【災害に備える】 粉川 嗣教 氏
皆さんの記憶に焼き付いた、阪神淡路の震災…・・
現在の日本列島は、どこにいても大地震に遭遇してもおかしくない事を知っているでしょうか?
神戸の震災では、地震発生後3日間で138件の火災がおこり、消防職員は死に物狂いで、火の侵攻を食い止め、瓦礫に埋もれた人々を助けました。しかし、その後この消防職員達が訴えているのです。
「救助の道具、人、が足らない!!」と、…
地震発生直後から、情報網の絶たれた消防職員は、自分の身近の火、人を助けているのですが、絶対量的に足らない!応援がくるのは、発生から12時間から2日目以降…・・
しかし、この一日目に死傷者の90%が集中し、わずかに助けられた人たちの6割が、一般市民によって救助されたのが現実なのです。
この苦い経験から、行政地方自治体含め、危機管理の徹底がはかられていますが、私たち市民一人一人が、震災により、どんな状況におかれても、家族を守れる事が最低限の危機管理であり、地震後の2日間の命は、自らの手で守らなければならないのです。
【道具がない!!】
震災直後の目にうつる景色は、地獄絵図のように感じられます。
木造の家の二階は、一階の高さよりも低く潰れ、ガスは漏れ、火が上がり、人の苦しむ声が聞こえてきます。
この状況下、潰れた家屋から、探し出した一本のノコギリや、鉄筋で、手を血だらけにしながら何人もの人を助け出した人もいれば、呆然と立ち尽くす人、また火を消している消防士に食らいつく人、何もしないで救助している人々に、自分の家族を先に助けろと、罵声を浴びせる人と、悪条件下における人間の心の縮図が表れてきます。
潰れた家屋や、グチャグチャに散乱した家の中から、救助する道具や車の鍵が見つからず、救助に時間がかかり火に呑まれていった人、救助されても運ぶ車がなく、道路に放置された怪我人、仕方が無く血だらけになり病院に徒歩で向かったが長い間倒壊家屋の下敷きとなっていたため腎不全が進行し、死にいたった人…
この情況下において、道具や車があれば、もっと早く救助する事も、被災者に専門の治療を行なう事も可能であり、もっと、多くの人が助かったのです。
しかし、道路に電柱や建物が倒れ、ヒビが入り、乗用車による交通渋滞が発生します。とても乗用車で運ぶ事の出来ない道路情況に一変するのです。
この情況下において、阪神淡路の震災の時も、四輪駆動車は、活躍し、特にウインチ付きの車は、障害物の削除を行ないながら、怪我人を救護所や、救護所の医師により指示された、専門の病院に運ぶ事が出来うる、最良の道具となるのです。
【車を災害救助倉庫としよう!!】
車に、一本のバール、ノコギリ等の救助道具を入れてください!!
外に、車の鍵を隠してください。
窓を壊せば、道具ず取り出せます。鍵が外にあれば、怪我人を救護所や病院に輸送する事ができます。
車を自分の家庭の災害倉庫と考え、四輪駆動車として下さい。
そして、危機管理として、徐々に道具を増やし、使って見て下さい。
趣味のクロカンとして、引張り道具を使っていても、いつか起こりうる震災に対する応用力の向上となっているのです。 絶対に、 いつの日にか、役にたつ事があります。
【地震が来た!!】
ここでは、いざ、地震がおこった場合の対処例を示しています。
参考にしてみてください。
地震発生!!
(救助処置)
@ 消防隊の責任は、建築物がぐらついていないか、電気、ガスによる二次災害の危険の有無を確かめ、火災が生じていれば消火に当たる。
(電気のブレーカーを落とし、ガスの元栓を締め、自分の置かれた状況を把握します。散乱した家具やガラスの破片に注意し、かたずけたり、掃除したりは後まわしにして、後必ず、回り近所の状況を把握してください。火が近づいてたり、隣の人が家屋の下敷きになってたりします。怪我人や子どもを救護所に送り出し、みんなで協力して救助作業をして下さい。貴方の近くに苦しんでる人が、必ずいます)
A 多くの犠牲者があったり、埋まって救出しにくい人が多いような場合には、誰をさきに治療すべきか、誰をまず救出し、誰をあきらめるか等を判断することが必要な、非常にむずかしい情況下におかれることがある。このような場合には、患者の評価、チームの組織化、トリアージに特に精通した医師が判断をくだすのに最も適当な人物であるため、人材を探す努力をする。
(フランス語で選別するという意味の言葉をトリアージと言います。震災に直面した場合、いろんな事に対し選別や判断が求められ、この判断は、生死にかかわる重要性をもっています。救助する順番、ガスへの引火、酸欠、道具救助方法の判断、怪我人への処置、全てに対し試される状況下におかれます。けして逃げてはいけません、日ごろの備えと共に、立ち向かって行く事が重要なのです)
B Aが不可能である場合、各部の状況を判断し二次災害を防止する事を考慮してトリアージを行ない、また、必ず複数の人員により判断し、救助を開始する。
C 怪我人の被災状況、初期評価
AIRWAY(気道) 話せるか?呼吸しようとしているか?呼気を感じるか?
BREATHlNG(呼吸) 換気量は十分か?回復可能か?
CIRCULATl0N(循環) 出血は?裂傷は?心拍出量は適切か?
WRAP UP QUESTI0NS(質問の包括)どこが悪いの?どのくらい悪いの?
D確認し、教示し、安心感を与えて患者と疎通 を保つ。
“私は○○です。あなたはいま○○にいます。あなたはのおかれている状況は○○です(たとえば、ひどいやけどをしています。大きな柱が上にあります)しかし、われわれのすることに協力してください。何か変化があれば大声を上げて下さい。などである。以上のことをするには、ほんの10秒ほどあれば十分である。明らかにうそと思われるような安心感を与えてはいけない。たとえば“大丈夫です、悪いところはありません”、“心配しないでください”など。そのような説明をすると、馬鹿にされるか、うそつきと思われる。さらに、患者の不安は減少するどころか、かえって強くな る。
E 救助の優先順位を決定の上、救助の開始。常に回りの人間に協力を要請する。複数の救助班に別れて作業を行なう場合、女性、子ども等に各班の状況連絡をお願いし、状況下に合わせ道具、人の有効活用を行なう努力をする。救出作業現場では、通常、二次災害の発生の重要性を強調しすぎないことが必要である事を忘れてはならない。
(臆病であってはいけなく、また自信過剰でもいけません。救助するさいは、必ず安全確保を実地してください。ジャッキで上に上げるときも、ジャッキが外れる事を前提として面倒でもワイヤーのかくほ等の安全対策を行なうように心がけてください。助けようとしているのは、命である事を、常に心に止めておいて下さい。)
F 救助後
怪我人の初期治療には気道確保、止血、蘇生のための輸液、包帯、副子固定がある。
)包帯、副子
包帯および副子材料は欠乏する。
1.包帯材料の代用品としては、衛生ナプキン(近隣のスーパーマーケットより補充)、布製品(衣料品店より補充)、被覆品およびダクトテープ(金物屋から補充)、シーツおよびタオル(デパートから補充)などがある。
2.副子材料の代用品としては、垣根などの材料、組み立てまえの木製の囲い材料、材木置場からの木片などがある。
3.ドアやよろい戸は、間に合わせの寝台として役に立つ。
)気道の評価
安全な場所への移動。固い平らなものの上に仰向けに寝かせる。
1.質間:“名前は?”備考:患者が返事すれば、気道は確保されていると考えてよい。
2.もし、患者が答えられず、呼吸の努力をしているが、呼気が感じられなければ、気道閉塞を起こす一般的な、しかも簡単に治せる原因について調べる。
a) 顎を持ち上げる b) 顎関節を持ち上げる c) 指で閉塞物を取り除く
備考:“一般的’’とは頻度が高いことである。“簡単”とはすぐ治せることである。
3.気道がなおも閉塞しているならば、次の事項を行うことを考慮する。
a) 胸部ないし腹部圧迫(異物を吐き出させるための方法)b) 気管内挿管(頸椎骨折時に注意)
路上など危険な場所から離れる。仰向けにするのは観察と処置を容易 にするため。固い平らなものの上というのは特に心マッサ−ジを効果 的に行うため。
4.再度、呼吸の有無を確認する。
自分の耳を患者の口元へ近づけ呼吸の音を確認,同時に自分の頬に患 者の暖かい息を感じるかどうか,同時に目で患者さんの胸部が上下し ているかどうかを確認。5〜10秒,呼吸がなければ呼吸停止と判断する。 → 5へ
5.呼気吹き込み人工呼吸法を2回する。
6.頸動脈の拍動を確認する。5〜6秒。頸動脈の拍動がなければ心停止と判断する。→ 7へ
7.心マッサージ
・処置をする人が1人の場合(1人法)
同じ人が胸骨圧迫式心マッサ−ジを15回行う。以後,人工呼吸 2回,心マッサ−ジ15回を1人で繰り返す。
・処置をする人が2人の場合(2人法)
介助者に胸骨圧迫式心マッサ−ジを5回してもらう。最初の人 が人工呼吸を1回行う。以後,呼吸1回、マッサ−ジ5回を2人で 繰り返す。
E 救護所への輸送。また犠牲者を個人的に病院に運ぼうとする人々の制止。
(このような状況では、指示なしに個人の車でいろいろな病院に行くより、適切な病院へ全部の負傷者を収容することのほうが基本的に必要です。現場では負傷者は適切なトリアージと処置を受けるよう地域災害救護所に運び、医師による適切なトリアージを行い、一つの病院のみに患者が集中しないように注意して、病院に輸送します。災害防災対策として、医師、ヘリ、食料、など救護所は全ての中心となっています。決して、最寄りの病院に自ら運ぶ事が良いとは限らない事を、自覚してください。)
以上が、一例です。
なにかの時に役にたてば幸いです。
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