レース後、僕は「チーム マーくん」のテストコースである空き地で、「勤労1号」の試乗をさせてもらった。ペダルはアクセルとブレーキのみ、左手にあるシフトロッドを引けばシフトアップし前に倒せばシフトダウン。ロッドにシフトレバーもついているが実際にはレバー操作はほとんど必要ない。ごく簡単な操作だ。ニュートラルからロッドを軽く倒したら、マシンはいきなりするすると前に走り出した。アクセルを踏む。シフトアップする。背中のCB50のエンジンがうなり、手作りのアルミ製マフラーが鼓膜をびりびりふるわせ甲高い音色を響かせる。ハンドルを切ると、マシンはダイレクトに反応する。砂利の上を面白いように簡単に滑る。四輪なんだが、とくにシフトの感覚はバイクに近い。シフトロッドの使い方が慣れない。何速に入ってるかよくわからなくなる。アクセルを踏むと、砂利を蹴立て、暴れながら直進する。
 スピードはあまり出さず、噛みしめるように走った。低速でも十分に楽しめるマシンだ。速いものでは最高時速80キロほど出るというが、しょせん50ccのエンジン、レーシングカートほどのスピードは出ないし、またオンロードではきゃしゃなシャシーが耐えきれない。転倒の危険もある。50ccという非力なエンジンだからこそ手作りフレームでも耐えられるのだろうし、ダートでのレースだからこそ足回りなどの作りもアバウトでもいいのだろう。またスピードがそんなに出ないからこそレギュレーションも大雑把で、ユニークなマシンが登場するのだろう。偉大なり50cc。

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