「俺たちもゼロハンカーを作ろう会」第1号会員・古賀君が作成。「ゼロハンカーとは一体全体どんな作りになっているのか?」・・・実車を見ればわかるハズ、 と僕らは97年夏にはじめて広島に行き、そこでゼロハンカーの数々をじかに観察することができました。 同じ思いを抱いている方にも、ゼロハンカーの構造の概要が理解していただける解説になっていると思います。

   < text by tomonori koga >

ゼロハンカーとは??

その名の通り排気量50ccのエンジンを搭載したオフロードバギータイプのレーシングカーである。
市販の車体は今のところ存在していないので、基本的に自作品オンリー。ブレーキ・ステアリング系など、構成部品の多くは二輪・四輪車から幅広く、人それぞれの形で流用されている。以下に各構成部品について簡単に紹介する。

1.フレーム

鉄パイプ等を溶接して組み上げられている。レーシングカーの様なトラス構造のものが多い。
その形状・構造は人によって様々で、製作者の個性がマシンの外観に最もよく現れる。

2.エンジン

50ccの4サイクルまたは2サイクル。さらに過給器を取り付けろ人もいる。
4サイクル : 速いマシンにはホンダCB50のエンジンがよく搭載されている。
2サイクル : スクーター用など、入手が容易で種類も豊富。
エンジンに元々付いている取付穴・ブレケット等を可能な限り利用してフレームに搭載する。たいていの場合ドライバーズシートとリアアクスルとの間に搭載、つまりミッドシップである。
4サイクルエンジン搭載車の中には、過給器を付けたマシンもいて、これには軽4輪のスーパーチャージャー、 A/Cコンプレッサーなどを流用するケースが多い。

3.吸・排気系

吸気系ではマニホールドの長さのチューニングが難しい。短すぎるとパワーは稼げる反面パーコレーションの元になる。冷却の為電動ファンを装着するなどの対策が必要な場合もある。 排気系は、バイクのマフラーなど既存品を加工して製作される様だ。排気管の長さ・形状により出力特性がシビアに変化し、経験がやはりモノを言う。

4.サスペンションアーム

フロントにはレーシングカーのそれに近いダブルウィッシュボーン型アームを汎用のボールジョイントを介して車体に取り付けるものが多い。リアはよりシンプルなスイングアーム型が一般的だが、四輪ダブルウィッシュボーンとしたマシンもいる。 多くが丸スチールパイプ製の自作品。

5.サスペンション(スプリング・ショックアブソーバ)

比較的容易に入手可能なこともあり、スプリングとショックが一緒になっているバイクのリアサスAssyを流用するケースが多い。マシンの味付けに大きく寄与する部分だけに、先述のサスアームと共にそのレイアウトは人それぞれ大きく異なり、ノウハウの見せ所でもある。

6.ブレーキ系

ブレーキはレース走行中にはあまり使用しないため、リアにのみ装着したマシンが多い。スクーターのフロント用ディスクブレーキを流用したりする。勿論四輪に装着するマシンがいたり、スクーターのドラムブレーキをホイールごと流用したりと様々。

7.ステアリング系

レーシングカートに近いクイックなレートのものが最近のトレンド。以前は軽自動車用のステアリングギアボックスを流用したマシンもいた。リンケージ類・ナックルアームなどは軽自動車からの流用・自作など様々。 特にユニバーサルジョイントなどは四輪車からの流用が簡単かつ高い信頼性が期待できる。 ナックルアーム・ハブ周りの部品の組み合わせ方も製作者の腕の見せ所。

8.動力伝達系

二輪用50ccエンジンに元々付いているドライブスプロケットからチェーンを介してリアのドリブンスプロケットへ動力を伝達する。ここまでは普通のバイクと同じ。ドリブンスプロケットはベアリングを介してフレームに2点支持されたシャフトに固定されており、そのシャフト両端から後輪へはドライブシャフトが動力を伝える。ドライブシャフトは四輪車のステアリングシャフトの流用がポピュラーな様で、一緒に付いているユニバーサルジョイントがそのまま使える利点がある。

9.ペダル類

普通の四輪車の様に、右足でアクセル・ブレーキ、左足でクラッチ。ペダルは3つ。が、中には左足ブレーキのマシンやクラッチレバーをシフトレバーに組み込んで一緒に手で操作するマシンなど、多彩である。

10.シフトチェンジ

ギアボックスの配置はドライバーズシート後方にあるエンジンのクランクケースの中、つまりノーマルのままなので、元々チェンジペダルのついていたシャフトからリンケージをドライバーの手元まで伸ばし、シフトチェンジする。シフトパターンは縦一列。

11.ドライバーズシート・シートベルト・ロールバー

シートはカート用、正体不明の自作品など様々。四輪車からの流用は、重く大きい為使われることはない様である。シートベルトは4点式から四輪車のリア用3点式までいろいろ。ロールバーはレギュレーションにより装着は必須であるが、フレームと共に自作が多い。

12.ガソリンタンク

四輪車のウォッシャー液タンクなど、小型軽量なプラスチック製のものを流用することが多い。通常はドライバーズシート後方に設置される。四輪車のエンジンルーム内の部品であれば、元の用途が何であれ十分な対油性を具備しているので心配も少ない。

13.タイヤ・ホイール

タイヤはスクーター用のブロックパターンのものを使用する。 ホイールはやはりスクーター用のものを、必要に応じて補強を入れて使用する。

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