公式ホームページ。多数のアートセラピー関連リンクあり。(英語)


7.The Canadian Art Therapy Association

Canadian Art Therapy Association(カナダアートセラピー協会)公式ホームページ。(英語)


8.レアリゼ

オルタネイティブな社会について考えるWebマガジン。私がナバホ国での生活について書いたエッセイが掲載されています。


9. New York University

ニューヨーク大学のホームページ。学費がもう少し安ければいい学校なのですが・・・。(英語)


10.State University of New York at New Paltz

ニューヨーク州立大学ニューポルツ校のホームページ。場所は伝説のウッドストックのすぐ近くで、ヒッピーの生き残りがいる町です。(英語)



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最近の私




2011年9月現在も米国ワシントン州にて臨床マネージャーとして外来クリニックで16人のカウンセラーの指導、監督をする傍ら、パートタイムで個人開業を続けています。若手のセラピストを育成し、コーチングすることによりやりがいを感じるようになってきました。最近はスピリチュアル・ライフ・コーチング、神経言語プログラミング、催眠療法やエナジー・ヒーリングなどアートセラピーに関係ないことをすることの方が多くなってきましたが、アートセラピーはすべての始まりでした。シャマーニックなアプローチをどんどん取り入れるようになってきていますが、ダンスや音楽、アートを使ったヒーリングは古代からずっと続いているシャーマンの仕事です。アートセラピーに関する内容はちょっと古くなってきて申し訳ないですが、まだこのサイトを参考にしてくだすっている方たちがいるのでサイトを閉鎖するつもりはありません。引き続きご意見、ご感想、ご質問などがあればメールでお送りください。(もちろん日本語でOKです)リンクも大歓迎です。

メール宛先: info@coachingforspirituallife.com
(このページ下のメールアドレスをクリックするとすぐにメールが送れます。)


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