
留学体験記 4 井上信子さん
将来はどんな形でもいいので、NGOで仕事がしたいですね。
制作:留学ネットワーク
| 行った期間 |
3か月 |
| 主に住んだ場所 |
チュニジア |
| 主に通った学校 |
チュニス大学 |
| 主に学んだ内容 |
アラビア語と民俗学 |
| 行く前の仕事 |
文学部学生 |
| 行った後の仕事 |
文学部学生 |
「留学を意識した時期ですか?実際に飛びたつ3か月前くらいでし
たね。留学が可能だと知った、まさにその時です(笑)」。
留学に行こうと思ったのはいつですか。そう聞いた井上信子さんか
らは、何とこんな答えが返ってきた。それはそうかもしれない。当時
創価大学4年生だった井上さんが留学した国は、アメリカでもドイツ
でも中国でもない。チュニジアである。どこにあるかすらわからない
人も多いだろう。まして一介の学生が留学できるなどというのは、か
なり夢物語のようにも聞こえる。
「私が在籍していたゼミが民俗学で、卒業論文のテーマが〈チュニ
ジアの女性の通過儀礼〉だったんです。公式には、卒論のために調査
留学した、というべきなのでしょうが、チュニジアに行くために卒論
を最大限に利用した、というのが実態に近いかもしれません(笑)」。
とはいえ、6月から9月までの留学の中で、アラビア語のサマー・
クラスと並行しながら20人ほどへのフィールド調査を行なったという
から、これは卒論生としても立派な成果だろう。
「留学生活ですか?授業はきつかったけど、なぜか楽しめましたね。
あとヨーロッパとかトルコとか、けっこうクラスメートとのインター
ナショナルな交友が得られました。アメリカとか行くと、周りがみん
な日本人なんていう学校も多いみたいですが、ここだと逆に日本って
こんなに知られていないんだ!という感じですね」。
ただ、一度チュニス空港で、九州大学に留学しているというチュニ
ジア人から日本語で声をかけられたという。「それがまた親切な人で、
家に連れていってくれて母親にインタビューさせてくれただけでなく、
チュニジア中でのインタビューをアレンジしてくれたんです」。
その母親が言った言葉が〈もうこれで日本にも娘ができたみたいな
ものだから、日本とは絶対に戦争はしたくないねえ〉。世界平和とは
いっても、結局はこういった草の根の民間外交が実はその第一歩なん
じゃないかと、強い感動を覚えたという。
帰国後は無事論文をしあげて卒業。最初はすぐにアフリカ再住する
つもりだったので、就職活動はまったくしていなかったのだが、諸般
の事情で日本にとどまらざるを得なくなり、学生時代からアルバイト
をしていた広告代理店にそのまま就職した。
それと並行して、創価大学OBからなるボランティア組織〈創大ア
フリカ会〉の中でスタッフ的な活動を継続。そのおかげで、現役学生
などとの交流、諸行事、イベントなどに参加する機会が数多くあり、
いつもアフリカを感じることができる環境にあるという。「将来はど
んな形でもいいので、NGOで仕事がしたいですね」。
留学する前は、結構強引に我を通すことも多かったという井上さん。
「でも意思さえしっかりと持っていれば、多少時期はずれてもいつか
は実現する。自分自身や友人たちの留学活動を見ていて、それが実感
できました。それからは無理して自分を押し通すことはなくなったと
思いますよ(笑)」。
最後に、同じように、メジャーとはいえない地域への留学を志して
いる人へのメッセージを伺った。
「情報が少ないのは確かですが、常にアンテナを張っておけば情報
は集まります。具体的には、私の場合、ビザをとるために行ったチュ
ニジア大使館で、運よく現地の人から色々と暮らし方について聞き出
すことができた。また、別の協会でも、前年にチュニジアに行った人
に会えて、さまざまな教えをもらった。なんとその彼女ったら、私に
しゃべっているうちに、チュニジアのことが忘れられなくなったみた
いで、結局私と同時期に再訪しちゃったんですよ(笑)」。
なんとも愉快な留学生活が、目に浮かんでくるようだ!