小林さんはじっさいにゼロハンカーを設計・製作し、レースにも参加している。 97年大会直前にネット上で知り合いました。いわば僕らの「師匠」。 これは僕が最初にゼロハンカーについて質問した時にいただいたメールで、 小林さんのご了解を得て公開しています。 なお小林さんのゼロハンサイトは http://www.fuchu.or.jp/~coba-woy/zerohan/zerohanindex.htm 、製作ノウハウは zerohan に詳しい。

Q.あのう、突然なんですが、ゼロハンカーはどうやって作ったのですか? やっぱり溶接技術とか、必要ですよね?

もちろん、溶接しないと作れません。(樹脂を使えば別だけど...)

うちのチームは、今年出場しませんが、今年も200台以上集まっているようです。 埼玉からも出場した人がいましたよ。(その人は、エンジンの冷却用に 噴霧器を付けていたのでよく覚えています。)

レギュレーション

車体は手作りで、一部でもカートのフレームを使ってはならない事になっています。ですから、普通はパイプを溶接してフレームを構 成します。大径のパイプで平面構造(一段)の車もありますが、10mmから20 mm位のパイプでトラス構造の車が多いようです。  
変わった所では、RCヘリコプターで有名なヒロボーの車は、FRPでF1の様な形をしていました。(上面を覆うものはありませんでしたが..) もちろん、アルミを使ったフレームも何台かあります。カーボンは、まだ見ませんねぇー。

サスペンション

ほとんどの車が、フロントWウイッシュボーン、リアスイング式(変形ストラットとでも申しましょうか)です。(リアWウイッシュボーンも当然います)

ショックアブソーバー

スクーターの物から250ccクラスのバイクのリアショックを使います。

ホイール

スクーターの物で、中にはスクーターレース用のアルミホイールを付けている車もあります。

タイヤ

スクーター用のブロックパターンの物を使います。

ステアリング機構

以前は軽四のラックアンドピニオンを使うのが流行りましたが、最近はカート式です。

ハンドルとシート

うちではカート用の物を使っていますが、軽量化と出費を抑えるため、自作している車も多い。

操作系

右足アクセル、ブレーキ。左手シフト、クラッチ(バイクのクラッチ レバーをシフトレバーに付けてて、クラッチレバーを握りながら、シフトごと前後 に動かしてシフトする。)  
うちは、左足ブレーキにしている点が、普通と違います。左足ブレーキの車は、他にもありますが、うちはブレーキがフロントブレーキ のみなので、アクセルを踏んだまま、ブレーキが使えます。

ブレーキ

リアのみに装着している車が多いです。もちろん、4輪に付いている車もあります。
まあ、ブレーキはほとんど必要ありません。停止する時と、前車に突っ込みそう になった時位です。

エンジン

メインのクラスは、4st50ccです。 2st50ccもありますが、別クラスで、参加者自主運営の様な感じです。  
4st50ccのエンジンとなれば、CB50しかありません。 カブ系エンジンではぜんぜんパワー不足です。昨年、ツインカムのCBが発売されましたが、どうなんでしょうね? お金持ちのチームは、載せてくるかな? そんな訳で、こっちのスクラップ屋では、動かないCB50が3万も5万も したりします。^_^!
さて、昔のCB50のエンジンで話を進めると、CDI(インナーロータ)、 ハイカム、強化バルブスプリング、ビッグキャブ、ショートマニホールド、オ イルクーラー等は常識です。
ハイカムなど、どこぞには、1本7万円の物を作ってくれる所があるとか??  
うちの車では、バルブステムのポートに露出する部分をかなり細くしましたが、 熱が十分逃げなくて、バルブフェースがすぐに歪んでしまうので最近では、余り細くしないようにしています。それでもフェースは、よく歪むのでバルブの擦り合わせは、マメに行います。  
ポートもそれなりに整形しています。
アルミの鋳物のムクでできたショートマニホールドは、キャブに思いっきり熱を 伝えるので、フロート室のガソリンが沸いてしまいます。走っている間はまだよいのですが、一旦エンジンを切ると始動が困難になります 。うちでは、エンジンを切ると同時に燃料がキャブに行かないようにします。  
ピストンは、50cc用の社外品がないので、ほとんどの車がノーマルを使っていますが、圧縮比を上げるため、ヘッドとシリンダーを削り、バルブとピストンが干渉するとリセスを大きくしてギリギリまで圧縮比を上げています。圧縮比を上げると、気圧の変化に敏感になるような気がします。  
ピストンリングを、減らす事も試してみましたが、これはだめでした。  
後は、軽量化のみスカートのサイドを切ったり、内側の肉を薄くしたりと... 1g減らすのに数時間かかります。^_^!  
エンジンが、シートの後ろに位置するので、冷却には各車工夫をしています。導風板を付けたり、電動ファンを付けたり、手回しのポンプを駆動軸に付け、大量にオイルを回したりしています。(特にスーパーチャージャー車では、熱対策が大 変 なようです)  
エンジンの回転数は、強化バルブスプリングを付けることによって500回転ほど上がりますが、それ以上は、サージングを起こしてしまい、ぴたっと止まってしまいます。私の推測では、ばねの固有振動数により、サージングを起こしているので、 ばね下荷重を減らしても、効果がないように思います。 もっとばね定数の高いばねにする手もありますが、パワーを食われるようで。排気管の長さにより、最大トルクの出る回転が決まるのですが、なぜかうちのテストでは、クランクから下の影響による固体差が出てしまいました。  (加速トルク計算のテストベンチによる(作っちゃいまいした!))  
以前、清水国明がモリワキで作ったエンジンを持って出場したとき、ノーマルマフラーのテーパー部分を少しだけ残したマフラーで結構パワーを出しているようでし た が、うちのテストでは、これはだめでした、ピーキー過ぎました。  
あと、スーパーチャージャーの事を少し書くと、(うちでは作っていませんが) 昔は、エアコンのコンプレッサーを使っていましたが、最近では軽四のスーパーチャージャーを使うのが主流です。  
以前は、自然吸気車に勝てませんでしたが、(最大パワーは出ているが、下でかぶったり、1レースピストンが耐えられなかったりでした) 最近は、安定してきて総合優勝するようになってきました。  
推測するには、あまり加圧しないことと、キャブレター外部とポートの圧力差の 調 整だと思います(キャブは、自然吸気用に作ってあるので、ポートの圧力が上がるとうまく気化させることができなくなる)

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